F067 軽症認知障害
Mild cognitive disorder
(検索用語句:
高次脳機能障害
)
A.以下の認知機能障害の2つ(またはそれ以上)が存在し、(その人自身または信頼できる情報提供者の報告による)少なくとも2週間のほとんどの時間継続している。
(1)情報を学習または想起する能力の低下として同定される記憶の障害
(2)実行機能の障害(すなわち、計画を立てること、組織化すること、段階化すること、抽象化すること)
(3)注意または情報処理の速度の障害
(4)知覚・運動能力の障害
(5)言語の障害(例:理解、喚語)
B.認知障害の原因と判断される神経疾患または一般身体疾患についての客観的証拠が、身体診察または臨床検査所見(神経画像診断を含む)で認められる。
C.神経心理学的検査または定量的認知評価により、行為の異常または減退の証拠が存在する。
D.この認知の欠陥が、著しい苦痛、または社会的、職業的、または他の重要な領域における機能の障害を引き起こし、以前の機能水準からの低下を示している。
E.認知の障害が、ぜん妄、痴呆、または健忘性障害の基準を満たさず、他の精神疾患(例:物質関連障害、大うつ病性障害)ではうまく説明されない。
(DSM-IV-TR: 精神疾患の診断・統計マニュアル,医学書院,2003)
サブタイプ
- 軽症認知障害 記憶障害あり
過去のことを思い出せない、ついさっきのことを忘れてしまう、新しいことを覚えられない、メモを見ても思い出せない など
- 軽症認知障害 失語症あり
- 軽症認知障害 失行症あり
観念失行・・系列行為の障害
(例・・マッチを擦っても 煙草に火をつけることが出来ない。など)
構成失行・・空間的形態を構成できない。
(例・・お手本と同じ様に積み木を積む事が出来ない。など)
着衣失行・・着衣の障害、左右、前後を間違える、うまく着る事が出来ない。など
肢筋運動失行・・手、足に触れるものを離そうとしない等。
頬−顔面失行・・舌、唇の運動、嚥下動作、顔の表情を指示通りできない等
- 軽症認知障害 失認症あり
- 軽症認知障害 遂行機能障害あり
行動を計画できない、計画してもその通りに出来ない。料理を作ったり、買い物に行ったりできないなど。(前頭葉の障害)
- 軽症認知障害 注意障害あり
ぼんやりしていて自分の周りの人や事象に関心を示さない。
気が散りやすい。簡単なミスが多い。
二つ以上のことを同時にできない。他のことに関心を転換できない
- 軽症認知障害 半側空間無視あり
半側空間無視とは、脳の損傷の反対側に提示された刺激に反応したり、注意を向けたりするのに失敗する。具体的には、左半側無視では、左側の食べ物を食べ残す、移動の際に左側にぶつかる、廊下を移動していて、だんだん右側に寄っていくなどの状態がみられる。