用語を考えるワーキングチーム

チーム長

神人 正寿

小関 道夫,木下 義晶,野崎 太希,林  礼人,堀 由美子,力久 直昭

世界的な医学進歩により、複雑で治療が難しいこの疾患群の原因と病態、適切な治療法が明らかになってきました。この進展に伴い、世界中で混乱していた病名の分類と統一が専門家グループ( International Society for the Study of Vascular Anomalies.:ISSVA)から提案されました。複雑な疾患群の適切な分類 と定義は、個々の疾患を正確に理解するための補助となり、正しい診断は効果的な治療や安全な治療を行うために不可欠な要素です。世界保健機関(World Health Organization:WHO)の新しい国際疾患分類(ICD-11)にも専門家グループが提案する「Vascular Malformation」の疾患概念が採用されました。日本国内ではこの概念に相当する疾患名として「血管奇形」または「脈管奇形」の表現が使用されています。言い換えれば、「血管奇形」または「脈管奇形」は「Vascular Malformation」という新しい疾患概念を指すと疾患名であり、この概念は国内の医療関係者に広まり始めたところです。
 一方で、本学会では「奇形」という表現が持つネガティブなイメージに対処すべきであると会員から意見が出され、学会設立当初からこの問題について議論を繰り返し重ねてまいりました。
 早急な日本語疾患名の変更は大きな混乱を招き、患者さんに不利益をもたらす可能性があるため、慎重な対応が求められます。また、日本医学会や厚生労働省との連携なしに独自に病名を変更することは、この疾患への理解を妨げる可能性があるため、慎重さが必要です。私たちは引き続き患者さんと共に問題意識を共有し、情報提供に努めてまいります。最新の情報は、このウェブサイト上で随時更新されていく予定です。

<これまでの活動>

2019年8月
用語を考えるワーキングチーム設置
2019年11月
患者会に対する、奇形という病名についてのアンケート調査
2020年7月
社会保障審議会統計分科会疾病、傷害及び死因分類(ICD)専門委員会への参加
2021年8月
日本医学会「奇形を含む医学用語改定に関するワーキンググループ」(現「不適切語を含む医学用語の検討ワーキンググループ」) オブザーバー参加
2021年9月
日本血管腫血管奇形学会市民公開講座 パネルディスカッション「知ってほしい 国内で行われている血管腫血管奇形研究の最新情報」内の質疑応答において、患者会からの病名に関する質問に対する回答と情報共有
2022年7月
不適切語を含む医学用語の検討ワーキンググループ オブザーバー参加

 

 

 

 

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