この度、第32回日本てんかん外科学会(旧ペンフィールド記念懇話会)を平成21年1月22日(木)から23日(金)まで、東京ステーションコンファレンスにて主催させて頂くこととなりました。たいへん光栄に存じますとともに責任の重さを痛感しております。
昭和53年に「第1回ペンフィールド記念懇話会」として発足した本学会が、名実ともに「日本てんかん外科学会」に発展し、第32回はちょうど10年目となります。この間、諸先輩方のたゆまぬ熱意とご努力により、てんかん外科学が社会的に認知され、さらに急速に普及しつつあることは本学会の大きな成果といえましょう。
てんかんは本来、小児科、神経内科、精神科、脳神経外科などの臨床分野のみならず、神経科学全般にもまたがる幅広い学際的な領域です。その一翼を担う私どもにとって、手術治療がてんかん診療のなかでどのように位置づけられるべきか、意識することが大切と考えます。そこで、今回の学術集会では「てんかん外科と神経科学」、「てんかんの外科治療アップデート」ならびに「てんかん外科と地域医療」をテーマとし、これらの諸問題を総合的にご討論することといたしました。
そのため、まず、教育講演では長峯隆先生、Helmers先生、Cassino 先生をお招きし、「てんかん外科と神経科学」についてご講演賜ります。また、難治性てんかんを治療する上で、外科医にとっても抗てんかん薬の知識は必須となっております。「特別企画」では新規抗てんかん薬についてCassino
先生、赤松直樹先生、須貝研司先生にご解説いただきます。「ランチョンセミナー」では、まずPaetau先生をお招きし、MEGについてご講演賜ります。ついで、2日目には本邦においても臨床応用が注目される迷走神経刺激について、Helmers先生から米国の現状についてご講演いただきます。さらに、「てんかん外科と地域医療」は独立した特別セッションを設け、これからのてんかん外科の発展のために何が必要か、主に外科医以外の先生方や患者団体の視点から、総合的に討論いただくこととしております。
今回は総計100題もの演題を頂戴し、「焦点決定のこつ」、「てんかん手術の長期予後/術後の社会性格」、「多脳葉にわたるてんかん手術」など、さらなる知識のアップデートのため、充実した公募シンポジウムを企画することが出来ました。一般演題は会場の関係で、すべてポスタープレゼンテーションとさせて頂きました。時間の制約もあり、タイトなスケジュールとなりましたことをお詫び申し上げます。
本会の終了後、引き続き、河瀬斌教授を会長として第48回日本定位・機能神経外科学会が開催されます。互いに関連の深い両学会会員のために例年通り、教育的セッションと合同懇親会を企画しております。このたびの学会運営においては河瀬教授ならびに慶應大学脳神経外科教室の先生方にひとかたならぬお世話になりましたことをこの場をお借りして感謝申し上げます。
皆様には日頃の研究と診療の成果を余すところなくご発表いただき、この領域がますます発展するよう祈念しております。実りある学術集会となるよう多くの皆様のご参集を心よりお待ち致しております。
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