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7月10日

赤ちゃんポストに4人目 生後10日程度の女児


7月9日

赤ちゃんポストに4人目 生後10日程度の女児
 熊本市の慈恵病院(蓮田太二理事長)が「こうのとりのゆりかご」の名前で運用している匿名の新生児を受け入れる窓口「赤ちゃんポスト」に5日未明、新生児の女児が預けられていたことが6日、わかった。「赤ちゃんポスト」に子どもが預けられたのは、同病院が5月10日に運用を開始して以来、4人目。
(朝日新聞)

県浜松医療センター:外来カードに「低所得」 患者の抗議、システム修正 /静岡
 浜松市中区の県西部浜松医療センターで、会計処理のため診療科から外来患者に渡される「外来基本カード」に「低所得者」など患者の所得区分の表記があり、患者から抗議を受けていたことが分かった。同センターは4日、記載されないようコンピューターシステムを修正した。
(毎日新聞)

医療クライシス:どうする医師不足/2 吉村博邦氏/林雅人氏

 ◇研修施設は大病院に−−全国医学部長病院長会議顧問・吉村博邦氏

 新医師臨床研修制度は基本的に希望する病院で研修する仕組みだから、都会や給料がよい所を選ぶ研修医が増えた。しかし、研修医が集まる都会の一部の大学でさえ、終了後に外科や小児科を希望する人は少ない。
 激務の科が敬遠されるのは、先輩医師の疲弊した姿を見るためだろう。当直がない、週末は休めるといったQOL(生活の質)が重視される。研修ではさまざまな科を細切れで回り、一つ一つの科は1〜3カ月程度見るだけ。どの科も深くやればやりがいはあるのに、少し見るだけでは大変さばかり目に付く。

 ◇診療科ごとに定員を−−日本病院会地域医療委員長・林雅人氏

 「プライマリーケア(初期診療)をよく学ばせ、どの診療科に行っても最低限のことはできるように」という新医師臨床研修制度の考え方は理解できる。最近は専門医志向の人が多く、プライマリーケアを志望する人は少ない。開業医でも、必ずしも学んでいるわけではない。激務といわれている診療科からの医師離れや、勤務医不足が生まれているが、プライマリーケアを重視する理念には賛成だ。
 診療科間の偏在が起きるのは、そもそも医師が足りないから。主に小児科や産科、麻酔科の医師が足りないと言われているが、他にも不足している科はある。国はどの科にどれぐらい医師が必要なのかを把握し、科ごとに不足医師数を明確にしなくてはいけない。そのうえで、医師を増やし、科ごとの定員を設定すべきだ。定員を決めれば、あふれた医師は他の科へ行く。厳しい診療科でも、医師数が確保され休めるようになれば、やりがいや興味を感じる人は必ずいる。
(毎日新聞)

青森市民病院、紹介状持参呼び掛けへ 小児科医の負担軽減
 青森市民病院(青森市)は小児科の受診者に紹介状の持参を呼び掛けるなど、小児科医の負担軽減策を打ち出した。軽症者の受診や夜間呼び出しが日常化し、診療に深刻な影響を及ぼす恐れがあるためという。青森市小児科医会(工藤協志会長)は市民病院の現状を重視し、初期救急を担う市急病センターに小児科医の常駐が必要として、会員の開業医が当直医として勤務することを申し出た。
 市民病院の小児科医は5人。新生児集中治療室の担当者らを除く2人が主に夜間救急外来を受け持つ。小児科は当直以外でも頻繁に呼び出しがあり、2人の時間外診療(午後8時―午前7時の夜間と休日)は月平均50―60時間で、100時間を超えた月もある。
 市民病院は「医師の疲労は限界で、診療が成り立たなくなる心配もある」と説明。保護者らに対し(1)日中に近隣の小児科専門医を受診する(2)高度治療が必要な場合は紹介状を持参する―ことを求める方針を決めた。月内に院内で告知する。
(河北新報)

松下電器が過労死訴訟で和解=健康管理の徹底を表明−大阪地裁
 夫が心筋梗塞(こうそく)で死亡したのは過労が原因だとして、大阪府内に住む女性(58)らが松下電器(大阪府門真市)を相手取り、計約1億6000万円の損害賠償を求めた訴訟は6日、大阪地裁(田中敦裁判長)で和解が成立した。
 和解条項には解決金支払いのほか、同社が従業員の健康、労働時間の管理徹底を表明することなどが盛り込まれている。
(時事通信)

種子島唯一の産科閉鎖へ 支援整わず「継続は危険」(鹿児島)
 人口約3万4000人の鹿児島県・種子島で唯一の産婦人科が12月で診療をやめ、島内で出産ができなくなる恐れが出ていることが6日までに分かった。1人でほぼすべてのお産を担当する開業医が、緊急時の支援体制が不十分なことや医療過誤訴訟の増加を理由に、現状での医療継続は危険だと判断したためだ。
 閉鎖を予定しているのは西之表市にある池田医院。島内の年間250件ほどの出産のほぼ百パーセントを、池田速水医師(39)が1人で手掛けてきた。
(中日新聞)

総合水沢病院、苦戦続く 医師不足で収入減(岩手)
 多額の累積赤字を抱える奥州市の自治体病院、総合水沢病院(梅田邦光事業管理者、282床)は、本年度も事業運営に苦戦している。6月末までに医師2人が退職して15人となり、収入の落ち込みが懸念される。医師不足は全国的な傾向で、一朝一夕では解決しない。優良な医療の提供という公立病院の使命と経営改善のバランスをどう取るか。関係者の悩みは深い。
 赤字の大きな要因となっているのは、深刻な医師不足。2000年度には常勤医26人がいたが、年々減り続け06年度には18人になった。減少率は30・8%で、比例するように患者数も30・6%、収入も36・3%減った。
 06年度決算はまだまとまっていないが、5億円前後の赤字が見込まれ、累積赤字は40億円近くに達する。
(岩手日報)

医療ミスの最たる原因は、医師の疲労による「眠気」!
 「疲労による眠気のために、これまで何らかの医療ミスをしたことがある」と答えた研修医は全体の3分の2、また「過去6ヵ月間に間違いをした」と答えた研修医も全体の40%にのぼることが調査の結果明らかになり、研修医の多忙な勤務形態が問題視されていることが伝えられた。
 英国では現在、医師や研修医の週あたりの勤務時間を減らそうという動きがあるが、英国医師会では、医療ミスの原因となっている医師の疲労は、直前に夜間勤務や当直勤務のスケジュールが変更されることが原因とし、週あたりの勤務時間そのものを減らしても医師の疲労を和らげることにはならないと指摘。法律で勤務時間だけを定めても、多くのNHS(英国の国民健康保険制度)管轄下にある医療機関では、疲労を増幅させる勤務パターンを医師や研修医に強いざるを得ないのが常であり、これによって医療ミスのリスクも高まっていると警告している。
(UK Today)

県の医学生奨学金きょうから募集 公的病院勤務条件(静岡)
 県は本年度に新設した医学生向け奨学金制度「医学修学資金」の貸与希望者の募集を6日から始める。県内の公的医療機関に勤務する意思がある医学生、医学科の大学院生が対象で、貸与金額は月額20万円。貸与期間の1・5倍に相当する期間、県内の公的病院に勤務すれば、奨学金の返還を全額免除する。
 県内各地で医師不足が深刻化する中、県は医師確保策の1つとして制度化した。県内出身者や特定の診療科にこだわらず、県内の病院現場で働く意思がある学生を広く募る。募集人数は5人。貸与期間は最長6年間。募集締め切りは8月20日。対象者は書類審査と面接で決定する。
 返還免除の条件は、医師免許取得後に行う臨床研修の修了後、直ちに県内公的38病院のいずれかに勤務する。返還免除を受けない場合は、修学資金に年利10%の利息を付けて返還する。
(静岡新聞)

他地域の医師の協力必要 郡内小児救急医療センター計画、設置場所は県に委ねる(山梨)
 郡内地域への小児救急医療センター設置について協議している富士・東部地域保健医療推進委員会は五日、県富士吉田合同庁舎で会議を開き、国中地域などの小児科医にも協力を求めながらセンター設置を目指すことで意見集約した。設置場所については意見が分かれ、県が設置準備を進めている検討会に判断が委ねられた。
 同委員会は昨年十一月以降、郡内地域の市町長や病院長、医師会長ら十三人で構成する専門委員会でセンター設置について協議してきた。この日の委員会では、専門委がまとめた(1)センター設置は必要(2)センターは勤務医と開業医が交代で運営(3)郡内地域以外の小児科医の協力を求める(4)設置場所などは県の検討組織で協議する−との検討結果が報告された。
(山梨日日新聞)

医療3機関、交渉不調-生駒市新病院(奈良)
 生駒市が平成22年の新病院開設に向けて指定管理者選考のために3つの公的医療機関と進めていた交渉が5日、すべて不調になったことが明らかになった。いずれの医療機関も6月下旬に、市に対して指定管理者になる意向はないと回答。採算面や医師の確保の問題などが主な理由とみられる。新病院開設許可の事前協議を求める県医療審議会の開催が近い中で計画が暗礁に乗り上げたことで、市は早急な対応策を迫られることになりそうだ。
 市が各医療機関に示していた新病院の場所は、同市東生駒二丁目の証券会社社員寮跡地(敷地面積約4240平方メートル)。新病院の病床規模は百床程度で、内科、外科、小児科を基本診療科目とし、特に小児科医療と救急医療の充実を求めた。併せて、救急医療の充実や建設、運営事業費の市、指定管理者双方の費用負担、病院運営が赤字、黒字になった場合の損益の負担、納付の条件なども提示され。
(奈良新聞)

搬送中、救急車内で出産4件 県立北部病院(沖縄)
 2005年4月に県立北部病院の産婦人科医が不在になって以降、ことし4月末までの間、北部地区から県立中部病院へ救急車で搬送された妊婦は169人で、このうち救急車内で出産した妊婦が4人いた。それぞれ医師は添乗せず救急救命士が子供を取り上げた。5日の県議会文教厚生委員会で狩俣信子県議(護憲ネットワーク)の質問に対し、県病院事業局が明らかにした。
 救急車内で出産した4人のうち、2人は早産のため子供が未熟児だった。未熟児の場合、低温にならないようにするなどさまざまな措置が必要。県病院事業局は「低温にならないよう気を付けている」と対応を示したものの、一方で「通常、救急車の中に保育器などは設置していない」と明らかにした。
(琉球新報)

7月8日

北の田舎町に医師が集まるワケ
 この総引き揚げに懲りた当時の町長は、「病院のことは病院に任せる」「医師を大切にする」という方針を打ち出したのです。別海町は、今年まで約40年間、町長選挙を行ったことがなく、その約40年間で3人しか町長になっていません。その3人は、「病院のことは病院に任せる」「医師を大切にする」という考え方を引き継いできたのだと思います。
 現在も、町長のみならず町議会議員も、「医療行政は病院に任せる」として、余計な口を挟むことはありません。当院は年間4億5000万円程度の赤字で、うち2億円を交付金で穴埋めしても、約2億5000万円程度の赤字を出しています。町の財政は、決して楽な状況ではないのですが、「2億円の赤字を出しても、町民の健康を守る」と腹をくくってくれているのです。
(日経メディカルオンライン)

Newsクリック:やまぐち 山口大医学部の若手医師不足 /山口
 医師の新臨床研修制度が導入された04年度以降、宇部市の山口大医学部の若手医師が、導入前に比べ2〜3割減少していることが分かった。研修医が研修先を選択できるようになり出身地や都会の病院などに流出しているため。大学は医局を中心に県内病院への派遣機能を担っており、同大卒後臨床研修センターは「このままでは地域医療が崩壊する」と危惧(きぐ)している。
 センターによると、従来は同大医学部を卒業後、70人前後が21あるいずれかの医局に入局し研修医として働いていた。ところが研修先が選べる新制度が導入された04年度は58人で、以後年々減少。今年度は28人と半減した。この背景を福本陽平センター長は「学生が給料など待遇が良く、症例数が多い東京、大阪などの都会の病院に流れる傾向がある」と分析する。
(毎日新聞)

整形外科医:遠野市長ら、医師配置を県に緊急要望 /岩手
 遠野市内で唯一の整形外科医が急病で入院し、市内の整形外科医が不在となる事態を受けて4日、本田敏秋市長と河野好宣市議会議長が県庁を訪れ、達増拓也知事らに1カ月の間、県立遠野病院に整形外科医を配置するよう緊急要望を行った。
 同市によると、同病院の整形外科医の過労による退職に伴い、昨年11月から1人の開業整形外科医が1日100人以上の患者を診察していたという。同医師は2日から休診しており、復帰には1カ月程度かかるとみられる。
 市ではそれまでの間、釜石市や花巻市、盛岡市の県立病院に患者を搬送するためのバスの手配などを検討している。
(毎日新聞)

県立4病院 未払い医療費急増 悪質なケースも県病院局、訴訟も検討(埼玉)
 県立四病院で未払い医療費が急増している。今年三月末現在で一年以上の未払い合計額は約一億三千四百万円に上り、四年間で五千万円近く増加。低所得者の増加や医療費自己負担増などが原因とみられるが、一方で、支払い能力があるのに未払いのケースもある。県病院局は、悪質な未払い患者に対して民事訴訟を起こすことも検討している。
(東京新聞)

キレる患者に戦々恐々、院内暴力へ対策次々…九州・山口の病院
 医師や看護師が患者からの暴力や罵倒(ばとう)にさらされる「院内暴力」への対応策を講じる病院が増えている。
 診療に不満を訴えてつかみかかったり、度重なる苦情を寄せて医師を退職に追い込んだりする例も。従来は医師の無神経な言動が問題化していたが、最近は、教師に対する暴言や機内暴力、駅員への暴行の増加などと同様、患者側の規範意識の希薄化を指摘する声がある。九州・山口の病院でも警察官OBの配置やマニュアル策定などに乗り出した。
 九州大病院では4月、トラブル対策に警察官OB1人を雇用。職員が患者から襟首をつかまれたり、ハサミで切りつけられたりしたケースが昨年、数回発生したためだ。「治らないのは医者が悪い」と受診のたびに治療費支払いを拒否、威圧的な態度で女性医師をおびえさせる――という患者も。警察官OBはトラブルの多い患者らの苦情を受ける際に同席する。同病院患者サービス課は「警察官OBが待機していることを告げることもあり、理不尽な要求は減った」としている。
(読売新聞)

産婦人科医を書類送検 北九州、出産後に出血死
 福岡県警捜査1課と折尾署は5日、出産後の女性に適切な処置を行わず出血性ショックで死亡させたとして、業務上過失致死容疑で北九州市八幡西区のセントマザー産婦人科医院に勤務する男性医師(56)を書類送検した。
 調べでは、医師は同医院に当直医として勤務中だった昨年4月5日、北九州市若松区の会社事務員の女性=当時(31)=の出産を担当。午前6時半すぎの出産後、容体を軽視して直ちに出血量などを把握しなかった上、適切な処置も行わず、同日午前9時45分ごろ、転送先の病院で出血性ショックで死亡させた疑い。
(中国新聞)

自治体病院の常勤医145人足りず(青森)
 県内の二十七自治体病院の常勤医数は五月一日現在、四百八十一人で、各病院が施設運営上必要とする常勤医総数より百四十五人不足し、充足率は過去五年で最低の76.8%にとどまっていることが、県国民健康保険団体連合会の調べで分かった。医療の高度化・専門化により、現場の仕事量が増加。文書作成や患者への説明時間も増える傾向にあることから、特に中核病院の人手不足感がますます強くなっていることが鮮明になった。
 医療機関別に見ると、充足率が100%に達したのは八戸市民、外ケ浜中央、六戸、名川の四病院にとどまった。むつ総合は充足率57.8%で常勤医が三十八人も足りない深刻な状況だ。ほかに十和田中央63.6%(不足数二十)、三沢67.6%(同十一)と、中核病院の医師不足が目立った。一月から救急告示を取り下げた金木病院は50%(同六)と低迷している。
 不足している百四十五人の診療科別の内訳は、内科が四十一人で最多。小児科十一人、外科十人、整形外科十人などとなっている。
(東奥日報)

7月7日

医療クライシス:どうする医師不足/1 伊藤恒敏氏/木村清志氏
 ◇医学部定員大幅増を−−東北大教授(地域医療システム学)・伊藤恒敏氏
 政府は「都市と地方の間の医師偏在」を前提として対策を立てている。しかし、この地域は医師が余り、この地域では足りないというデータを見たことがない。
 私たちは、全国を358地域に分けた2次医療圏ごとに、人口10万人あたりの医師数を調べてみた。東京都や政令市が入る医療圏は平均255人で、それ以外は175人。多いはずの大都市ですら、経済協力開発機構(OECD)諸国平均の300人を下回る。偏在というより、全国で足りないと言う方が正しい。
 勤務医は平均で週約60時間働いているが、我々の計算では、労働基準法通りの週40時間にするには約10万人足りない。OECD平均に追いつくには約14万人不足だ。
 政府は地方の医師不足対策として、医師不足の県で医師養成数を増やすと言うが、どの県で何人不足かのデータもないままでは意味がない。そもそも、全体で不足なのだから、OECD平均に追いつけるよう、医学部の定員を大幅に増やすべきだ。
(毎日新聞)

歯科医麻酔:厚労省が指針厳格化へ 三井記念病院の違反で
 三井記念病院(東京都千代田区)が国の指針に反した歯科医の麻酔研修をしていた問題で、厚生労働省は、歯科医が麻酔に関与することへの患者の同意を記録に残すなど、指針を厳格化する方向で見直すことを決めた。日本歯科麻酔学会と日本麻酔科学会が共同で改定案をまとめ、年内にも各都道府県に通知する。患者には見分けがつきにくい歯科医の立場をはっきりさせることで、責任の所在などを巡るトラブルを防ぐ狙いがある。
 現在の指針は、01年に札幌市の病院で、研修中の歯科医に救命処置をさせたとして医師が起訴された事件を受け、02年7月に策定された。
 歯科医の医科研修は、医師以外の医業を禁じた医師法との関係が問題になる。そこで(1)研修前に歯科分野で全身麻酔の経験が20例以上(2)研修項目を「実施許容」から「見学」まで4段階に分ける(3)患者に歯科医であることを説明し、原則同意を得る−−などのルールを作った。
(毎日新聞)

国立大学法人北海道大学職員労働時間,休憩,休日及び休暇規程
(裁量労働制)
第16条 教授研究(主として研究に従事するものに限る。)に従事する教授,助教授,講師並びに専ら人文科学及び自然科学に関する研究の業務に従事する助手については,労基法第38条の3に基づく労使協定を締結し,専門業務型裁量労働制を適用するものとする。
2 前項の規定が適用される職員の基本的な所定の勤務時間は,別表第3のとおりとする。ただし,業務の遂行に必要な所定の勤務時間の変更は弾力的に運用するものとし,所定の勤務時間は,専門業務型裁量労働制が適用される職員の裁量によるものとする。
3 休日は,第6条の規定によるものとする。
4 当該職員が,休日に勤務又は深夜勤務を行う場合には,事前に所属長の許可を受けなければならない。

残業代不払いでコナカ指導 労組側「店長は偽装管理職」
 紳士服大手のコナカ(本社・横浜市)が、仕事上の裁量が十分与えられていない店長も一律に管理職と見なし、残業代を支払わなかったとして、横浜西労働基準監督署が6月27日付で是正指導をしていたことがわかった。指導を求めていた全国一般東京東部労組コナカ支部は「店長は『偽装管理職』という主張が認められた。残業代の全額支払いなどを求めていく」としている。
 労基署は、店舗に所属する社員の4割が店長で、出退勤の自由も認められておらず、「全店舗の店長を管理監督者と取り扱うことには疑義がある」と指摘。コナカは店長ら管理職約380人に「特別賞与」の名目で総額約4億7000万円を支払うと発表しているが、労組側は、残業代分がまだ全額支払われていないと主張している。
(朝日新聞)

日本医師会テレビ健康講座(福島県)、「安全安心な地域医療」をテーマに
 今年度初の「日本医師会テレビ健康講座―ふれあい健康ネットワーク」の収録が,福島県医師会ならびにテレビユー福島の協力のもと,六月二十三日にテレビユー福島のスタジオで行われた.
 本事業は,地域医療における地域医師会の役割を住民に理解してもらうことを目的として実施しているもので,今年度で十九年目を迎える.
 番組では,谷雄三福島県医師会副会長や実際に地域医療に携わる医師らがVTR出演し,医師不足のために病院が閉鎖され,近くの病院でお産ができなくなったり,勤務医が過重労働になっているなど,県内の深刻な状況を報告.それを解消するための取り組みとして,福島県立医科大学が実施している「ホームステイ型医学教育研修プログラム」や,県の「女性医師復帰支援事業」などが紹介された.
(日医ニュース)
県立病院労使/看護師の過重労働調査(沖縄)
 県病院事業局の労使で構成する看護業務改善委員会(委員長・上地悦子県立病院看護企画監)が県立六病院すべての看護師(臨任職員を含む)約千五百人を対象に「看護業務改善のためのアンケート調査」を始めた。今年九月末までに調査結果をまとめ、看護師の過重労働解消に向け、具体策を示す行動計画を策定する。県立病院一斉の看護師調査は初めて。
(沖縄タイムス)
登録医師の46%が外国出身=英
 【ロンドン3日時事】英ロンドンとグラスゴーの連続テロ事件で、拘束者の多くが外国人医師だったことが明らかになったが、3日のBBC放送によると、英国の登録医師の46%が外国で教育・訓練を受けた者という。
 登録医師27万7000人のうち、12万8000人が外国から来た医者。そのうち、拘束されたビラル・アブドラ容疑者と同じイラク出身の医師は1985人に上る。今回の事件を受け、外国人医師受け入れ制度の妥当性を問う声が出始めている。
(時事通信)

7月6日

「なぜ自殺」遺族から聞き取りへ…予防センター、今秋から
 政府の自殺対策を支援するため、昨年新設された「自殺予防総合対策センター」(東京・小平市、竹島正センター長)が、今秋から全国の自殺者、数百人の遺族を対象に聞き取り調査を行う。
 精神科医と保健師が2人1組になり、自殺した人の生活歴、精神障害や身体的疾患の有無、収入や借金、労働時間、交友関係などを聞く。さらに、借金、過労、いじめなど、死の原因と思われる出来事の前後から死に至るまでの経緯を詳細に聞き取ることで、どんなことが悩む人を自殺へと傾かせ、何が自殺を引き留めるかを把握したいという。
(読売新聞)

医師不足対策の資金貸与3人の利用決定 県会一般質問(長野)
 県会は一般質問5日目の2日、6人が質問に立った。村井知事は、県が医師不足対策で本年度創設した「研究資金貸与制度」に対し、同日までに3人の利用が決定したと明らかにした。
 小池清氏(自民党)に対する答弁。同制度は、県外から県内に就職する産科、小児科、麻酔科医を対象に一定期間、県内の医療機関に勤務すれば返済を免除する。県は本年度の利用を10人と見込んでいる。
 県医療政策課によると、産科、小児科、麻酔科でそれぞれ医師1人ずつの利用が決定した。知事は答弁で「1人でも多くの医師が確保できるよう全力で取り組む」と述べた。
(信濃毎日新聞)

安心してお産できる仕組みを 上田の有志「集い」発足(長野)
 お産を担う医師の不足を受けて、上田市の母親ら市民有志が3日までに、「安心してお産と子育てができる地域をつくる住民の集い」(志摩修吾会長)を発足させた。医療機関と連携しながら、助産師がお産を担う「バースセンター」を地域ごとに設けるよう市などに提言する考えだ。地域でお産を支える新たな仕組みを整える狙いで、県内では珍しい取り組みとなる。6日には諏訪中央病院(茅野市)の鎌田実・名誉院長を招いてお産について考える講演会を開く。
 医師不足の対策として、国は医師を拠点病院に集約する方針を示している。これに対して、「住民の集い」事務局の片桐直希さん(62)は「集約化では病院が遠くなる上、お産が集中して十分なケアができなくなる」とし、「身近な地域で安心してお産ができるよう考えていかなくてはならない」としている。
(信濃毎日新聞)

燃え尽きたら
 T先生が産婦人科を選択したのは、数ある科の中で唯一「おめでとうございます」と言える科だったからとか。暗くなりがちな病院の中で、産婦人科だけはピンク色の壁紙で、赤ちゃんの泣き声がして、幸せそうだったから、と。
 近隣の病院がお産を辞めてしまったことで、当院産婦人科へお産が集中している。今まで以上にハイリスクなお産を担当しなくてはならず、数も増えた。問題も発生した。
 T先生は今、訴訟を抱えている。それ以外にも訴えるの、訴えないのという話もある。激務のうえに、訴訟関連の面接が続いて、T先生は心底疲れた様子だった。
 そもそもお産にはリスクが伴うものなのに「うまくいって当たり前、何かあったら医療ミス」の考え方がある。医療とは患者の体に介入することだ。100%安全はありえない。それを患者が忘れ始めている。T先生を追い詰めているのは、考え方の変わってきた(一部の)患者さんたちのようだった。
 「私は悪くない、悪いのはおまえだ!」他罰的に語ることで、被害者の殻に閉じこもる。行き場のない患者をT先生は義務感だけで受け入れ続けてきた。誰も言わないけれど患者の態度は昔と大きく変わっている。権利意識の高まりと言えばそれまで。ただ、以前の温かい人間関係は薄れてしまった。「私が引き受けましょう」と言い続けたT先生がつぶれていく。
(朝日新聞)

医療訴訟の続発に上げた叫び〜『医療の限界』
小松秀樹著、新潮新書、700円(税抜き)

 かつての医療では、医者が治療法を決定する「父権主義」という考えが支配的だった。ところが、いわゆる情報化社会の到来とともに、患者も医学の知識をたやすく得られるようになり、また、知る権利も拡大した。いまや患者が治療法を選ぶのが当たり前。医者と患者の関係は“父と子”から“サービス業者と顧客”に一変したといってよい。
 こうした流れの中で、いま、治療に問題があったとして患者が医者を訴える“医療訴訟”がつぎつぎと起きている。最善を尽くしたつもりが、最悪の場合、塀の中に送り込まれる。“明日は我が身”という怖れから、医者は一人またひとりと医療現場を立ち去る。医療は崩壊への一途をたどる…。
(日経ビジネスオンライン)

諏訪地区小児夜間急病センター開設1カ月 患者数当初予想の2倍超(長野)
 諏訪広域連合が諏訪市四賀飯島に開設した「諏訪地区小児夜間急病センター」が6月1日の診療開始から1カ月が経過した。6月の患者数は484人で、当初見込みを2倍以上上回っていることが、同連合のまとめで分かった。
 同センターは、おおむね15歳以下の軽症の急病者を対象に年中無休で開設。診療時間は午後7─9時。運営は諏訪市、岡谷市、諏訪郡の3医師会でつくるセンター運営医師会が指定管理者として委託を受け、諏訪地区の小児科、内科、信大医学部の医師が毎日交代で勤務している。
 同連合は当初、1日当たりの患者数を6.7人と予想。これに対し、6月の1日当たりの患者数は16.1人で、約2.4倍となっている。
(長野日報)

県外医師2人を配置 青森医療支援
 青森県は、運営する医師無料職業紹介所「あおもり地域医療・医師支援機構」の2006年度の医師配置実績をまとめた。U・Iターン医師を自治体病院に紹介する事業で、男性医師2人が就職につながった。
(河北新報)

厚労省・医師卒後研修 東京・大阪などで定員減要請へ
 厚生労働省は6月28日の医道審議会医師臨床研修部会で、臨床研修医の募集定員を見直す事務局案を示した。人口10万人当たりの医師数が全国平均を上回るなど、3つの要件を満たす東京都をはじめ4都府県の医療機関に対し、募集定員を減らすよう要請する。研修医が都市部に集中するのを防ぎ、全国にまんべんなく行き渡るようにする狙い。
 事務局案は、医学部を卒業して研修医になるのが年間約7500人であるのに対し、臨床研修病院の募集定員が約1.5倍の1万1000人に上るなど、バランスが悪いと指摘されていることを受け、提示した。研修医の都市部偏在の原因とされる過度の「売り手市場」を解消し、全国で研修体制の質を確保する観点から、地域ごとのバランスに配慮した形で募集定員の総数について調整する。
 研修医の募集定員を調整する対象は、<1>2007年度の募集定員数および採用実績が当該都道府県の人口に比べて著しく多い<2>04年の人口10万人当たりの医師数が全国平均を上回る<3>04年の面積100平方キロメートル当たり医師数が全国平均を上回る−−の3要件を満たした都道府県の医療機関。この3要件を満たすのは、東京、京都、大阪、福岡の4都府県
(2007.07.02 日刊薬業 7頁:東京日和にて記事を拝見し、NIFTYのデータベースより有料検索にて確認)

シリーズ“日本の医療を考える”第二弾!「行き場を失う老人たち!!」
 北海道黒松内町のある診療所も赤字に耐えられず、療養病床を廃止する事態に追い込まれた。だが「高齢の入院患者を見捨てられない」と、入院ベッドがあった2階の病棟部分を民間アパートにした。アパートの下は診療所、医師は毎日階段を上って「往診」という形で各部屋を回っている。
 この病棟閉鎖では2人の調理職員も職を失うことになったが「2級ヘルパー」の資格を取得し入居者への療養食をつくりながらヘルパーも兼ねるようにした。こうした職員たちの知恵と努力で入居者たちはかろうじて救われた。しかしヘルパーには訪問介護の制限があり365日、24時間のケアは出来ない。かつての療養病床との大きな違いはここにある。
(TBS)

佐野市民病院の経営問題:全職員に個別面談 就労継続の意思を確認 /栃木
 指定管理者制度の導入による存続を目指している佐野市民病院問題で、同市は2日、全病院職員を対象に個別面談方式の意向調査を、今月中旬から実施することを明らかにした。同制度移行後の就労継続の意思などを確認する。
 同市によると、同病院職員は看護師職98人、薬剤師・栄養士・各療法士など技師職35人、行政職21人など計186人(1日現在)。指定管理者が決まり新病院への移行が実現すると、職員は分限免職(整理解雇)され、市職員の身分も失う。退職金が勧奨退職と同様基準で上積みされるなど、自己都合退職より優遇される規定はあるが、職員の希望を優先した再雇用などを、同市は指定先に要望することにしている。
(毎日新聞)

7月5日

地方公務員給与、見直し要請へ・総務相、民間の1.6―2.1倍
 菅義偉総務相は3日の閣議後の記者会見で、民間水準と比べて高いバス運転手職などの地方公務員の給与について、全自治体に見直しを要請する方針を示した。総務省はバス運転手や電話交換手など七職種の給与について、民間の類似業種との比較調査を実施。年収ベースの試算で地方公務員は民間より1.6倍から2.1倍高いことが判明したため、近く通知を出して見直しを促す。
(日経新聞)

06年度の国保医療費、伸び率は鈍化…1人平均で年38万
 国民健康保険中央会は2日、自営業者らを対象にした国民健康保険(国保)の2006年度の医療費(速報)などを発表した。
 総額は、06年度に診療報酬がマイナス改定されたことから、伸び率が抑制され、0・4%増の19兆1037億円だった。また、被保険者数は、景気回復により組合健康保険など被用者保険への移行が進むなどし、0・4%減の5158万人で13年ぶりに減少に転じた。市町村が運営する国保の一人当たりの医療費の平均は年間38万5135円だったが、74歳以上の高齢者は83万384円だった。
(読売新聞)

旭医大 根室市立病院へ常勤医再派遣 9月めど 整形外科に1人(北海道)
 【旭川】市立根室病院に派遣していた常勤の整形外科医二人を三月末、医師不足を理由に引き揚げた旭川医大は二日、九月をめどに、整形外科医一人を常勤医として同病院に派遣することを決めた。四月以降、週二日に減った外来診療は週五日に戻る見通し。ただ、三月末で打ち切った入院診療や手術の再開には整形外科医の派遣増などが必要で、当面は外来診療だけとなる。
 漁業が主産業である根室市は、骨折や外傷などの治療をする整形外科のニーズが高いことなどから国が旭医大に常勤医の再派遣を要請していた。
(北海道新聞)

糸魚川総合病院へ医師を派遣(新潟)
 県は2日、糸魚川医療生活協同組合姫川病院(糸魚川市)の経営破たんにより厚生連糸魚川総合病院(同市)に患者が集中、診療体制に影響が出ているとして、週内に県立病院の医師を糸魚川総合病院に緊急派遣する方針を明らかにした。
 地域の中核病院の経営破たんを理由に、県が県立病院の医師を派遣するのは初めて。
(新潟日報)

初診受け付け、紹介患者に限定、舞鶴共済病院、内科医不足で
 京都府舞鶴市の舞鶴共済病院は2日、7月から一般内科と消化器内科の診療体制を縮小し、外来診療は原則としてかかりつけ医の紹介状を持つ患者のみ受け付けに変更した、と発表した。内科医の不足に伴う措置で、「勤務医の負担が増えてきていることから、医療の質を保つためにやむをえない」としている。
 同病院は国家公務員共済組合連合会が運営。18の診療科があり、外来患者は1日平均約700人という。そのうち約130人が訪れる一般内科と消化器内科は、常勤医師5人と非常勤医師5人で担ってきたが、福井大から派遣されていた常勤の2人が6月末で退職。1日に新たに1人が着任したが、従来の診療体制の維持が難しい状況となった。
(京都新聞)

内科検診に足りない理解 道立高で女生徒から苦情 触診に抵抗感、偏見も 説明する時間学校側取れず
 札幌市内の道立高校で5月、内科検診を受けた女子生徒が「胸をつかまれた」などと訴え検診が中断となった問題は、誤解による医師へのクレームが増える一方で、突然死予防などのため丁寧な診察を求められる学校医のジレンマを浮かび上がらせた。男性の医師への偏見が高まれば、医師の善意で支えられている学校の健康診断制度が崩壊しかねないとの懸念も出ている。
(北海道新聞)

外国人研修・実習 労基法違反が急増 長時間労働が最多 「安価な労働力」と軽視
 低賃金での長時間労働などが問題になっている外国人研修・技能実習制度で、厚生労働省は二日、実習生を受け入れている事業所の監督指導結果を発表した。昨年一年間に労働基準法や最低賃金法などで法令違反があった事業所は千二百九カ所(実数)に上り、前年の約一・六倍と大幅に増えた。
 違反の内訳は、労働協定を結んでいない時間外勤務など長時間労働に関するものが五百七十三カ所と最も多く、残業手当の減額や未支給が四百九十九カ所と続く。職場の安全性や衛生面に問題がある労働安全衛生法違反も四百六十八カ所に上った。一カ所の事業所で複数の法令違反をしていたところも多く、不正が横行している実態があらためて浮かび上がった。
(北海道新聞)

残業抑制に100万円支給=中小企業向け助成金新設へ−厚労省
 厚生労働省は、労働者の健康維持や少子化対策の観点から、働き過ぎを是正するための「中小企業労働時間適正化促進助成金」を近く新設する。2日に開かれた労働政策審議会(厚労相の諮問機関)労災保険部会に省令案を提示し、妥当との答申を得た。長時間労働の抑制を狙った助成金を支給するのは初めて。
 新制度は、臨時的に1カ月45時間超の残業をさせることも可能な特別条項付きの時間外労働協定(36協定)を労働組合と締結している中小企業が対象。長時間労働抑制に向けた「働き方改革プラン」(期間1年間)を実施した場合に100万円を支給する。初年度は400社の利用を見込んでいる。
(時事通信)

県、病院整備促進へ 都内に高度医療求め 長期療養なら県内で(埼玉)
 県民は高度医療技術を求めて東京都内の医療機関にかかり、都民は療養型の治療を求めて県内で入院する−。こんな実態が、厚生労働省が二〇〇五年に実施した患者調査から浮かび上がった。県は「県民に大病院志向があり、県内に高度医療病院が不足していることを表している」と分析。今後、高度医療や中核機能を持つ病院を整備していく方針。
(東京新聞)

医師臨床研修制度
 医師免許取得後の2年間、医療現場で診療経験を積む制度。2004年4月から義務化され、診療に当たるすべての医師は内科や小児科などを経験する制度に改めた。従来は研修先が大学病院に集中していたが、希望に応じて決める方式が導入され、設備が整って待遇の良い民間病院などで研修する医師が増加。人手不足になった大学病院が地方の民間病院などに派遣していた医師を引き揚げる動きが出ており、地方の医師不足の要因の1つになっている。
(西日本新聞)

北陸3県、医療・介護分野の人手不足深刻に
 北陸3県の医療・介護の分野で人手不足が一段と深刻になっている。とりわけ看護師は高齢化の進展に伴い需要が増えているうえ、大手病院が採用を活発化。薬剤師や介護福祉士なども、景気回復でほかの産業の求人が増え、製造・サービス業などに人材が流出する流れが強まっており、各医療機関・企業とも人材確保に躍起になっている。
 特に人手不足が深刻なのは看護師。昨年、診療報酬が改定され、病院や診療所では看護師の人数が多いほど入院基本料が上乗せされるようになったのも響き、「争奪戦」の様相を呈している。
(日経新聞)

高齢者のつめをはがした容疑で看護課長を逮捕 福岡県警
 北九州市八幡東区の北九州八幡東病院(木元克治院長、480床)の介護保険適用療養病床に入院していた高齢者数人のつめがはがされていた事件で、福岡県警捜査1課と八幡東署は2日、同病院の看護師で看護課長の上田里美容疑者(40)=同市八幡西区京良城町=を、女性患者(70)に対する傷害容疑で逮捕した。あわせて、同病院など6カ所を家宅捜索している。上田容疑者は「部屋には入ったが、足は触っていない」と容疑を否認しているという。
(朝日新聞)

7月4日



医療訴訟は医療ミス削減に寄与するか、日本医学ジャーナリスト協会公開シンポジウムの話題より
 さる6月5日,日本記者クラブ(東京都千代田区)において日本医学ジャーナリスト協会主催「医療訴訟は医療ミス削減に寄与するか」と題した公開シンポジウムが開催された。本邦の医療訴訟は,1997年は597件であったが,2004年には1110件にまで増加。2005年,2006年ともに1000件を下回っているが,ここ10年で訴訟数がほぼ倍増している。また,平均審理期間は1997年の35.6か月から2004年の26.9か月と短縮されているが,一般民事訴訟の平均審理期間(8.4か月)と比べ依然として長い時間を要している。
(週刊医学界新聞)

医師不足対策で奨学金 道内勤務条件に来春実施(北海道)
 北海道内の医師不足を解消するために、北海道大と札幌医大、旭川医大は1日、道内の都市部以外の病院で2年間働くことを条件に医師の資格がある大学院生に奨学金を支給する制度を連携して創設することを決めた。教育プログラムの一環として来春から奨学金支給を目指す。
 北大によると、複数の大学が協力して医師派遣の制度を創設するのは全国初。今後3大学が中間法人か特定非営利活動法人(NPO法人)を設立し、募金で奨学金の基金をつくる。大手企業が募金に前向きな姿勢を見せており、今後道内の約600の病院や市町村に募金を呼び掛ける。
(東京新聞)

道内自治体病院勤務医、労働週65時間以上4割 医療ミス誘因の懸念も
 道内の自治体病院に勤務する医師の四割が、一週間の平均労働時間が六十五時間以上に達し、「過労死ライン」を超える長時間労働となっていることが、全国自治体病院協議会北海道支部の調査で分かった。過重労働による健康不安や医療ミスの懸念を訴える声は強く、関係者は「医師数の確保など、国は早急に対策を」と訴えている。
 調査は今年三月、同支部に加盟する道内百二十六病院のうち、協力を得られた七十二病院の勤務医約千六百人を対象に行い、五百九十人から回答を得た。
 一週間の平均労働時間は、「六十五時間以上−八十時間未満」が23・2%で最も多く、「八十一時間以上−百時間未満」が12・7%。「百時間以上」も3・6%に上り、六十五時間以上の合計は39・5%だった。
 法定労働時間は週四十時間と定められており、それを超える時間外労働が月百時間か、二−六カ月平均で八十時間を超えると過労死の危険性が高いとされ、国などが労災を認定する際の判断基準の一つとなっている。労働時間が週六十五時間以上だと、時間外労働は月百時間以上になる計算だ。
 夜間当直をしている医師は79・5%で、一カ月の平均回数は「二−三回」が29・7%、「五回以上」が22・0%だった。当直勤務中の仮眠は「一−二時間」「ほとんど寝られない」が合わせて30・1%に上り、ほとんどの医師が翌日もそのまま通常勤務していた。
(北海道新聞)
(参考)江原朗.医師の長時間労働は医療安全に有害ではないのか.日本医事新報.2006;4263:73-78.


働くナビ:労働法の知識。どれくらい知ってますか。
 「弱い立場の労働者を守るための法律や制度を弱い立場の労働者ほど知らない」。東京都内で労働相談を実施しているベテランの男性相談員は、そう言って嘆く。男性の所に駆け込んでくる労働者の相談は、ちょっと労働法の知識があれば、対応できるケースが少なくない。けれど、知らないゆえに厳しい状況に追い込まれている。
(毎日新聞)

医療の地域格差「拡大している」が87%…読売世論調査
 読売新聞社が6月16、17日の両日に実施した「地域医療」に関する全国世論調査(面接方式)で、都市部に医師が集中し、町村部とでは偏りがあるなど医療の格差が広がっていると思うかどうかを聞いたところ、「どちらかといえば」を合わせ「そう思う」人が87%に上った。「そうは思わない」は計10%だった。
 医療の面でも「地域格差」を感じている人が多いことがわかった。
 住んでいる地域で「医師不足」を感じたことがあるかどうかでは、31%が「ある」と答えた。「ない」は67%に上ったが、3人に1人近くが医師不足を実感していた。「ある」を都市規模別に見ると、「町村」が41%で最も多かった。
 実際に医師不足を感じたことがある診療科(同)は、「産婦人科」が43%で1位で、「小児科」が37%で2位だった。
(読売新聞)

下呂市が休日診療所開設 内科、小児科の急患に対応(岐阜)
 下呂市は一日から、応急医療に対応する休日診療所を、同市森の市民会館一階保健センター内に開設する。市医師会の開業医十二人が輪番制で勤務。医師一人と看護師と薬剤師、事務員ら計七人の態勢で、内科と小児科の急病患者に対応する。
 診療所の休日診療はこれまで、市医師会が在宅当番医を指定し、市内二カ所で対応していたが、実際には県立下呂温泉病院や市立金山病院へ直行する患者が多かった。両病院が本来の業務とする重病者への救急対応に専念できるよう、休日専門の施設を設けた。
(中日新聞)

医療シンポ:女性医師の活用訴え 現状や課題を話し合う−−長野で /長野
 医師不足など県内の医療問題を話し合う「長野県の医療を考えるシンポジウム」が30日、長野市内で開催された。渡辺庸子・県衛生部長や束原進・長野中央病院長らが出席。集まった約80人を前に、県内医療の現状や課題について語った。
 医師不足について、渡辺部長は「医師の確保と女性医師の働きやすい環境が不可欠」と指摘。04年の人口10万人に対する県の医師数は全国35番目で181・8人(全国平均201人)。25〜29歳の県内医師のうち、女性医師が4割を占める現状を説明し、「女性医師の離職防止や復職を推進していきたい」と女性医師の活用を訴えた。
(毎日新聞)

相生市民病院 夜間小児救急開始へ 来年度「2次」の負担を軽減(兵庫)
 相生市民病院(同市栄町)は、来年度中に夜間の小児救急医療を始める方針を決めた。2年後には市内の病院から小児科が消える見通しのため、入院を必要としない「1次救急」を担う考え。同病院は「公立病院としての使命を果たしたい」と説明している。
 小児医療をめぐっては、各地で小児科を掲げる医療機関が減り、本来重篤な患者を対象とした「2次救急病院」に、症状の軽重にかかわらず多数の患者が集中する傾向が強まっている。
 さらに同市では、建て替えを計画中の播磨病院(同市旭)が、2年後の新装開業時には小児科を廃止する方向。このため、市内で唯一だった病院の小児科がなくなる事態を迎える。
 このため、市民病院は地元の小児医療環境を維持するとともに、2次病院への負担を少しでも軽減しようと、夜間の小児患者を受け入れる態勢を整えることにした。
 方針では、曜日を決めて午後8〜11時の時間帯に小児科医を常駐させ、入院を要するなど重い症状の場合は2次病院へ搬送。これに合わせ、現在54の病床数を61に増やす。
(産経新聞)

7月3日

酒田市の休日診療所 利用増で移転 質の高いサービス提供へ(山形)
 酒田市本町三丁目の市休日診療所が利用者増加に伴い1日から、同市船場町二丁目の市民健康センター別館(旧健診センター)に移転する。
 同診療所は2004年4月、それまで市民健康センター内に開設していた「市夜間急病診療所」と、酒田地区医師会に委託して在宅当番制で実施していた「休日診療」の2制度を統合し、さらに日中は小児科が常駐する新システムとして十全堂社別館で開所。休日に、日中は小児科医師と成人系医師が各1人、夜間は成人系医師1人が診療している。利便性が高まって年々、利用が増え、待合室や駐車場が狭いことが課題となっていた。
 診察日は日曜日と祝日、年末年始。診療受け付け時間は、日中が午前8時半―11時半、午後1時―4時半、夜間が午後5時半―8時半。問い合わせは、同診療所(診察日のみ)=電0234(21)5225、平日は市健康課健康係=同(24)5733=へ。
(荘内日報)

救急病院、33都道県で減る 大都市も医師、看護師足りず
 急病人や事故の負傷者などの搬送先となる救急病院の数は、二〇〇七年四月の時点で、大阪府を除く四十六都道府県で三千八百三十八となり、三年前に比べ百四十二減ったことが共同通信の調べで分かった。
 全体の七割に当たる三十三都道県で減少。理由としては、医師や看護師の不足などが多かった。これらの中には東京や愛知が含まれており、医師確保の厳しさが地方だけの問題でないことが示された。
 残った救急病院に急患が集中して負担が増し、救急指定を返上する病院がさらに増える悪循環も懸念されている。
 一方、京都、兵庫、沖縄など八府県では増加したものの、人口十万人当たりの病院数でみると、沖縄は一・八と最少。最も多い佐賀の五・六の三分の一以下だった。
(中日新聞)

[医師集約]拠点化で空白地域も(秋田)
 深刻化する産科医と小児科医不足に対処するため、国が進めている「拠点病院への集約化・重点化」。昨年11月、県地域医療対策協議会産科検討部会での現場医師からの提起は、土俵際にある地域医療のいまを物語るとともに、「集約化・重点化」によって生じる新たな医療の地域格差を予感させる。
 拠点病院への医療資源の集約により診療体制を強化し、激務を極める病院勤務医の負担軽減を図ろうというのが最大の眼目だが、地域住民にとっては確かに「我慢」を強いられる“荒療治”でもある。検討対象としている「医療資源」には、医師そのものも含まれるからだ。医師を召し上げられる病院にとっては、経営の根幹を揺るがされる恐れがあり、地域にとっては医師の空白化を生むことにもなりかねない。
 県地域医療対策協の産科、小児科両検討部会はことし3月、▽リスクに応じた病院間の機能分担▽拠点病院への入院機能の段階的集約?などの案を盛り込んだ最終報告書をまとめ、条件付きで集約化・重点化の実施を必要と結論づけた。
 しかし、実行できるかどうかとなると、診療報酬上の優遇策など、国が集約化を促すための“アメ”を一切示していないこともあり、極めて限定的という見方が根強い。
 検討の過程では、医師らから「診療機能の二極分化が進み、拠点病院の医師はますます忙しくなる」「本県は面積が広く、人口も分散している。集約化は移動時間などの点からもなじまない」「経営母体の違いなど集約には複雑な要素もある」といった問題点も挙げられた。
(さきがけ)

’07参院選・私の争点:医師・鎌田實さん /長野
 医療費の抑制政策が長く続き、病院は疲弊し、医師たちは厳しい条件下で働いている。参院選では、その現実を理解して医療改善に着目してもらいたい。
 日本の医療費は高いと思われているが、先進国の中では一番安い。例えば盲腸の手術は約37万円だが、韓国では約50万円、米・ニューヨークは約250万円にもなる。そのような条件下で、病院医師の平均労働時間は64時間。若い医師は90時間以上も働き、いつミスが起きても不思議ではない状況だ。
 医療費は年間32兆円だが、来年の改定時には2兆円の増額が必要だ。国民に負担をさせず、いらないダムや道路などの予算を回す。不必要な予算を国民が必要なところへ振り分けるのが、政治家の果たすべき役割だ。
 増額分は3点に充てる。一つ目はがんの治療。がんが死因の3人に1人を占める国民病となった今、がん治療をどこでも受けられるようにすべきだ。二つ目は少子化対策としての小児科と産婦人科医療の充実。3番目には地域医療と緩和医療の充実。医学がどんなに発達しても人間は年を取り、死ぬ。その不安を取り除くためにも在宅医療や緩和医療という支える医療の充実が重要となる。
(毎日新聞)

伊那中央病院救急医療 来月から重症優先(長野)
 伊那中央病院(伊那市)の救急部門・地域救急医療センターの専従医師が7月から大幅に減員となる。このため平日は軽症な一次患者の診療を上伊那医師会の会員に担当してもらう形にし、重症の二次・三次患者に対する24時間の救急態勢は堅持していく。しかし、現状では急病でないケースも多いことから、利用の在り方について理解と協力を呼び掛けている。
 専従医師は現在の5人から3人となる。このため利用の多い午後7時−同10時の時間帯は医師会の開業医が軽症患者を担当し、専従医師らは重症患者への対応に専念する。他の診療科医師の当直も復活させる。
 今後は「午後10時以降に来院された軽症患者は診療しないケースも予想される」(事務局)とし、土日や祝日の救急診療については、開業医から紹介状を持参した人や、同病院に通院治療中で急に症状が悪化した人などを除き、休日緊急当番医や、かかりつけ医を利用するよう理解を求めている。
 北沢公男救急部長は、「仕事の都合」や「昼間は待つから」といった理由で「夜間診療」的な利用も多い現状を指摘し、「重軽症のふるい分け(トリアージ)をするのが救急部門。正式な病名を付けるわけでなく、応急処置のみ」と話し、本来の役割への理解を求めている。
(長野日報)

八戸日赤病院、欠損金36億円超(青森)
 八戸赤十字病院は、二〇〇六年度決算で、累積欠損金が三十六億円を超えることが二十九日、分かった。〇六単年度だけみても、十一億円の赤字決算だった。同病院は、向こう五年で総収支を黒字にする目標を掲げており、〇七年度は、現金ベースで医業収益の黒字化を目指している。
(東奥日報)

患者の暴言 警察OBが対応、北大病院に「保安員」
 外来患者から無理な要求や暴言を受けるトラブルに対処するため、北海道大病院(札幌市北区)では、道警OB1人が「保安担当員」として配置されている。第三者的立場で患者の主張を聞く一方、理不尽な要求には厳然と対処する。
 全道から1日約2300人の外来患者が訪れる北大病院は、苦情も年間約200件にのぼる。待ち時間の長さなど一般的な苦情に加え、最近は「患者が希望する薬を処方しなかったため、怒って110番された」「主治医が不在で代わりに診察した医師が『あんたじゃ信用できない』と侮辱された」など、身勝手なものも目立つという。
 2003年度からは、苦情に対応する「患者相談室」を開設したが、担当の事務職員は法律の専門知識に乏しく、判断に迷うケースも多かった。そこで今年4〜6月を試行期間として警備会社に業務委託し、道警生活安全課を退職した50歳代男性を保安担当員として配置した。
(読売新聞)

統合後の新病院 串本町議会が設計費否決(和歌山)
 串本町が串本、古座川の2病院を統合して建設する新病院の設計委託費1億1000万円を盛り込んだ病院事業会計補正予算案が、29日に開かれた町議会で、賛成少数で否決された。反対の主な理由は、医師の確保ができていないこと。松原繁樹町長は「誠に残念。マスタープラン通り医師確保に努め、再度提案できるようにしたい」と話した。
(紀伊民報)

医師確保対策 無理なく働ける環境を(琉球新報社説)
 全国的に産婦人科医が不足している中で、県立八重山病院に産婦人科の医師3人が7月1日付で採用され、同科は現在の3人態勢から6人態勢に増強されることになった。
 常勤医が5月末で退職し医師不在になっていた座間味診療所にも7月13日付で常勤医を配置。県立北部病院にも産婦人科医1人を来月1日から派遣するという。
 地域の医療環境が改善されることを心から喜ぶと同時に、北部病院産婦人科をはじめ、すべての欠員が早期に解消されるよう期待したい。
 だが、医師個人の使命感に頼っているだけでは付け焼き刃になりかねない。問題の根底に、県立病院の過酷な勤務環境が横たわっているからだ。
 県内5つの県立総合病院に勤務する医師267人(2006年度)の大半は当直勤務の回数が月平均5、6回に上り、全国平均のおよそ2倍に達している。ほとんどの医師は当直明けの後、引き続き日勤勤務に就いており、連続32時間労働が恒常的に繰り返されている実態も明らかになっている。
(琉球新報)

7月2日

「医師の偏在」に処方はあるのか
 小児科、産科、救急医療の勤務医不足が年々深刻さを増している。昨今では都市部でも、医師不足によって小児科や産科が閉鎖に追い込まれる病院が出始めるほどだ。その一方、そうした現状とは裏腹に、わが国の医師免許取得者数は年々増加傾向にある。
 毎年、8000人の医学部卒業生のうち、7000人強の新たな医師免許取得者が誕生しており、現在、わが国の医師数は27万人を超えている。この数字を見ると、医師の絶対数の減少によって、これらの診療科が医師不足に陥っているのではないことは明白だ。にもかかわらず、大病院を中心とした勤務医不足に歯止めがかからないのは、“医師の偏在”にあると言ってよいだろう。
 新しい医師研修制度は、具体的に小児科、産科にどのような影響を及ぼしたのか。研修医制度の変更により、04年からの2年間は新たな医師の誕生がない空白期間が生じた。この影響で大学病院でさえも医師不足に陥り、それを補うために市中病院へ派遣していた医師を引き上げてしまうケースが多発し、地方の病院の小児科・産科の勤務医不足を加速させていった。
 実際、産婦人科では、全国で大学から常勤医の派遣を受けている病院の4分の1、非常勤の派遣を受けている病院の3分の1が医師の引き上げを経験しているという。1人の研修医の引き上げがキッカケとなって労働環境が悪化し、さらに産婦人科医が辞めていくという悪循環を招き、残った医師だけでは安全な分娩が不可能となって産科を閉鎖した病院も珍しくない。
 とはいえ、小児科、産科の勤務医不足は、医師研修制度改革の影響だけで説明し尽せるものではない。救急医療も含めた小児科、産科の勤務医には、365日24時間対応、重い責任、高いリスクが余儀なく課せられる。
 これら劣悪な労働条件の中で、慢性的な過労に耐えて精いっぱい頑張っているにもかかわらず、待遇面では全く恵まれないという根本的な問題が横たわっているからだ。小児科、産科、救急医療の勤務医が、働き詰めで燃え尽き症候群に陥り、開業の道に進んだ例も多数あるようだ。
(薬事日報)

産科婦人科の医師不足が深刻(新潟)
 全国的に産科の医師不足が深刻化している中、県内で分べんの取り扱いが可能な医療機関について、県医薬国保課が初めて調査した。施設数は、昨年10月現在で病院32、診療所28の計60となった。
 昨年12月に調べた。県内7医療圏域別内訳では、「新潟」が25と最も多く、「中越」「上越」各8、「県央」7、「下越」6、「魚沼」5と続き、「佐渡」は1カ所だけ。地域的に偏りがみられた。
 また2500グラム未満で生まれる「低出生体重児」は年1600―1700人で推移し、全体に占める割合は上昇傾向にある。低出生体重児らを受け入れる「新生児集中治療室」(NICU)のベッド稼働率は90%を超えており、山崎理・健康対策課長は「ほぼ満床に近く、新たな需要が生じたときに受け入れが困難(な状況だ)と認識している」と課題を挙げた。
(新潟日報)

医学部定員増 信州で働く魅力作りを
 千曲市にある長野赤十字上山田病院が、来年3月で閉鎖される見通しになった。ほかにもお産の受け入れを制限したり、診療科を減らさざるをえない病院も相次いでいる。医師不足の影響が県内でも急速に広がっている。
 信大医学部は来年度から定員を増やし、卒業後も県内で働くことを条件にした奨学金を始める。卒業生が実際に働くのは先の話だが、医師確保の柱になる。医師不足対策に特効薬はなく、長期、短期の視点でさまざまな手を打っていくしかない。信大が果たすべき役割は大きい。
 信大医学部の定員は10人増やして105人になる。奨学金は在学中に月額約20万円を貸与し、卒業後9年間は県内で働くことを義務付ける。毎年20人の利用を目標とする。
(信濃毎日新聞)

小児患者の時間外救急診療 「鹿屋方式」ピンチ 「緊急外」受診が圧迫 当番開業医の負担 限界に(鹿児島)
 鹿児島県鹿屋市が独自に導入した夜間・休日の小児救急医療システムが、崩壊の危機に直面している。地域の中核病院と開業医が診療を分担していたが、時間外の小児患者の急増に開業医が「負担が限界に達している」と訴えているためだ。「鹿屋方式」をどうやって維持するか。市民を交えた論議が動きだそうとしている。
(西日本新聞)

県内企業の06年の割増賃金違反449件(長野)
 時間外や休日に働いた従業員に労働基準法で定められた割増賃金を支払わなかったとして、長野労働局(長野市)が2006年中に是正指導した県内企業は449件だったことが29日、分かった。前年より24件(5・1%)減ったものの、219件だった2000年に比べると約2倍の水準だ。
 長野労働局によると、タイムカードを導入していない職場で従業員に労働時間を短く申告させたり、割増賃金を支払うのは「1カ月10時間まで」と上限を設けたりしたケースが目立ったという。
 長野労働局は「事業主が労働時間を正確に把握しないことが従業員の過重労働につながり、健康障害を引き起こす恐れもある」と指摘。法違反がなくならないとして、30日に長時間労働や賃金不払いについての無料電話相談を行う。
(信濃毎日新聞)

妹背牛町 「診療所残したい」 運営する医療機関募集(北海道)
 【妹背牛】空知管内妹背牛町は、町有の診療所施設で診療を行う医療機関を七月二日から募集する。施設は無償貸与し、さらに年間一千万円を助成する。同町は「地域医療の存続のためぜひ応募して」と呼び掛けている。
 施設は一九九七年完成の鉄筋コンクリート二階建て、延べ床面積千百四十七平方メートル。二○○二年まで町立診療所として運営してきたが、赤字が深刻化したため民営化に踏み切り、旭川市の医療法人に一年更新で建物を無償貸与。現在は医師一人で内科、外科、リハビリテーション科の外来診療を行っている。一日の平均外来患者数は昨年度実績で四十六人。
 同町はこれまで年間三千五百万円の助成を続けてきたが、緊縮財政で来年度からの減額を決め、あらためて運営主体を募ることにした。
(北海道新聞)

常勤医3人体制 医療センター あすから 老健施設も始動(北海道夕張市)
 【夕張】市立病院から公設民営化された夕張医療センター(十九床)に、七月一日付で常勤医二人が新たに着任する。総合診療科は常勤医三人体制となり、併せて老健施設(四十床)も受け入れを始める予定で、村上智彦センター長は「ようやく当初予定していた陣容で医療を行うことができる」と話している。
 二人は東京慈恵会医科大の永森克志さん(35)と医療法人生長会府中病院(大阪府)の田谷智さん(38)で、いずれも退職して赴任する。永森さんは長野県で地域医療の経験があり、田谷さんは製薬会社勤務を経た後に医師になった。二人の診療は二日からで、慈恵会医科大から派遣されていた安江英晴医師は六月末で帰任する。
(北海道新聞)

ドクターヘリ「道東に配備を」 厚労相に陳情(北海道)
 釧路、根室管内へのドクターヘリ導入を目指す「釧路ドクターヘリ運航調整研究会」(西池彰会長)などの関係者らが二十九日、厚生労働省を訪れ、西池会長(釧路市医師会会長)が早期配備などを求める要望書と両管内の約十万人分の住民署名を柳沢伯夫厚労相に提出した。
(北海道新聞)

糸魚川の姫川病院、30日閉院(新潟)
 経営破たんにより病院閉鎖を決めた糸魚川市の糸魚川医療生活協同組合「姫川病院」(姫病=清水勇理事長)が30日、閉院する。長く、糸魚川の地域医療の一翼を担ってきた拠点医療機関の閉鎖を惜しむ声は多い。
 姫病は1987年5月に開院。医師不足や診療報酬改定などによる収入減で経営が悪化、6月4日の理事会で同月末の閉院を決めた。
(新潟日報)

軽視する無かれ、労働基準法
 こうした点から、今回は経営リスクの大きな要因の一つであるコンプライアンスについて、人事マネジメントの観点から考えてみたいと思います。
 人事分野には労働基準法という、刑事罰の規定も持つ厳しい法律があり、企業の人事管理はこの法律を遵守することが求められます。しかし、「堂々」と違反している企業が多く存在しているのが実情です。
 例えば、サービス残業の問題など代表的なものでしょう。これについては法律の側にも問題があるとは思いますが、法律として明確に規定されている以上、従わざるをえないのも事実です。
(日経BP)

争点の現場で:参院選を前に/3 医師不足 /神奈川
 小田急本厚木駅から歩いて15分ほど。厚木市立病院は国道246号に面した同市中心部にある。年間600近い出産を担う地域の中核病院の産科が、あと1カ月余りで休止する。
 午前中の外来診察を終え、手術室で帝王切開に備えていた部長は突然の腹痛に座り込み、意識を失った。脳梗塞(こうそく)だった。
 「厚木市立病院の産婦人科医師を引き揚げさせる」。部長が倒れてから1カ月余りたった今年2月1日。同病院のほとんどの医師を派遣する東京慈恵会医科大(東京都港区)の産婦人科教授が、厚木市内の会合でそんな発言をした。4月に入り、同病院産婦人科の常勤医・非常勤医計8人全員が引き揚げることが分かった。「指導的立場の医師(部長)がいなくなった。これでは異常出産に対応できない」という理由だった。
(毎日新聞)

銚子市立総合病院:来月から内科系の入院再開 常勤医師2人を確保 /千葉
 銚子市立総合病院(佐藤博信院長)は、医師不足で5月から休止していた内科系(内科、小児科、婦人科)の入院患者の受け入れを7月1日から再開する。2人の常勤内科医師が決まったためで、市民からの寄付で病室が改装されるなど、同病院は「再生」に向けて大きく動き出した。
 同病院は「新医療臨床研修制度」の導入に伴い、昨年から医師派遣先の日本大学病院などの医師が引き揚げるなど医師不足に悩まされていた。内科系の医師は4月末で7人から3人に減り、5月からは新入院患者の受け入れを休止していた。
 しかし、その後の要請で旭市の旭中央病院(吉田象ニ院長)が内科医師2人の常勤派遣を快諾したため、7月1日からは常勤医師5人と非常勤医師7人の体制で、新入院患者の受け入れに対応できる。
(毎日新聞)

医師、看護士の派遣解禁を=07年度規制改革要望−経団連
 日本経団連は29日、2007年度の規制改革要望を発表した。労働者派遣法上、医療関係業務を解禁することや地方税徴税業務の民間開放など全体で14分野、205項目に及ぶ。来週中に政府に提出、実現を働き掛ける。
 医師や看護士らが携わる医療は同法で派遣禁止業務とされている。しかし、医務職の人材不足が社会問題となっている中で、有資格者の女性や高齢者の活用を促す観点からも、早期に派遣を解禁する必要性を指摘した。
(時事通信)

県、医師派遣できず/北部病院産科(沖縄)
 離島・へき地の医師確保のために今年四月にスタートした「県離島・へき地ドクターバンク事業」で、七月から予定していた県立北部病院産婦人科への医師派遣について、知念清病院事業局長は二十八日、医師の「一身上の都合」により、派遣ができなくなったことを明らかにした。同日行われた県議会(仲里利信議長)六月定例会一般質問で、玉城義和氏(無所属)の質問に答えた。
 同局は二十五日、同病院に常勤医師一人を確保したと発表したが、二十七日、同医師から辞退の意向が伝えられた。
(沖縄タイムス)

7月から産科医1人 胆沢病院の対応策協議(岩手)
 県議会6月定例会は28日午後1時から本会議を再開。小野寺有一(自民クラブ)、新居田弘文、千葉康一郎(民主・県民会議)の3氏が一般質問した。法貴敬医療局長は、県立胆沢病院の産婦人科について、7月から常勤医1人の診療体制になることを明らかにした。3人の常勤医のうち、1人は6月中旬で既に退職、もう1人は6月末に産休に入る。県医療局は応援診療など今後の体制について、関係機関と協議している。
(岩手日報)

上伊那医師会が第1次医療を応援、中病の地域救急医療センター(長野)
 伊那中央病院の地域救急医療センター専従医師の減少に伴い、上伊那医師会は7月2日から、夕方以降、外来で済む第1次医療の診療に協力する。
 時間外診療は開院当初から医師会の協力を得ているが、専従医師が2人に減ることから、今月初旬、病院側が平日夕方以降の協力を要請した。
 医師会は、伊那中央行政組合を構成する伊那市、箕輪町、南箕輪村から協力できる開業医を募ったところ、二十数人が集まった。
 開業医は平日の午後7時から10時ごろまで、1人ずつ待機。10時以降は、院内の他診療科医師が当直に当たる。
(伊那毎日新聞)

県の医師仲介・斡旋、06年度2人(青森)
 県の医師無料職業紹介所「あおもり地域医療・医師支援機構」が二〇〇六年度、就業先を仲介・斡旋(あっせん)した医師は二人であることが二十八日、青森市で開かれた同機構運営委員会で報告された。〇五年九月の機構発足から、トータルの仲介実績は五人となり、県は「全国的に医師が不足している中で、よく頑張っている方ではないか」と話している。
 県によると〇六年度、同機構に寄せられた求職は八人で、求人は五人(一病院四診療所)。勤務地、給与など両者の条件を調整した結果、津軽地域の病院に三十代男性、下北地域の診療所に三十代男性医師を紹介することができた。就職には至らなかったが、本県に既にUターンしている求職希望者もおり、今後、就職先が決まる可能性が高い。
 自治医大卒で県職員となっている医師十八人は、下北、南部、津軽半島などの十病院・診療所に派遣されている。
(東奥日報)

県政の課題 ’07知事選 地域格差も浮き彫りに(群馬)、小児・産科で深刻
 二〇〇一年の計画は三年後、予想しない方向に進むことになる。渋川市の「渋川総合病院」。〇一年の計画では、将来的に十一の診療科、常勤医を二十人としたが、現在の常勤医は七人。〇四年から産科の休診が続き、その後、小児科、内科は常勤医が不在になり、非常勤医師が診療に携わる。
 〇四年度に新医師臨床研修制度が始まり、都市部の病院に医師が流出、勤務医の開業志向や女性医師の休職・退職も重なる。医師不足は、県内各地で深刻な影を落としている。
 県内の医療機関に勤務する医師数は〇四年現在で、人口十万人当たり百九十二人。全国平均の二百一人を下回る。ここ数年で小児科の常勤医は二十人、産科医は十一人減少し、医療機関では、三十二の診療科で入院廃止や縮小に追い込まれた。
(東京新聞)

勤務医の労働強化の“真犯人”は?
 病院に勤務する医師が長時間労働を強いられ、その労働環境が悪化している本当の理由は、入院患者の回転率の上昇や手術・検査の件数増による仕事量の増加である可能性が高い――。こんな調査結果が、6月15日の第57回日本病院学会の口演発表で明らかにされた。
 発表したのは、東京医科歯科大学医歯学総合研究科の柴田匡邦氏らのグループ。医師数は増加してきているのになぜ労働強化になっているのかという問題意識から、厚生労働省の「病院報告」などの資料を基に、医師の労働環境悪化の要因を分析・検討した。
(日経メディカルオンライン)

福島県立医大が県外枠 来春、卒業後の県内勤務条件
 福島県立医大(福島市)は28日、来春の入学試験で県外の受験生を対象に5人の推薦入学枠を創設すると発表した。県内の公的医療機関で一定期間勤務することなどが条件で、県内定着を促す狙いがある。
 県立医大はこれまで、県内高校出身者の推薦枠を設けて県内で働く医師の確保を図ってきたが、県外出身者でも卒業後の県内勤務を義務付ければ、医師不足解消につながると判断した。
 県は新たに、卒業後に県内の公立病院やへき地の診療所などで9年間勤務すれば返済を免除する奨学金(月額約23万円)を創設。この奨学金を受け、勤務義務を果たすことが受験の条件だ。
 一般選抜と推薦入学を合わせた入学定員は前年より10人増え90人。推薦入学全体の募集人員は20人で、このうち県内出身者の定員は15人。県内出身者の場合、勤務条件はない。
 創設する奨学金制度は、月額約23万円と約10万円の2種類があり、約10万円の場合の勤務義務は6年間。
(河北新報)

仙台市が看護師確保策を強化 離職防止、復帰者支援
 仙台市は、医療現場での需要増などにより不足傾向にある看護師の確保事業を本格化する。昨年4月の診療報酬改定で、全国的に看護師争奪戦が激化。仙台市では市立看護専門学校(太白区)が2009年度末で廃止されることもあり、ソフト事業を整備して看護師の働きやすい環境づくりを支援する。市町村が直接、看護師確保対策に乗り出すケースは全国でも珍しい。
 ソフト事業は、資格を取得しても仕事になじめず辞めてしまう若手看護師の離職防止対策と、子育てなどで離職した「潜在看護師」の復帰支援の二つが柱。
 仙台市によると、市内の医療機関では新卒看護師が1年以内に離職するケースが目立ち、新卒者全体の5%以上が離職しているとみられる。
(河北新報)

医師不足地域に派遣
 政府と自民、公明の与党両党は27日、首相官邸で、北海道や岩手県などの医師不足地域に第1陣としての派遣が決まった医師らと面談し、激励した。安倍晋三首相や公明党から斉藤鉄夫政務調査会長、福島豊社会保障制度調査会長が出席した。
 今回の医師派遣は、政府・与党が先月(5月)末にまとめた緊急医師確保対策に基づき、北海道、岩手、栃木、和歌山、大分の5道県6病院に派遣するもの。期間は3〜6カ月程度。今後も都道府県からの要請を受け付け、必要性の高いものについて、医師派遣を行う方針。
 会合終了後、斉藤政調会長は、「政府・与党として、緊急対策をまとめ、迅速に医師不足地域への医師派遣を実現することができた。社会的使命を果たすために赴任される医師の方々に大変感謝している。安心できる医療体制の構築へ、中・長期的な課題についても、全力で取り組んでいきたい」と述べた。
 誰もが地域で必要な医療を受けられる体制の整備をめざす政府・与党の緊急医師確保策は、緊急の医師派遣のほか、勤務医の過重労働解消や、女性医師の職場環境改善、医師不足地域や診療科で勤務する医師の養成などを盛り込んでいる。
(公明新聞)

日本の医師数最低水準、OECD加盟国 近藤日福大教授が試算、2020年
 日本政府の「医師抑制政策」が変わらなければ、人口千人あたりの日本の医師数は、二〇二〇年にOECD(経済協力開発機構)加盟国三十カ国のなかで最下位レベルに落ち込むことが、日本福祉大学の近藤克則教授(社会疫学)の試算で明らかになりました。
 〇三年で見ると、日本の人口千人あたりの医師数は二人で、OECD平均の二・九人を下回っているだけでなく、加盟国中では下から四番目という低水準です。
 日本より医師数の少ない国は、韓国(一・六人)、メキシコ(一・五人)、トルコ(一・四人)の三カ国です。ところが、この三カ国の医師数の年平均増加率(一九九〇年―〇三年)は、韓国5・5%、トルコ3・5%、メキシコ3・2%で、日本の1・3%を大幅に上回っています。
(赤旗)

自殺は「業務に起因」認定、補償金不支給取り消し…福岡地裁
 出張先で自殺した男性(当時24歳)の宮崎県内の遺族が「過重な業務による強いストレスが原因」として、国を相手取り、労災補償保険法に基づく遺族補償一時金などの不支給処分の取り消しを求めた訴訟の判決が27日、福岡地裁であった。木村元昭裁判長は「自殺は業務に起因する」と認め、処分を取り消した。
(読売新聞)

7月1日

救急、時間外患者6割減 上野総合市民病院(三重)
 伊賀市四十九町、市上野総合市民病院の四、五月の救急や時間外の患者数が前年同期比で六割以上減った。四月から同市上野桑町の時間外一次救急施設「市応急診療所」が十五歳以上の軽度な急患を診る「一般診療(科)」を設置したことが功を奏し、狙い通り一次と二次の救急医療のすみ分けが進んだ。救急医療を輪番で担う市民病院の勤務医の労働負担の軽減につながっている。
(中日新聞)

医師3人増、7月から6人体制に、きめ細かい医療を期待、脳外科も交渉中(沖縄県立八重山病院)
 県立八重山病院の伊江朝次院長は27日、7月1日から産婦人科の医師が現在の3人から6人体制になると発表し、「6人が定着すれば産婦人科の危機はないだろう。6人のうち女性が3人で、女性の立場からきめ細かい医療ができるのではないか」と期待を寄せた。一方、脳外科の医師不在については「現在2人と交渉中」と述べ、引き続き交渉に当たっていると報告した。
 産婦人科(定員4人)は昨年5月に2人が派遣先に引き上げて以降、県立病院や県外医療機関からの応援派遣などで4人体制を維持してきたが、今年5月から欠員1人が生じた。これまで3人体制で激務をこなしてきたが、7月からは定員を上回る6人体制で診療に当たる。
(八重山毎日新聞)

「一人親方」大工は労働者に当たらず 労災補償で最高裁
 腕を頼りに仕事を請け負う「一人親方」の大工が仕事中にけがをしたとき、工事会社の「労働者」として労災補償を受けられるのか。けがをした男性が起こした訴訟の上告審判決で、最高裁第一小法廷(泉徳治裁判長)は28日、こうした働き方をする大工は会社に雇われた「労働者」には当たらないと判断。補償を求めた男性側の主張を退けた。
 大工や左官、個人のトラック運転手など「一人親方」と呼ばれる業種には、労働者災害補償保険法に「特別加入」という制度があり、個人で保険料を納めて補償を受け取る仕組みがある。ただ、この男性は非加入だったため、工事をしていた会社に雇われた労働者という立場で労災補償を受け取ることを求めていた。
(朝日新聞)

県立3病院、10年ぶり黒字 06年度決算、コスト削減など奏功(徳島)
 慢性的な赤字経営が続いていた中央、三好、海部の県立三病院の二〇〇六年度県病院事業会計決算が、約三億円の黒字に転じた。医薬品などのコスト削減に努め、他医療機関に患者紹介を呼び掛けるなどして収益を伸ばしたのが要因。黒字決算は一九九六年度以来十年ぶりで、黒字額も三病院体制となった六三年度以来、九六年度に次いで二番目の大きさとなった。
(徳島新聞)

国の医師派遣 救急医療再開なお困難 竹田医師会が支援訴え(大分)
 国からの医師派遣が決まった竹田医師会病院を運営する医師会の加藤一郎会長(病院長)ら幹部3人は27日、竹田市の同病院で会見。医師派遣に謝意を表明する一方、救急医療の再開にめどが付いていない厳しい現状を強調し、医師確保への協力を訴えた。
 大多和聡副院長はまた、隣の豊後大野市三重町にある県立三重病院に内科医が11人いる例を挙げ、地域偏在の解消へ向けた努力を県に求めた。
(西日本新聞:隣町の病院を利用すればよいだけの話では?)

三重大存続に支持を 豊田学長が県議に訴え
 三重大の豊田長康学長は二十七日、県議会を訪れ、国が見直し作業を進めている国立大学の運営交付金の配分ルールについて、財務省が競争原理を加味して五月に示した試算通りなら「三重大は存続できない」と述べ、県議に理解と支持を求めた。
(中日新聞)

道内自治体病院 経営健全化へ連絡協 道と市町 20カ所に年内設置(北海道)
 赤字を抱える道内二十市町の自治体病院の経営健全化に向け、道は各支庁と市町が連携して改善策を検討する連絡協議会を年内にも各地に設置する。自治体財政健全化法が成立し、病院事業会計が自治体財政の健全化の指標に加えられたことを受けた措置。道はこの協議会を通じ、地域医療体制の維持と効率的な病院経営の両立を探る考えだ。
 道、市町とも医療と財政それぞれの担当者が参加するのが特徴。強引な歳出抑制は医師不足などに拍車をかけ、より深刻な経営悪化をもたらす恐れもあるため、組織横断的な体制で取り組む必要があると判断した。
 協議会は、病院事業会計に不良債務(実質的な赤字)を抱える二十市町に設置し、自治体の財政規模に比べて不良債務が多い市町村から重点的に取り組む方針。すでに根室管内羅臼町と留萌市で先行的に協議会を設けており、今後、全道的に設置を促す。
 診療科目ごとの収支状況などを検証する一方、地域の医療ニーズの把握を進め、場合によっては病院の規模縮小や隣接市町村の医療機関との連携も模索する。
 道内では、八十四市町村が計九十七の自治体病院を経営しているが、二○○五年度の病院事業会計では、このうち二十市町が不良債務を抱え、総額は前年度比4・8%増の百四十五億円に上る。特に夕張、赤平、美唄、留萌、函館の五市はそれぞれ十億円を超す不良債務を抱える。
 自治体財政健全化法では、○九年度から病院会計などと一般会計を連結する新たな財政指標が導入される見込み。道は病院経営の悪化が引き金となって、現在の財政再建団体に相当する「財政再生団体」の一歩手前の「健全化団体」が続出することを危惧(きぐ)している。
 また、道や道内三医大などでつくる道医療対策協議会は今夏にも自治体病院の「広域化・連携構想」を策定するが、強制力はない。
(北海道新聞)

来月から常勤医8人体制/市立根室病院(北海道)
 根室市議会2007年第2回定例会が26日招集され、会期を29日までの4日間として開会した。初日は一般質問を行い、壺田重夫氏(無所属)、竹内正利氏(創志ク)、鈴木一彦氏(共産)、高本みさ子氏(共産)小沼ゆみ氏(市政ク)の5氏が登壇した。このうち竹内氏、高本氏が市立根室病院の経営状況や医師確保などの見通しについて質問。長谷川俊輔市長は「7月1日付で循環器内科常勤医1人の採用が決まった。今後も呼吸器内科、外科、整形外科などの医師確保に努める」と答弁した。今後の医師確保について「7―9月の3カ月間で常勤10人体制にしたい」と見解を示した。
(釧路新聞)

男鹿市が医師確保に専属職員を配置へ(秋田)
 男鹿市立男鹿みなと市民病院で医師が不足している問題で、同市は医師確保のために専属の職員を置く検討を始めた。これまでは、佐藤文衛・前副市長=4日に辞任=が医師確保に当たっていた。
 佐藤一誠市長は「私だけが動くより、窓口があった方がいい。政治生命をかけて、医師確保などに取り組みたい」と話している。
 県医務薬事課などによると、県内では昨年10月、仙北市が医師確保対策室を設置している。
(朝日新聞)

長野赤十字上山田病院は来年3月末で閉院の方針(長野)
 長野赤十字病院(長野市)は26日、分院に当たる長野赤十字上山田病院(千曲市)を来年3月末で閉院する方針を明らかにした。常勤医不足や財政状況の悪化で、経営改善の見通しが立たなくなったためという。今後、プロジェクトチームなどをつくり、地元自治体や住民らと閉院後の医療について検討する方針だ。
(信濃毎日新聞)

妊婦の脳出血、実態調査へ・国立循環器病センター
 妊婦が出産時に起こす脳出血などの実態を把握するため、国立循環器病センター(大阪府吹田市)は7月から調査に乗り出す。産科や脳外科を持つ病院や救命救急センターなど約2000施設にアンケートを実施し、発症や受診時の状況、治療内容などのほか、母子のその後の状況も調べる。
 奈良県では昨年8月に出産中の女性(当時32)が脳出血を起こし、相次いで転院を拒否された後に死亡している。同センターは今年中にも調査結果をまとめる方針だ。
(日経新聞)

管の挿入ミスで3人死亡 日本医療機能評価機構集計
 医療事故や、事故につながる恐れのあるヒヤリ・ハット事例の収集、分析をしている日本医療機能評価機構(東京都千代田区)は27日、「ドレーン」と呼ばれる医療用の管に関連する事故が、2004年10月−今年3月に約570医療機関から寄せられた報告の中に計38件あり、うち3件で患者が死亡していたと発表した。
(北海道新聞)

6月30日

7月1日から医師6人態勢に 八重山病院産婦人科(沖縄)
 【那覇】県病院事業局(知念清局長)は25日、県立八重山病院の産婦人科医師確保について7月1日から6人態勢にすると発表した。
 同産婦人科では今年5月に医師1人の欠員で正職員1人、臨時任用職員1人、派遣医師1人の3人態勢となっていた。
 このため、同局では7月1日付で正職員2人、嘱託職員1人の医師を任用し、6人態勢で産婦人科診療を行う。
 県立北部病院産婦人科も2005年4月から医師3人が欠員。現在でも産婦人科は休止しているが、県離島・へき地ドクターバンク支援事業の活用で、7月1日付で地域医療振興協会から派遣医師1人を確保する予定だが、分娩(ぶんべん)は再開されない。
 座間味診療所でも07年6月から医師不在の状況が続いていたが、同事業の活用で7月13日付で派遣医師1人が確保されている。
(八重山毎日新聞)

岩内派遣の医師 首相に「頑張る」(北海道)
 国の緊急医師派遣制度の第一陣として、後志管内岩内町の岩内協会病院など五道県六病院に派遣される医師七人を首相官邸に招き激励した。
 首相は「先駆者として全国から注目を浴びている。地域の方が『派遣していただいてよかった』と思っていただけると確信している」と期待感を表明した。岩内協会病院に派遣される中京病院(名古屋市)の高口(こうぐち)裕規医師(34)は「自分の力を必要とされる地域で働きたいと思い、派遣に応じた。岩内で精いっぱい頑張りたい」と抱負を語った。
(北海道新聞)

厚労省、岩内に内科医派遣 4県5病院も 8月までに着任(北海道)
 厚生労働省は二十六日、国による緊急医師派遣制度の初のケースとして近く、後志管内岩内町の岩内協会病院など五道県にある六病院に計七人の医師を送り出すことを明らかにした。
 岩内協会病院に派遣されるのは内科医。同病院以外の派遣先は岩手県立大船渡病院(循環器科)、岩手県立宮古病院(循環器科)、栃木県の大田原赤十字病院(内科)、和歌山県の新宮市立医療センター(産婦人科)、大分県の竹田医師会病院(救急)。人数は宮古病院が二人、ほかの五病院は一人ずつ。いずれも医師不足が深刻だとして道や県が派遣を要請した。岩内協会病院は五月から常勤の内科医が不在。
(北海道新聞)

戻ってきて!離職看護師 市立小樽病院、地域の不足解消へ無料研修(北海道)
 【小樽】市立小樽病院(鈴木隆院長)は結婚や出産、育児などの理由で現場を離れている看護師を対象に職場復帰に向けた無料研修制度を創設した。受講者それぞれの家庭環境や技量に応じたプログラムを組むもので、同病院は「小樽、後志の看護師不足解消につなげたい。ぜひ参加してほしい」と呼び掛けている。
 厚生労働省の調査によると、全国で約四万一千人、道内で約四千人の看護師が不足しているとされる。同病院でも常に数人から十人程度足りない状態が続いているほか、後志管内の地方病院も同様の状況とみられる。
(北海道新聞)

出産で後遺症 医師らに1億3800万円支払い命じる
 出産方法の選択を誤ったために男児が脳性まひになったとして、横浜市青葉区の両親と男児が、東京都町田市の町田市民病院の男性医師と、病院を経営する同市に約1億8000万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、横浜地裁であった。三代川俊一郎裁判長は、医師の過失を認め、2被告に約1億3800万円の支払いを命じた。
 判決によると、03年6月7日午後5時40分ごろ、医師は吸引分娩(ぶんべん)を試みたが効果がなく、同6時半ごろに帝王切開を行った。男児は仮死状態で生まれ、新生児低酸素性虚血性脳症で脳性まひになった。判決で三代川裁判長は「午後5時半ごろ帝王切開を選択していれば、障害は回避できた」とした。
(朝日新聞)

医師不足に救いの手 愛知・津島市民病院で開業医が夜勤
 内科医不足で救急外来の受け付けを一部取りやめている愛知県津島市民病院に、同市医師会(加藤錠一会長)の開業医五人が七月から週一回、代務医師として交代で市民病院での夜勤を行う。医師不足に悩む公立病院に、地域の医療関係者が協力するのは全国的にも珍しい。
 同病院は今年四月以降、内科医が次々と退職。月に十四日間は夜間に内科医が勤務できない状態となっている。協力を依頼したところ、同市医師会の内科医・小児科医五人が手を挙げた。
 勤務日は毎週火曜日で、勤務時間は午後八−十一時。加藤会長は「地域の基幹病院である市民病院が倒れてもらっては困る。それぞれの医院があり大変だが、ボランティア的な精神で協力したい」と話す。
(中日新聞)

国が医師緊急派遣 市民、関係者は歓迎 竹田医師会病院「救急」再開努力続く(大分)
 医師不足から救急病院の指定を取り下げていた竹田医師会病院への医師派遣が26日決まり、関係者や市民は国の緊急措置を歓迎した。ただ、救急病院指定の再開には常勤医師の確保が欠かせず、地元は安定的な救急医療体制の再構築に期待している。
(西日本新聞)

5道県に医師7人を派遣 緊急派遣制度で初、厚労省
 厚生労働省は26日、国による緊急医師派遣制度の初のケースとして、近く北海道、岩手、栃木、和歌山、大分の1道4県にある6病院に計7人の医師を送り出すことを明らかにした。
 派遣先は北海道社会事業協会岩内病院(内科)、岩手県立大船渡病院(循環器科)、岩手県立宮古病院(循環器科)、栃木県の大田原赤十字病院(内科)、和歌山県の新宮市立医療センター(産婦人科)、大分県の竹田医師会病院(救急)。人数は宮古病院が2人、ほかの5病院は1人ずつ。いずれも医師不足が深刻だとして道や県が派遣を要請した。
 派遣する医師は国立病院機構や日本赤十字社から選ばれ、8月ごろまでに着任。派遣期間は3−6カ月間となる。
 厚労省は11日、政府、与党がまとめた緊急医師確保対策の一環として、医師派遣のルールを公表。国に派遣を求めるための条件として「過去6カ月以内に休診に追い込まれた診療科がある」ことなどを定めた。
(中日新聞)

働く家庭を支援 病児保育、急病時も安心対応
 子供が急に体調を崩したが、夫婦ともに仕事を休めない。熱が高くて登園もできず、ファミリーサポート制度なども使えない。面倒を見てくれる両親や知人も近くにいない−。そんな働く母親と家族らを支援する「病児・病後児保育」への関心が高まっている。小児科併設型や派遣型などさまざまな病児保育が誕生する一方、厚生労働省も平成21年度までに、現在の全国約600カ所から約1500カ所へと病児保育が可能な施設の拡充を目指している。
(産経新聞)

県の小児救急医療電話相談 平日平均5.1件 週末は前年より増加(岡山)
 岡山県のまとめによると、県が夜間に実施している小児救急医療電話相談の利用状況は、今年5月から拡充された平日が1日平均5・1件(5月末現在)だった。04年から実施している土・日曜、祝日の件数は今年度1日平均10・4件(同)で、06年度の同6・6件に比べ増加している。 06年度は779件の相談があり、1歳未満の乳児が192件と最も多く、全体の4分の1。症状別では「発熱」がトップで、30%以上を占める。すぐに医療機関での受診を進めたケースは2割で、大半は適切な助言で解決している。
(岡山日日新聞)

循環器科医を要請へ 医師派遣制度で県対策協(岩手)
 県は25日、盛岡市内で、県地域医療対策協議会(大堀勉会長)を開き、医師不足が深刻な地域に対する国の緊急臨時的医師派遣を活用し、県立大船渡、宮古両病院に循環器科医師をそれぞれ4人ずつ派遣するよう国に要請することを決めた。両病院とも広域基幹病院だが、県の自助努力では限界があり、国の支援を求める。
(岩手日報)

豊見城消防の改善促す/市に労基署(沖縄)
 【豊見城】那覇労働基準監督署が、豊見城市消防本部が労働基準法で定められた四週ごとの勤務体制を八週ごとに組んでいたり、訓練や講習への参加を代休で処理させたりしている勤務状態を問題視し、市に文書で改善を求めていることが二十五日、分かった。同日の豊見城市議会(大城英和議長)の一般質問で、新田宜明議員の質問に上原直英市人事課長や金城盛三消防長らが答えた。
 改善を求めたのは五月三十一日。消防署職員の勤務条件に関する権限は地方公務員法上、自治体の首長にあり、労基署に監督権限がないため、行政指導ではなく「自主的な改善への取り組みを促す内容」(労基署担当者)となった。
 また上司が年休の取得時期を変更させたり、休日の職員を急に呼び出す非常招集が頻繁に発生しているなどの問題点が指摘された。金城豊明市長は「消防の人員不足や施設の老朽化の問題については十分に検討を進めていきたい」と述べた。
(沖縄タイムス)

時間外救急医療:鹿屋市と同医師会、小児救急で意見交換 地域医療協発足へ /鹿児島
 鹿屋市医師会(池田徹会長)が、激増する時間外小児救急などに対応する公設公営の夜間急病センター(仮称)設置を行政に要望している問題で、同医師会と鹿屋市がこのほど、市役所で市民フォーラムを開いた。西薗琢巳副市長は市民も加えた「地域保健医療協議会」(仮称)を発足させ、同問題に取り組む考えを明らかにした。
 時間外小児救急について同市では、1次救急は当番制の開業医、2次救急は入院施設を有する県立鹿屋医療センターが担う「鹿屋方式」が01年度にスタート。翌年から医療センター受診数は減少したものの当番医へ患者が殺到。さらに市外からや救急とは思われないケースも激増し、当直医師は36時間連続勤務を強いられているという。
 こうした現状を医師会側は「昼間に行かなくても夜間でも診てくれるという安易な考えが広まり、本来の急患対応ができない危機的状況」と分析。市民への「適正受診」を啓発する一方、3月に2万5000人の署名を添えて「夜間急病センター」設置の要望書を鹿屋市に提出した。
(毎日新聞)

竹田市の救急病院問題:医師派遣要請を決定−−県地域医療対策協議会 /大分
 緊急の県地域医療対策協議会が25日、大分市内であり、国が進めている緊急臨時的医師派遣システム(仮称)に、救急指定を取り下げている竹田医師会病院への派遣を要請することを決定した。広瀬勝貞知事に報告し、近く厚生労働省に正式要請する。
(毎日新聞)

県立病院事業:06年度決算、過去最悪22億7700万円 18年連続の赤字 /福島
 患者数の減少で県立病院事業(06年度末時点・9病院1診療所)の収益が落ち込み、06年度決算で過去最悪の22億7700万円の赤字となった。89年度から18年連続の赤字で、累積赤字は221億9600万円に上っている。
 県病院局によると、医師不足による診療科の休診などで97年以降患者数が減り続け、06年度の患者数は97年度比42万人減の約69万人だった。特に常勤医師の減少で、外来患者のみ診察可能な非常勤医師の割合が高まったため、入院患者数は10年間で半減し、06年度は約25万人となった。06年度末の常勤医師数は、05年度末比10人減の計73人。
 同局は04年3月から県立病院の統廃合に取り組んでおり、今年3月には三春、猪苗代、リハビリテーション飯坂温泉の3病院と本宮の1診療所を廃止した。2011年には会津総合病院と喜多方病院を統合し「会津統合病院」(仮称)を開設する予定だ。
(毎日新聞)

院内暴力で“処方箋” 高崎の病院で対策委設置の研修会(群馬)
 胸ぐらをつかまれたり、過剰なクレームをつけられるなど、医師や看護師ら病院関係者らが受ける「院内暴力」を無くそうと、高崎市内の病院が26日、県警の応援を得て、「不当要求等防止対策委員会」の発足に向けた研修会を開く。これまで病院関係者には、患者のケアの一環と受け止める風潮が強く、「院内暴力」が表面化することはなかった。しかし、常軌を逸したケースが目立つようになり、警察と連携して対策を講じることにした。今後、院内暴力撲滅に向けた動きが加速しそうだ。
(産経新聞)

参院選:せいさく探検隊 勤務医と開業医が連携−−川口医師会が初総会 /埼玉
 医師不足でお産を取り扱う病院が著しく減少している川口市で、病院の勤務医と地域の開業医が協力して産科医療体制を維持しようと動き始めた。川口医師会(益子博会長)は24日、同市内で初の学術総会プログラムを開き、招かれた同市立医療センターの栃木武一産婦人科部長は開業医に当直勤務の協力などを呼びかけた。
 栃木部長は冒頭、年間約300件の分娩(ぶんべん)を扱っていた川口工業病院が、今月いっぱいで分娩を取りやめるため「川口の産科医療は崩壊した」と説明。市内24カ所の産婦人科を標ぼうする病院や診療所のうち、分娩を扱うのは10カ所にとどまり、同センターは産婦人科用ベッドの6割が異常妊娠の入院患者で埋まっているという。
 栃木部長は「通常のお産をする場所さえ無くなってきた。病気で医師が1人抜けただけでも危機的な状況にある。協力して医師をコーディネートできるシステムが必要だ」と訴えた。
 また、同様に医師不足が叫ばれる小児科の救急医療について、同センターの下平雅之部長は「休日の夕方から深夜にピークを迎え、深夜から早朝まで患者が途切れない」と過酷な現場を紹介。「開業医の方に当直を手伝ってほしい」と求めたところ、会場から「ぜひ手伝わせてほしい」という声が上がった。
(毎日新聞)

医師の偏在問題の根底にあるもの
提言: 量から質の医療への転換による克服(日本学術会議)

要 旨
1 作成の背景
医師の地域における偏在と地域医療の問題、診療科における偏在と産科・小児科や救急医療の問題が深刻になりつつある。医師の偏在問題の現状を分析し、それが何処に由来するのかを検討し、現状の危機をいかに克服することが可能であるか、最も重要な対策は何であるかについて、報告を行う。
2 現状及び問題点
● 医師の地域における偏在、診療科における偏在の現状は深刻である。この問題は初期臨床研修制度の導入が一つのきっかけとなって進行しつつあるが、その基盤には、病院の医師の過酷な勤務の実態、医師と社会との間の医療に対する認識のずれなどの要因がある。
● 現在危惧されている医師の偏在に伴う医療の危機は、病院医療の危機であり、医師不足は病院医師の不足である。
● 今発生している医師の偏在問題は、わが国の医療が量の医療から質の医療へ転換していく過程で起きている。
3 報告の内容
(1) 医師の偏在問題は、医療の質の向上によって医療の危機に立ち向かう方策でなければ、根本的に解決できない。医療の質の向上は病院医療の質の向上と医師のマンパワーの質の向上無しには達成されない。
(2) 医療には複雑に社会の諸要素が関連している。単発的で近視眼的な対策は次なる困難を招く。したがって、長期的な視点から、日本の医療の将来像を見据えたビジョンの形成が必要であり、医師の偏在問題も、その長期的将来像に立脚して解決しなければならない。
(3) 医療の問題は疑いもなく政府が取り組むべき最重要課題の一つである。顕在化している医師の偏在問題を契機として、将来の日本のあるべき医療制度に関して、省庁の枠を超えて政策立案・実施できる組織を構築するのに、今が絶好のチャンスである事を提言する。
 一方、日本学術会議においても、医師の偏在問題を一つのきっかけとして、わが国の近未来の医療制度のあるべき姿について、各分野の専門家の叡智を集合し、今後更に検討を進めていく決意である。

6月29日

県、常勤医2人確保/北部病院産科 座間味診療所(沖縄)
 県は二十五日、離島・へき地の医師確保のために今年四月スタートした「県離島・へき地ドクターバンク事業」について、七月から県立北部病院産婦人科と県立座間味診療所に各一人常勤医師を確保したと発表した。同事業で常勤医を確保したのは初めて。
 北部病院では、常勤の産婦人科医師を七月一日付で配置する。
 同病院は二〇〇五年四月以降、医師不在で産婦人科が休止。〇六年五月には防衛医科大学から常勤医一人が派遣されたが今年三月に引き揚げた。同四月からは県立中部病院からの週一回医師一人派遣で対応していた。
 県病院事業局は「当面は、内科や外科患者の婦人科系疾患に対応する。将来的には婦人科外来診療の再開も検討したい」と説明している。産科再開については「最低でも医師三人が必要なため、分娩は行わない」と困難視した。座間味診療所では七月十三日付で常勤医一人を配置する予定だ。
(沖縄タイムス)

夜間の在宅当番医制度来月末で終了 諏訪市医師会(長野)
 諏訪市医師会(小松道俊会長)は25日、市の委託を受けて行っている夜間の在宅当番医制度について、7月末で終了し、日曜・祝日のみの対応とする方針を明らかにした。
 同制度は、市内の病院が毎日交代で夜間の一次救急患者を診療する目的で1975年にスタート。諏訪消防署のテレホンセンターで電話を受け、その日の当番医に取り次ぐ仕組みで、救急患者の”たらい回し”が大きな社会問題となる中、「当時としては画期的な取り組み」(小松会長)として注目された。
 しかし、高齢化で時間外診療が困難な医師が増えてきたことや、今月1日に開設された「諏訪地区小児夜間急病センター」の運営に伴い諏訪地区の医師が輪番制で診療に当たる必要が出てきたことから、従来の体制を維持していくことは困難と判断した。
 新制度は従来の制度と並行して7月から始める。診療時間は休日の午前9時から正午までと午後1時半から5時まで。それ以外の時間外診療については主治医に相談後、大人は諏訪赤十字病院、子どもは小児夜間急病センターで対応することになる。
(長野日報)

医師不足対応で協力 伊那中央病院と昭和伊南総合病院(長野)
 伊那中央病院(伊那市)を運営する伊那中央行政組合と昭和伊南総合病院(駒ケ根市)を運営する伊南行政組合の組合長らは25日、伊那市役所で懇談し、両病院で協力し合って医師不足に対応していくことを確認した。具体策を話し合う場を設けることも決めた。
 関係者によると、懇談では伊南行政組合側が、7月末で医師が4人から2人に減る整形外科をはじめ多くの科で医師不足に悩む現状や見通しを説明し、協力を要請した。伊那中央行政組合側も医師不足は共通課題だとして両病院間で協力し合って対応していくことを確認。その上で両病院に県や信大医学部なども加え、上伊那地域の医療の在り方も含め、早急に具体策を検討することで一致した。
(長野日報)

独自の奨学金制度創設 松本の信大医学部
 信州大(本部・松本市)は二十五日、県内の医師不足と地域偏在を解消するため、来年度の医学部の定員を九十五人から百五人に十人増やし、卒業後九年間は県内での医療に従事することを義務化する独自の奨学金制度を設けると発表した。医師不足に対する国の勧告に基づく十年間限定の措置。同大で会見した大橋俊夫医学部長は「県と一緒になって、質、量ともに充実するよう取り組みたい」としている。
 奨学金制度は来年度の新入生から適用し、約二十人程度を見込む。国と県の予算措置を受け、六年間、月々約二十万円を貸与するかわりに、卒業後九年間は県内での医療に従事する。
(中日新聞)

看護課長が、お年寄り3患者のつめをはがす 北九州市
 北九州市八幡東区の北九州八幡東病院(木元克治院長、480床)で、病棟の看護師の責任者である看護課長の女性(40)が、少なくとも3人の入院患者の足のつめをはがしていたことがわかった。いずれも70歳以上という。木元院長らは25日夜に緊急記者会見を開き、「あってはならないことが起きて大変遺憾。患者や家族に心よりおわびしたい」と謝罪した。病院は16日付で看護課長を自宅謹慎とし、26日にも県警に傷害容疑で告発する方針。
(朝日新聞)

大阪・阪南市、財政再建団体に転落のピンチ
 医師不足で7月以降の市立病院の内科閉鎖が決まったことで、大阪府阪南市が財政再建団体に転落する恐れが出ている。病院の収入が減るうえ、余剰人員が出て最大で約60人に退職金を払うことになって生じる病院事業会計の赤字を補てんすると、市の一般会計の累積赤字が最悪で約20億円に膨らみ、再建団体転落の危険ラインを突破するため。市は「このままでは第二の夕張になりかねない」と医師探しに奔走している。
(読売新聞)

病院側「産科医療全体の問題」と反論 奈良妊婦死亡訴訟
 奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、出産中の妊婦が19病院に転院の受け入れを断られた末に死亡した問題をめぐり、遺族が町と担当医師に約8800万円の損害賠償を求めた訴訟の第1回口頭弁論が25日、大阪地裁で開かれた。被告側は意見陳述で「産科診療体制の問題を特定の医師や医療機関の責任に転嫁している」と述べ、全面的に争う姿勢を示した。
 被告の同病院産婦人科(現・婦人科)の男性医師(60)側は、医師は早く搬送先が見つかるよう努めた▽早く転院できても助かった可能性はない――などと主張。「社会的制裁を受け、病院は産科医療からの撤退を余儀なくされた」とした。
 一方、長男の出産後に脳内出血で亡くなった高崎実香さん(当時32)の夫で原告の晋輔さん(25)も意見陳述に立ち、「もう少し早く別の病院に搬送されれば助かったのではないか、という思いが頭から離れない」と声を震わせて訴えた。
(朝日新聞)

藤枝市立総合病院「取り消し処分必至」 対応策に苦慮(静岡)
 藤枝市立総合病院の歯科治療をめぐる保険不適正請求問題で、社会保険庁が検討している同病院への処分について、市や医療関係者の間では「保険医療機関の指定取り消しは避けられそうもない」と悲観的な見方が広がっている。指定が取り消されれば地域医療や市民生活、病院経営に甚大な影響が予想されるだけに、関係者は対応策に苦慮している。
 保険不適正請求に対する社会保険庁の処分は「保険医療機関の指定取り消し」「戒告」「注意」の三種類。指定取り消しとなった医療機関は原則として、5年間は再指定されない。医療機関に対しての処分のため、総合病院内の一部の科で不正が行われたとしても、原則として全科で保険が不適用となる。
(静岡新聞)