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9月6日

産科医不足 役割分担を急がねば(長野)
 須坂市の県立須坂病院など、県内の総合病院でお産の受け入れを休止する事態が相次いでいる。産科医不足はここ数年で急速に進み、身近な場所でお産ができなくなる状態が広がっている。
 お産の場を維持するには、医師を増やすとともに、医療機関の連携や助産師の活用など緊急対応が必要だ。このまま医師不足が進めば、世界でもトップレベルの周産期医療を揺るがしかねない。
 2001年にお産を取り扱う医療機関は、県内に68あった。急速に医師不足が進み、今年8月には51施設に減っている。
(信濃毎日新聞)

医師不足解消策探る/東北医師連
 東北医師会連合会総会・学術大会が二日、青森市のホテル青森で開かれ、医療関係者約二百五十人が臨床研修制度の在り方や女性医師支援など、医師不足解消の方策を考えた。
 シンポジウムで岩手県医師会の望月泉常任理事は、二〇〇四年度から始まった新臨床研修制度によって、研修医の大学離れや、大都市志向が強まったことを指摘。研修病院の定員見直しや診療科に特化した研修カリキュラムの必要性を訴えた。
(東奥日報)

妊婦たらい回し 安心の出産環境総合的に
 奈良県で妊婦が救急搬送される際、病院に受け入れを次々断られ死産する悲劇が起きた。同県では、昨年八月にも病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となった女性が約二十施設から転院を拒否され死亡している。問題点を洗い直す必要があろう。
 女性は深夜に出血を伴う腹痛を訴え一一九番通報した。広域消防組合が受け入れ先を探したが、「患者を処置中」などとして九施設に拒否された。やっと見つかった大阪府高槻市内の病院に着いたのは、搬送中の事故も重なり通報から三時間後で、胎児はすでに死亡していた。
 奈良県には妊婦が急変した際、かかりつけの病院からの連絡で基幹病院が窓口になって受け入れ先を探す「周産期医療情報システム」があるが、今回は女性にかかりつけの病院がなかったため利用できなかった。
(山陽新聞)

周産期センター:受け入れ要請3分の1を断る 05年度
 切迫早産などハイリスクの出産に対応する全国の総合・地域周産期母子医療センターで、05年度にあった受け入れ要請のうち、約3分の1は満床などのため対応できなかったことが、毎日新聞の調査で分かった。受け入れできなかった件数は、判明分だけで約3000件に達する。地域センターの中には、産科の休診などで機能していない施設があることも判明。医師不足の中、周産期医療(出産前後の母子への医療)の「最後のとりで」が十分に機能を果たせていない実情が浮かんだ。
(毎日新聞)

医療クライシス:がけっぷちの産科救急/1 周産期施設、名ばかり
 人けのない分娩(ぶんべん)室の片隅に、へその緒を留めるクリップや薬剤が封を切られることなく置かれていた。国立病院機構舞鶴医療センター(京都府舞鶴市)は、緊急帝王切開手術など比較的高度な周産期医療(出産前後の母子への医療)に対応する「地域周産期母子医療センター」に認定されているが、昨年4月から産科を休診している。産科の常勤医がいなくなったためだ。
 以前は50代の男性医師と、小さな子どものいる30代夫婦の医師の計3人が勤務していた。だが、リスクの高い患者の来院が多いうえ、3日に1回は当直で、勤務は過酷だった。
 女性医師は、我が子を集中治療室に寝かせながら夜間の緊急手術にも対応していたが、一昨年夏に辞めた。夫の男性医師も一昨年暮れに退職。残った50代の男性医師も疲れ果て、昨年3月にセンターを去っていった。
(毎日新聞)

分娩の取扱中止について(都立荏原病院/東京 )
 平成19年10月以降、産婦人科の医師不足のため、分娩の取扱いを中止します。
 新たな分娩予約は、お断りすることになります。また、既に予約を入れている妊婦さんにつきましては、近隣の病院等を紹介いたします。
 再開の見込みについては、現在のところ未定です。
 なお、院内助産所での分娩を希望する方は、助産師外来にご相談ください。
 ご理解のほど、よろしくお願いします。

医師2人の派遣要請へ 島根県地域医療支援会議(島根)
 島根県と病院関係者らでつくる県地域医療支援会議は三十日、松江市で会合を開き、厚生労働省に対し、津和野共存病院(津和野町)に整形外科医一人、安来市立病院に泌尿器科医一人の派遣を求めることを決めた。同省が六月から始めた緊急臨時的医師派遣システムに基づき、県から初めての要請となる。
 津和野共存病院は、整形外科常勤医師が二人体制だったのが、二〇〇六年七月末までに退職し、ゼロになった。非常勤医師による週二回の外来診療で診療科を維持しているが、救急病院認定を取り下げ、手術や入院対応ができない状況が続いている。
(中国新聞)

「医療施設」低い満足度 島根県、70施策の県民アンケート
 島根県は、現在進めている七十施策の県民満足度調査を実施した。最も重要度が高いと支持されたのは「医療機能・施設の充実」。医療、福祉など暮らしに密着した施策のほか、防災などの「安全・安心」、教育の充実を求める声が多かった。重要度が高いほど税金使用納得度が高く、満足度は低い傾向がみられた。
 重要度で最も得点が高かったのは「医療機能・施設の充実」で、百点満点で95・1点。「優れた医療従事者の確保」が続き、各地の病院で相次ぐ診療科の減少や深刻な医師不足への不安を裏付ける格好となった。その他、「消防防災対策の推進」「学校教育の充実」「災害に強い県土づくり」「原子力安全・防災対策の充実」などが上位に付けた。
 重要度が高い施策が税金使用納得度でも高得点を記録した一方、満足度は伸び悩んだ。「医療機能・施設の充実」の満足度は、同じ「安心して暮らせるしまねの実現」に区分された二十七施策の満足度得点の平均値(41・4点)を下回る38・5点だった。
(中国新聞)

県内で小児科医の偏在が顕著に(青森)
 小児科医が常勤する病院や小児科をメーンとした診療所は、県内に七十五カ所あり、その約八割が青森、津軽、八戸の三圏域に集中していることが県の医療機能調査で分かった。また十五歳未満の人口一万人当たりの小児科医数は、津軽圏域が一一・一人に対し西北五圏域が三・五人と三倍近く差があり、県内で小児科医の偏在が顕著であることが明らかになった。
(東奥日報)

9月5日

県の対応お粗末 医師不足解消策次々破綻 奈良死産問題
 救急搬送された奈良県橿原市の妊婦(38)が医療機関に相次いで受け入れを拒まれ、死産した問題で、受け入れ拒否の背景にあるとされる慢性的な医師不足を解消するため、同県などが取り組んできた医師や看護師の確保策が次々と頓挫していることがわかった。産科医らが求めていた救急搬送態勢の整備計画なども事実上、放置されており、産科医療をめぐる行政の対応の遅れが目立っている。
 県が産科や小児科、へき地の医師不足に対応して今年度から始めた「ドクターバンク制度」。出産などで退職した医師を掘り起こして登録し、医師が足りない病院に紹介する仕組みだ。だが、受け付け開始から5カ月たった今も登録者はゼロ。計19病院に受け入れを断られて昨年8月に死亡した妊婦が最初に診察を受けた町立大淀病院など、県内の公的病院から計9人の求人が寄せられているのに、まったく紹介できていない。
 柿本善也・前知事は昨年11月の記者会見で、昨夏の妊婦死亡を受けて、「庁内で検討会議を設けて検証する」と約束したが、会議はこれまで一度も開かれていなかった。その後、近畿圏での広域連携を強化するための会議が設けられたため、県単独での議論は置き去りにされたという。
(朝日新聞)

加藤被告、落ち度なしを強調/大野病院公判(福島)
 大熊町の県立大野病院医療過誤事件で、業務上過失致死と医師法違反の罪に問われた大熊町下野上、産婦人科医加藤克彦被告(39)の第7回公判は31日、福島地裁(鈴木信行裁判長)で開かれた。
 被告人質問が行われ、弁護側の質問に対し加藤被告は胎盤を、はく離する部位を目視しながら医療用はさみ(クーパー)を使用したことを明らかにし、「手を使ってのはく離より、子宮を傷つけない」と医療行為に落ち度がなかったことを強調した。
(福島放送)

働くパパ、ママの子育て支援組織 10月上旬始動(香川)
 働くパパ、ママの子育てを支援しようと、高松市のNPO法人・いのちの応援舎が国の運営委託を受け、かがわ緊急サポートネットワーク事業を10月上旬、スタートさせる。本番に備え30日、スタッフ会員の事前研修講座が高松市内で始まった。
 同ネットワークは、病児・病後児の一時預かりといった援助を受けたい労働者と、自宅などで子どもを預かることができる看護師や保育士、幼稚園・小学校教諭などの有資格者が、子どもの病気や病後でも仕事が休めないなどの緊急時の育児を助け合う組織。援助を利用する会員、援助を行うスタッフ会員を事前登録し、必要時、同ネットワークが仲介する。
 サポート対象は生後2カ月から小学6年生。年会費、入会金は無料。利用の際には、利用会員がスタッフ会員に利用料金(平日昼間1時間1000円など)を支払う。
(四国新聞)

医療履歴を生涯管理 自宅で健康チェック 来年度からモデル事業
 厚生労働、経済産業、総務の3省は、個人の健康情報をデータベース化し、自宅のパソコンで閲覧が可能になるモデル事業に乗り出すことを決めた。患者が自分の治療履歴や過去に家庭で行った血圧測定結果などの健康データを地方自治体などのデータベースに保存、コンピューターネットワークでアクセスできるようにする。平成20年度の概算要求で計約8億円を盛り込み、来年度から3年間実施する考えだ。
(日経新聞)

9月4日

自治体病院 30区域に再編構想(北海道)
 赤字が深刻化している自治体病院の再編に向けた議論が本格化してきた。道は27日、「共倒れ」を防ぐため、道内を30区域に分けて地域医療体制の維持を図る構想案を公表。今後、地域での議論を深め、年内には正式な構想としてまとめる意向だ。だが、構想案に強制力はないうえ、多くの病院を診療所にするなど規模縮小も迫る内容で、各自治体や住民からの反発が予想される。
 再編構想案は道医療対策協議会の分科会で示された。道内を30区域に分け、各区域におおむね200床以上の中核病院を配置し、医師や医療設備を集約、ほかの病院は診療所などにすることで、役割分担を図る――というものだ。
(朝日新聞)

天使病院 別法人への移管を延期(札幌)
 妊娠後期から生後約一週間の周産期医療の拠点となっている札幌市東区の天使病院の産婦人科医全員が退職する問題で、同病院を経営する医療法人社団カレスアライアンス(西村昭男理事長)は三十一日、十月に予定していた同病院の別法人への移管延期を決めた。
 予定されていた移管先は、西村氏が別に理事長を務める特定医療法人社団カレスサッポロ。同病院の産婦人科医六人は「移管先の経営内容が不透明で、リスクの高い周産期医療は続けられない」として、九月末までの退職方針を決めている。
 西村理事長は三十一日、移管延期の理由について「臨時の理事会・社員総会の開催要請があり、移管の時期にも関係するため」と職員に書面で説明した。カレスアライアンスでは理事有志が西村理事長の退任と経営移管の中止を求め、臨時理事会と社員総会の開催を要求している。
 産婦人科医の一人は「西村理事長が退任し、移管が完全に撤回されない限り、退職の方針は変わらない」と話している。
(北海道新聞)

今般の妊婦救急搬送事案について
(奈良県立医科大学附属病院)

大学附属病院における医療上の事故等の公表に関する指針
(全国医学部長病院長会議)

周産期センター「しっかり整備」と厚労相 妊婦搬送問題
 奈良県の妊婦の救急搬送が多数の医療機関に拒まれ、死産した問題を受け、舛添厚生労働相は31日の閣議後の記者会見で「総合的な周産期の医療センターが奈良など6県で完備していないので、(整備を)しっかり進めていく」と述べた。妊婦の高度救急医療に対応できる施設として、厚労省が各都道府県に設置を求めている「総合周産期母子医療センター」の全国整備を急ぐ考えを示したものだ。
 同省によると、各都道府県に対して今年度末までにセンターを1カ所以上設置するよう求めてきたが、奈良、山形、岐阜、佐賀、宮崎、鹿児島の6県でまだ設置されていないという。奈良は来春に開設予定だった。
 また、舛添氏は「県境をまたぐ救急搬送の連絡体制など細かい問題を総ざらいする。妊婦にかかりつけ医がいなかったという報道もあり、なぜなのか究明してみたい」と話した。
(朝日新聞)

「1病院4診療所」が柱 検討会議、再編案 大崎市民病院(宮城)
 大崎市民病院の将来像を議論してきた市民病院改新検討会議(議長・河合尭昭副市長)は31日、深刻な医師不足や慢性的な経営難といった窮状を打開するため、4病院1診療所の現体制を、将来的に1病院4診療所に再編することを柱とする報告書を、伊藤康志市長に提出した。報告書を受け、市は近く方針を決める。
(河北新報)

県が周産期医療講座を設置 今月から滋賀医科大に研究費寄付
 妊娠後期の胎児や新生児の死亡率を下げようと、県は滋賀医科大学(大津市)に周産期医療の研究講座を設置する。期間は九月から二年七カ月。不足する産科医や小児科医の育成を目指しており、県は年度ごとに研究費二千七百五十万円を寄付する。三十一日には県庁で、講座開設に向けた調印式が行われた。
 厚生労働省のまとめでは、妊娠二十二週から生後七日未満にあたる周産期の県内の死亡数は昨年は八十三で、出産数の6・1%を占めた。全国平均を1・5%上回り、ワースト7位。産科医や小児科医の不足や、施設整備の必要性が指摘されている。
 講座では、死亡率が高い原因や医療体制の問題点を調査。地域の診療所と専門病院とのネットワークづくりを研究する。
(中日新聞)

知事明言も…奈良県、1年前の妊婦死亡で検証放置
 奈良県橿原市の妊婦の転送先が決まらず死産した問題に絡み、昨年8月に同県の妊婦が転院を断られた後に死亡したケースで、当時の柿本善也知事が県の周産期の搬送体制について「検討会議を立ち上げ検証する」と会見で明言したものの、県は会議を開かなかったことが31日、分かった。
 死亡した妊婦の遺族が担当医らに損害賠償を求めて提訴しており、県は「訴訟に影響を与える懸念もあった」としている。具体的な検証のないまま、1年後に再び悲劇が起きた形で、県の取り組みが問題視されそうだ。
(産経新聞)

9月3日

県内初、自治体病院統合の協議始動へ 掛川・袋井(静岡)
 建て替え時期を迎えた袋井市民病院と掛川市立総合病院の統合問題について、原田英之袋井市長は30日、統合協議を進めるよう掛川市に申し入れする意向を表明した。原田市長が統合問題で方向性を示すのは初めて。掛川市では、戸塚進也市長から判断を委ねられた市議会病院問題特別委員会が同日、「統合に賛同する自治体と具体的な協議を行うこと」を市長に要請したことから、近く協議に向けた準備会が設置される公算となった。自治体病院の統合が協議されるのは県内初。
(静岡新聞)

ワタミ社長渡邉美樹の「もう、国には頼らない。」 「官」のしあわせの行き着く果ては

■「公的サービス」に守られると、過重労働になる?
 実際、本連載や、書籍(『もう、国には頼らない。 経営力が社会を変える!』)で取り上げている教育、医療、介護、農業の現場で、仕事にやりがいを覚えている人はどれくらいいるのでしょう。
 いいんだよ、やりがいなんかなくても。楽で、お金が入って、ストレスもなくて。
 そうおっしゃる方がいらっしゃるかもしれません。でも本当にそうでしょうか。官に守られてのんびりしていられたはずの、こうした「公的サービス」分野の仕事の現場は今、人手不足と過重労働で青息吐息、というケースが少なくないのです。
 大手病院では大変な医者不足、看護師不足に陥っているという話が珍しくありません。真面目な医師が過労死したり、自殺したりする。
 皮肉な話です。「官」に保護されて、市場の暴力にさらされないはずの仕事の現場が、甘い汁をすすっているかと思えば、さにあらず。自分で自分の首を絞めてつらくなっているのです。
 なぜそうなるか。理由はふたつ。
 ひとつは保護してきた結果、そのマーケット自体が閉鎖的になったということ。もうひとつは、それと同時に行政が使うお金を減らしていき、それを均等につまらない形で分配しているということ。私にいわせれば、競争原理、市場メカニズムが働いていない世界では「必ず」起きる事態です。
 医療を見てください。いま叫ばれているのは、産婦人科医と小児科医の不足です。少子化の危機が叫ばれているのに、こんな状態ではますますみんな子どもをつくらなくなる、いや、つくれなくなるでしょう。医療行政がいかに何の役にも立っていないか、という典型的な事例です。国の医療予算も減ってきますから、高齢者にも治療代を払わせるようになる。年金だって、70歳以降にならないと支給されなくなる。
(Biz Plus)

妊婦搬送先探し、都市も難航 「県境越えは日常」
 救急搬送された妊婦(38)が、多数の医療機関で相次いで受け入れを拒まれ、死産した。昨年8月にも、19病院に受け入れを拒否された妊婦が死亡している。昨年も今回も、悲劇は同じ奈良県で起きた。だが、妊婦の搬送先探しは、同県以外でも、都市部を中心に難航している。
 お産を扱う医療機関が年数カ所ずつ減っている神奈川県。同県には、八つの基幹病院が搬送の受け入れ先を探す「周産期救急医療システム」がある。05年度は依頼があった1655件中、そのまま基幹病院で受け入れたのは26.6%。県外搬送も9.5%ある。搬送先が決まるまで「1〜2時間」が20%、「2〜3時間」が8%、「3時間以上」も3%。多胎などの17件は、搬送あっせんができなかった。
(朝日新聞)

京大病院、セクハラ相談を放置 労働局が行政指導
 京都大医学部付属病院(京都市左京区)が元看護師の女性(31)から昨秋、セクハラ相談を受けたのに早く対応しなかったとして、京都労働局が男女雇用機会均等法に基づき同病院を行政指導していたことが分かった。同病院は「結果的に対応が遅れ、反省している。9月中に本人へ調査結果を伝えたい」と説明している。
 女性は昨年10月、職場の宴会から帰宅途中に同病院脳神経外科の医師に性的暴行をされたとして、同月に相談窓口に申し出た。病院側の反応はなく、今年1月に再度訴えたが、同病院人権委員会は今も女性から事情を聴いていないという。
(朝日新聞)

被告の医師が検察調書を否定 帝王切開手術中の死亡事件
 福島県立大野病院で、04年に女性(当時29)が帝王切開手術中に死亡した事件の第7回公判が31日、福島地裁(鈴木信行裁判長)であり、業務上過失致死と医師法(異状死体の届け出義務)違反の罪に問われた産科医加藤克彦被告(39)が、被告人質問に臨んだ。
 加藤被告は「クーパー(医療用ハサミ)を使えば胎盤の取り残しもなく、子宮も傷つけないと判断したと説明したが、検察官には理解も納得もしてもらえなかった」と述べ、検察調書を否定した。加藤被告は、取り調べ段階では施術が不適切だったと供述していたが、初公判では「適切な処置だった」と主張した。
(朝日新聞)

妊婦搬送 生かされなかった教訓(中国新聞社説)
 妊婦の救急搬送で、悲劇がまた起きた。しかも昨夏妊婦が死亡した、同じ奈良県。腹痛で救急車を呼んだ橿原市の女性(38)の受け入れ先が決まらず、死産になった。
 奈良では昨年八月、大淀町の病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明になった女性が、約二十の病院に転院を断られ、搬送先の病院で八日後に死亡した。同県はリスクの高い妊婦を受け入れる総合周産期母子医療センターが未整備の六県のうちの一つ。事態を受け、整備を急いでいる最中だが、センターができても、医師の確保など依然課題も残っているという。
 昼夜を問わぬ過酷な労働条件や他の診療科に比べ高い訴訟の割合。産科の医師不足は奈良に限った話ではない。
 広島県では産科医が減る中、医師の負担を軽くし、充実した医療を行うため、各地域の基幹病院に産科医を集める集約化の検討を進めている。少ない医師で効率よく診療しようというわけだ。
 こうした工夫だけでなく、医師不足を解消する対策も急がれる。勤務医の待遇改善や助産師の活用、女性医師が育児休業後に復職しやすいような制度の充実。医療体制がしっかりしていなければ、安心して出産できない。

県内、搬送拒否事例ゼロ 徳大核に周産期医療システム構築(徳島)
 奈良県内の妊婦(38)が九つの病院から受け入れを断られ、死産した問題は、産科医療体制の不備をあらためて浮き彫りにした。徳島県は、徳島大病院(徳島市蔵本町二)の「総合周産期母子医療センター」を核とした県周産期医療情報システムを構築。県内全域の緊急時に対応しており、搬送拒否の事例は起きていない。ただ徳島市から遠い地域では不安もあり、各地での体制整備が求められている。
 総合周産期母子医療センターは、妊婦の異常出血や未熟児出産、外科手術が必要な新生児などに二十四時間体制で対応する施設で、徳島大病院は二〇〇五年一月に開設。これを機に、県が同病院を周産期中核医療機関と定め、情報システムを整えた。
(徳島新聞)

上伊那医療問題研究会発足 伊那で初会合(長野)
 深刻化する医師不足を受け、上伊那地方の医療問題を研究し、解決策を見いだす「上伊那医療問題研究会」が30日発足し、伊那市の駅前ビルいなっせで初会合を開いた。行政や公立3病院の関係者らが参加し、現状と課題を協議。来年4月から昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が産婦人科を休止するのに伴う地域でのお産の受け皿確保と、夜間救急医療への対応を早急に検討していくことにした。
 夜間の救急医療は、軽症患者の受診による病院医師の過剰負担の解消が課題とし、対策として 1.夜間在宅当番医を医師会に依頼 2.軽症者を対象とした夜間診療所を開設─の2案が示され、まずは上伊那医師会に検討を依頼することになった。
 関連し、軽症者を扱う1次医療と、入院が必要など重症者の医療(2次医療)の住み分けの明確化を図るため、市町村の広報誌などで周知を図ることを確認した。
(長野日報)

来年1月から分娩の受け入れ制限へ/茅ケ崎市立病院(神奈川)
 茅ケ崎市立病院(仙賀裕院長)は三十日、来年一月から出産、分娩の受け入れを制限すると発表した。近年の産科医不足を背景に周辺の病院で出産取り扱いの休止、制限が相次いでおり、予約制限のない同病院への予約が急増していた。
 今後は茅ケ崎市、寒川町在住者を優先して予約を受け付けるが、月六十件の上限を超えた場合は断ることもある。合併症を伴うなど緊急性があれば「万難を排して受け入れる」としている。
 同病院が受け入れている月平均の分娩件数は、二〇〇五年度が五二・四件、〇六年度は五七・二件。本年度は七月までの平均で六三・五件とさらに増加している。
 同病院によると、近隣の市立病院では平塚市民病院以外は受け入れを制限しており、民間医療機関の分娩取り扱い休止も急増。同病院の産婦人科の常勤医師は四人で、同規模の病院としては「ギリギリの人数」という。
(神奈川新聞)

9月2日

救急搬送の問題、対応検討=安倍首相
 安倍晋三首相は30日午後、妊婦を乗せた救急車が病院探しに手間取り、流産した問題に関し「大変胸が痛む。救急搬送の問題や産科医不足について対応を検討したい」と述べた。首相官邸で記者団の質問に答えた。
(時事通信)

奈良妊婦死産:奈良知事座長に再発防止検討会設置へ
 奈良県橿原市の妊婦(38)が救急搬送中に死産した問題を受け、荒井正吾知事は30日、記者会見し、原因究明と再発防止のため、来週にも自らを座長とする検討会議を設置することを明らかにした。
 検討会議は、県立医科大など県内の主要病院や消防関係者などのほか、厚生労働省や大阪府などにも参加を要請。約20人のメンバーで、11月をめどに提言をまとめる。有効な改善策は、11月を待たずに実施していく。
(毎日新聞)

産科医療機関に赤字補てん 医師確保対策で政府
 政府は30日、地方の病院への医師派遣や医学部定員増などを柱とした「緊急医師確保対策」をまとめた。医師派遣に協力した病院や、地域のお産を担う病院への補助制度を来年度から新設するほか、地域医療の担い手となる医師を養成するため、全国合計で年最大285人まで大学医学部の定員増を認める。
 厚生労働、文部科学、総務など関係省庁の連絡会議で決めた。各省庁は関連予算を08年度予算の概算要求に盛り込む。
 対策の目玉は、医師不足解消に向けた病院の取り組みを後押しする補助制度だ。(1)国や都道府県が仲介する医師派遣に応じた病院(2)交代勤務など医師の過剰勤務解消に取り組む病院(3)出産などで休職した女性医師の復帰を支援する病院、などが新たに補助の対象になる。
 医師不足から分娩(ぶんべん)を取りやめる病院が相次いでいる問題を受け、産科を抱える医療機関への収入補填(ほてん)制度もつくる。地域内で代替施設がない病院が分娩を休止しないよう、分娩数の減少に伴う収入減を補助金で補う。
 医学部卒業後2年間の臨床研修を機に、地方の医学部卒業生が都市部の病院に流れる動きに歯止めをかけるため、都市部の病院の研修定員を減らすほか、医師派遣に協力しない病院に対しては、研修実施に伴う補助金の削減も検討する。
(朝日新聞)

終末期医療、チームで判断・医師会が指針中間答申
 日本医師会の生命倫理懇談会は30日までに、「終末期医療に関するガイドライン」の中間答申をまとめた。終末期の治療開始、不開始、変更、中止の判断は複数の医療従事者による「医療・ケアチーム」が行うと規定。ガイドラインに基づき延命措置を中止する行為が法的責任を問われない体制づくりの必要性にも触れた。
 ガイドラインは、治療方針の決定は「患者の意思決定が基本」とし、説明の際に「医師は押しつけにならないように配慮し、十分に話し合いを行い、その内容を文書にまとめる」と明記した。
(日経新聞)

奈良県の「ドクターバンク」、いまだ登録医ゼロ 産科・小児科 不足解消遠く
 奈良県橿原市の妊婦(38)の受け入れ先病院探しが難航した問題で、同県が今年度スタートさせた産科や小児科の医師OB登録の「ドクターバンク」制度が、いまだ登録ゼロで機能していないことが30日、分かった。また、計3回にわたり受け入れ要請を断った県立医大付属病院(同市)ではベッドが1床空いていたにもかかわらず、医師が別の患者の処置に追われて受け入れられなかったことも判明した。
 奈良県の「ドクターバンク」制度は、高崎実香さん=当時(32)=が昨年8月、分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院から転院を断られた末に後日死亡した問題を教訓として整備された。
(産経新聞)

奈良妊婦死産:厚労省の早急な対応促す 与謝野官房長官
 与謝野馨官房長官は30日午前の記者会見で、奈良県橿原市の妊婦の受け入れ施設がないまま、救急車内で死産した問題について「大変残念な、悲しい結果になった。舛添(要一)厚生労働相もきちんと対応するとおっしゃっている。まず厚労省の対応がきちんとなされることをみていきたい」と述べ、厚労省の早急な対応を促した。
 また、与謝野長官は「せっかく母胎の中で子供が育っていよいよ出産という時になって、出産できる場所が見つからない、あるいは流産を食い止めるところが見つからないというのは日本の医療制度として欠けているところがある」と指摘した。
(毎日新聞)

自治体病院改革、効率優先に懸念
 総務省の「公立病院改革懇談会」は8月29日、2回目の会合を開き、全国自治体病院協議会の小山田恵会長ら関係者3人からヒアリングした。
 小山田会長は、懇談会がまとめる自治体病院の改革の方向性などを盛り込むガイドライン(GL)の中身について、「効率第一主義だと医師が(自治体病院から)逃げ出しかねない」と述べ、内容次第で医師不足に拍車がかかりかねないとの懸念を示した。
 また、改革の方向性については、地方公営企業法の全部適用で政治的・法的な制約を取り外すことが第一歩とし、それでも改革が進まなければ「非公務員型の地方独立行政法人への移行もやむなし」と強調した。
(キャリアブレイン)

受け入れ拒否 死産、1年前には妊婦死亡
 奈良県内から救急搬送された妊婦が29日、同県や大阪府などの計9病院で受け入れを断られ、救急車内で死産した。同県では昨年も、公立病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となった妊婦が、同府内などの19病院に受け入れを断られた末、搬送先の病院で8日後に死亡。これを教訓に、県などが妊産婦の救急搬送システムの改善を急いでいるところだった。産科医の不足、それに伴う病院の産科撤退は全国で深刻化しており、命の誕生を担う産科医療が危機に直面している。
(読売新聞)

事故後も3病院が断る 搬送中の妊娠女性流産
 受け入れ先が見つからず、大阪府高槻市の高槻病院へ搬送中に救急車が事故を起こし、流産した奈良県橿原市の女性(38)は事故後に1度、高槻病院に断られ、ほかの2病院も受け入れを拒否、最終的に高槻病院が引き受けたことが29日、奈良県の説明で分かった。
 県などによると、事故の後、搬送を引き継いだ高槻市消防本部の隊員が流産したと説明。高槻病院は「既に流産したなら処置は難しい。緊急手術も入っている」と断った。大阪府内の2病院に断られ20分後に再び要請し受け入れたという。
(中日新聞)

中津市民病院医師確保へ 大分、福岡7市町連携 対策研究協議会を設立
 医師不足に伴い産科を休診している大分県の中津市民病院の医師確保や救急医療体制の整備を目指そうと、同市や豊前市など大分と福岡両県の7市町が29日、「中津市民病院広域医療圏対策研究協議会」を設立した。
 同病院は医師の相次ぐ辞職で今年4月から産科を休診。危険性がある出産時には約1時間かけて大分や別府、北九州市に患者を搬送しており、市民から不安の声が上がっている。
(西日本新聞朝刊)

天使病院 理事長に退任勧告 理事7人「地域医療に混乱」(北海道)
 妊娠後期から生後約一週間の周産期医療の拠点となっている札幌市東区の天使病院の産婦人科医全員が退職する問題で、同病院を経営する医療法人社団カレスアライアンス(室蘭、西村昭男理事長)の理事十七人のうち七人が西村理事長に「地域医療に重大な混乱を招いた」として退任を勧告していることが、二十九日分かった。
 退任勧告は西村理事長が今年五月、天使病院を、西村氏が別に理事長を務める特定医療法人社団カレスサッポロ(札幌)に移管することを決めたことをめぐる混乱が理由。この決定について、同病院の産婦人科医六人全員が「移管先の経営内容が不透明で、リスクの高い周産期医療は続けられない」として、九月末までの退職をカレスアライアンスに通告した。
(北海道新聞)

9月1日

救急車流産:受け入れ不可能の病院産科医、分娩に追われ
 奈良県橿原市の妊婦(38)が大阪府高槻市の病院へ搬送中に救急車内で流産した問題で、受け入れを不可能とした9施設のうち、4病院が当時、わずかな人数の産科医で分娩(ぶんべん)などに追われている状況だったことが29日、毎日新聞の調べで分かった。全国的に問題とされている産科医療の体制不備には、分娩の取り扱いをやめたり、制限する産科が相次ぎ、分娩を続ける病院に負担が集中しているという実態が背景にあることが改めて浮き彫りになった。
 受け入れの要請は、午前3〜4時の間で、4病院が、医師が足りず、受け入れの余裕がなかった。最初に要請を受けた奈良県立医科大付属病院は、2人の当直医が陣痛の患者の診察に当たっており、受付の職員を通じて、受け入れ不可能と回答。同病院には、3時半と4時ごろにも要請の電話があったが、大量出血の患者の搬送が予定されているなどの理由で受け入れられなかった。
(毎日新聞)

救急搬送中の妊婦死産、厚労相「省として検証、措置とる」
 舛添厚生労働相は29日夜のNHKの番組で、受け入れ病院が見つからず、救急搬送中の妊婦が死産した問題について、「厚労省としてきちんと状況を検証して、しかるべき処置をとりたい」と述べ、調査に乗り出す考えを示した。
 番組終了後、舛添厚労相は記者団に対して、「(奈良県では未整備の)総合周産期母子医療センターの整備を早めるなどの処置が考えられるが、まずは状況を把握したい」と語った。
(読売新聞)

小児救急のかかり方ハンドブックを作成/横浜市
 手軽で見やすくなりました-。横浜市は、教育出版大手のベネッセコーポレーションと協働で「小児救急のかかり方 ハンドブック」を作成した。表紙には、子供に人気の同社のキャラクター「しまじろう」をあしらい、後半には子育て支援情報も掲載し、親しみやすくなっている。
 市の公募に応募した同社が、約一千万円の費用を負担し十万六千部を印刷するなど、市側はコスト負担なしで、ベネッセにとっては企業PRにつながる仕組み。市は九月から、乳幼児検診や市内の小児医療機関などで配布していく。
 市は、育児不安に伴い小児救急患者が増加する一方、小児科医師・医療機関が減少している現状から、症状に応じて適切に受診してもらうため、二〇〇六年度に「小児救急のかかり方」(三万部、費用三百万円)のパンフレットを作製した。
(神奈川新聞)

いわき市など三者が医療確保で協定(福島)
 いわき市医師会、同市病院協議会、同市の三者は医療の確保に関する協定を締結した。産婦人科を中心とする病院勤務医不足や地域医療が抱える問題解消を目指す。協定締結を受け、市民の安全・安心を確保する医療体制を構築するため連携を図る。具体的には、三者が協力して大学医局に働きかけ、病院勤務の医師確保に当たる。
(福島放送)

奈良から救急搬送の妊婦が流産 10病院受け入れ断る
 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、奈良県橿原市の妊娠3カ月の女性(36)を搬送中だった中和広域消防組合(橿原市)の救急車と、大阪府茨木市の宅配業の男性(51)運転の軽ワゴン車が衝突。女性は高槻市消防本部の救急車で約40分後、約4キロ離れた同市内の高槻病院に到着したが、流産が確認された。女性らにけがはなかった。事故と流産の因果関係は不明だという。
 女性は事故の約2時間半前の同日午前2時40分ごろに橿原市内で腹痛と出血を訴えて119番通報したが、受け入れ可能な病院が見つからず、そのまま救急車内で待機。10病院、延べ12番目に問い合わせに応じた高槻病院へ向けて出発するまで約1時間半かかっていた。通報現場から病院までは直線距離で約40キロ離れていた。
(産経新聞)

救急車事故:搬送中の妊婦流産 大阪
 29日午前5時10分ごろ、大阪府高槻市富田丘町の国道171号交差点で、妊娠3カ月の奈良県橿原市の女性(36)を搬送中の救急車と軽乗用車が出合い頭に接触した。搬送先の高槻市の病院で、胎児の死亡が確認された。女性は119番から車中で約1時間半も受け入れ先が決まらず、橿原市から約41キロ離れた高槻市の病院へ運ばれる途中だった。昨年8月には、奈良県の妊婦が転送先が見つからずに容体を悪化させて死亡しており、周産期医療の救急体制の不備が浮き彫りになった。
(毎日新聞)

副大臣:22人決定 郵政造反組も起用
◇厚生労働
 西川 京子氏(にしかわ・きょうこ)議運委理事。早稲田大。衆院福岡10区。当選3回。61歳。伊吹派。
 岸  宏一氏(きし・こういち)議運委理事。早稲田大。参院山形。当選2回。67歳。谷垣派。
(毎日新聞)

8月31日

へき地以外にも医師派遣=地方中核病院など視野−不足対策で新制度検討・厚労省
 医師不足の解消策として、厚生労働省が現在へき地だけに限定している医師の人材派遣を、へき地以外にも広げる方向で検討していることが28日、分かった。同省が同日の労働政策審議会に提案した。
 厚労省医政局は「地方部の中核病院などの医師不足解消が目的」としているが、民間の人材派遣会社の参入を認めるかといった問題点や、意思疎通が必要なチーム医療の障害になるとの指摘があり、現実化するかは未知数だ。
(時事通信)

1日から島根県小児救急電話相談(島根)
 休日や夜間の子どもの急な病気への対応に困った時、電話で相談できる「島根県小児救急電話相談」が一日、スタートする。県内どこからでも短縮番号(#8000)をプッシュすると、県が委託した民間の相談窓口(東京)に転送され、看護師や小児科医からアドバイスが受けられる。
 利用できるのは平日午後七時から同十一時まで。土日祝日は午前九時から午後十一時まで。通話料は利用者負担。
 電話相談は例えば、子どもが急に発熱した場合、様子を見た方がいいのか、病院に連れて行ったほうがいいかなど迷った際の助言や、その時点で受診が可能な県内の病院の情報などを提供し、保護者の不安を取り除く。小児科医も対応するが、電話での診断や治療はしない。
 同事業は、二〇〇四年から国の呼び掛けで実施され、八月一日現在、鳥取県などを除く三十八都道府県が導入している。保護者のサポートだけでなく、小児科医師不足や地域偏在の現状を踏まえ、小児科医の深夜の激務を軽減する狙いもある。
(山陰中央新報)

24時間保育で看護師ら確保 大病院でも相次ぎ導入 仙台
 看護師ら職員全員を対象に、子どもを預かる24時間保育に乗り出す病院が仙台市内で増えている。求人に悩む病院が、人集めの切り札として実施するケースはこれまでもあったが、比較的人材が集まりやすい大規模な病院でも導入が相次いでいる。各病院が子育て支援に力を入れる背景には、深刻な医師・看護師不足がある。
 仙台赤十字病院(太白区)は今月、建物の一部を改装し、年中無休で24時間子どもを預かる施設「かるがもハウス」を開いた。運営は民間委託し、ゼロ歳児から未就学児まで、一時保育は小学3年生まで預けられる。
 職員の勤務時間外でも預かるなど、利用しやすいように工夫したのが特徴だ。未明に勤務を終えた看護師が保育所に子どもを寝かせたまま帰宅したり、夫婦だけで休日を過ごしたりする時の利用も想定している。
 同病院の約540人の職員のうち80%が女性で、共働き世帯が多い。産科、小児科などで構成する総合周産期母子医療センターを備えており、女性医師の割合も高くなっている。
 施設改装費に1300万円かかったが、松本和夫事務部長は「子育て中の職員が安心して仕事できる。メリットは大きい」と意義を語る。
 市内では昨年12月、国立病院機構仙台医療センター(宮城野区)が施設内にある保育所で、週1日だけ24時間保育を始めた。利用はまだないが、若手医師に女性が増えていることから「ニーズは今後高まる」(管理課)とみている。
 各病院が24時間保育所の開設に乗り出した背景には、産科や小児科などで医師が不足している現状がある。
(河北新報)

診療報酬不正、藤枝市立病院の保険医療機関指定取り消しへ
 静岡県藤枝市の藤枝市立総合病院(病床数654)が、一部の歯科治療で診療報酬を不正に請求していた問題で、静岡社会保険事務局は28日、同病院の保険医療機関の指定を10月1日から取り消すと発表した。
 取り消し期間は5年間だが、住民への影響が大きいため、厚労省などは改善計画を提出させ、1か月で再指定を認めることも検討する。病院側は、取り消し期間中の診療を救急患者や計画的治療が必要な患者に限る方針を示した。
 厚生労働相の諮問機関である静岡地方社会保険医療協議会が28日、指定取り消しが妥当と答申し、同局が処分を決めた。併せて同病院歯科口腔(こうくう)外科の歯科医師2人の保険医登録を29日から取り消す。
 同病院は28日夜に記者会見を開き、金丸仁病院長ら12人を減給10%(6〜1か月)の懲戒処分とし、早期の再指定を申請することを明らかにした。取り消し期間中は全額が患者負担となるため、病院側は新規治療を原則として断る。
 急患や計画的治療が必要な患者は、保険診療と同様に原則3割の自己負担で治療を受けられるようにし、差額分は病院側で負担する。病院によると、1か月あたり数億円の損失になる見通し。
(読売新聞)

医師確保に765億円 ネットカフェ難民支援も 厚労省概算要求
 厚生労働省は28日、平成20年度予算で一般会計総額の概算要求が22兆1604億円(本年度当初予算比3.2%増)となったと発表した。地方を中心に深刻な医師の不足や偏在に対応するため、医師確保対策などの関連経費に765億円(17.7%増)を計上した。
 このうち、国が主導して緊急に医師を派遣するシステムに30億円。新たな施策として、交代勤務制などを徹底し、過重労働を解消した病院に補助金を支給する事業(13億円)、離職した女性医師の復職を支援するため病院などで実施される研修費に5億円を要求。
(産経新聞)

産科医不足対策に助産婦 県が初会合(長野)
 深刻化する産科医不足対策に助産師を活用しようと、県は27日、助産師支援検討会の初会合を松本市の県松本合同庁舎で開いた。病院で助産師が健診や保健指導を行う「助産師外来」の増設を求める声が多く出た。県は12月までに2回の会合を開き、助産師の活用策に一定の方向を打ち出す方針だ。
 県産科・小児科医療対策検討会が3月、医師不足対策の提言で「助産師の活躍を期待」とし、助産師外来や院内助産所の開設を検討するよう明記したのを受け、助産師支援検討会を設置。県によると、出産を受け入れている県内44の病院・診療所で助産師外来があるのは14、院内助産所はない(昨年8月現在)。
(品の毎日新聞)

医師派遣、自治体仲介で・厚労省が新制度検討
 厚生労働省は、医師の過不足に応じ、病院間で機動的に医師を融通しあう新制度を作る検討に入った。都道府県単位で医師の勤務状況を点検。自治体の仲介で余っている病院の医師を足りない病院に派遣する。28日の労働政策審議会(厚労相の諮問機関)で議論を始め派遣期限や雇用形態などを詰める。一部の地域や診療科で深刻化している医師不足の解消が狙い。
 現在実施されている医師の融通は、系列病院や親密病院同士が主流だが、相対の交渉が中心で客観的な需給に基づいているわけではない。新制度では、都道府県単位で医療計画を作る「地域医療対策協議会」を活用。同協議会が把握した病院ごとの医師の過不足状況をふまえ、不足している病院への医師派遣を、余っている病院に求める。
(日経新聞)

県立須坂病院 来年度以降、お産の扱いを休止(長野)
 県立須坂病院(須坂市)は27日、産婦人科の常勤医2人のうち、けがでお産を担当できない1人の代替要員確保が難航しているのを受け、来年度以降、お産の扱いを休止すると正式に発表した。妊婦の検診や出産後の外来診療は続けるが、来年4月以降に予定する出産は受け付けず、隣接地域の出産施設の情報を提供する。新たな医師が見つかれば、できるだけ早い時期にお産の扱いを再開する方針だ。
(信濃毎日新聞)

医師確保策、連携で合意 道・北東北知事サミット
 【旭川】第十一回北海道・北東北知事サミットが二十七日、旭川市内のホテルで始まった。初日は高橋はるみ知事と、青森・三村申吾、岩手・達増拓也、秋田・寺田典城の各県知事が、医師確保対策での連携や、文化庁に「北海道・北東北の縄文遺跡群」を世界遺産に推薦するよう求めることなどで合意した。
 医師確保については、関係機関に対し《1》大学医学部の定員増で医師の絶対数を増やす《2》地域医療を目指す医学生への奨学金に財政支援をする《3》女性医師が出産後も継続して勤務できる措置を講ずる−などを求めていくことを決議した。併せて、臨床研修医確保のため、四道県合同説明会を首都圏で開催することなども確認した。
(北海道新聞)

自治体病院再編 区域分け公表 道医療対策協素案、ほぼ了承
 赤字が深刻化している自治体病院の広域化・連携構想を検討している道医療対策協議会(会長・高橋はるみ知事)は二十七日、分科会を開き、道内の自治体病院を三十の区域に分ける再編素案について、初めて各自治体の区域分けを公表した。
 構想は、赤字経営に苦しむ自治体病院を区域ごとに再編して医師や設備を集約。それ以外の自治体病院を初期診療を行う診療所などに再編するのが狙い。
 道が示した再編素案は、各病院の患者の通院動向などを勘案の上、二百床程度の中核病院が含まれることや飛び地にならないことを条件に、全道百八十市町村を区域分けした。
 この結果、十勝管内で十八市町村を抱える区域ができた一方、根室市は一市単独となるなど、大きなばらつきが出た。
 また、渡島、上川・宗谷、十勝の三地方では、中核病院までの移動時間が最長で二時間程度かかる格好となったため、より細分化した「サブ区域」六カ所を設定した。
(北海道新聞)

8月30日

来年度から出産受け入れ休止 須坂病院、常勤医確保めど立たず(長野)
 須坂市の県立須坂病院は二十七日、来年四月から出産の扱いを休止すると発表した。常勤の産婦人科医二人のうち一人がけがをして、再び出産を担当できる時期が不明な上、新たな医師確保のめどが立たないため。斉藤博院長は会見で「一人の医師に過大な負担がかかっており、安全な医療の維持が困難と判断した」と説明した。
 斉藤院長によると、六月上旬に産婦人科の男性医師(48)が交通事故で右腕を骨折。現在、職場に復帰しているが、リハビリ中で出産に立ち会える状態ではないという。
 県によると、県内で出産を扱う医療施設は二〇〇一年の六十八カ所から、八月十五日現在で五十一カ所に減少。また県産科・小児科医療対策検討会のまとめでは、県内の病院勤務の産婦人科医は〇四年から〇六年の三年間で二十九人が離職している。
(中日新聞)

区域分け公表 自治体病院再編 道医療対策協素案、ほぼ了承(北海道)
 赤字が深刻化している自治体病院の広域化・連携構想を検討している道医療対策協議会(会長・高橋はるみ知事)は二十七日、分科会を開き、道内の自治体病院を三十の区域に分ける再編素案について、初めて各自治体の区域分けを公表した。
 構想は、赤字経営に苦しむ自治体病院を区域ごとに再編して医師や設備を集約。それ以外の自治体病院を初期診療を行う診療所などに再編するのが狙い。
 道が示した再編素案は、各病院の患者の通院動向などを勘案の上、二百床程度の中核病院が含まれることや飛び地にならないことを条件に、全道百八十市町村を区域分けした。
 この結果、十勝管内で十八市町村を抱える区域ができた一方、根室市は一市単独となるなど、大きなばらつきが出た。
 また、渡島、上川・宗谷、十勝の三地方では、中核病院までの移動時間が最長で二時間程度かかる格好となったため、より細分化した「サブ区域」六カ所を設定した。
(北海道新聞)

徹夜明けに運転、交通事故で即死
 病院へ通勤する途中、交通事故に遭って死亡。通常なら労災として認められてもいいはずだが、その医師が大学院生という立場であったために認められていない事例がある。33歳で亡くなった、前田伴幸医師のケースだ。
 事故は、2003年3月8日に起きた。鳥取大病院の外科に所属していた同大大学院生の前田氏は、同病院で徹夜で手術の助手をした後、ほとんど眠らずにバイト先の病院へ向かっていた。午前8時ごろ、見通しの良い国道のセンターラインをオーバーし、対向の大型トラックと正面衝突。即死だった。
 前田氏の死亡直前1カ月間の時間外労働は、約190時間に上っていた。事故前日の記録によれば、徹夜で翌日の朝5時まで緊急手術の助手を務め、その後、回診を終えてからバイト先の病院に向かっている。事故が起きるまで、睡眠時間はほとんどなかったとみられる。
 前田氏は鳥取大の大学院生であり、大学とは雇用関係にない。前田氏が行っていた医療業務は労働ではなく実習である。よって、前田氏は鳥取大の労働者ではないため、労災の支給は認められない、というわけだ。
 研修医が労働者であることは最高裁によって認められている。1998年に起きた関西医大研修医の過労死事件で、遺族が病院を相手に争った裁判での判決だ。この事件以降、研修医の労働者性は確立されたと言っていい。しかし、前田氏の事例が示すように、大学院生の身分については、判断が置き去りにされたままだといえる。労働時間が長く過労死と隣り合わせである身分にもかかわらず、死亡した場合の補償さえままならないのが実態なのだ。
(日経メディカル)

あなたは既に過労死水準
 厚労省は2005年、病院勤務医4077人の労働状況を調査した。それによれば、1週間で平均70.6時間の勤務、つまり法定労働時間(40時間)を差し引けば、約30時間の時間外労働を行っていることが判明。1カ月を4週間と少なく見積もってみても、時間外労働は120時間を超える。もちろん、70.6時間の中には休憩時間(4.7時間)も含まれている。医師の場合、これが労働時間に含まれない「自由に使える時間」かどうかについては異論もあるが、それを差し引いたとしても、1カ月当たりの時間外労働は100時間を超えてしまう。

労災申請や訴訟を阻む壁
 不幸にして過労死した医師の遺族が、労災申請したり訴訟を起こしても、すんなり認定されるケースばかりではない。労働時間の基準に関しては、宿日直やオンコールの待機時間をどう見るかという問題が出てくる。また、精神的緊張や作業環境がどの程度のものだったのか、死亡した医師が「学生」なのか「労働者」なのかという点なども問われる。
 特に宿直や日直に関してはよく問題になる。宿日直は労基法上、「通常の業務がほとんど行われない」という要件を満たすことを条件に、「勤務時間」に計上しないことが許されている。医師の場合、宿日直中に患者の診療や手術など通常の業務を行うことも多く、その場合は「時間外労働」として勤務時間にカウントしなければならないはずだ。ところが、患者に応対した5分や10分などの時間しか労働時間にカウントしない病院がほとんどで、その準備や事務作業などに係る多くの時間は、労働時間から切り捨てられている。
(日経メディカル)

ほぼ毎日オンコール、就寝中に突然死す
 北海道の旭川市から約50kmほど北に離れた士別市。当時31歳のA氏は、この地域の基幹病院である士別総合病院で、研修医として小児科に配属され、研さんを積んでいた。
 突然の死は、医局人事で士別総合病院から富良野協会病院に転勤した直後に訪れる。転勤して5日目の2003年10月5日、休日だったその日もいつものようにオンコールで呼び出され、新生児の処置を行っていた。診療を終えてA氏が病院から帰宅したのは夜8時半ごろ。その日は疲労のためか、夜10時には眠りに入った。
 就寝中の午前2時ごろ、突然大きないびきをかき始める。妻が異変に気付いて呼びかけたが、応答はない。すぐに勤務先の富良野協会病院に運ばれた。懸命の蘇生措置が取られたが、そのまま意識を取り戻すことなく、午前4時、死亡が確認された。
(日経メディカル)

厚労相に舛添氏を起用、内閣改造
 安倍晋三首相は27日、内閣改造に伴い、厚労相に舛添要一氏(無派閥)を起用することを決めた。
 舛添氏は同日午後、首相官邸で会見し、「(厚生労働行政は)生まれて亡くなるまですべての節目にかかわる」と述べ、就任後は全力を尽くす考えを示した。
 また、産婦人科医の不足問題について「小さな産婦人科があるよりも、グルーピングして3,000件扱うような産婦人科があった方がいい」と述べ、医療機関の集約化に乗り出す考えを説明した。
(キャリアブレイン)

医療過誤事件の判決報道、フジテレビに100万円賠償命令
 東京女子医大病院で2001年、心臓手術を受けた12歳の女児が死亡した事件で、業務上過失致死罪に問われ、1審で無罪となった同病院元助手・佐藤一樹被告(43)(検察側控訴)が、フジテレビの報道で名誉を傷つけられたとして、同社に損害賠償を求めた訴訟の判決が27日、東京地裁であり、土肥章大裁判長は同社に100万円の支払いを命じた。
 問題となったのは、佐藤被告が無罪判決を受けた05年11月30日から翌日にかけて放送された4件のニュース報道。このうち1件のニュースは、無罪判決を伝えた上で、「当初罪を認め遺族に謝罪し示談が成立」「法廷では一転して過失を否定」などのテロップをつけた。判決は「被告が自白したとか、刑事責任を前提に遺族と示談したなどの事実は認められない」と述べ、名誉棄損を認めた。
(読売新聞)

豪雪地帯の10世帯未満小集落、国交省が集団移転支援へ
 国土交通省は27日、豪雪地帯にある10世帯未満の小規模な集落を対象に、集団移転を支援する制度を2008年度に創設する方針を明らかにした。
 除雪作業中に死亡する高齢者が増えているため、移住を促す。
 具体的には、集落の全世帯がまとまって近隣の大規模な集落などに移転する際に、地元自治体が宅地や農地を買い取ったり、転居費を助成する制度を作り、その費用の半分を国が補助する。
 10世帯未満の集落は北海道、東北、北陸圏に約1400ある。国交省は、このうち山間部などにあり、高齢者が住民の半数以上を占める約100集落が移転支援の候補とみている。
(読売新聞)

石巻ロイヤル病院 予定通り来月1日開院 計4科でスタート(宮城)
 財政難のため今年3月に閉院した宮城県石巻市の公立深谷病院の後継となる石巻ロイヤル病院が、予定通り9月1日に開院する。診療科目は当初予定の内科、外科にリウマチ科とリハビリテーション科を加え、計4科でスタートする。今月31日に同病院で開院のセレモニーを開く。
 運営する医療法人啓仁会(角岡東光理事長・埼玉県所沢市)によると、新病院の規模は、一般病床42床、部屋数18室。スタッフは深谷病院の常勤医だった河村修医師を院長に、常勤医師3人、看護師約20人ら約30人体制でスタートする。
 3日に県の開設許可、14日に使用許可が下りた。
 深谷病院は、石巻、東松島両市が企業団方式で運営したが、累積赤字が約55億円に膨らんだため今年3月、企業団を解散して閉院。公募の結果、啓仁会への経営移譲が決まった。
(河北新報)

舛添要一新厚労相「総理と年金問題について再確認した」
 舛添要一新厚労相が、27日午後に会見を開いた。
 舛添厚労相は「全力を挙げて、この仕事に取り組みたい。特に、この職務の重要さ、身の引き締まる思いでございます。総理からは、まずは年金問題について、『最後の1人に至るまで記録をチェックしろ』、『まじめに保険料を払ってこられた方々に、正しく年金を支払う』。この方針を再確認を総理もしましたし、わたしもその方針でいきたいと思います。社保庁の改革についても、これは、解体6分割という形で法律も通っておりますので、この方向で全力を挙げたいと思います。医者不足ということが地方で大変大きな問題となっています。東京でもそうです。特に産婦人科医、小児科医の不足が問題となっていますので、5月段階で政府・与党で対策を立てていますので、努力していきたい」と述べた。
(FNNニュース)

官房長官に与謝野氏、外相に町村氏 厚労相に舛添氏を起用
 安倍晋三首相は27日の内閣改造で、官房長官に与謝野馨氏、外相に町村信孝氏、財務相に額賀福志郎氏の起用を内定した。
 また、厚労相には舛添要一氏、防衛相に高村正彦氏、法相に鳩山邦夫氏、農水相に遠藤武彦氏、総務相に増田寛也元岩手県知事を内定。岩城光英氏を官房副長官に起用する。
(産経新聞)

消防無線広域化と医師確保を要望 市長会が国、県へ(岡山)
 医師の確保対策は、玉野市と井原市が提案。7月に発足した県医療対策協議会の中で「医師の偏在の実態等を早急に把握し、医師不足の自治体病院への実効性と継続性のある医師派遣制度」を確立するよう求める。
(岡山日日新聞)

8月29日

勤務医の実態報告/青森、厳しい労働環境訴え
 第35回県自治体医学会が25日、青森市で開かれ、県内自治体病院の関係者ら約100人が勤務医の厳しい労働環境などに関する発表やシンポジウムを通じて情報交換した。
 主催は県自治体病院開設者協議会、県国民健康保険団体連合会など。
 開会に先立ち、主催者を代表して県自治体医学会運営委員会の三浦一章委員長が「自治体病院はマンパワー不足で崩壊寸前の状況。しかし県医療の中核を担っているのはわれわれであり、医療の質の向上に努めなければならない」と述べた。
(陸奥新報)

医学部の定員
 国は1970年代に大学医学部の新設や定員増を進め、83年に「最小限必要な医師数」とする人口10万人当たり150人の目標を達成。その後は医療費拡大を抑えるため定員削減に方針転換した。しかし近年、過疎地や産科、小児科など特定の診療科で医師不足が深刻化。政府・与党は今年5月に6項目の対策を発表し、奨学金による医師養成の推進などを重点項目に盛り込んだ。
(西日本新聞)

宝塚市立病院:産婦人科休診へ 「医師の確保難しい」−−来年4月以降 /兵庫
 宝塚市立病院は来年4月以降、産婦人科(15床)を休診する。医師不足が原因という。出産予定が08年2月以降の妊婦は受け付けないようにする。「医師確保への努力は続けるが、実現は難しい」としている。
 同院産婦人科は医師3人で、06年度350件の出産があった。医師は兵庫医大(西宮市)からの派遣。全国的な産婦人科医不足のなか、同大の産婦人科医局自体の医師が減り、派遣できなくなるとの申し入れがあったという。
 市内には、市立病院以外に出産に対応できるところが4病院(計51床)あり、08年に1病院(19床)が開設予定。同院は「地域として出産への対応ができなくなることはないのではないか」と話している。
(毎日新聞)

8月28日

日赤病院で医師不足 全国614人、徳島は6人
 日本赤十字社(東京)が全国で運営する九十二病院のうち、八割強の七十六病院で計六百十四人の医師が不足していることが同社の調査で分かった。小松島市小松島町の徳島赤十字病院では、二十一診療科のうち四診療科で六人が不足しており、現場で常勤の医師らが大きな負担を強いられている。徳島赤十字病院は地域医療の中核を担う施設だけに、早期解消が求められている。
 徳島赤十字病院によると、本年度当初、精神科や呼吸器科など四診療科で医師が昨年度に比べて一人ずつ減少。徳島大学病院に医師が戻ったのが主な理由だが、これに伴い精神科は常勤の医師がいなくなり、非常勤の医師が対応している。また、もともと五人体制だった呼吸器科は七月までにさらに二人が退職し、現在医師は二人になっている。
 徳島赤十字病院は規模が大きいため、重症患者が多い上、時間外救急が一日平均百件余りにも上るなど、医師減による負担が重い。医師不足が全国で問題化している小児科についても、同病院では一人減って七人。小児救急を備えているため、親子が昼夜を問わず訪れ、二十四時間体制を維持するのがやっとという状況。
(徳島新聞)

青森市救急10日から小児科医常駐(青森)
 青森市中央一丁目の市急病センターへの小児科医常駐に関し、同市の佐々木誠造市長は二十四日、九月十日から小児科医一人を常駐させ医師三人体制とすることを発表した。市医師会の提案を受け実現することになった。同医師会によると小児科医会の医師十六人が夜間と年末年始・大型連休の日中に交代でセンターに常駐。一晩に二十人弱の小児患者が受診することを想定している。
(東奥日報)

高知医療センター 救急患者殺到に悲鳴
 高知医療センター(高知市池)の救命救急センターが“悲鳴”を上げている。医師不足に伴う郡部の医療機能低下により郡部からの搬送患者が増加している上、救急患者の四分の三を占める軽症者への対応などで、本来の救命救急業務に支障を来すケースも。過重労働に拍車がかかった現場の医師たちからは不満が噴出。病院側は医師の負担軽減を図ろうと救急当直態勢を見直す一方で、県民の命の“最後のとりで”を守ろうとしているが…。
 医療センターは本県の基幹病院として、県全域を診療圏に救急車やヘリコプターによる広域救急搬送を展開。夜間・休日の当直は救急三人を含む計八人態勢、必要な場合は専門医を電話で呼び出す態勢で対応してきた。
 ところが、県東部や高幡地域などからの救急患者増に歯止めがかからない上、問題になっているのが救急患者(昨年度は約一万七千人)の75%を占める軽症患者。二十四時間開いているコンビニを利用するように受診する患者も多く、患者が乗った救急車を待たせる事態も生じたという。
 小児救急の輪番日でない日に来る患者も後を絶たず、受け入れ態勢のない精神科救急の患者や施設から紹介状なしで搬送される超高齢患者への対応も重い負担になっている。
(高知新聞)

8月27日

入院費未払い:病院が3人提訴 福岡・計37万円
 福岡県田川市立病院(池田喜彦院長)は、入院費など計約37万円を支払わず督促にも応じないとして、田川市郡の元患者3人に支払いを求めて田川簡裁に提訴した。同病院が加盟する全国自治体病院協議会は「全国的にも珍しい」と話している。
 3人は、50代の男性と20代の女性2人。いずれも04〜05年に入院したが、入院費などを滞納したままになっていた。同病院などによると、電話や書面で再三督促し、職員が戸別訪問もしたが、1人が一部を納付した以外支払いに応じていない。一部を払った1人も最近は応じなくなったという。3人に民事訴訟を提起することを伝えたうえで今月15日に提訴した。
(毎日新聞)

国民医療費、過去最高の33兆1千億円
 05年度の国民医療費は前年度より3.2%増の33兆1289億円で、3年連続で過去最高を更新したと、厚生労働省は24日発表した。国民所得に占める医療費の比率は9.01%で、初めて9%を突破した。国民1人あたりの医療費は25万9300円で前年度より3.1%増えた。
 診療報酬改定のない年の医療費は、高齢化などの影響で前年より2〜3%伸びるケースが多い。厚労省が今月8日に発表した06年度の概算医療費(国民医療費から全額自費診療分などを除いたもの)は、06年度のマイナス改定の影響で、前年度より0.1%増の32兆4000億だった。
(朝日新聞)

全都道府県で医学部定員増 年に最大計245人
 深刻化する医師不足に歯止めをかけるため、政府は、来年4月から大学医学部の入学定員を各都府県で最大5人、北海道で最大15人増やすことを認める方針を固めた。増員分の学生の入学金や授業料は自治体が全額肩代わりし、卒業後は僻地(へきち)などの病院や診療科を指定して9年間の勤務を義務付ける。
 期間は10年間で、1年に最大計245人の増員となる。政府・与党が5月に発表した緊急医師確保対策の一環で、国は都道府県に地方交付税を増額する形で財政援助する方針。
 医師不足が深刻な山間部や離島などの医療圏や、産科、小児科などでの医師確保が狙い。ただ卒業までに最低6年間かかるため、効果が表れるのはしばらく先になりそうだ。
(産経新聞)

子育て中の女性内科医を募集 高畠病院が勤務医減少対策(山形)
 高畠町が設置運営している公立高畠病院(八巻通安院長)は新たな医師確保対策として、子育てで休職中の女性内科医を正職員として採用し、平日限定の週30時間勤務というゆとりある職場環境の中で医療と子育てを両立してもらう雇用制度を新設し、23日から募集を開始した。
 同病院によると、日本の医師の女性比率は約4割まで高まっているが、子育て中の女性医師は休職するか、身分と収入が不安定な非常勤で働くケースが多いという。
 全国的に勤務医が不足する中、高畠病院では2007年度の内科の常勤医師数が前年度より3人減の4人となった。この影響でことし4月から平日午後の内科外来診療を休診しているが、それでも内科医の負担は過重になっているという。
 子育て中の女性内科医の募集人員は若干名。身分は町の正職員で、勤務条件は平日の週30時間(1日6時間)とする。土日・祝日の勤務と宿直、夜間・休日の緊急呼び出しはなく、平日の勤務時間以外は子育てに専念できるのが最大の特徴。町内に居住する場合は、町が住宅のあっせんと家賃補助を行い、町内の保育施設も紹介する。将来的に子育てに余裕ができれば、本人の希望で通常勤務に切り替えることもできる。
(山形新聞)

医師の時短に補助金、交代制や柔軟勤務 国が病院支援
 過酷な労働環境に置かれた勤務医の負担を減らすため、厚生労働省は、交代制や変則勤務の導入など医師の勤務時間を短くする工夫をした病院を支援する制度を設ける方針を決めた。
 補助金交付のほか、将来的には診療報酬で優遇することも視野に入れている。特に、夜間救急の多い小児科や産科では、医師の長時間労働が常態化し、過労死や医療ミスにもつながっているとの指摘もある。同省では、新制度により、医師の病院離れや医療事故を予防する効果も狙っている。

[解説]見過ごせぬ過酷な実態
 厚労省が、個々の病院で配慮すべき医師の勤務体制にまで踏み込むのは、勤務医の過重労働が、国としても見過ごせないレベルに達しているからだ。
 今年2月、北海道労働局が時間外勤務が月100時間を超えていた男性小児科医(当時31歳)の突然死を労災認定した例など、勤務医の過重労働による死は枚挙にいとまがない。日本医療労働組合連合会の調査でも、1か月間休みなしの勤務医が3割近くいることが判明。病院から医師が逃げ出した結果、診療科が閉鎖され、地域医療が成り立たない事態も相次いでいる。
(読売新聞)

医師不足で小児科休診へ 春日部の市立病院 来月から産科も(埼玉)
 埼玉県春日部市は二十四日、同市立病院(小谷昭夫院長)の小児科を医師不足などのため九月から事実上休診すると発表した。市は遅くとも来年四月には再開したいとしているが、医師確保の見通しは立っていないという。小児科のサポートが得られなくなったため産科も九月から新規患者の受け入れを取りやめる。同病院はベッド数三百床の総合病院。
 同病院の小児科は現在、二人の常勤医師が診察にあたっているが、一人が個人で開業するため八月末で退職。もう一人も九月末に退職する方向だという。このため九月から診療は行わず、他院への紹介などの業務のみ行う。市や同病院は、大学病院や地元医師会に医師の派遣を打診してきたが後任を確保できなかった。
(東京新聞)

増える透析<4> 医師不足 治療体制崩壊の危機
 透析機は電源が切られ、ベッドにもシーツがかぶせられたまま。愛知県津島市の市民病院では昨年から、透析治療を休止している。理由はそれまで常勤していた医師が辞め、後任が見つからないためだ。市としては早急に医師を見つけ、再開させたい意向だが、現状はメンテナンスの費用だけがかかり、閉鎖に追い込まれかねない状況だ。
 こうした事態は、この病院に限ったことではない。全国腎臓病協議会(東京都)が今年四月にまとめた全国調査では、昨年から今春にかけて透析治療の縮小・廃止などを行った医療機関は全国で六十余にのぼり、「透析医療の提供体制も崩壊の危機に直面している」(栗原紘隆常務理事)。
(中日新聞)

女性医師の現場復帰を支援 厚労省、概算要求へ
 厚生労働省は来年度、出産などで現場を離れた女性医師の復帰を支援する病院に補助金を出す制度を新設する。医師不足が深刻な産婦人科や小児科に多い女性医師の現場復帰を促し、医師不足解消につなげる狙いだ。女性医師バンクの拡充や病院内保育所の整備などと合わせ、08年度予算の概算要求に23億円を盛り込む。これを含め、同省の医師確保対策の概算要求総額は、07年度予算(92億円)比73%増の160億円となる。
 同省によると、20代医師は、産婦人科医で3人に2人、小児科医で2人に1人が女性。出産や育児で休職した後、「最新の医学知識や医療技術についていけない」などの理由で復職できない女性医師が多いことが医師不足の一因とされる。
(朝日新聞)

大学病院から医師派遣 支援へ
 医師不足が深刻となるなかで、文部科学省は、大学病院を中心とした医師の養成システムを整備するため、臨床研修の際に大学病院から地方の拠点病院に派遣される医師の旅費や滞在費などおよそ100億円を来年度予算の概算要求に盛り込むほか、大学病院に勤務する医師の処遇の改善を求めていくことになりました。
(NHK)

昭和伊南病院と伊那中央病院の連携今後も(長野)
 伊那中央病院を運営する伊那中央行政組合の小坂樫男組合長(伊那市長)が22日に、昭和伊南総合病院の救急救命センター指定が伊那中央病院に変更されなければ今後協調していくことはできない―などと発言したと一部で報道された問題について伊南行政組合の中原正純組合長(駒ケ根市長)は23日の議会定例会で「公の席での発言ではないと思う。本意は違うのではないか。信じられないし、あり得ない」と述べた上で「救急救命センターの返上は考えていない」とあらためて強調。両病院を中心とした連携体制はこれまで話し合ってきた通り進めていきたいとする考えを示した。馬場宣子議員(駒ケ根市)の質問に答えた。
 昭和伊南病院の産婦人科に派遣されている信州大の医師2人が来年3月で引き揚げることにより、以降の同科常勤医師がゼロとなる問題について中原組合長は「助産師が分娩を行う院内産院の開設を検討しているが、現段階では来年4月の開院は大変厳しい状況にある」と述べた。引き続き県や信州大とともに解決に向けて検討を進めたいとした上で、住民の不安に対応するため「産科についての専門窓口を新たに病院内に設置し、市民の相談に乗れる体制をつくりたい」とする考えを明らかにした。
(伊那毎日新聞)

産科医確保を知事に要望 奥州市など(岩手)
 奥州市と金ケ崎町は23日、産婦人科常勤医が不在となった県立胆沢病院への医師確保と診療体制の確立を達増知事に要望した。
 奥州市役所で行われた知事への市町村要望の中で、要望書を提出。両市町で構成する胆江地区広域行政組合としても要望した。
 相原正明奥州市長は「非常勤医による婦人科診療だけになる。1日も早く医師を確保してほしい」と、出産や手術に対応できる体制の必要性を強調。達増知事は「今回は緊急避難的措置だ。県民が必要なときに、必要な医療を受けられるよう県としてもきちんと取り組む」と述べた。
(岩手日報)

8月26日

雫石に診療所を開設 増田元沢内病院長(岩手)
 元国保沢内病院長で、今年3月まで国保田老病院長を務めた増田進医師(73)は、雫石町西根栗木平に地域医療の拠点となる診療所を開設した。標ぼう科は外科で、痛みや手足のしびれなどについて針治療を中心とした診療を行う。「行政に縛られることなく患者が必要とする医療を提供したい」とし、保険点数などにとらわれない「自由診療」の体制を取った。県内はもとより全国のへき地が深刻な医師不足にあえぐ中、44年間にわたり地域医療一筋に歩んできた増田医師の新たな挑戦が始まった。
(岩手日報)

女性働けば成長率アップ 経済効果0・4ポイント
 働く女性が育児や介護を理由に離職せずに済めば、経済成長率を0・4ポイント押し上げる効果がある−。内閣府は23日までに、このような委託調査の結果をまとめた。
 女性が仕事を続けられるようにするため短時間勤務や在宅勤務などの導入が重要とした上で「多様な就業形態の普及で、高齢層の労働参加も進めば成長率押し上げ効果はさらに大きくなる」と指摘している。
 調査は、出産・育児期間を迎える30代女性の就業・求職中人口の割合「労働力率」が、前後の世代に比べ目に見えて落ち込む日本の労働市場の現状について「先進国ではほとんどみられない」として改善の必要性があると分析。
 その上で、働く女性が短時間勤務や在宅勤務を利用して仕事を続け、それにより生産力が現在よりも高まると仮定した場合の経済成長率を試算。06年には2・1%で、それが4年後の10年には2・5%にまで伸びると推計している。
(東京新聞)

丹波市でも勤務医不足 2病院支援か県立を優先か(兵庫)
 勤務医不足が深刻化している兵庫県立柏原病院と柏原赤十字病院への公的支援をめぐり、地元の丹波市が揺れている。辻重五郎市長を座長とする「丹波市地域医療協議会」が6月末、両病院への支援を表明。これに対し、同市会最大会派の清政会と公明党が7月、「2病院が共倒れする恐れがあり、県立への支援を最優先すべき」と辻市長に提言し、市会内で意見が割れた。また、両病院の設置主体が県、日赤と異なるため医師交流などの議論も進まず、支援する立場の市は、長期的な展望を描けないままだ。
(神戸新聞)

厚木市立病院、産婦人科医確保に新手当(神奈川)
 厚木市は8月10日、産婦人科をはじめとした市立病院の医師不足に対応するため、新手当の創設を含む条例を制定すると発表した。
 市立病院では、8月から産婦人科の診療を休止するなど、医師不足が問題化している。
 そこで市では、産婦人科医の確保と休日・夜間の救急医療体制の充実を念頭に、4つの新たな手当を設定。市立病院に勤務する産婦人科医に3年間、病院業務手当を出すほか、分娩業務に関わった医師や助産師、看護師に分娩介助手当を支給する。また、夜間と休日に救急医療を行った医師と看護師にも手当を出すほか、診断書などを交付した医師にも作成手当が支給される。
(タウンニュース)

医師の海外流出、加速するか
 南米ペルーで8月15日(日本時間16日午前)に発生した大地震による被災者を支援するため、国際的な医療ボランティア団体が医師や看護師を現地に派遣している。特定非営利活動法人「アムダ」は18日、那覇市内の内科医師を派遣したほか、特定非営利活動法人「世界の医療団」も医療スタッフを派遣。国境を越えた医療ボランティアが活発な広がりを見せる一方で、国内の医療機関では勤務医の不足が深刻な問題となっている。海外ボランティアの説明会に参加した医師は「日本の医療水準は全国的に平均化されている。むしろ海外の医療を生で体験したい」と話す。
(キャリアブレイン)

青森市が医療職の手当引き上げ(青森)
 青森市は十月から、市民病院と浪岡病院の医師の宿日直手当と夜間の呼び出しがあった場合などの診療手当、市民病院の看護師の夜間看護等手当を引き上げる方針を固めた。
 特に市民病院では十月から、集中治療室の班体制強化などで医師に新たな宿日直業務が生じるほか、看護師については夜間救急外来の看護体制強化で、従来の準夜勤、夜勤の八時間勤務に加えて、新たに十六時間勤務を設けることとなり、医師と看護師の負担が増す。
 改定案では、医師、歯科医師の宿日直手当は勤務一回につき二万円を三万円に、土曜日の半日勤務後の宿直勤務は一回につき三万円を四万五千円とする。
 診療手当の見直しは管理職を対象とし、午後八時−午前七時の間の出勤一回につき三千円を「一時間につき三千円」に、週休日の午前七時−午後八時の間に診療した場合は出勤一回につき千五百円を「診療一時間につき三千円」に見直す。
 夜間看護等手当は、深夜の時間帯(午後十時から午前五時)を通して勤務した場合、これまでの三千三百円から六千八百円に引き上げる。
(東奥日報)

道内国立病院 治療費未収9090万円 医療費負担増響く、厚労省対策強化へ(北海道)
 道内の全七カ所の独立行政法人・国立病院機構で、患者が支払わない治療費の残高が昨年度末で九千万円を超えたことが二十二日、分かった。生活の困窮や医療費負担の増加で支払いが困難な患者が増えており、本年度末には残高が一億円台に膨らむ可能性が高い。厚生労働省は、全国的に医療機関で治療費の未収問題が深刻化していることから、回収強化を柱とする対応策の本格的な検討を進める。
 国立病院・療養所は二○○四年に独立行政法人に移行。全国に百四十六病院、道内には札幌や函館、旭川などに七病院がある。道内の病院の治療費の未収金残高は昨年度末でそれぞれ百五十万−二千百万円、合計で九千九十万円に上った。
(北海道新聞)

佐野市民病院 民営化に『黄信号』 市が条例改正提案先送り(栃木)
 佐野市は二十二日、当初予定していた「佐野市民病院設置条例の改正案」の九月定例市議会への提出を見送ることを議会全員協議会で明らかにした。市は来年四月から同病院を公設民営に移行するため、改正案提出を予定していたが、今回の遅延で移行時期がずれ込む可能性が出てきた。
 市の当初の計画では、九月七日開会予定の定例会で、運営を市から民間業者に代える条例に改正し、次の十二月定例会で指定管理業者の承認を得たうえ、来年初めにも契約する予定だった。
 今回提出を見送った理由について市は、改正案には診療科目の明記が必要で、移行後の病院形態について指定管理予定業者との間で話が煮詰まっていないことや、移行後の市職員の処遇、赤字補てん、医療機器の補充など条件を詰めなければならないところが多く残っているため、としている。
(東京新聞)

医師不足対策費7割増、厚労省が160億円予算要求
 厚生労働省は医師不足問題の対策費を大幅に増やす方針を固めた。医師不足の病院に研修医や若手医師を勤務させた病院への補助金を増額。長時間労働が敬遠されている病院勤務医の負担軽減も支援する。5月末に政府・与党がまとめた「緊急医師確保対策」に基づく具体策で、厚労省分として2008年度予算の概算要求に約160億円を盛り込む。
 厚労省と文部科学省、総務省は今月末に局長級の3省会議を開き、医師確保に向けた各省の対策をまとめる。厚労省は07年度予算でも「医師確保対策」として、休日・夜間の急患センターへの医師増員などに合計で92億円の予算を計上した。一部地域などで医師不足が深刻なことから08年度予算で約7割増額したい考えだ。
(日経新聞)

中央行政組合議会全協(長野)
 伊那中央行政組合議会の全員協議会は22日開き、医師不足の現状と、伊那中央病院職員同士の暴力行為にかかる処分の報告があった。
 医師不足について、中央病院の小川秋実院長は医師不足の背景や、来年4月の昭和伊南総合病院(駒ケ根市)産婦人科休止を受けた対応などを説明。地域で医師を育てる環境づくりの必要性も挙げた。
 特に急を要する産婦人科は、昭和病院の出産をそのまま受け入れるのは難しい状況で、郡外からの里帰り出産の制限、初診の紹介状持参で「地域医療の崩壊を食い止める措置」を取る。
 また、昭和病院整形外科、小児科で医師が減員するのに伴い、今後の受け入れ体制を考えたいとした。
(伊那毎日新聞)

上伊那の救急救命センター「指定替え必要」(長野)
 医師不足に伴う上伊那地域の公立病院の連携について、伊那中央行政組合の小坂樫男組合長(伊那市長)は22日の組合議会全員協議会で、救急救命センターに昭和伊南総合病院(駒ケ根市)が指定されている現状を疑問視し、「この問題が解決できなければ、上伊那で協調していくことはできない」と、伊那中央病院(伊那市)への指定替えが必要との認識を示した。
(長野日報)

救急救命センター開設へ、石巻赤十字病院10年4月めどに準備(宮城)
 石巻赤十字病院(飯沼一宇院長)は、二十四時間体制で救急医療を担う救急救命センターを、二〇一〇年四月をめどに設置する方針を決めた。夜間も医師、看護師が待機して重症の救急患者を入院診療するセンターの設置は、石巻医療圏の中核的急性期病院を目指す石巻赤十字にとって必要不可欠であると判断した。今後、開設作業を本格化させ、設置に必要な専門医の確保や診療体制整備に力を入れる。
(三陸河北新報)

兵庫・日高病院で助産師外来が好評、妊婦健診や産後ケア 医師より時間かけ対応
 兵庫県豊岡市日高町岩中、公立日高病院が今月から週1回、妊婦健診や出産後のケアなどを病院内で助産師が担当する「助産師外来」を始めたところ、利用者から「気軽に相談に乗ってもらえて、安心できる」と人気を集めている。但馬地方の病院では初めてといい、同病院は「医師と助産師が連携し、患者の立場に立ったきめ細かなケアに取り組んでいきたい」としている。
(読売新聞)

8月25日

最低賃金違反 事業所の6.4% 厚労省の一斉監督
 厚生労働省は二十二日、最低賃金の徹底を図るため六月に行った全国一斉監督の結果を発表した。問題が多いとみられる業種を中心に一万千百二十事業所を調査した結果、6・4%に当たる七百七事業所で最低賃金より少ない賃金しか支払っていない最低賃金法違反があった。
(北海道新聞)

出生数再び減少傾向、厚労省「要因はわからない」
 厚生労働省が22日発表した人口動態統計速報によると、2007年上半期(1〜6月)の出生数は54万6541人で、06年上半期より2714人少なかった。
 06年上半期は前年同期比で6年ぶりに増加したが、再び減少に転じた。
 出生数は2月から5か月間連続で前年同月を下回っている。厚労省は「景気回復による雇用情勢の改善は進んでおり、減少の要因はわからない」としている。婚姻件数は35万9925組で、06年上半期から8040組の減少となった。
(読売新聞)

豊橋で県自治体病院協議会(愛知)
 愛知県自治体病院開設者協議会(会長=早川勝・豊橋市長)は22日、豊橋市役所で総会を開き、自治体病院をめぐる厳しい医療環境について相互に確認、国や国会議員らに対し、積極的に改善を求めていくことなどを決めた。
 全国自治体病院の06年度決算見込み(推定)によると、75%近くが赤字経営を強いられており、過去最悪だった73(昭和43)年度の70%を上回ると見られる。
 医師不足や診療科による偏在が顕著となり、とりわけ小児科、産科、麻酔科の医師不足解消が喫緊の課題になっている。開設者である首長と病院だけで改善するのは難しい状況だ。
(東日新聞)

「高度急性期病院」新設 外来受け付けず、重症治療専念
 厚生労働省は21日、救急医療などを行う病院を再編し、脳や心臓手術などの高度な医療技術が必要な患者を専門的に治療するための「高度急性期病院」(仮称)を新設する方針を固めた。外来患者は原則として受け付けず、医師や最新医療機器を集中させ、重症患者のたらい回しを避ける狙いもある。人口30万人に1カ所程度設置する考えで、各都道府県にある国公立病院からの移行を念頭に置いている。今秋、中央社会保険医療協議会(中医協)に提示、平成20年度診療報酬改定で報酬点数の加算を目指す。
(産経新聞)

「転職で賃金増」拡大 06年雇用動向調査
 厚生労働省が二十二日発表した二○○六年の雇用動向調査によると、転職して賃金が「増えた」人の割合は前年比2・5ポイント上昇の34・0%、逆に「減った」人は同1・5ポイント低下の28・7%だった。離職から再就職までの期間も短縮傾向にあり、同省は「転職の状況が良くなっていることがうかがえる」としている。
(北海道新聞)

保健医療計画などで意見交換 県医師会と斎藤知事が懇談会(山形)
 斎藤弘知事と県医師会(有海躬行会長)との懇談会が20日、山形市のホテルメトロポリタン山形で開かれた。県が本年度に策定する保健医療計画などのほか、県内の療養病床数や医師の過重労働、救急医療体制などについて意見交換した。
 現在の救急医療体制について「比較的軽症の1次救急患者が集中している基幹病院が多く、緊急性の高い2次以上の患者の診療に影響を与えるだけでなく、救急現場の負担増、さらに勤務医の過重労働になっている」とした上で、「当番制などではなく、地域内に軽症救急患者を受け入れる救急診療所を設けていくべきだ」とする意見も出された。
(山形新聞)

内科常勤医不在も/公立小野病院(福島)
 公設公営の運営維持を前提に赤字体質からの脱却を目指し、経営改革を進めている公立小野町地方綜合病院で、内科医の院長と派遣医の2人が9月末で辞職し、内科の常勤医が不在となる可能性があることが20日、分かった。関係五市町村でつくる同病院組合は医師確保に奔走しているが、これまでのところ具体的な見通しは立っておらず、入院患者らに影響が出かねない状況になっている。
 同病院の診療科目は9つで、常勤医は内科2人、外科1人、麻酔科1人の計4人。小児科や産婦人科、眼科などは非常勤医が週2回程度、外来の診察をしている。内科医の院長は6月に辞表を提出。取材に対し「医師不足の中での勤務に、限界を感じた」と理由を話している。福島医大からの派遣医は3カ月の派遣期間が切れるが、同大に人的余裕がなく、後任の派遣が望めないという。
(福島民友新聞)

院長が退職願 公立小野町地方綜合病院(福島)
 福島県小野町、田村、いわき両市、平田、川内両村の5市町村で構成する病院組合(管理者・宍戸良三小野町長)運営の公立小野町地方綜合病院の安田千尋院長が9月末付の退職願を提出していることが20日までに分かった。病院長の退職は今後の病院存続に大きな影響を与えそうだ。
 同病院は昭和29年に福島医大の関連病院として開院。5市町村の首長が理事を務め、出資比率は小野町が約7割を占めている。現在内科、外科、産婦人科など診療9科目で常勤医師4人体制で運営している。安田院長が退職するほか、もう1人の常勤医師からも退職願がでており、10月からの病院運営が困難な状況になっている。
(福島民報)

赤字13億8700万円圧縮 県立病院(宮崎)
 民間有識者でつくる県立病院事業評価委員会(委員長・眞嶋一郎宮崎産経大教授、6人)は21日、県庁で本年度初会合を開いた。県病院局は県立四病院の2006年度決算見込み額が約17億1200万円の純損失になると明らかにした。人件費削減などで、昨年8月まとめた中期経営計画よりも赤字幅を6億2100万円縮小した。
 県病院局によると、4病院の06年度収益は、外来患者の減少などで同計画よりも約3億3100万円減った。一方で、調理や看護補助など現業職の民間委託、医療材料購入の見直しなどを進め、支出を約9億5200万円削減。同計画よりも6億2100万円、前年度と比べると約13億8700万円赤字を圧縮した。
(宮崎日日新聞)

佐野市民病院への指定管理者制度見送り(栃木)
 佐野市は22日開かれた市議会全員協議会で、9月定例市議会に予定していた、佐野市民病院への指定管理者制度(指名型)導入の条例改正案提出を見送ることを正式に表明した。また常勤医が1人減って4人となり、今後2ケタの常勤医確保が困難であることを明らかにした。
(下野新聞)

地域医療体制など協議 田辺市が県議と懇談会(和歌山)
 田辺市は21日、同市選挙区選出の県議と市政の課題について話し合う「田辺市の懸案事項に係る懇談会」を市役所で開いた。地域医療体制の充実や扇ケ浜総合整備事業など10の課題の対応を協議した。
 市は地域医療体制の充実について、地域内の病院間で診療科の集約や廃止が行われ、医師不足が深刻になっているとし、県に対し「県立医科大学や近隣府県との連携など積極的な取り組みを要望したい」と説明した。
(紀伊民報)

青森急病センターに小児科医常駐
 青森市は二十一日、同市中央一丁目の市急病センターに小児科医を常駐させることを明らかにした。市医師会からの派遣提案を受けたもので、医師会は九月にも小児科医を配置する考え。今後は内科系・外科系医師と合わせて医師三人体制になる。同センターへの小児科専門医常駐は一九七八年の開設以来初めてで、市は小児科の初期救急医療体制強化、子育て環境充実につながると期待している。
 同センターは平日は午後七−十一時、日曜・祝日と年末年始は夜間に加え正午−午後六時に診療している。市医師会が内科系医師(小児科医を含む)一人と外科系医師一人を派遣し内科系医師が小児科も担当。大型連休と年末年始の日中は小児科専門医を配置してきた。
(北海道新聞)

(2)病児ケア 1日2000円、一時保育も1時間350円(福井)
 あの手この手の子育て支援で、低下する出生率を反転させた福井県。その取り組みに学ぼうと、各地から視察が相次ぐ。手厚い支援の象徴が、県内の17施設で実施されている、病気や回復期の子どもを看護師らが預かる「病児デイケア」だ。
 福井市にある産婦人科と小児科の病院「福井愛育病院」は2005年11月、駐車場だった場所に病児保育施設「愛育ちびっこハウス」を開いた。「利用者は月に一けた」と言われた当初の予想ははずれ、毎月200〜300人が利用する“人気ぶり”だ。八つの小部屋で、はしかやかぜなど病気ごとに分けて預かる。
(読売新聞)

新潟県立病院、赤字4億円拡大・4―6月
 新潟県は21日、県立病院の2007年第1四半期(4―6月)の収支が33億7000万円の赤字だったと発表した。赤字額は前年同期より4億円増えた。昨年11月に新発田病院が移転し、減価償却費や支払利息が膨らんだ。
 収益は前年同期を1.5%下回る141億8000万円だった。一部の病院で医師数が減少しており外来収入が落ち込んだ。外来患者数は7.6%減の46万7443人にとどまっている。入院患者数は2.9%減の28万6552人だった。
 一方で費用は175億6000万円と1.1%増えた。医師削減で給与費が減少したが、減価償却費などが増えた。
(日経新聞)

8月24日

地方の病院が「研修医求む」 PRあの手この手
 二〇〇四年度から始まった臨床研修制度で、医師免許をとった医学生が研修先の病院を選べるようになり、研修先として人気の低い地方の病院や大学病院は、研修に来てもらおうと知恵を絞っている。医師不足が深刻な岐阜県高山市の高山赤十字病院は夏休みを利用し、医師免許をとる前の医学生にアピールするため病院見学を積極的に受け入れている。交通費を一部負担し、宿も用意する厚遇ぶりだ。
(中日新聞)

残業代全額支払いへ 財政再建団体の夕張市(北海道)
 財政再建団体の北海道夕張市の藤倉肇市長は21日の記者会見で、再建計画で基本給の2・5%に制限されてきた職員の残業代について、上司の指示などによる正規の残業には全額支払う方針を明らかにした。制限の始まった4月までさかのぼって支払うといい、9月中をめどに支給を開始したい考えだ。
 同市では3月末の大量退職により、残った職員の負担が増え、サービス残業が常態化。市職員労働組合が7月に行ったアンケートでは、特別職や消防職を除いた全職員125人のうち残業が月80時間以上と答えたのが30人。このうち100時間以上は19人に上っていた。
(中日新聞)

命の格差/農村の医療過疎解消を
 農村は今、医師不足に泣かされている。地域の中核病院でも医師を確保できず、休日・夜間の救急診療ができないことや、産科などの休診も目立つ。「いざ急患になった時が怖い」「わたしの赤ちゃんはどこで産めばいいの」――命にかかわる不安の増大はもう看過できない。
 7月の参院選は、格差拡大の痛みによる「地方の反乱」が響き、与党が惨敗した。だが、政敵同士の自民、民主党ともに、医師不足問題を重視し確保対策を公約した。当然のことだ。どの地域であっても、「命の格差」はあってはならない。農村の「医療過疎」解消に、国は全力を挙げるべきだ。
(日本農業新聞)

勤務医平均年収 本県が全国3位(青森)
 本県の常勤医師の平均年収は約千六百万円で全国で三番目に高いことが、医療・介護人材紹介サービスの「キャリアブレイン」(本社・東京)の調査で分かった。医師経験五年目、十年目の平均年収は全国トップで、医師不足を背景に、本県医療機関が医師の雇用に向けて、多額の給料を提示している姿が浮き彫りとなった。
 キャリアブレイン社は今年七月、人材紹介サービスに求人登録している医療機関(ほとんどが民間病院)の求人票(約千四百件)を基に、常勤医師の平均年収を試算した。
 それによると本県常勤医の平均年収は千六百七万円で、静岡(千六百九十六万円)、新潟(千六百三十三万円)に続いて第三位だった。
(東奥日報)

市立病院350床に増床建て替え/市民会議が報告書/奈良市
 奈良市は、市立奈良病院の建て替えを計画している。有識者らで構成する市立奈良病院運営市民会議(会長・北岡孝市医師会長)が、建て替え計画などを盛り込んだ報告書を藤原昭市長に提出しており、この報告書をもとに市は具体的な検討を進めていく。病床数は現在の300床を350床に増床する方針で、秋にも県に申請する考えだ。
 PFI事業の導入も視野に入れているが、現時点では今年度予算に調査費などは計上していない。順調に進めば来年度にも設計に着手する。
 建て替えの事業費は、概算で約110億円。
 報告書では、今後の方向性として、救急・小児科・産婦人科医療と高度専門医療の充実を挙げており、建て替えにあたっては、病床面積増、談話室や面談室、緑地などの設置、施設のバリアフリー化などを求めている。
(建設通信新聞)

8月23日

医師の交代勤務を支援へ 導入病院に補助金 厚労省
 厚生労働省は医師不足対策として08年度から、医師の交代勤務制を導入した病院に補助金を出す制度を新設する方針を固めた。08年度予算の概算要求に5億円を盛り込む。過剰労働が医師の病院離れの一因となっているため、当直明けに休みが取れるような勤務態勢を整えた病院を支援する。
 新たな補助制度では、日中と夜間で医師が全員入れ替わる交代勤務にしたり、当直明けの医師が必ず休める勤務体系を導入したりして、医師の労働環境改善に取り組む病院に補助する。
 ただ、医師数に比較的余裕がある病院でなければ交代勤務を導入するのは難しく、医師不足が深刻な地方の公立病院などでは、補助対象となる勤務体系を導入できるかは不透明だ。
 厚労省によると、30〜40代男性の病院勤務医の1週間の平均勤務時間は約50時間で、同年代の診療所医師より10時間近く多い。当直明けの勤務医がそのまま通常の診察などを行う勤務体系が多くの病院で常態化しており、過剰労働に耐えきれずに開業医に転身する医師が後を絶たない。
(朝日新聞)

富山県氷見市民病院の公設民営化でタウンミーティング 市長が説明
 氷見市民病院の公設民営化問題で市民の意見を聞く、同病院経営改革タウンミーティングは二十日、同市十三中で行われた。堂故茂市長は赤字が膨らむ病院経営を説明した上で、来年四月から指定管理者制度による公設民営化を実現する考えを強調した。同管理者と協定を結び、救急医療、高齢者医療を守り、二〇一〇年をめどに二百五十床程度の新病院を建設するとした。
 市長は、医師不足による患者数の減少に加え、県内で一番高い、病院職員の公務員型の給与水準が経営を圧迫していると説明。専門家による経営改革委員会の答申を受け、「どんなに厳しくてもやり遂げる」と公設民営化を決断したとした。
(富山新聞)

藤枝市立病院が保険不正請求、保険医療機関取り消しへ(静岡)
 静岡県藤枝市の藤枝市立総合病院(病床数654)が、保険診療が認められていない一部の歯科治療で不正に保険請求していたとして、厚生労働省と静岡社会保険事務局は、健康保険法に基づき、同病院の保険医療機関の指定を10月1日から取り消す方針を固めた。
 今月28日に正式決定する。地域の中核公立病院が保険医療機関の指定取り消し処分を受けるのは、極めて異例。
 取り消し期間は5年だが、影響が大きいため、厚労省などは処分後に改善計画を提出させたうえで、1か月での再指定も検討している。不正分の返還などは、市外や県外の患者分も含めて藤枝市が負担することになりかねないため、市民から批判が強まりそうだ。
 不正請求が行われていたのは、義歯を装着する「インプラント(人工歯根)治療」の前処置として行うあご骨の移植手術など。インプラント治療は保険の適用外。一方、あご骨の治療などは単独なら保険が適用されるが、保険適用外の治療と合わせて行う「混合診療」は原則禁止されており、インプラント治療を前提としたあご骨の移植手術なども保険適用外となる。
 ところが同病院では、あご骨の移植などに保険適用を申請。歯科口腔(こうくう)外科で過去5年間に少なくとも延べ約2500人分、総額約1億2200万円の不正請求をしていたという。
(読売新聞)

介護労働者12%、1年で事故やけが経験 暴言等も3割
 過去1年間で業務中にけがをしたり事故に遭ったことがある介護労働者は全体の12%に上ることが20日、厚生労働省所管の財団法人「介護労働安定センター」の調査で分かった。
 利用者から暴言や暴力、セクハラ(性的嫌がらせ)を受けた人も30%に上っているが、相談できる窓口があるとした回答は63%にとどまった。
(産経新聞)

働くナビ:長時間労働の影響、過労死以外にもあるの
夫の労働時間と家事・育児分担状況 ◆長時間労働の影響、過労死以外にもあるの。
 ◇結婚遠ざけ、妻も仕事困難に

 「労働組合がもう一度きちんと労働時間短縮に取り組まないと、労働者にも日本にも未来はないよ」。労働組合のナショナルセンター、連合の幹部は、こう語る。連合は今年6月、労働時間削減を目指す運動方針を決定した。7年ぶりに掲げた要求だ。長時間労働の弊害は、労働者の健康だけでなく、少子化や女性の社会参加など、さまざまな問題に影響を及ぼしているとの指摘が出ているからだ。
 厚生労働省がまとめた07年版の労働経済白書は、働く人本人の健康問題以外に、(1)女性の就業参加(2)少子化問題に関連して長時間労働の弊害を論じている。
(毎日新聞)

平成19年版 全国常勤医師の平均年収試算 目立つ東海地方の年収増額
 キャリアブレインでは、人材紹介サービスに求人登録している全国の病院の求人票をもとに、常勤医師の年収を試算いたしました。全国平均の年収は、経験5年目:1,159万円(対昨年2.61%減)、経験10年目:1,419万円(0.7%減)、経験15年目:1,553万円(1.21%減)、経験20年目:1,707万円(0.36% 減)となっており、経験年数に関係なく、昨年度と比較し若干の減額が見られます。
 都道府県別に見ると、昨年度より195万円増額となった静岡県(1,696万円)が1位となった他、昨年度最も高額であった新潟県、青森県、鹿児島県は、今年度も引き続き高くなっており、滋賀県が最も低くなっております。経験年数別に見ると、平均年収が最も高いのは、経験5年、10年とも青森であり、逆に平均年収が最も低いのは、経験5年、10年とも山形という結果になりました。
 地域別平均年収は、大幅増額となった静岡県だけでなく、三重県、愛知県ともに増額となったことを受け、東海地方が最も高額となっております。続いて北海道が高く、近畿、中国、四国地方が低くなっております。その他の東北、関東、北陸信越、九州沖縄地方の差はほとんど見られません。全経験年数の平均年収を比較すると、最も高い東海地方(1,600万円)と最も低い近畿地方(1,378万円)では、222万円の差が出ており、昨年度の144万円と比べ、差が大きく拡大していることが分かります。
(キャリアブレイン)

実質収支が10億円超の赤字 06年度の県病院事業会計決算(山形)
 2006年度の県病院事業会計決算は、実質収支が10億7300万円の大幅な赤字となった。実質収支の赤字額が10億円を超えたのは、1999年度以来で、地方公営企業法が適用された62年度以降では3度目。貯金とも言える内部留保資金は、約40億円にまで落ち込んだ。医療費抑制を図った国の制度改革による収入減などが響き、県立病院の経営悪化の深刻さを印象づけた。
(山形新聞)

8月22日

診療科名削減:厚労省が見直し案を白紙撤回 学会が猛反発
 医療機関が掲げることができる診療科名を巡り、厚生労働省が「患者に分かりやすい表記を目指す」として、今年5月に公表した基本診療科名を38から26に4割削減する見直し案について、同省が事実上白紙撤回していたことが分かった。削減される診療科を専門とする学会が一斉に批判、他の学会も「現場に何の相談もなかった」と反発を強めたからだ。同省は打開策として現在の診療科名の使用を容認する案を各学会に打診したが、患者にとって分かりやすい表記になるかは不透明だ。
(毎日新聞)

地域医療在り方考える 福井大が教育シンポ(福井)
 地域に求められる医療や医師の在り方を考える福井大の医学教育シンポジウム「福井の医師は福井で育てる」(福井新聞社後援)が19日、福井新聞社・風の森ホールで開かれた。医師や専門家が意見交換、医師不足などに悩む地域医療改善への突破口を探った。
 県内でも医師充足率の低下がみられるなか、専門分野の枠にとどまらない「総合内科医」「家庭医」の拡大を図ろうと同大は昨年度、総合力を重視した医師の養成コースをスタート。シンポジウムは今後の教育体制の確立に向け、同大付属病院総合診療部が開いた。
(福井新聞)

夜間の子どもの急病 看護師が助言 電話相談窓口 20日開設 保護者の不安解消に(鹿児島)
 県保健医療福祉課は20日、夜間の子どもの急な病気などに看護師などがアドバイスする、小児救急電話相談窓口を開設する。同課は「電話相談で軽症患者の夜間受診が減り、小児科医の負担軽減、保護者の育児不安解消につながれば」と期待している。
 相談時間は午後7時‐同11時で年中無休。看護師が交代で、15歳未満の子どもの急病やけが、応急処置などの相談に応じる。看護師は、必要に応じて小児科医とも連携しながら緊急性の判断や助言を行う。
 小児科の夜間診療の利用者は近年急増し、小児科医の負担が増している。鹿児島市夜間急病センターの小児科には2005年、約1万2000人が訪れ、このうち入院したのは2%足らずの約200人。ほとんどが緊急性のないものだったという。
(西日本新聞)

横暴患者に大学病院苦悩、昨年は暴力430件暴言990件
 全国の大学病院で、昨年1年間に医師、看護師が患者や家族から暴力を受けたケースは、少なくとも約430件あることが、読売新聞の調査で明らかになった。
 理不尽なクレームや暴言も約990件確認された。病気によるストレスや不安が引き金となったケースも含まれているが、待ち時間に不満を募らせて暴力に及ぶなど、患者側のモラルが問われる事例が多い。
 回答した病院の約7割が警察OBの配置などの対策に乗り出しており、「院内暴力」の深刻さが浮かび上がった。
 調査は、先月から今月にかけ、47都道府県にある79の大学病院を対象に行い、59病院から回答があった。このうち、何らかの暴力あるいは暴言があったと回答した病院は54にのぼる。暴力の件数は約430件、暴言・クレームは約990件。暴力が10件以上確認されたのは6病院、暴言・クレームが50件以上あったのは5病院だった。
 「クレームはここ2年間で倍増した」(大阪大医学部付属病院)など、暴力や暴言・クレームが増加しているという回答は、33病院に達した。ただ、こうした件数や事例を記録に残していない病院もあり、今回の調査結果は、「氷山の一角」の可能性が高い。
(読売新聞)

県立病院 治療費滞納 2億5000万円 法的手段も(千葉)
 県内の7つの県立病院で治療を受けた患者が支払わない治療費(未収金)の残高が、今年3月末で約2億5000万円(概数)に上ることが、県病院局のまとめで分かった。滞納の理由の多くは「生活困窮」が占めているが、一方で、本来支払う資力があるのに支払わない悪質なケースも少なくないという。病院局は悪質な滞納者には法的手段で臨むなど回収に向けて積極的な姿勢を打ち出している。
(産経新聞)

ニュースプリズム:救急車の出動件数増 本当に必要か判断を /茨城
 ◇6割が軽症、タクシー代わりも
 ◇救命率向上へ「救急普及協会」設立

 救急車の出動件数が増え続けている。総務省消防庁や県内の消防本部は「タクシー代わりに使われているケースもある」として、本当に必要か、冷静に判断するよう呼びかけに躍起だ。重症患者の処置に支障が出ることも懸念されており、「自分の命は自分で守る」という姿勢を民間に浸透させるための取り組みも始まった。
(毎日新聞)

8月21日

10月から眼科「院内開業」 公立香住総合病院(兵庫)
 院内開業に向け工事が進む院内=公立香住総合病院  香美町香住区の公立香住総合病院は十七日、病院内で民間の医師が開業する「院内開業」を十月中旬から始める、と発表した。深刻さを増す医師不足への対策の一環で、施設の一部を眼科医に貸与する。院内開業は、県内では芦屋市立芦屋病院に次いで二例目。但馬地域では初めて。
 同病院は八つの診療科があるが、大学病院による派遣医師の引き揚げなどで医師が減り続け、現在の常勤医は五人。現在も眼科はあるが、昨年四月以降は、鳥取県内の開業医が月に二日、非常勤で外来診察するにとどまっている。
 医師増員のめどが立たない中、同病院が院内開業を検討していたところ、同病院で勤務経験がある公立八鹿病院(養父市)の眼科医(43)から希望があった。
(神戸新聞)

熊本の赤ちゃんポスト、県と市で共同の検証組織
 熊本市の慈恵病院(蓮田太二理事長)が運営している国内初の赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)で熊本県と熊本市は16日、運用実態を検証する専門組織を共同で設置すると発表した。
 これとは別に、市も3カ月に1度開く関係者による協議会の中に、ポストの運用を検証する専門部会を置く。
 発表によると、共同の専門組織は児童福祉や法医学の学識経験者らで構成し、年に数回開催。個別の事例を分析し、社会的な課題や制度上の問題がないかを検証する。運用開始から1年になる来年5月以降に中間報告を出し、その後最終報告を取りまとめる。
(産経新聞)

存続6病院すべて赤字/06年度県立病院事業決算(福島)
 県監査委員は17日、単年度では過去最高の22億7700万円の赤字を計上した2006(平成18)年度県立病院事業決算について、各病院ごとの定期監査結果を公表した。年度末で廃止した3病院・1診療所を除き、07年度以降の存続病院となる6病院はいずれも単年度赤字を計上、新体制のスタートラインが既に厳しい水準にあることを印象づけた。
 宮下、南会津の両病院については赤字幅が縮小するなど、経営改革に向け一定の前進がみられた。
 一方、医療過誤で医師が逮捕、起訴され産婦人科が休診中の大野は、外来患者の激減で単年度赤字が前年度比42%増の8億8600万円に膨らんだ。
 また、会津総合は入院、外来とも患者数が大幅に減り、単年度赤字は同32%増の8億8400万円を計上。統廃合の相手となる喜多方も2億7700万円の赤字を計上しており、会津統合病院(仮称)ができるまでの間、両病院で経営改革をどれだけ進められるかが、県立病院事業の累積赤字を圧縮する上で大きな課題となる。
(福島民友新聞)

内科常勤医5人体制に、市立根室病院(北海道)
 市立根室病院(荒川政憲院長)に8月1日付けで小井戸一光副院長(消化器内科)が着任し、内科の常勤医師は前年(常勤4人)を上回る5人体制となった。7―8月の相次ぐ内科医確保で呼吸器、循環器、消化器の内科専門外来が充実した。各種検査体制では7月に黒澤慎司診療部長着任し心臓カテーテル検査。小井戸副院長着任後は、消化器疾患で、入院が必要な内視鏡による処置、治療を再開した。また8月から平日午後の新患外来も開始した。
(釧路新聞)

光総合病院、10月から土曜休診 医師確保と経費節減(山口)
 山口県内の市立病院十二カ所で唯一、すべての土曜日に外来診察を続ける光市の市立光総合病院が十月から、土曜休診を決めた。週休二日の定着で大学からの医師派遣の協議で労働日数の多さを理由に難色を示されるケースもあり、勤務医の労働改善と同時に経費の節減につなげる。
(中国新聞)

8月20日

災害派遣医療チーム:費用や補償の協定、9都道県だけ
 災害派遣医療チーム(DMAT=ディーマット)の派遣に関し、チームの母体となる各医療機関と費用や補償などに関する協定を結んでいる都道府県が9都道県しかないことが、厚生労働省のまとめで分かった。先月16日の中越沖地震で新潟県が国に初の派遣要請をしたが、協定がないために派遣を見送った病院もあり、早急な体制整備が求められている。
 厚労省は昨年4月、DMATの活動の基本方針を定めた要領を作成。費用負担や現地で事故にあった場合などの補償を盛り込んだ運用計画を作り、医療機関と協定を結ぶよう都道府県に求めた。しかし、整備が済んでいるのは東京都と北海道のほか、山形▽神奈川▽埼玉▽千葉▽岐阜▽滋賀▽大分にとどまっている。
 中越沖地震では新潟県の派遣要請を受け、41チームが出動したが、派遣した13都県のうち10県は計画と協定が未整備だった。長野県はDMATを持つ7病院中2病院が、「隊員の事故補償やだれが出動費用を支払うのか明確でない」として派遣を見送った。
(毎日新聞)

女性医師の掘り起こし難航 確保対策基金の初事業(滋賀)
 医師不足を解消するため、県が医師確保対策事業の一環で今年度から実施している女性医師の復帰支援事業への応募が1件もなく、難航している。結婚や子育てなどでいったん離職した女性医師の現場復帰は県内の医師不足に対処する直接的な方法として期待されていただけに、県では「PR不足もあるかもしれないが、根本的な方法を考えないと」と頭を痛めている。
 この支援事業は、現場から2年以上離れている女性医師を対象に、県内の公立・公的病院で勤務することを条件に、現場復帰時に必要な支度金として年額240万円を貸し付けるという内容。今年度に新設された医師確保対策基金を財源として、すでに事業はスタートしているが、これまで応募や問い合わせなどはない。
(産経新聞)

【みちのく医療考】民話の里 消えた「整形外科」(岩手)
 7月4日、岩手県遠野市の本田敏秋市長が達増拓也知事のもとを訪れ、市内にある県立遠野病院へ整形外科医を1カ月間配置してくれるよう訴えた。市内でただ1人の整形外科の開業医が、体調不良で入院したことによる今回の緊急要望。高齢者の多い地域で喫緊の課題だが、なぜか県の反応は冷たかった。目の前の患者か、それとも地域医療充実への構造改革か。市と県の思いはすれ違う。
(産経新聞)

自殺予防
 昨年度もまた,全国の自殺者数は三万人を超えた.交通事故死の約二倍である.
  国も,遅ればせながら自殺対策に乗り出した.昨年,自殺対策基本法が施行され,本年は「自殺総合対策大綱」をまとめ,自殺率を二〇%減少させるという目標を設定した.
 自殺の原因として,いじめ,健康不安,過重労働,対人関係によるストレスが原因のうつ病が問題視されている.最近,過労自殺で労災認定を受けた六例のなかに,研修医と小児科医が含まれていた.医師の仕事の厳しさが浮き彫りにされたものだ.
 医師は,自らも含めて,不幸を未然に防ぐよう真剣に取り組まなければならない.九月十日は,「世界自殺予防デー」である.
(日医ニュース)

掛川市 医大生奨学金見直し、応募ゼロで浜松医科大以外も対象(静岡)
 掛川市は、市立総合病院の医師確保を目的に昨年度導入したものの、応募者がなかった医学部生への修学資金貸付制度について、対象を浜松医科大以外の大学医学部にも広げ、同病院で初期臨床研修を受けるという条件も撤廃するなど、大幅な見直しを行った。
 同病院では「大学から『学生は月10万円で自由を縛られたくないと思っている』と指摘された。利用しやすい制度にしたので、ぜひ応募してほしい」と話している。問い合わせは同病院管理課(0537・22・6211)へ。
(読売新聞)

深刻な勤務医不足 過酷労働に退職止まらず、知事選択を前に 地域から(2) (埼玉)
 春日部市立病院(小谷昭夫病院長)の小児科が閉鎖の危機に追い込まれている。
 医師不足が原因だ。今年一月までは四人の小児科医がいた。しかし三月末までに「開業したい」と二人が相次いで退職。残った二人も「八月末までに退職の意向」だが、いまだに補充のめどが立っていない。
 その影響で医療サービスが後退した。週六日の小児科外来は週三日に縮小。緊急な入院や手術が必要な重症の小児患者を対象とする二十四時間態勢の小児救急医療は中止に追い込まれた。
 「二十四時間対応で過酷な労働を強いられ、疲れ切った勤務医が中核病院を退職し、より負担の軽い病院や開業医に転職する。この傾向は小児科、産科から始まりすべての分野に広がっている。日本の医師数は欧米に比べて十二万人少ない。税金を医療に使い、医師を増やし、医師をやめさせない、病院をつぶさない対策を考えなければ地域医療は崩壊する」
(埼玉新聞)

第3回男女共同参画フォーラム、医師としての社会的使命が果たせる環境整備を
 松谷有希雄厚労省医政局長は,「今後の女性医師の活躍を展望する」と題して講演し,医師数は毎年増加しているものの,特定の地域や診療科等で医師の確保が困難になっていることや,総医師数に占める女性の比率が上昇している状況を説明.平成十六年末で一六・五%であり,現在,二十代の医師の約三分の一,二十代の小児科医の約半数,産婦人科医の約三分の二が女性であることを考えると,女性医師の働きやすい職場環境の整備は重要な課題であるとした.
 また,医師不足問題の背景にあるものとして,(1)大学医学部(いわゆる医局)の医師派遣機能の低下(2)病院勤務医の過重労働(3)女性医師の増加(4)医療にかかる紛争の増加に対する懸念─の四つを挙げた.特に,(3)への対応としては,「女性医師バンク」を設立し日医に委託したことや,離職医師の再就業支援および院内保育所の充実に取り組んでいることに言及.そのうえで,「子どもを育てながら働ける労働環境をどう整備していくのか.時間のフレキシブルな対応,その他いろいろな施策があるが,これらを病院の勤務体系の改革として考えていくことが一つの課題である」と結んだ.
(日医ニュース)

医師不足の竹田医師会病院に内科医赴任…「救急」再開はまだ(大分)
 医師不足に陥っている竹田市の竹田医師会病院に、福岡県大牟田市の民間医院勤務の内科医小川浩平さん(42)が9月1日付で常勤医として赴任することになった。窮状を知って自ら申し出た。
 竹田医師会病院は6月から内科医が1人となり、救急病院の看板を下ろした。これを受け、国の「緊急臨時的医師派遣システム」に基づき、日本医科大の女性内科医が今月1日から半年間の予定で勤務している。
 小川さんが赴任することで内科医は3人となる。病院側は「各医師の負担軽減につながる。しかし、4人いなければ、救急病院として再開するには厳しい」としている。
(読売新聞)

女性医師バンク 復帰に子育て支援不可欠
 子育てなどで現場を離れた女性医師に新しい職場を紹介する「女性医師バンク」が、設立から半年を過ぎ、一定の効果を挙げている。医師不足が深刻になっているだけに、さらに復帰を促すためには女性医師への子育て支援が不可欠だ。
 女性医師は二〇〇四年で約四万四千六百人おり医師全体の16・5%を占める。小児科では半数に近づき、産科でも若い世代が増える。しかし厳しい労働環境のため出産、育児などを機に現場から遠ざかる人が多く、医師不足の一因となっている。
 そこでバンクを介して復帰してもらおうというのが設置の狙いだ。国が日本医師会に委託し今年一月三十日から運用が始まった。東京と大阪の二カ所に拠点があり、希望診療科、勤務時間、保育施設の利用希望などを登録する。七月二十五日現在で、求職登録者数は百四十七人、求人登録件数は八百九十二件に上る。
(山陽新聞)

8月19日

累積赤字が80億円突破 06年度・大村市立病院 延べ患者数は13%減(長崎)
 経営難が続く大村市立病院の累積赤字が2006年度末、初めて80億円を突破したことが16日、市監査委員の市公営企業会計決算審査意見書で明らかになった。累積赤字が対前年度比8.3%増える一方、入院、外来を合わせた延べ患者数は同13%の大幅減となっている。
 市立病院は、08年4月までに「公設民営化」する方針が決まっているが、巨額の赤字が経営立て直しの足かせとなるのは必至だ。
 一方、患者数は、03年ごろ始まった内科医や産婦人科医の欠員、脳神経外科などの休診の影響が「顕著に出始めた」(米村喜八郎代表監査委員)結果、06年度は入院患者が1万2000人、外来患者が1万5000人減り、延べ患者数は17万6000人にとどまった。
 07年4月からは小児科も休診しており、07年度は患者数がさらに減少する見通しが強い。
(西日本新聞朝刊)

看護師ら大量退職 阪南市立病院(大阪)
 医師の一斉退職で7月から内科が全面休診している阪南市立病院で、40〜59歳の看護師や技師ら59人のうち34人が、市の退職勧奨に応じて8月末で退職することがわかった。市は「財政破綻(はたん)を避けるための苦渋の策」と説明しているが、今後、内科医師が確保できても、すぐに診療を再開するのは難しい状況だ。
(朝日新聞)

「短時間」「在宅」勤務推進を=出産後の女性ら対象−内閣府報告書
 内閣府は16日、「多様就業に関する調査報告書」を発表した。報告書は、出産後の女性が育児中も働き続けられるよう、短時間勤務や在宅勤務などの制度を導入している企業の実態を調査。その上で、両制度を推進するよう提唱している。
 内閣府は、三菱総合研究所に委託して、短時間勤務制度などを積極的に導入している14社を対象に調査を実施。このうち13社が短時間勤務を、8社が在宅勤務を導入していた。
 報告書によると、例えば、味の素は勤務時間を1日最大2時間半短縮できる制度を導入した結果、女性の依願退職者が2001年度の68人から05年度には29人に減少。「子どもが小学校に上がってからも短時間勤務の需要は多い」「優秀な人材が退職するのを防ぐことができた」などと回答している。
(時事通信)

「窓口負担ゼロの会」賛同広がる(管理人には理解できません)
 医療費の高い窓口負担を解消して国民が必要な医療を受けられるようにする「医療費の窓口負担『ゼロの会』」の賛同者(団体)が全国的な広がりを見せている。ゼロの会は今年1月、神奈川県保険医協会が呼び掛け団体となって発足した。半年あまりで著名人を含めた賛同者が3,000人に達するとともに、患者団体などの賛同も42団体に増加。ゼロの会は「窓口負担の『解消』を目指し、多くの皆さんの賛同を得て大きな世論をつくっていきたい」と話している。
 ゼロの会では、窓口負担をなくした場合の医療費の問題や財源についても言及。医療費に関しては、「実は、総医療費の25%を患者さんの8割で使っているのが、日本の医療の実態。受診率が上がっても微々たる影響しかなく、逆に、受診を控えて早期発見・早期治療が阻害されると、重症化して医療費が膨らむ」と指摘している。
 また、財源では「現在、国民は総医療費31.5兆円のうち半分近くも負担している。国と事業主(企業)にもう少し負担を増やしてもらい、窓口負担を賄う。国民・国・事業主で3等分ぐらいは可能だ。国と事業主に1.5兆円ずつ新たに負担してもらえば、外来の『窓口負担ゼロ』は実現する。入院も同様に考える。国は法律で医療の提供を約束しており、責任は重い」などと話している。
(キャリアブレイン)

未収金3年で11億 県内民間病院(沖縄)
 県内の病院で2002年4月から05年3月までの3年間に支払われていない治療費(未収金)の累積は少なくとも11億6992万円に上ることが分かった。1病院当たり平均は3078万円に上り、全国都道府県で3番目に多く、04年4月からの1年間に限っては1560万円で2番目に多かった。
 県立病院では生活資金が乏しいなど治療費を支払えない患者の未収金が問題となっているが、公立病院だけでなく民間病院も同じ問題を抱えていることが明らかになった。
(琉球新報)

秋大と東京医歯大、研修医を相互派遣 来年度から
 秋田大学医学部付属病院と東京医科歯科大学医学部付属病院(東京都文京区)による卒後臨床研修の連携プログラムが来年度、本格スタートする。
 平成16年度に始まった新たな医師臨床研修制度を背景に、多くの地方大学医学部出身者が大都市の病院に流出。本県を含む地方の医師不足が深刻化する中、今回のプログラムは首都圏の研修医を地方に呼び込むきっかけづくりができるのが最大の特徴。首都圏の研修医に地域の現状をアピールする絶好の機会にもなり、地域医療を志す医師が出てくることに関係者は期待している。
(さきがけ)

医学部目指す高校生ら診療所訪問(青森)
 高校生に医療現場を肌で知ってもらう医療施設見学会が十五日、始まった。初日は弘前、五所川原市の高校生二十三人が五所川原市の市浦医科診療所を訪れ、医師への志を強くした。県内の高校生百四十人が十七日まで、各地域の病院や診療所を見て回る。
 見学会は、県内の医師不足対策として、県が主催した。
 初日は弘前、弘前南、五所川原の三高校から医学部を目指す二十三人が、五所川原市市浦地区の市浦医科診療所を訪れた。
(東奥日報)

県立一志病院が「家庭医療」提供へ 脱「専門医志向」へ試み(三重)
 県立一志病院(津市白山町南家城)が、年齢や性別を問わず病気もけがも幅広く初期診療をする「家庭医療」を提供する病院に変わろうとしている。県内では初めての病院形態で、全国的にもまだ珍しい。常勤医師は四人、病床数は四十六床の小さな病院だが「地域で本当に役に立つ病院」という大きな目標に向かって取り組んでいる。
(中日新聞)

8月18日(夏期休暇中です)

医政局長、「医師の3交代制」に前向き姿勢 ―「勤務環境の改善」テーマに討論(日医・男女共同参画フォーラム:日本医事新報記事)


医師不足:解消へ、臨床研修医に説明会 35人参加−−県内19病院 /宮崎
 医学部を卒業した臨床研修医の誘致を進めようと、県内19の病院が13日、宮崎市内で説明会を開いた。医師不足解消のために県医師会や各病院が連携して企画、今年で2回目。参加した県内外の医学部生からは「直接話を聞け内情が分かった」と好評だった一方、参加者は35人にとどまり、県医師会幹部も「周知の方法を考えたい」と話している。
(毎日新聞)

初診患者の土曜日の診療を中止へ/厚木市立病院(神奈川)
 厚木市は九月十五日から、同市立病院(同市水引)で初診患者の土曜日の診療を中止することを決めた。医師や看護師の勤務負担を改善し、救急患者の診察や高度診療体制の充実を図るとしている。
 市立病院では土曜日の午前中、各診療科計六十三人で初診患者の外来診察を行ってきた。だが、平均初診患者が三十八人と少ない上、土曜日の診察体制を充実させてきた市医師会から、休診とするよう要望が寄せられていた。
(神奈川新聞)

勤務医の労働改善へ土曜休診 (山口)
 山口県内の市立病院12カ所で唯一、すべての土曜日に外来診察を続ける光市の市立光総合病院が10月から、土曜休診を決めた。週休2日の定着で大学からの医師派遣の協議で労働日数の多さを理由に難色を示されるケースもあり、勤務医の労働改善と同時に経費の節減につなげる。市病院局によると、土曜日は午前中だけで外来患者は平均110人。医師を現状の9人から1人に減らし、救急専門にする。
(中国新聞)

救急搬送、半数が「軽症」 大船渡(岩手)
 大船渡市内で病気やけがで救急搬送された人の約半数が、入院の必要がない「軽症者」で占められていることが大船渡消防署の調べで分かった。県内の状況より10ポイントも高く、医師不足が深刻化する県立大船渡病院の業務の圧迫にもつながっている。全国的にも安易な救急車利用が社会問題化しており、行政や医療機関などで組織する同病院医療体制充実対策協議会(会長・甘竹勝郎市長)は「地域医療を守ろう」とのパンフレットを作製。医療機関の適切な利用を訴えている。
(岩手日報)

ドクターバンク:暗礁…4カ月で登録ゼロ 個人情報条例が壁−−奈良県
 奈良県が産科・小児科の医師不足対策で始めた「ドクターバンク制度」が、空回りしている。結婚や出産、定年などで離退職した後、再び働く意思のある医師を掘り起こして登録、病院に紹介するはずだったが、開始から約4カ月たっても登録医師はゼロ。県は離退職した医師の名簿を持ちながら、県個人情報保護条例が禁じる「目的外の利用」にあたるとして“封印”、積極的な勧誘ができずにいる。
 制度創設のきっかけは昨年8月、同県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中の高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=が意識不明となり、転送先探しが難航した末、死亡した問題。医師不足が深刻な産科・小児科、へき地勤務医を対象に、4月9日から登録受け付けを始めた。医師登録は県医務課職員が「積極的に掘り起こす」としていた。
 バンクを利用した求人は、大淀病院の4人をはじめ、県内の公的病院4カ所から計9人寄せられている。しかし、紹介したくてもできない状態だ。
(毎日新聞)

常勤医7人が退職へ 筑西市民病院 存廃問う調査を開始(茨城)
 筑西市玉戸の市立筑西市民病院で、常勤医師七人が本年度内に退職することが明らかになった。同病院では近隣の大学病院などに医師の派遣を要請しているが、難航している。医師不足が解消されなければ、赤字経営の改善計画への影響は必至で、同病院は市民千人を対象に病院の存廃や経営形態を問うアンケートを始めた。
 同病院には現在、七つの診療科に常勤医師が十四人おり、ほかに脳外科で外来診療を行う非常勤医師が一人いる。
 市や同病院によると、内科医三人が年内に派遣元の日本医科大に引き揚げ、整形外科、形成外科、眼科、泌尿器科の医師四人も来年三月までに同大に戻るか、ほかの病院に移るなど、計七人が同病院を去る。
 内科医については同大から三月に「医局の医師が足りず六月末日で引き揚げたい」と打診があり、五人のうち一人は七月に戻ったが、交渉の結果、三人は十二月まで期間を延長した。補充のめどが立っておらず、内科の入院患者に対し、九月ごろから転院や退院を勧めるという。
(東京新聞)

8月17日

野党3党有志 医師不足議論へ
 格差問題に取り組む、民主党、社民党、国民新党の野党3党の議員グループは、過疎地域などに見られる医師不足の問題などに焦点を当てて議論を行うことにしており、秋の臨時国会に向け、具体的な解決策を盛り込んだ提言を取りまとめる方針です。
(NHK)

県行政要望トップは「安心・安全」(島根)
 島根県が実施した県政県民満足度調査で、県民が県行政に求める施策として、医療機能・施設の充実、医療従事者の確保、消防防災体制の確立など「安心・安全」にかかわる分野が上位を占めていることが分かった。施策の満足度では、労働福祉の充実、商業の振興、企業誘致など、産業振興・労働政策が低かった。
(山陰中央新報)

医大生対象に道内実習 全国から募集へ 道、地域医療担い手確保(北海道)
 道は本年度、全国の医大生を対象に道内での医療実習参加を呼びかけ、将来の地域医療を担う若手医師確保に乗り出す。医師不足が深刻化する中、北海道の魅力を伝えると同時に、地域医療の現場を肌で感じてもらう試みだ。
 道職員が全国の医大を訪問したり、インターネットを通して募集し、学生が春休みに入る来年春をめどに実習を行う。参加する医大生に日当は支給されないものの、宿泊費や交通費は道が負担する予定。
(北海道新聞)

チラシで救急の適正利用呼び掛ける、金木病院の救急体制を維持する会(青森)
 公立金木病院(五所川原市)の10月1日からの救急車受け入れ再開に伴い、住民団体「金木病院の救急体制を維持する会」が計画していた救急の適正利用を呼び掛けるチラシのデザインが決まった。同会は9月中にも、同病院を主に利用する同市金木町以北の地域に毎戸配布する方針だ。
 同病院の常勤医師数七人は救急対応に必要最低限の体制で、救急維持には医師の負担軽減が大きな課題となっている。全国的にもタクシー代わりの救急車利用などが問題となっており、一戸さんは「チラシ配布を通じて地域に『救急の適正利用』という考え方を定着させたい」と語る。
(陸奥新報)

朝来・梁瀬病院の時間外救急中止へ(兵庫)
 豊岡、朝来両市でつくる公立豊岡病院組合は十三日、公立梁瀬病院(朝来市、木山佳明院長)の時間外救急の受け入れを九月一日から中止することを明らかにした。十月以降、医師数を五人から三人に減らすことに伴う措置。同病院は、へき地医療の担い手を養成する自治医科大(栃木県)地域医療学センターから「小規模病院の成功例」として研修先に指定されており、規模縮小は波紋を呼びそうだ。
 再編方針は、但馬の各市町長や公立病院長、県などでつくる「但馬の医療確保対策協議会」で二月末、決まった。梁瀬病院などの医師を減らし、公立豊岡病院と公立八鹿病院に医師を集めることで、両病院での救急体制確保などを狙っている。
(神戸新聞)

小児科の夜間救急についてのお知らせ(都立駒込病院)
 今まで、すべての日において夜間当直体制をとってきましたが、医師の欠員により、暫定的措置として夜間当直体制を縮小することといたします。8月は月曜日が、9月は日曜日及び月曜日が夜間当直医不在となりますので、ご了承願います。
小児科の紹介のページ:常勤の小児科医4名が診療にあたっています(夜間外来担当かどうかは不明)


社内託児所の設置支援拡充 助成金の支給急増で厚労省
 厚生労働省は13日、社員の子どもを預かる社内託児所の設置を一段と後押しするため、企業への助成枠をさらに拡大する方針を固めた。新設した企業への助成金の支給が2006年度は42件と4年前の3倍超に伸び、07年度はさらに増える見込み。このため、来年度予算の概算要求では、07年度当初予算の22億6000万円の大幅増を求める方向だ。
 社内託児所が増えているのは、子どもを持つ女性社員に辞められたくない企業が増えていることが背景にある。景気回復や少子化による労働力不足で、技術を持ち能力のある社員が出産や子育てを理由に退職するのは企業にとって損失だからだ。
 政府も少子化対策の一環として、設置推進の方針で、02年度からの5年間で、新規設置で助成を受けた企業などは125団体にのぼる。現在、託児所を新設すると、2300万円を上限に、中小企業には設置費の3分の2、大企業には2分の1が支給される。
(中日新聞)

社説:開通相次ぐ高速道 機能生かす方策構築を(秋田)
 来月29日に開幕する秋田わか杉国体本大会を前に、県内高速道路の「開通ラッシュ」が始まった。新たに4区間計46キロが来月17日までに順次開通するのに伴い、本県の高速道路整備率(計画路線に対する開通区間の割合)は18年度の63%から75%にアップ、東北では最も高くなる。折しも今年は、秋田自動車道が東北自動車道に直結してから10年。高速道路を地域にどう生かしていくのか総合的に点検し、戦略を再構築する節目とすべきだろう。
 それに、地方にとって高速道路は「命の道」という性格を年々色濃くしている点も見逃せない。医師不足が叫ばれている本県では早期搬送によって救命率を高め、高度な医療サービスを受けるために高速道路の拡充は不可欠だ。豪雪時や災害時における幹線道路の代替路としての重要性も増している。安心・安全の確保を含め、高速道路の多面的機能を踏まえた利活用計画の再検討が急務といえる。
(さきがけ)

夕張再建計画*見直しは素早く柔軟に(8月14日、北海道新聞社説)
 総務省が、夕張市の財政再建計画について、市政の執行や、市民生活に影響のある分野などは、その変更を一部認める方針を初めて固めた。変更の対象は、市職員の残業代支給の緩和、市立診療所の改修などだ。
 このため、月百時間を超す残業をした市職員にも残業代は出なかった。再建計画が、残業代の上限に枠をはめているからだ。労働基準法に抵触しかねない。それが放置されてきた。見直しは当然だ、と言うしかない。

県立病院:胆沢での出産不能に 釜石は高リスク分娩移転−−産婦人科 /岩手
 県医療局は13日、県立胆沢病院産婦人科の分娩や手術の機能を県立北上病院に移転すると正式発表した。婦人科外来や妊婦検診は継続するが、胆沢病院での出産はできなくなる。また県立釜石病院の産婦人科も、帝王切開などリスクが高い分娩の機能を県立大船渡病院に移し、婦人科外来や妊婦検診と、健康な妊婦の通常分娩のみを取り扱う体制に縮小する。
 過酷な勤務環境などを背景に、県内の産婦人科医は00年の115人から04年は89人に減少。同局の根子忠美経営改革監は「過労でさらに産科医が辞める可能性もある。あくまでも緊急措置だ」と話している。
(毎日新聞)

医療事故「謝罪マニュアル」 社会保険連52病院で導入へ
 全国で52の社会保険病院を運営する「全国社会保険協会連合会」(全社連、伊藤雅治理事長)は、医療事故が起きた際、患者本位の姿勢で対応する方法を示した米国の「医療事故・真実説明・謝罪マニュアル」をグループ病院で実施することを決めた。医療事故の際、患者側に十分な説明をしない病院が少なくない中、大手病院グループが謝罪マニュアルの実施に踏み切るのは初めて。
(読売新聞)