公益社団法人 日本小児保健協会

各種委員会

(登録:03.11.13)

社団法人 日本小児保健協会
学校保健委員会報告

未成年者の喫煙を無くすための学校無煙化推進

〈はじめに〉

 WHO(世界保健機関)は、毎年5月31日を世界禁煙デーとして、種々のスローガンを掲げている。1990年と1998年は「growing up without tobacco」であり、無煙環境で子どもを育てたい願いが表れている。一方、わが国は肺がんをはじめ、たばこ病による死亡が年間100,000人を超えているにもかかわらず、喫煙対策は諸外国に比べ遅れている。喫煙年齢の若年化やいわゆる軽いたばこの販売が増え、たばこ自販機の増加や乱立など、子どもを取り巻くたばこ環境はむしろ悪化している。そこで、日本小児保健協会の学校保健委員会では未成年者の喫煙を無くすための学校無煙化推進を図るため、調査・検討を重ねた結果、以下の提言を行う。

1.無煙化推進の背景

 平成15年5月1日から施行された健康増進法第2節には、受動喫煙の防止の項目がある。その第25条では、「施設を管理する者は、これらを利用する者について、受動喫煙を防止するために必要な措置を講ずるようつとめなければならない場所として、学校、体育館、病院、劇場・・・・」と学校が一番先頭に記載されている。これを受け、4月30日には文部科学省スポーツ青少年局学校健康教育課長名で、全国の国公私立小中高大学校長宛に「受動喫煙防止対策及び喫煙防止教育の推進について」の通知が出されている(15国ス学健第1号)。
  それ以前には平成7年5月25日「喫煙防止教育等の推進について」(7国体学第32号)において、各都道府県教育委員会等関係機関に対し「学校等の公共の場においては、利用者に対する教育上の格段の配慮が必要とされることから、禁煙原則に立脚した対策を確立すべき」との考え方が示されていた。
  平成15年7月には、人事院の勤務条件局が「職場における喫煙対策に関する指針」を通知し、新指針として「受動喫煙防止対策には、空間分煙を最低基準とし、可能な範囲で全面禁煙の方向で改善に努めることとする」と通知している。学校内は子ども達が過ごす教育の場であると共に、職員にとっては職場でもある。生徒、教師その他校内の全ての人々の健康のために、全国の学校の無煙化推進に向けて具体的な提言を述べる。
  学校敷地内を禁煙にする理由として埼玉県行田市教育委員会の文書により、以下の5項目が参考となる。

  1. 健康教育推進の視点から喫煙防止教育の一層の充実を図る。
  2. 受動喫煙による健康被害から子どもたちを守る。
  3. 子どもたちの喫煙は非行や薬物乱用の入り口となる可能性がある。
  4. 大人が喫煙しないという望ましいモデルを子どもたちに示すことは重要である。
  5. 健康増進法において、施設管理者は受動喫煙を防止するための措置を講じなければならないとされている。

http://www.city.gyoda.saitama.jp/

 行政の中で、たばこ対策を行うにあたっては、税収の減少という狭い視点で考えるために、対策を講じることの腰が引ける自治体もあるが、その結果、住民の命を犠牲にすることになってしまう。特に子どもの健康という視点に立てば、緊急の対策が必要であることに誰も正面から異論をはさむことは無いであろう。

2.受動喫煙の急性・慢性健康被害

 わが国では喫煙による疾患で年間約100,000人の喫煙者が死亡しているが、非喫煙者も受動喫煙による脳血管疾患、虚血性心疾患、肺癌などによって年間19,000人〜32,000人が死亡していると試算されている。
  たばこ煙にはニコチン、一酸化炭素、各種発癌物質など4,000種類以上の化学物質が含まれ、たばこ煙中の有害物質のほとんどが、主流煙よりも副流煙に高濃度に存在する。そのため、副流煙に数秒間さらされただけでも、眼球結膜や咽頭粘膜が刺激されて痛みを感じ、末梢血管収縮や血圧上昇、心拍数増加などを起こす。また、副流煙中の一酸化炭素が酸素欠乏を引き起こし、頭痛や作業能率の低下を招く。
  成人に比べて子どもでは、受動喫煙による健康被害は更に深刻である。受動喫煙は乳幼児突然死症候群の危険因子であることはよく知られている。それ以外にも、日常的に受動喫煙にさらされている子どもは呼吸機能が低下し、気管支喘息、気管支炎、肺炎などの呼吸器疾患や中耳炎の罹患率が上昇する。成人後の肺癌の発症率が高くなる、という調査結果も出ている。また、受動喫煙は子どもの身体発育や知能発達の悪化をも招く。
  このように、幼い時期からたばこの煙にさらされる生活環境は、子どもの健全な発育や将来の健康にとって大きな脅威であり、子どもにたばこの煙を吸わせるだけでも、子どもの身体と知能を傷つける虐待行為と言っても過言ではない。

3.全国の学校分煙禁煙状況調査

 今回の提言を機に、本委員会では、都道府県・政令指定都市の全60教育委員会を対象に、健康増進法施行後の学校での受動喫煙防止対策に関し質問紙調査をおこなった。調査項目は、1)健康増進法施行後の教育委員会の取り組み、2)地域の小中高等学校での建物内・敷地内禁煙の実情に関する調査の有無とその結果について、とした。
  その結果、60教育委員会中59委員会から回答が得られた。
  都道府県・政令指定都市単位での小中高等学校の学校内禁煙としては、和歌山県教育委員会が既に実施し(平成14年4月から敷地内禁煙)、平成15年度中の実施を計画しているのは福井県、仙台市、広島市、平成16年度以降では茨城県、滋賀県であった。
  検討中は、三重県、徳島県、福岡県、沖縄県(早期に実施予定の見込み)、札幌市、川崎市、京都市、神戸市、福岡市(平成15年度中)であった。
  都道府県立の高等学校での学校内禁煙については、青森県、東京都、岐阜県(敷地内)では平成16年4月から、愛媛県、佐賀県では同年5月から予定されている。また、愛知県でも時期は未定ながら、実施予定である。
  それ以外の教育委員会でも、市町村教育委員会に分煙・禁煙対策を指示するなどしていたが、具体的対策は行っていなかった。
  都道府県・政令指定都市単位での、小中高等学校の学校内禁煙状況調査については、33教育委員会で調査が実施され(うち調査中が2教育委員会)、府県立校のみについては7教育委員会が調査を行っていた。また、8教育委員会で、平成15年度中に調査が予定されている。
  しかし、東京都、神奈川県、愛知県、大阪府(府立校は実施済み)、福岡県といった人口の多い地域を含んだ7都府県、3市では今後も調査が予定されていなかった。
  今回の質問紙調査実施時点で、小学校9,641校中建物内禁煙1,743校、敷地内禁煙751校、あわせて25.9%で学校内禁煙が実現していた。中学校では、4,386校中建物内禁煙611校、敷地内禁煙244校、あわせて19.5%が学校内禁煙となり、高等学校では、2,572校中建物内禁煙168校、敷地内禁煙91校、あわせて10.1%であった。
  新聞報道などで公表された以上に学校の無煙化は進んでいる。今回の調査以後、長野県で知事の強い指導力により、県立学校での全面禁煙が始まり、小中学校の無煙化も指示されるなど、今後の更なる進展が期待される。
  しかし、禁煙ではなく「完全分煙」の指示を出している教育委員会もある。(鳥取県、岡山県)この点に関し、学校内は「全面禁煙」とすることの徹底が望まれる。

4.学校の無煙化を進める方策

 公立学校の禁煙の取り組みとしては、平成14年からの和歌山県の「公立学校敷地内禁煙」が自治体としての初めての取り組みである。
http://www.pref.wakayama.lg.jp/
  その後、青森県深浦町と新潟県妙高高原町でも学校敷地内禁煙が実現した。さらにこの敷地内禁煙は全国に広がりを見せている。
  学校単位では、以前から各地で校内禁煙などが実施されているが、校長の考えや職員会議の決定など手順としてはいろいろな形があったと思われる。
  和歌山県の場合は、平成13年3月「和歌山たばこ対策指針」が制定された後、県の教育委員会が各市町村の教育委員会の協力を得ながら、平成14年度から県内の全ての公立学校を対象に、敷地内について「ノースモーキング・エリア」として制定した。これは児童生徒に対して、健康で清浄な学習環境を作り上げ、禁煙教育を徹底する教育上の配慮でもある。半年間の準備期間中に趣旨の周知や喫煙者に対する支援など、実施に向けての諸問題について幅広い関係者の意見を聞きながら、十分検討を重ね実施された。全国初ということで、慎重に行われたものであるが、その後、実施される自治体はもっと迅速に実施しやすくなったであろう。
栃木県の場合は、平成14年3月、栃木県小児保健会、栃木県母性衛生学会および栃木県思春期研究会合同理事会にて、学校等、子どもが集う場所における禁煙につき、三者合同で提言することが採択され、平成14年6月に栃木県小児保健会総会にて「子どもを受動喫煙、喫煙習慣から守るための緊急提言」が採択された。この提言書では、青少年の喫煙による医学的な弊害ばかりでなく、小児、胎児、妊婦の受動喫煙による医学的弊害についても具体的に言及されており、未成年を喫煙から守るための小児科医からの立場が明確に打ち出されている。提言書は、栃木県知事、県教育長、県保健福祉部長およびマスコミ、県記者クラブに直接送付され、新聞記事にも掲載された。この運動がきっかけとなって栃木県での学校禁煙の動きが始まり、平成15年4月からは、県内の一部の市立小中学校での「学校敷地内禁煙」が開始されるに至った。

5.禁煙・防煙教育の実施

  1. 子ども達に真実を伝える教育
    たばこを「合法だがやっかいな薬物・一種のドラッグ」として、認識させることが大切である。この問題の本質たる「依存」「強い習慣性」について、分かりやすく掘り下げた教育を早い時期に行われなければならない。「たばこ天国日本」に今何が起こっていて、これから何が起きるのかを喫煙対策の進んだ世界の国々と比較して、はっきり知らせ、予防医学的立場からの強い警告をする必要がある。
    また、たばこ企業の販売戦略の最大の標的は、まさに思春期世代であることを認識させる。なぜ「狙われる立場なのか」を理解することが喫煙を避けようとする行動変容に結びつく可能性がある。これは、現在行われている販売促進のための広告、キャッチコピーの解析でよい。分析を生徒自身に行わせるのも効果的である。
    NRT(ニコチン置換療法)が普及してからは、禁煙へのハードルがとても低くなったこと、苦しまず一週間程度の短期間で止めることができるようになったことを知らせる。また、NRTを利用するためには、医療機関への橋渡し役が必要となる。

  2. 実施についての諸問題
    禁煙教育は、特に初回は学校全体でそれもいちどきに行うのがもっとも大切である。一部のクラスにとどまる禁煙教育は労多くして、さしたる効果は期待できない。
    これには、外部講師を利用し、地域でプロジェクトチームを組むと無理がない。県単位で2〜3チームもあれば十分カバーできる。医師会、歯科医師会、薬剤師会、保健師会などで混成チームを組むのがベストである。
    また、会場、設定、音響設備、大容量の映像機材などが必要となるので、学校と行政や地域社会の綿密な連携が必要である。これは学校を無煙化するときに、大きな力となる。
    学校を無煙化するとき、大きな鍵となるのが保護者である。PTA総会での講演は多大な効果がある。ただこれを継続的に行うのは意外に難しい。禁煙教育をほとんど受けずに社会に出てしまった大人たちに話す機会はあまりないので、親と子が同じ知識を共有する効果はきわめて大きい。全体への禁煙教育の後に、校内の養護教師諭や担任教師による知識の確認は必要である。

6.喫煙生徒への対応

 近年、未成年者の喫煙率が上昇するとともに、喫煙開始の低年齢化も起こっている。喫煙開始年齢が低いほど、心筋梗塞や癌による若年死亡の危険性が増すが、それにも増して問題なのは、年齢が低いほど短期間でニコチン依存状態となることである1) - 3)。たとえば、大人ではニコチン依存になるのに5年から10年程度かかるが、中学生ではほんの数週間から数カ月の喫煙でニコチン依存となり、たばこが止められない身体になると言われる。
  喫煙している子どもたちの中でも、既にニコチン依存状態となっている者が少なくないと考えられるが、このような子どもたちに対しては補導や謹慎処分などは意味がなく、「ニコチン依存」という病気としての治療が必要である。実際に、成人対象の禁煙外来を子どもが受診するケースが年々増えており、小児専門病院でも子どもへの禁煙治療が実施されるようになってきた。
  ニコチンガムやニコチンパッチなどの禁煙補助薬を使えば比較的楽に禁煙が可能で、しかも子どもは成人に比べて短期間でニコチン依存から脱却できるため、子どもに対しても積極的に禁煙治療が実施されることが望ましい。
  最近、多くの学校で児童生徒に対して喫煙防止教育が行われるようになってきたが、まだ「未成年者の喫煙は法律で禁止されている」「たばこは20歳になってから」という指導がなされることも多い。しかしながら、これらの文言はむしろ子どもの好奇心を刺激して逆効果を招いている。そうではなく、「たばこは自分自身を傷つけ、周囲の人も傷つける」「たばこは依存性の薬物で麻薬と同じ」だから、「たばこは、子どもはもちろん、大人になっても吸ってはいけない」と教えるべきなのである。

7.喫煙教師への対応

  1. 学内のたばこ問題は、喫煙所を設けて分煙するだけでは解決することができず、学校敷地内禁煙にすることが最低限必要である。その理由として、まず、受動喫煙防止の点から、学校内に喫煙所を設けることには問題がある。建物内に喫煙所がある学校では、喫煙所から廊下に煙や臭いが流れ出るといった問題が起きている。また、生徒や他の教師が、喫煙所にいる教師を呼びに来て受動喫煙に合う場合がある。ひどい例では、喫煙所の吸い殻を生徒に片づけさせている学校もある。さらに、屋外喫煙場所についても、風で煙が流れてくるため、建物の入口からかなり離れた場所に設置しても受動喫煙の起きる可能性がある。そのため受動喫煙防止の一番良い方法は、学校敷地内禁煙である。和歌山県では、学校敷地内禁煙の理由としてさらに、喫煙所があると喫煙する教師が喫煙所にこもりがちになり、生徒や他の教師との交流が減るという問題点を指摘していた。

  2. 文部科学省の平成10年の学習指導要領改訂で、総則3に「健康」という言葉が加えられ、「学校における体育・健康に関する指導は、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする」と規定された。これにより、学校全体で健康教育を行うことが明確となり、すべての教師が「健康教育の先生」でもあるという位置付けが確認された。また、「健康日本21」(2000年)の「たばこの対策」にも、「医療関係者や教育関係者は、国民に対する模範として自ら禁煙に努める」と述べられている。喫煙しないことは健康づくりの基本であり、最低限必要なことである。たばこを吸わないというモデルを示すことは、教職員の職業的責任と考えられる。実際、学校で教職員が喫煙している現状では、喫煙防止教育を始めとする健康教育がうまく機能していない。教師がたばこを吸っている姿を子どもたちに見せてはいけないのである。

  3. 学校敷地内禁煙に向けてたばこ問題に関する理解を深めるため、各学校において教職員や保護者を対象とする「喫煙防止・禁煙支援」の講演会や学習会を開催すべきである。その際には、「たばこの害」、「外国や日本のたばこ対策の推進」、「教師や大人が喫煙しないという良いモデルを示す必要性」、「禁煙支援」などの内容を取り上げると良い。そして、家庭や地域に施設禁煙化運動を広げたり、学校敷地内禁煙を学校と地域の結びつきを強めたりするためのきっかけにすることが望まれる。

  4. 学校敷地内禁煙の実施に当っては、喫煙する教師に対する禁煙支援が重要である。自治体は、禁煙セミナーへの出席義務付けやニコチンパッチやニコチンガムなどの禁煙補助剤に対する費用の補助などを検討すべきである。 和歌山県や愛知県犬山市では、学校敷地内禁煙をきっかけに、かなりの教師がたばこをやめ、本人や家族が喜んでいると聞く。学校敷地内禁煙は、現在喫煙している教師にも、たばこをやめて健康リスクを減らす機会を得るという大きな利点がある。また、たばこを吸っていてやめたという教師は、ニコチン依存、心身不調や病気などの体験があり、さらに禁煙後の状態も経験しているので、喫煙防止教育において、体験談を語るなど大きな役割を果たすことができるであろう。

  5. 教員養成課程を持つ各大学も、喫煙防止教育を充実したり学内のたばこ対策を推進したりすることにより、学生の喫煙者を減らすようにしなければならない。中京大学体育学部では、喫煙防止教育の推進、学内の喫煙規制(建物内禁煙、屋外指定場所以外での喫煙・歩行喫煙の禁止)、及び教育実習期間中の禁煙義務付けにより、2002年度には教育実習履修者男子の喫煙率を2年前の半分近くにまで減少させることができた。なお、公立学校がすべて敷地内禁煙になれば、教職員の喫煙が不適切であることが明確に示されるので、教職課程履修者の喫煙率も当然、大幅に減少することが予想される。

8.防煙環境

 1900年に制定され、100年以上経過している未成年者喫煙禁止法では、未成年にたばこを販売してはいけないこととなっている。子どもの喫煙防止のためには、たばこの販売面からも考えていかねばならない。売る側の利便性だけを追求している現在のたばこ自動販売機は「たばこ規制枠組条約」の批准を待つまでもなく、ただちに撤廃することを要望する。段階を経て廃止する場合には、特に子どもの通学路にある自販機から撤去を始めることを提言する。また、子どもの読む雑誌やコミックなどでのたばこの宣伝や喫煙を助長する内容についても、無くなるように監視していかねばならない。そのための各地の組織作りは極めて大切である。
  たばこの価格は日本では諸外国に比べて格段に安くなっている。1本が約12円という手に入りやすい価格のために、小学生から喫煙習慣を身につけることがめずらしくない現状を考えると、たばこ税を上げてたばこの価格を欧米並の1箱500〜800円にするべきである。これにより子どもの喫煙を減らすと共に、増加するたばこ病の医療費と防煙教育にたばこ税からの予算を使うことも保健医療関係者として提言する。

〈まとめ〉

 未成年の喫煙を無くすためには学校の無煙化推進を提言する。学校内は分煙ではなく禁煙とすることは例外を作ってはいけない。保護者会や授業参観で来校したどのような立場の人々にも守ってもらうのは当然として、運動会などの校舎外においても子どもへの受動喫煙を守ためには、やはり敷地内は禁煙である。それを守ってもらうためには、事前の周知や当日のアナウンスは欠かせない。これはすでに多くの幼稚園や小中学校で実行されていて、特に反発はあまり無いようである。
  学校の無煙化によって、教師のたばこを吸う姿を子ども達に見せることがなくなるのは、大人のモデルとしての教師の一面を考えると良い教育的効果となる。
  未成年者の喫煙を無くすための環境作りをすることが健康的な「たばこの無い社会」への第一歩となり、「煙のないバリアフリー社会」ともなる。

〈文献〉

1) J.R. Di Franza, et al. Initial symptoms of nicotine dependence in adolescents. Tobacco Control 2000; 9: 313-319
2) J.R. Di Franza, et al. Development of symptoms of tobacco dependence in youths: 30 month follow up data from the DANDY study. Tobacco Control 2002; 11: 226-235.
3) Global Youth Tobacco Survey Collaborative Group. Tobacco use among youth: a cross country comparison. Tobacco Control 2002; 11: 252-270.

(2003年9月30日)
(2003年11月18日改訂)


日本小児保健協会 学校保健委員会
名前 所属  
衞藤 隆 東京大学大学院教育学研究科身体教育学コース 委員長
斎藤 麗子 東京都村山大和保健所 副委員長
家田 重晴 中京大学体育学部 委員
加治 正行 静岡県立こども病院内分泌代謝科 委員
小林 正子 国立保健医療科学院 生涯保健部行動科学室 委員
原田 正平 池田町立病院小児科 委員
平間 敬文 光潤会 平間病院・無煙世代を育てる会 委員
保科 優 自治医科大学小児科 委員