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「子供をタバコの害から守る」合同委員会からの中間報告
日本小児連絡協議会では,子どもをタバコの害から守るために「子どもをタバコの害から守る」合同委員会を組織し,取り組むべき課題について検討を行っていますが,その第3回会議までの中間報告がまとまりましたので掲載します。
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第110回日本小児連絡協議会・平成17年7月26日(資料)
日本小児連絡協議会「子どもをタバコの害から守る」合同委員会
第3回までの途中経過報告
文責:衞藤 隆(委員長)
開催日: 第1回 2005年3月18日(金)18-20時 (社)日本小児保健協会会議室
第2回 2005年5月21日(土)16-18時 八重洲倶楽部会議室
第3回 2005年7月23日(土)15-17時 八重洲倶楽部会議室
委員会構成(委員氏名、所属または団体役職、敬称略):
〔日本小児科学会〕別所文雄(杏林大学)、杉原茂孝(東京女子医大第二病院)、加治正行(静岡県立こども病院)
〔日本小児科医会〕小川英治(副会長)、神川 晃(庶務担当常任理事)、竹本桂一(公衆衛生常任理事)
〔日本小児保健協会〕○衞藤 隆(庶務担当常任理事)、齋藤麗子(東京都町田保健所)、原田正平(国立成育医療センター) ○:委員長
- 委員会の責務と目的
1)責務
子どもをタバコの害から守るため、日本小児連絡協議会(以下、三者協)として取り組むべき課題についての活動を行う。
具体的には、以下の目的を達成するために、所属各団体での子どもをタバコの害から守るための組織の連絡調整を行うと共に、広く社会に働きかける際より影響力を増すため、三者協として行いうる活動を行う。
2)目的
(1)子どもを受動喫煙から守る:家庭、学校、地域、医療機関の無煙化を促進する
(2)子どもが喫煙を開始することを防ぐ
(3)喫煙している子どもの禁煙支援
(4)子どもにかかわる全ての専門職自らの禁煙宣言と専門職中の喫煙者への禁煙支援
以上についての見解を出す。
- 委員会活動の運営経費
委員会にかかわる旅費についてはそれぞれの所属団体より支弁する。委員会報告書の印刷等、委員会として公表することについては日本小児連絡協議会経費より支出する。
- 本委員会として取り組むべき内容として、以下の「10箇条」が提案され、合意された。それぞれの具体化について検討中である。
1)中期的な目標として、「健康日本21」が目標としている、2010年までの「未成年の喫煙率0%」達成のため(http://www1.mhlw.go.jp/topics/kenko21_11/b4f.html)あらゆる活動を展開していく。本委員会としてはこのために、以下の9項目に取り組む。
2)小児科医自らの禁煙宣言などを提言し、活動方針の周知を図る。
「子どもの防煙研究会・宣言」を参考に、「合同委員会」の活動方針を周知するため、各学会誌などへの掲載、各医療機関でのポスター掲示などを計画する。
→(1)「禁煙宣言」を含めて合同委員会の活動をわかりやすく説明するポスター、ステッカー作成し、小児医療施設全てに貼る。
(2)また、防煙研究会のマークなど共通のシンボルマーク制定するのがよいという意見が出された。
(3)この「禁煙宣言」の文案をつくり、三者協をとおして各学会に伝える。
3)あらゆる小児科関係学会・研究会の禁煙化を推進する。
→2)の(3)の「禁煙宣言」がでてから関連学会に働きかけが可能となると考えられる。 学会場の禁煙化はもちろんであるが、借りた会場でタバコを売らない、といった具体的な手順も提案する必要がある。
4)学校敷地内禁煙推進のため、各都道府県などの教育委員会を対象とした再調査等、現状把握のための基礎資料を収集する。
→文部科学省が全国の教育委員会を通した学校調査につき結果を入手する。
5)小児医療専門施設の「敷地内完全禁煙」実現のため、3団体からの申し入れなどを検討する。
→要点を整理し、申し入れ文の内容を検討する予定。
6)小児医療専門施設での「禁煙支援外来」「卒煙外来」などの必要性を検討し、その設置の支援を図る。
→5)と関連させて、具体的な文案を作成する予定。
ニコチンパッチが未成年者で使えるようにするためには、どのような方法があるか、といった、卒煙外来を広げるための環境整備を行うことについても検討中。
7)三者協各団体の年次集会などでの禁煙講演会、禁煙講習会などの開催を検討する。
8)通学路など子どもが簡単にアクセスできる場所からの、タバコ自動販売機の撤去を強く働きかける。
→財務省、厚労省、文科省へ屋外の自販機の撤去を申し入れる文書を作成する予定。
9)公共の場所、食堂・レストラン、JRなど公共交通機関の「喫煙室」「喫煙所」「喫煙車」などへの、子どもの立ち入り禁止を明確にするよう働きかける。
具体的な第一歩として、新幹線など長距離列車の喫煙車の指定席を、子ども用に発売はすべきではないことを、各鉄道会社に申し入れることも検討する。
→「子どもは歩く禁煙マーク」であること、子どもを受動喫煙にさらすことは「児童虐待」であることを認識するように、世論の喚起を図る。
→JR各社への要望書などに対する回答状況の確認。長野新幹線等での「全面禁煙」等の変化出始める。
→公共広告機構等に「喫煙室に子どもを入れない」、「喫煙車両に子どもを連れて立ち入らない」等の主題で広告を出してもらうよう働きかける。この場合、対策を講じないとどのような結果(疾患、健康障害等)を生む可能性があるかについてもふれる。
10)小児科医による、患児家族、教職員などへの禁煙支援について、具体的な方法を検討し、その促進を図る。
小児を診察する医師は、問診時に子どもの周囲の喫煙状況を必ず確認し、子どもへの受動喫煙の害について必ず説明する。
→情報収集にあたり、母親だけでなく父親の喫煙歴も入れる。母子健康手帳にもそのような記載欄を入れる(今は、母親の喫煙歴のみ)。といった、「(子どもの)受動喫煙」に関する情報収集の徹底を図るための具体策を提案する。
三者協各団体のホームページに中間報告を載せる。最終的にはこの10項目の周知をはかる。