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本日、退院。

5月28日

患者負担増から予防重視へ=厚労白書の骨子案
 厚生労働省は25日、2007年版厚生労働白書の骨子案を自民党厚労部会に示した。「医療構造改革の目指すもの」との仮題で、医療費が増加し続ける中、患者の自己負担引き上げなどによる対応にも限界があると指摘。今後の医療政策の方向性として、生活習慣病対策を中心とする予防の重視などを掲げた。8月中に取りまとめ、柳沢伯夫厚労相が閣議に報告する。
(時事通信)

医師手当廃止反対87% 県内公務員医師アンケート(沖縄)
 特殊勤務手当に位置付けられた医師手当が廃止された場合、県立病院や保健所で働く公務員医師の5割近くが「退職したい」と考えていることが、今月中旬に公務員医師会が会員を対象に実施した調査で分かった。調査は県総務部が保健所などで働く県知事部局の医師32人に対し医師手当廃止方針の通知を文書で送付したことを受けて実施。手当廃止に「反対」との回答が174人、87・0%に上ったのに対し、「賛成」はわずか8人、4・0%だった。
 保健所や県立病院の医師でつくる公務員医師会(大城清会長)は県内の公務員医師約330人のうち、同会会員226人を対象に「医師偏在化問題と医師手当に関する意識調査」を実施。200人(回答率88・5%)から回答を得た。
 医師手当が廃止された場合は「退職したい」との回答が95人、47・5%で、「最後まで勤務する」とした19人、9・5%を大きく上回った。
(琉球新報)

個別労働紛争の相談が最多 18万7千件、いじめ微増
 解雇やいじめ、嫌がらせなど、労働者個人と使用者の間のトラブルについて、労働局の「個別労働紛争解決制度」に寄せられた相談が、2006年度に約18万7000件に上ったことが厚生労働省の集計で、25日分かった。前年度より6%増え過去最多だった。
 解雇の相談が24%で最も多く、次いで労働条件引き下げの13%だが、いずれも前年度より微減。これに対し、いじめ・嫌がらせは1ポイント増え10%だった。
(東京新聞)

早急な医師配置を、自民党本部で窮状訴え 銚子市長
 銚子市の岡野俊昭市長が、永田町の自由民主党本部で開催された自由民主党政務調査会の緊急医師不足対策特命委員会(中川昭一委員長)に出席。医師不足から診療科目が減少し、経営危機に陥っている市立総合病院の窮状を説明した。
 岡野市長は、同様の問題を抱える北海道士幌町長、島根県隠岐の島町長、大分県中津市長らとともに出席。同病院の佐藤博信院長、日本医師会の内田健夫常任理事、日本看護協会の古橋美智子副会長らも同席した。
(千葉日報)

5月27日

格差の現場:07年知事選の争点/下 困難続く地域医療 /青森
 ◇止まらぬ勤務医減少−−県対策に成果みえるが…
 五所川原市郊外にある大型商業施設「エルムの街」の周辺に、数年前から「開業医の街」が姿を現し始めた。医師のほとんどは、公立病院などの勤務医から開業医に転身した人たちだ。
 数年前に小さなクリニックを開業した40代の男性小児科医も元勤務医だ。今月下旬のある日の夕、院内には、まだ7組の患者が順番待ちしていた。そこに突然、ほおを赤らめ、ぐったりした男の子を抱いた母親が駆け込んできた。既に診療受け付け終了の午後6時を40分も過ぎていたが、診療を断ることなどできない。結局、全員を診察し終えた時は午後7時を回っていた。
 開業医は激務だ。それでも、医師は「勤務医時代に比べれば全然苦にならない。勤務医は2〜3日寝ないのが当たり前だった」と笑い飛ばした。

 県は公立病院の運営を効率化して地域医療の崩壊を防ごうと、県内を一定地域に分割し、各地域の中核病院に医師を集中させようとしている。外ケ浜中央は陸奥湾東側の地域で中心的な病院と位置づけられており、県は「病院再編のモデルケース」と自賛している。
 だが、この県の病院再編に対し、地域医療の現場では疑問の声も多い。津軽地方の病院関係者は「いくら再編しても、医師数が増えなければ医師の負担は軽減されない。激務が続けば勤務医は辞めていく」と指摘する。
 県が描くデザインで、命の格差を広げる「医療格差」は解消できるのか。地域医療の未来は、まだはっきりと見えてこない。
(毎日新聞)

地域医療は今、(2)安易な利用、病院は限界
 2006年2月に「救急告示医療施設」を返上した新潟県阿賀野市の市立水原郷病院。地域医療を担い、患者もひっきりなしに訪れる その病院は、いつでもどんな症状でも診てもらえるという気安さから1年ほど前まで「コンビニ病院」と呼ばれていた。
 だが、一昨年暮れごろから次々と医師が退職し、昨年2月には「救急告示医療施設」(救急病院)の指定を撤回する事態に追い込まれてしまった。辞めた医師の一人は「夜間の外来や呼び出しで、どの医師も無理を重ね、ぼろぼろになっていた。それでも、だれも評価してくれなかった」と当時を振り返る。
 夜間などの時間外診療になると仕事を終えた人も訪れた。時間外の外来患者数は1日平均24〜25人。次から次へと外来が来て、当直はまさに戦場のような忙しさだった。「8割が軽症者で本当に救急診療を必要とする人は少なかった」と同医師。疲れた医師の軽症者への対応が粗略になることもある。すると、対応が悪いなどとしてすぐに苦情が出る。市の審議会でも「市立病院なのに医師の対応が悪い」と批判された。
(読売新聞)

学校に理不尽な要求する親、教委が対応 再生会議
 政府の教育再生会議(野依良治座長)が来月初めにまとめる第2次報告案の概要が明らかになった。問題があるとされる保護者の対応に教育委員会が乗り出すなど「親」への対策を打ち出しているのが特徴だ。ただ、緊急提言を見送った「子育て指南」については、子育て支援策の拡充にとどめた。6月にとりまとめる政府の「骨太の方針」に盛り込む。
 報告案の概要によると、課題を抱える子どもだけでなく、保護者への対応で困っている学校を支援するため教育委員会に「学校問題解決支援チーム」(仮称)を新たに設置。チームには警察官OBや弁護士、臨床心理士などが参加し、学校に理不尽な要求をするいわゆる「モンスターペアレント」と呼ばれる親の対応にあたる。教委を「指導」から「共に考え、支援する」立場に転換すると提言している。
(朝日新聞)

地域医療救済策考える 東北大シンポの講演録出版
 東北大大学院医学系研究科が開いた地域医療シンポジウムの講演内容などをまとめた「医師不足と地域医療の崩壊―今、医学部に何ができるのか」が出版された=写真=。東北の医療現場を覆う窮状に苦悩しつつも、前向きに解決策を模索する医学部の姿を分かりやすく紹介している。
 東北にある6大学医学部の地域医療への取り組みをそれぞれ紹介。定員に地元枠を設けた入試導入の意義や、地域と連携した学生教育の必要性などに触れている。
 パネル討論では、地域医療に対する医学部の考え方、激務で減少する勤務医の問題などが取り上げられた。公開のシンポとは別に開かれた医師不足をテーマにした座談会も収められている。
(河北新報)

伊那中央病院地域救急医療センター 専従医師4人減へ(長野)
 伊那中央病院(伊那市)の地域救急医療センターで、4月当初6人いた専従医師が大学病院などへの異動や退職により7月から2人となる見通しであることが24日、分かった。病院では医師の確保に努めるとともに、上伊那医師会と対応策の協議を始めたが、救急患者の8─9割を占める比較的軽症な1次救急患者は「受け入れを制限せざるを得ない」(小川秋実院長)といい、地域医療の在り方にも大きな影響を与えそうだ。
 センターは2003年4月の病院新築移転に伴い新たに開設。医師が2人1組で、24時間態勢で勤務し、緊急な治療や、入院の必要がある2次、3次救急に加え、入院を必要としない程度の1次患者も受け入れてきた。
 しかし、全国的な医師不足の影響などで、医師が4月末と5月末に各1人大学病院などに異動。6月末に1人が異動し、1人が退職予定。今のところ補充のめどが立たないという。
(長野日報)

入院・夜間診療を休止 北秋田・市立阿仁病院(秋田)
 秋田県北秋田市の市立阿仁病院(60床)は今月、入院病床と夜間・休日診療の休止に追い込まれた。常勤医師が3人から2人に減ったためで、医師確保のめどは全く立っていない。病院のある旧阿仁町は、高齢者が多く、開業医が1人もいない山間地。住民からは、医療の質の低下に、「このままここで暮らしていけるのか」と不安の声が上がっている。
(河北新報)

道、市町村立病院の経営健全化を組織横断で支援(北海道)
 道は市町村立病院の経営健全化に向け、庁内横断的な支援態勢を整える。医療サービスの確保を担う保健福祉部と市町村財政を監視する企画振興部が初めて連携。病院ごとに各支庁の担当者が地元と検討会議を組織し、他の病院との連携や運営効率化を助言する。地域医療の継続と市町村財政の健全化の両立が求められるなか、全庁的な支援が欠かせないと判断した。
 市町村立病院は地域医療の拠点を担ってきたが、医師不足が道内全域で大きな社会問題となっている。経営が悪化している病院も増えており、2009年度に連結ベースで自治体の財政状況を判定する新再建法制に移行した場合、病院の赤字が原因となって「第2、第3の夕張」が出かねない。
(北海道新聞)

大学研修医 3年で半減 本年度は97人(北海道)
 臨床研修制度が導入された二○○四年度以降、道内の三大学病院で研修を受ける医師が減少し続け、本年度は○四年度の54%減の九十七人となったことが二十四日、分かった。一方、研修後に三大学病院に就職した新人医は昨年度比12%減の百九十人となっており、研修医の大学離れで、大学病院の医師不足が加速している現状が浮き彫りになった。
 同日、札幌市内で開かれた道医療対策協議会で道が報告した。
 また、同日の医療対策協議会では、高橋はるみ知事が会長に就任。医師確保対策として、自治体病院と民間病院、開業医との連携体制をつくることや、地方勤務を義務付ける奨学金制度の創設、病院に医師を効率的に配置する集約化構想などについて協議した。
(北海道新聞)

子ども医療費 現物給付分1・6倍(栃木)
 県の子ども医療費助成制度の拡充に伴う、現物給付導入による助成件数・医療費(昨年六月−今年三月)は、導入前に比べともに一・六倍にとどまり、当初見込んでいた二倍を下回って推移していることが二十四日、分かった。インフルエンザの流行開始が今年は遅かったなどの要因が考えられるが、県保健福祉部は「制度が定着しておらず、通年ベースで引き続き推移を見る必要がある」としている。
 医療機関窓口で一時立て替えの手間がない現物給付は三歳未満が対象。同部によると、十カ月間の件数は八十二万七千件で、導入前より三十二万件近く増えた。県内市町と折半している医療費の県負担分は三億円増の八億四千九百万円だった。
 制度拡充は、福田富一知事がマニフェスト(公約集)に掲げ、昨年四月から実施。対象を未就学児から小学三年まで引き上げ、医療機関にかかる率がほかの年齢に比べ高い三歳未満は現物給付とした。ただ医師不足が深刻な現状から、三歳以上の償還払いの対象者には一部自己負担を新たに設けた。
(下野新聞)

5月26日

地域医療は今・自治体病院、(3)立て直しに民間の力
 福岡県には長年にわたって五つの県立病院があった。それが今では事実上ゼロ。全国47都道府県でこうした例は他にない。経営悪化に歯止めがかからず、民営化を進めた結果だ。
 大半の施設が築40年以上を経過して老朽化、医療設備の更新も後手に回った。県内には大学病院が4病院あるほか民間病院も多い。県担当者は「設備の充実した民間病院が増え、地域医療の核としての県立病院の役割が希薄化した」と説明する。
 患者数落ち込みは収益に直結した。しかも、県立病院の職員給与は、病院収支と関係なく右肩上がりを続けたため民間病院に比べて2〜3割も高く、経営を圧迫。収益に対する職員給与の割合は9割に上り、県からの繰入金は5病院で毎年約40億円に達していた。「人員整理も進まず、民間なら倒産だった」と関係者。民間で当たり前のコスト意識は軽視されていた。
 県は01年に民営化方針を打ち出して、民間への譲渡に向けて病院職員の人員整理を進めた。退職金の割り増しによる退職勧奨や配置転換などを行い、残った職員の民間給与との差額は県が補てんすることを約束。施設建て替え補助として20億円を用意、譲渡から5年間は赤字の2分の1を補てんするなどの措置も講じて、引受先を公募した。
(読売新聞)

カリブ国で自殺に労災認定 不支給処分取り消す
 カリブ諸国に単身赴任中、うつ病で自殺した民間企業の土木技術者川端英資さん=当時(56)=の妻教子さん(59)=川崎市=が、業務との関連を否定し遺族給付金の支給を認めなかった八王子労働基準監督署の処分取り消しを求めた訴訟で、東京地裁は24日、請求を認め原告勝訴とする判決を言い渡した。
 中西茂裁判長は「事務所は1人だけで、派遣国には日本人が5、6人しかいなかった。業務上の相談や十分な休憩や息抜きができる環境ではなく、頻繁に在留資格が切れたことも過大な心理的負担となった」とし、自殺は業務に起因すると判断した。
(東京新聞)

労働関連法案が審議入り 最低賃金の引き上げ図る
 最低賃金の底上げなどを盛り込んだ労働関連3法案は24日の衆院本会議で趣旨説明と質疑が行われ、審議入りした。
 国会日程が窮屈なことに加え、衆院厚生労働委員会で社会保険庁改革関連法案の審議を優先したことから、同法案の今国会での成立は困難な情勢。ただ与党内には参院選でアピールするために成立を目指すべきだとの声もある。
 労働関連3法案は、(1)賃金の最低限度額の底上げを図り、違反企業が支払う罰金額を引き上げる最低賃金法改正案(2)月80時間超の残業をした場合の割増率を現行の25%以上から50%以上に引き上げる労働基準法改正案(3)働き方の基本的なルールを定める労働契約法案。
(東京新聞)

医療事故:いわき市立総合磐城共立病院、幼児3人に処方量10倍の解熱剤調剤 /福島
 いわき市は23日、市立総合磐城共立病院で幼児の患者3人に、必要な処方量の10倍にあたる解熱鎮痛剤を調剤した、と発表した。
 同病院によると、19日午後6時過ぎ、夜勤で1人勤務だった30代の男性薬剤師が、2家族3人の幼児に解熱鎮痛剤「アセトアミノフェン」を必要量の10倍渡した。3人目で過剰調剤に気付き、連絡したところ、同市内に住む1家族2人の男子兄弟はすでに服用し、市外から受診した別の幼児1人は、帰宅途中で服用前だったという。
 服薬した幼児2人は、同日午後9時50分に同病院に入院し、胃を洗浄して解毒剤を投与した。低体温や副作用の症状は見られないものの、1週間ほど入院し経過を見守るという。
 薬剤師の男性は幼児の体重に合わせ、既に薬が10倍に薄めてあると思い込んでいたという。樋渡信夫院長は「あってはならない医療事故。夜間に薬剤師が1人になる勤務体制を見直すとともに、安全確保のために職員研修を充実させ、信頼回復に努めたい」と釈明した。
(毎日新聞)

臨床研修の定員削減 若手医師を地方に誘導へ
 地方の医師不足の一因になっていると指摘されている臨床研修制度をめぐり、政府、与党が受け入れ病院の総定員を削減する方向で検討していることが二十四日分かった。研修医が集中している大都市圏の定員を減らすことで、研修医を地方へ誘導する狙い。地方も削減される可能性はあるが、現在でもかなりの定員割れの状態で問題は生じない見込み。
 現在、受け入れ先の定員の合計は研修を予定する医学生らの約一・三倍と多め。このため大都市圏では定員通り確保している病院が少なくないが、研修医が一人もいない地方の指定病院もある。定員減で大都市部での受け入れ数が減れば、その分地方に研修医が回るためで、併せて研修後も定着することを目指す。
 定員のうち配置が決まった割合(充足率)を都道府県別にみると、高いのは東京90・1%、京都88・8%など。一方、低いのは新潟39・8%、鳥取40・0%などだった。
 定員は、医師数や患者数に応じて厚労省が上限の基準を設定。これに基づき各病院の診療科やコースごとに決める仕組みで、基準の見直しなどで削減は可能だ。
 日本医師会は、医師不足の原因について「臨床研修制度が一番大きな問題だ」と指摘し、定員の三割削減を提案している。
(中国新聞)

県立新庄病院の現状学ぶ 新庄商議所の議員懇談会(山形)
 独立行政法人化なども取りざたされる新庄市の県立新庄病院をめぐり、新庄商工会議所(涌井弥瓶会頭)は23日、新庄市民プラザで議員懇談会を開き、同病院の現状について認識を深めるとともに、県立病院として存続を強く求めていくことを確認した。
 同病院の中嶋凱夫(のりお)院長が「新庄病院の現状と最上の医療」と題して基調講演。一般会計からの繰り入れがないと運営が成り立たない経営事情を説明した上で▽医師の絶対数が少なく、過重労働になっている▽100床当たりの医業収益が同規模自治体病院平均より低い−などと指摘。「それでも『最上の最後のとりで』として、すべての疾患に対応を迫られる。単に県、国におねだりするのではなく、もっと最上の医療の問題点を把握し、理解してほしい」と語った。
(山形新聞)

医師確保対策の奨学金利用伸びず(青森)
 慢性的な医師不足を少しでも解消しようと、県内の市町村や広域事務組合がそれぞれ運用している医師修学資金貸与制度(奨学金制度)が、いまひとつ利用されず、苦戦が続いている。野辺地病院勤務を条件とした修学資金制度の利用者は今のところゼロ。黒石市などでは、医学部卒業後に借りたお金を返済し、他地域で勤務するケースも出ている。医師確保に力を入れる各自治体は「地域で医師を育て、地域医療を充実させたい」と制度に期待をかけるが、現状の深刻な医師不足を解消するための“即効薬”とはなっていないようだ。
(東奥日報)

1962年の労働時間短縮勧告(第116号)
正 式 名 : 労働時間の短縮に関する勧告
(第46回総会で1962年6月26日に採択された最新の勧告:日本は批准していません

[ 概 要 ]
 労働時間に関する既存国際文書を補足し、その実施を容易にすること、さらに労働時間の漸進的な短縮を達成するための実際的な方策を示すことを目的に採択されたこの勧告は、1935年の40時間制条約(第47号)の定める週40時間の原則を、達成すべき社会的基準とする。主な規定は次の通りである。

・労働時間の短縮に際しては、労働者の賃金を減少させないこと。
所定労働時間の漸進的短縮という原則の採用を、国内条件や慣行、また産業の条件に適した方法で促進するため、国家政策を設定し、かつ遂行すべきこと。
・所定の労働時間が、現に1週48時間以上のところでは、48時間の水準まで短縮するための措置を直ちに取るべきこと。
・権限ある機関は、この勧告の適用に関する諸問題について、最も代表的な労使団体と協議する慣行を作るべきこと。
 なお、この勧告は、農業、海運及び海上漁業には適用されない。この他に、恒常的(断続的な作業など)、一時的(事故や緊急作業の場合など)、定期的(棚卸し時など)な例外や超過勤務についても規定する。
(国際労働機関)

座間味 月末で医師退職/後任めど立たず(沖縄)
 【座間味】県立座間味診療所の医師(59)が三十一日付で退職し、座間味島が六月一日から医師不在になる。同医師は二十二日に辞表受理の連絡を県病院事業局から受けた。座間味村によると、後任医師のめどはない。
 同医師は昨年の村議選で公開討論会を企画したほか、村政の諸問題を話し合う有志の会に参加するなど、市民活動に積極的だった。これを中傷する匿名の怪文書が出回り、診療活動に支障が生じるようになった。このため医師は五月中旬に辞表を提出した。村民による医師の名誉回復を求める署名活動も行われた。
(沖縄タイムス)

5月25日

「医療費抑制は限界」予防重視へ転換図る 厚労白書案
 07年の「厚生労働白書」の骨子案が23日、明らかになった。「医療構造改革」をテーマに掲げ、少子高齢化の進展に伴い、ベッド数の抑制や患者の自己負担の引き上げなど従来の医療費抑制策は限界に達していると指摘。生活習慣病対策など「予防重視」に政策を転換し、予防から終末期に至るまでの総合的なビジョンを作成し、医療費適正化を目指す。
 白書は今夏までにまとめ、公表する。骨子案では、現状の問題点として(1)地域や診療科ごとの医師の偏在に伴い、急性期医療が弱体化(2)医療に関する情報不足(3)時間外や夜間、休日診療の不足(4)健康状態を総合的に診察する医師の不足――を挙げた。
 医療構造改革の目指す方向として、入院から在宅まで切れ目のない医療の提供や、開業医に時間外診療を求めるなど医療機関の役割分担の推進、個人の健康情報のIT化などが必要としている。
(朝日新聞)

奈良妊婦死亡 「医師が誤診」夫が提訴
 奈良県大淀町の町立大淀病院で昨年8月、出産中に意識不明となった高崎実香さん(当時32)が、県内外の19病院に転院の受け入れを断られた末に死亡した問題で、夫の晋輔さん(25)=奈良県五條市=と生後9カ月の男児が23日、大淀町と、担当した産婦人科(現・婦人科)の男性医師(60)を相手に、損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。原告側は現段階で請求額を明らかにしていない。地方の産科医不足が解消されない中で、地域医療のあり方も問われそうだ。
(朝日新聞)

妊婦の遺族、医師を提訴 診断ミスで転院遅れ
 奈良県大淀町立大淀病院で出産時に意識不明となり、約20の病院から受け入れを断られた後に死亡した高崎実香さん=当時(32)=の夫晋輔さん(25)らが23日、適切な診療をしなかったとして、町と担当医に損害賠償を求め、大阪地裁に提訴した。
 訴状によると、妊娠した実香さんは2005年12月から大淀病院で定期的に診療を受け、昨年8月7日に分娩のため入院。分娩誘発剤で陣痛が始まったが、嘔吐を繰り返した後、深夜に頭痛を訴え、8日午前零時過ぎに意識を失った。
 呼び出された担当医は「大丈夫です。しばらく様子をみましょう」と告げ、晋輔さんらが脳内出血の可能性を指摘したが「分娩中のけいれん発作だから動かせない」と説明。家族に転送先の病院を探していることは伝えたが、その後も処置しなかった。
 午前4時半ごろにようやく転送先が決定。実香さんは搬送後、脳に大血腫が見つかり、帝王切開で男児を出産したが、同月16日に死亡した。
(東京新聞)

医師が全員退職、「眼科休診」で患者に影響 市立堺病院(大阪)
 堺市の市立堺病院は23日、眼科診療を6月末で休止すると発表した。個人医院の開業などを理由に4人の医師全員が退職し、最近の医師不足の中で後任が決まらないとしている。すでに患者約2700人が診療予約をしており、病院側は受診先の変更に伴う紹介状の発行などの対応に追われている。
 同病院によると、眼科部長が3月末、医院開業を理由に5月末の退職を申し出たが、派遣元の大学病院側の人事異動に間に合わず、後任が確保できなかった。部長は指導医の資格を持つことから、残る3人の医師が「資格取得に向けた指導・研修が受けられなくなる」として一斉に辞めることを決めたという。
(朝日新聞)

軽症者の救急車搬送お断り、東京消防庁が来月から試験運用
 119番通報の急増に対応するため、東京消防庁は来月1日から、救急隊員が現場で救急搬送の必要のない患者を選別する「トリアージ(患者の選択)」制度を全国で初めて試験運用する。
 社会の高齢化もあり、搬送の遅れが重大な結果を招くケースが増えていることから、軽度の患者や救急車をタクシー代わりにしようとする通報者には民間搬送の利用を求める。これによって年間約5000件の搬送が不要となる見込みで、同庁は、通報から平均7分30秒かかっている救急車の到着時間の短縮につなげたいとしている。
(読売新聞)

県立病院の診療費未払い者 県が初提訴、勝訴(鳥取)
 鳥取県は、県立病院の診療費未払い者に対し、支払いを求めて初めて提訴し、県側の請求通りの判決を言い渡されたことを、二十二日開かれた県議会教育民生常任委員会で明らかにした。
 訴えは鳥取市内の受診者とその保証人に対し、県立中央病院(同市江津)の診療費の支払いを求めるもの。受診者は二〇〇三年度に計三回、同病院に入院して治療。診療費の自己負担分に当たる約四十万円の一括支払いと訴訟費用の負担を求めた。
 県病院局は度々支払い督促を行ったが、月々の返済の約束をほごにされたこと、高額医療費貸付制度で貸し付けられた金が診療費支払い以外に流用されたことなどから、訴訟に踏み切った。
(日本海新聞)

佐藤副市長に辞職勧告案 男鹿市民病院問題で市議会提出へ(秋田)
 男鹿市議会の与党会派「翔政会」(杉本博治会長、10人)が6月定例議会に、佐藤文衛副市長の辞職勧告決議案を提出する考えであることが22日、分かった。他会派の議員の大半も賛成に回る見通し。
 佐藤副市長は、コンサルタント会社を介し、男鹿みなと市民病院(下間信彦院長)の非常勤医師の雇用契約を担当。議会の承認を得ずに、事業会計からコンサルタント会社に「成功報酬」などとして、計661万円を支払った。
 同会派の議員は「コンサルタント会社の実態を十分に把握せず、『第三者に契約内容を明らかにしてはならない』など不自然な内容の契約を結び、予算を事前執行した責任は重大」という認識で一致。任命権者である佐藤一誠市長にも、応分の責任を求めていく考えという。
(さきがけ)

「産科医確保が急務」 東北市長会総会、特別決議採択
 東北の全75市長でつくる東北市長会(会長・梅原克彦仙台市長)の総会が22日、仙台市青葉区のホテルで開かれ、不足している産科医や小児科医の確保対策の早期実現などを求める特別決議4件を採択した。
(河北新報)

市立根室病院 外科医3人常勤に 来月から8月まで手術、入院受け入れへ(北海道)
 【根室】市立根室病院の外科常勤医が四月から不在になっている問題で、市は二十一日、六月一日付で道の派遣医に加え、国立病院機構から外科医二人が、八月末までの期限付きで交代で派遣されることを明らかにした。事実上、常勤医三人体制となり、四月から休止していた手術、入院が必要な患者の受け入れを再開する。
 国立病院機構は全国百四十六の国立病院を運営する独立行政法人。これまで災害被災地への医療班派遣などのケースはあるが、機構外の病院への医師派遣は初めて。同機構は「医師不足問題だけでなく、北方四島医療支援など国策上、根室が抱える特殊事情を考慮した」と説明している。
 派遣されるのは、仙台医療センター、北海道がんセンターなどの消化器外科医二人。ローテーション制で二人ずつ派遣する仕組みで、最大で三週間滞在する。道が派遣する道立焼尻診療所の久慈麻里子医師(32)=消化器外科=と合わせ常時、外科医が三人勤務する体制となり、釧路市などの病院に搬送していた、手術や入院が必要な患者の受け入れが可能になる。
(北海道新聞)

過労死自殺 社会全体で取り組もう(信濃毎日新聞社説)
 働き過ぎで亡くなる人が増え続けている。深刻なのは、精神障害になり自ら命を絶つ人が急速に増えていることだ。
 雇用環境が良好とは言えない現状では、労働者は弱い立場に置かれがちだ。景気回復の陰で、労働者に大きなストレスがのしかかり、心の健康が損なわれているとしたら問題である。昨年6月には国、自治体、経営者らに対する自殺対策の責務などを明記した自殺対策基本法が成立した。社会全体での取り組みが求められる。
 過労で自殺する人が急増している背景として、長時間労働による慢性疲労や成果主義の賃金制度の問題などが言われている。労働環境・条件の改善を急がなければならない。
 1998年以来、8年連続で年間の自殺者が3万人を超えている。日本は世界的に見ても有数の“自殺大国”だ。景気が上向いてきているのに、自殺者がいっこうに減らない。生きにくい、いまの社会状況がそこに映っている。

5月25日

研修医違法バイト診療、静岡の病院も4人
 研修医のアルバイト問題で、静岡市駿河区の静岡済生会総合病院(735床)で研修を受けていた臨床研修医4人が昨年、別の病院でアルバイト診療をしていたことがわかった。
 研修医のアルバイトは医師法で禁止されており、厚生労働省東海北陸厚生局は同病院に再発防止を指導した。同厚生局によると、4人は研修2年目だった昨年4月〜10月上旬、静岡市内の二つの病院で夜間の当直業務を行い、月額52万円(税込み)の基本手当とは別に、1回につきアルバイト料4万円を受け取っていた。アルバイト回数は4人で計51回。うち1人は18回に上った。
(読売新聞)

医師の呼吸器外し「正否判断できない」…病院側が会見
 和歌山県立医科大付属病院紀北(きほく)分院(和歌山県かつらぎ町)の男性医師が80歳代の女性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして書類送検された問題で、病院側は22日、和歌山市内で記者会見し、「延命措置を中止するかどうかは、医療現場における微妙な問題。(医師の行動の)正否は判断できないが、犯罪性があるとは考えていない」との見解を示し、「国レベルのガイドライン(指針)を早急に整備してほしい」と訴えた。
(読売新聞)

カルテ記載めぐり主張翻す 医師に慰謝料命令 医療ミス訴訟
 仙台市若林区の民間病院で2003年に死亡した同市の男性=当時(44)=の妻が診断ミスなどを理由に、担当医に約3920万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、仙台地裁は22日、医師の過失を認め、約3370万円の支払いを命じた。さらに争点の一つだったカルテの記載について、虚偽の説明で原告に不要な負担をかけたとして、慰謝料50万円も合わせて支払うよう命じた。医療過誤訴訟で医師の証言を賠償の対象とした例は珍しい。
 判決によると、男性は03年12月上旬、医師に緊張性頭痛と診断されたが、同月下旬にくも膜下出血で死亡した。妻は誤診と専門医に転送しなかったことの過失があるとして05年2月に提訴した。
 審理では、医師が緊張性頭痛と診断した際、カルテに「nuchal stiffness」という英語を記載した真意が争点の一つになった。
 本来はくも膜下出血の兆候とされる「項部硬直」の意味なのに、医師は本人尋問などで「首から肩にかけての『こり』という意味」と説明し、緊張性頭痛との診断を正当化してきた。
 しかし、結審間近の昨年11月になって「項部硬直がないことを示す『−』(マイナス記号)を単に記載し忘れていた」と主張を変更。今年2月の再尋問では「カルテへの記号の入れ忘れは医師として恥ずべきミス。裁判所にも信じてもらえないと思った」と虚偽証言を認めた。
(河北新報)

呼吸器外しの医師を殺人で書類送検 不起訴の見通し
 和歌山県立医大病院紀北分院で昨年2月、延命措置の中止を目的に80歳代の女性患者の人工呼吸器を取り外し、死亡させたとして、県警が殺人容疑で50歳代の男性医師を書類送検していたことが22日、分かった。終末期医療をめぐっては、県警は「悪質性は低い」として刑事処分を求めない意見書を付けており、家族の希望があったことなどを考慮し、起訴は見送られる公算が大きい。
 調べなどによると、男性医師は脳神経外科が専門で、県立医大の助教授だった昨年2月27日、脳内出血で分院に運ばれた女性の緊急手術を行った。手術後に女性は脳死状態に陥り、家族から「遠方の親族が来るまで延命措置をしてほしい」と頼まれ、人工呼吸器を付けた。
(産経新聞)

求む!!市町村への医師派遣 道、民間病院に支援金 今夏にも(北海道)
 道は二十二日、医師不足の市町村立病院や診療所に勤務医を派遣する民間病院に、資金支援をする制度を創設する方針を固めた。本年度の補正予算案に盛り込み、六月中旬開会予定の定例道議会に提出、早ければ夏から制度をスタートさせたい考え。民間病院から派遣される医師は一年間に数人と見込んでおり、支援額は一人当たり数百万円になるとみられる。道保健福祉部によると、同様の制度は全国的にも珍しいという。
 道内の各市町村はこれまで、大学病院から医師を引き揚げられ医師確保にめどがつかない場合、道や大学病院、二医療法人などでつくる道医療対策協議会に調整を依頼し、協議会に加盟する大学病院や医療法人などから医師の派遣を受ける「新医師派遣システム」を利用していた。
 本年度は道内の医師不足がさらに深刻化し、自治体から同協議会への派遣要請が過去最多の四十人に上り、このうちの半数については、現在も調整不能の状態となっている。市町村が自力で医師を探しているものの、多くの病院で医師が不足しているため、派遣は進んでいない。
 このため、道は協議会に参加していない道内の民間病院にも新たに派遣への協力を呼びかけ、医師の派遣を承諾した病院に資金支援を行う。
(北海道新聞)

待望の医師、市「焦り調べず」 防衛省医官と兼業発覚
 秋田県男鹿市立の「男鹿みなと市民病院」が非常勤の内科医として採用した女性医師(30)が、兼職が禁止されている国家公務員の防衛省医官だったことがわかり、計4日間診療しただけで市はこの医師をやめさせた。病院は医師を紹介してもらった仲介者に693万円を支払っていた。市側は「詳しく調べず、公務員とは気づかなかった」と話しており、医師不足に悩む地方自治体の焦りが背景にありそうだ。
 市によると、雇用契約を結んだのは今年3月28日。契約期間は1年間で、月曜日朝から水曜日夕方にかけて通算50時間の診療を月に2回行い、月ごとの報酬は100万円という内容。この契約に基づき、医師は4月23〜25日と5月1日の4日間、内科医として診療にあたった。
 しかし、市議から詳しい事情を尋ねられた市が、5月1日に医師本人から聞き取り調査をした結果、陸上自衛隊に籍を置く医官とわかった。市は2日以降の診療をやめさせ、契約を解除した。
(朝日新聞)

研修医、千葉マリン球場で違法バイト診療…川鉄病院が派遣
 JFE健康保険組合川鉄千葉病院(千葉市中央区、360床)が2005年から、同市内の千葉マリンスタジアム内にある診療所に臨床研修医を派遣し、「アルバイト診療」に従事させていたことがわかった。
 経験の浅い研修医による医療事故が相次いだことを受け、04年施行の改正医師法で、研修医の「アルバイト診療」は禁止されている。病院が組織的に研修医の違法バイトに関与しており、厚生労働省も実態調査を始めた。
(読売新聞)

「産科医療体制の将来ビジョン(案)」についての意見募集(青森県;登録更新日:2007/5/22)
 県では、本県の産科医療体制における課題を明らかにし、課題解決に向けた基本方針と対策を定めるため、「産科医療体制の将来ビジョン」の策定に取り組んでいます。
 この将来ビジョンの策定にあたり、下記のとおり意見を募集しています。

1 意見募集期間
  平成19年5月22日から平成19年6月20日まで
2 案の概要
ビジョンの性格と役割

@ビジョンは、将来にわたって、県民が安心かつ安全に、妊娠・出産ができる環境整備をすすめるための基本方針と短期的、中・長期的に実施すべき対策を定めたものです。
Aビジョンは、対策を行う主体となる、行政(国、県、市町村)、医療機関、医師や助産師、看護師などの医療関係者、関係機関、県民などが、取組みを進める上での指針となるものです。
B県は、各対策を行う主体との連携と役割分担のもとに、ビジョンの実現に向けて取り組みます。

入院費下落で経営圧迫 市立敦賀病院在り方検討委で指摘(福井)
 赤字経営が続く敦賀市立敦賀病院の今後の在り方を検討する委員会は二十一日、同病院で、二回目の会合を開いた。専門家の委員から、経営を圧迫しているのは患者一人当たりの入院費が安いことで、入院費の下落傾向は医師数の減少と関連している、との分析が示された。
(中日新聞)

呼吸器外し患者死亡=男性医師、家族の依頼受け−和歌山
 和歌山県立医科大付属病院紀北分院(同県かつらぎ町)で昨年2月、脳神経外科が専門の男性医師が80代の女性患者の人工呼吸器を外し、この患者が死亡していたことが22日、分かった。
 同分院によると、患者は2006年2月、脳内出血で同分院に運ばれ、男性医師が緊急手術した。患者はその後、脳死状態になり、家族が「呼吸器を外してほしい」と求めた。医師は断ったが、最終的に受け入れて呼吸器を外し、女性は死亡した。
(時事通信)

市町村長会議:医師不足など県側に要請 /栃木
 県と県内31市町の首長が意見交換を行う「市町村長会議」が21日、宇都宮市の県公館であった。
 この中で市長・町長側は▽地域中核病院の医師不足問題について国へのさらなる働きかけ▽障害者や外国人児童・生徒への教育支援▽妊婦健康検診へ県の助成制度の創設▽携帯電話不感地域、ブロードバンド未整備地域への支援−−などを県側に要請した。
 医師不足問題について意見を述べた岡部正英佐野市長は、「東京の病院に医師の派遣を求めたが、すぐには応じられないと言われた。地方にも医師が集まる制度の確立が必要」と訴えた。
(毎日新聞)

出産の後遺症 損害賠償の訴え(山口)
 3年前、宇部市の産婦人科の病院で仮死状態で生まれた女の子に脳性まひの後遺症が残ったのは医師の処置が不適切だったためだとして、女の子の両親などが病院を相手取り1億9500万円余りの損害賠償を求める訴えを山口地方裁判所宇部支部に起こしました。
 担当の医師は人工呼吸の途中で別の処置に当たるため看護師と交代し、その後1時間余り看護師が処置を続けましたが症状が回復しなかったため同じ宇部市の山口大学附属病院に転院させました。
 原告側は脳性まひの後遺症が残ったのは担当の医師が不慣れな看護師に人工呼吸をさせたほか、高度な処置ができる病院にすぐに転院させるなどの適切な処置を怠ったためだとして病院を相手取って付き添いの介護料や慰謝料など1億9500万円余りの損害賠償を求めています。
(NHK山口)

増える過労自殺 社会全体で関心を高めたい(愛媛新聞社説)
 過労や仕事のストレスが原因でうつ病などの精神障害を発症し、労災認定された人が増えている。
 厚生労働省のまとめによると二〇〇六年度、こうした精神障害での労災認定者は二百五人となった。このうち自殺に至った「過労自殺」は六十六人(未遂を含む)にのぼる。ともに前年度の約一・六倍という急増ぶりで、過去最悪の事態だ。
 背景には、長時間労働やリストラ、成果主義制度などにより労働者にとって厳しさを増す職場環境がある。これは、いうまでもなく認定者だけの問題ではない。その約四倍の労災申請者がおり、申請にまでは至らない「予備軍」も少なくないはずだ。社会全体で関心を高めるとともに、対策を講じることが急務だ。
 自殺を労災として申請する事例は一九八〇年代は年間二、三件だったが、この十年ほどで増えてきた。二〇〇〇年に最高裁が大手広告代理店社員の過労自殺をめぐる訴訟で示した判断が一つの転機となった。
 「会社は仕事上の疲労や心理的負荷が過度に蓄積し、労働者の心身の健康を損なうことがないよう注意する義務を負う」との指摘だ。これらと前後するように、過労自殺や精神障害についての労災認定要件が緩和された。
 こうした結果「過労死と比べ会社の責任を問いにくい」とする考え方にも徐々に変化が現れている。労災認定などが相次いだのは自然の流れといえる。

疲弊する勤務医、原因はどこに? (更新日:5月15日)
 地方を中心に全国で病棟・診療科の閉鎖が相次ぎ、医師不足が社会問題になっている。そのなかで一番の原因に挙げられるのが、病院などの「勤務医の疲弊」。当直明け診療が常態化するなど、過酷な労働条件に耐え切れず、開業医へと転向する医師が後を絶たないという問題だ。深刻ぶりがテレビや新聞でも繰り返し報道されている。
 厚生労働省がこのほど示した解決への「処方せん」を、一言で表せば「開業医の役割強化」だ。とくに都市部に多い、いわゆる「ビル診」(ビルのテナントで9時〜5時まで定時の診療しかしない)が槍玉に上がっている。事務方トップの辻哲夫事務次官は「病院への過度の患者集中を適正化するには、開業医のネットワーク化が必要だ」と述べている。身近な開業医が夜間や休日の診療を担い、大きな病院は入院診療と専門外来だけを扱う「機能分化」の発想だ。
(医薬経済)

5月24日

介護保険、09年度の負担者拡大を断念へ・厚労省
 厚生労働省は2009年度実施を検討していた介護保険料を負担する人の範囲拡大を断念する方針を固めた。見直し案を検討していた有識者会議が21日にまとめた報告書では、現行の「40歳以上」から「収入のあるすべての者」か「30歳以上」に広げる2案を併記するにとどまった。見直しで、新たに負担の増える若年層や経済界などの理解を得るのが現状では難しいと判断した。
(日経新聞)

最低賃金上げに難色 法改正求め意見書 規制改革会議
 政府の規制改革会議(議長・草刈隆郎日本郵船会長)は二十一日、労働法制の抜本的見直しを求める意見書を公表した。今月下旬にまとめる答申に盛り込み、三年をめどに関係省庁と協議を進める。解雇規制の緩和などを訴えるほか、最低賃金の大幅引き上げや労働時間の上限規制に慎重姿勢を示しており、政府内や労働界に波紋を広げそうだ。
安倍晋三首相が意欲を示している最低賃金引き上げについては、「不用意に引き上げることは、その賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらす」として、賃金増を負担できない経営者が労働者を解雇する可能性に言及。同会議労働担当委員の福井秀夫政策研究大学院大教授は記者会見で「失業という副作用が出ることを踏まえた議論が必要だ」との認識を示した。
 また、長時間労働対策で「画一的な労働時間上限規制」を導入することについて、「自由な意思で働く労働者の利益と、使用者の利益を増進する機会を無理やり放棄させる」と指摘。年間実労働時間の短縮目標を示した経済財政諮問会議の議論に疑問を投げかけた。
(北海道新聞)

女性医師支援活用をもっと 県が就業事業本格化(岩手)
 県が1月からスタートさせた女性医師就業支援事業は、本年度から本格的な取り組みが始まる。1―3月の育児支援事業の登録者は9人で、職場復帰研修は5人が活用。まだ広く周知されていないこともあって利用者は少なく、今後は一層の周知徹底が必要だ。育児支援については支援を受けられる地域が限定されていることから、サービスの拡大も課題。医師不足が深刻化する中で女性医師の割合は高まっており、実効性のある支援策が求められる。
 県女性医師就業支援事業は、「育児支援」と「職場復帰研修」の2本柱。増え続ける女性医師の出産・育児に伴う離職を防止し、医師確保を図ろうと県が県医師会に事業委託して実施している。
 育児支援は盛岡市の特定非営利活動法人(NPO法人)いわて子育てネットの協力を得て、緊急時などの子どもの預かりを実施。職場復帰研修は、県内の医療機関で再就職を目指す女性医師に対して必要な研修を行っている
 県医師会によると、4月末現在の会員数は2171人。このうち、女性医師は244人と全体の11・2%を占める。また、今春から県内で初期臨床研修に入った研修医の29・8%は女性で、医師の3割を女性が占める時代が迫っている。
(岩手日報)

医師不足 制度再構築は国の責任(中国新聞社説)
 深刻な医師不足にどう対処するのか。先週末に開かれた政府、与党の「医師確保対策に関する協議会」で、総合対策を六月上旬までにまとめ、政府の骨太の方針に盛り込むことになった。
 (1)国公立大学の医学部定員に、へき地勤務を条件に入学を認める「地域枠」を新設する(2)国立病院など中核的な拠点病院から、不足地域の病院、診療所へ医師を一年程度の期限付きで派遣する―などが対策の柱。地域枠は四十七都道府県にほぼ五人ずつ、全国で二百五十人程度定員を増やす。
 これまで厚生労働省は「医師の総数は足りており、将来は過剰になる」としてきただけに、定員増を認める方向は一歩前進だが、それにしても遅すぎる。地域で診療できる医師を養成するには、最低でも十年以上はかかるからだ。
 一方で、日本病院会の調査では、宿直をしている全国の病院勤務医のうち、約九割が翌日も通常に仕事をせざるを得ない状況がある。長時間の過酷な労働実態を放置したままでは、不足地域への医師派遣もそう簡単とは思えない。
 リスクが大きいため敬遠され、病院の診療科閉鎖などが起きている小児科や産科には、特に「即効薬」が必要だ。出産・育児などでいったん退いた女性医師の復職を促進する対策や、診療報酬の加算などが検討されている。

過労自殺最多 犠牲者なくす対策強めよ(山陽新聞社説)
 仕事に追いまくられ、ストレスがたまり、過労死したり、自ら死を選んでしまう。日本の労働者の心身共に追いつめられた実態が、厚生労働省のまとめた二〇〇六年度の労災認定状況から明らかとなった。
 うつ病など精神障害の労災申請は、前年度比25%増の八百十九人で、認定者数は61%増の二百五人だった。このうち未遂を含む自殺の認定は、前年度の四十二人から六十六人と過去最多を記録した。
 精神障害での認定者の職種は専門技術職が、29%で最も多かった。年代別では、働き盛りの三十代が40%を占めた。自殺者に限ると五十代が32%で、三十代が29%。管理職となる五十代ばかりでなく、中堅の三十代にも大きなプレッシャーがのしかかっていることが分かる。
 過労によって脳出血、心筋梗塞(こうそく)などの脳・心臓疾患になり、労災と認定されたのは三百五十五人で過去最多だ。直前数カ月の平均残業時間は、八十―百時間が最も多く百十六人で、百六十時間以上も二十六人いた。過労死した人は前年度より十人少ない百四十七人だった。
 働く環境は厳しさを増し、長時間労働の状態は改善されないままだ。総務省の労働力調査では、週に六十時間以上働く労働者は一九九九年以降11―12%で推移しており、過労死認定基準の「二―六カ月間、月八十時間を超える残業」に該当する可能性がある。

胆沢病院産婦人科、小児科 常勤医増求め署名活動(岩手)
 奥州市水沢区の「医療を考える市民の会」(高橋豊治代表世話人)は20日、同区の街頭で県立胆沢病院の産婦人科と小児科常勤医の増員・確保を求める署名活動を行った。
 メンバー約20人が参加。街頭2カ所で買い物客らに呼び掛け、700人以上の署名を集めた。6月初旬に知事と県医療局長を訪ね、直接訴える。
 県立胆沢病院は、地域の中核病院として年間500件以上のお産を取り扱っているが、開業準備などのため、産婦人科の常勤医が7月から1人となる可能性がある。小児科も4月から常勤医が1人の状態で、存続が危ぶまれている。
 高橋代表世話人(84)は「たくさんの人が署名してくれたが、現状をよく知らない人が多いと感じた。よりたくさんの人に呼び掛けたい」と話していた。
(岩手日報)

夕張医療センター 想定上回る維持費 年間1000万円以上も(北海道)
 【夕張】今年四月に市立病院から公設民営化された夕張医療センター(村上智彦センター長、十九床)の維持管理費が当初見込みよりも年間千数百万円かさむ見通しであることが分かった。二十日、公明党の渡辺孝男参院議員らと意見交換した村上センター長が明らかにした。
 同センターは光熱費や水道料金、清掃費用などの維持管理費を当初約二千万円と見積もっていたが、暖房は百七十一床の病棟も含めた全館一括方式のため、重油代だけで年間約五千万円かかる。このため十九床の診療所に見合った配管変更の工事を行うなどしても、年間三千数百万円程度の維持管理費が必要となる見込みで、今後の運営の大きな負担となりそうだ。
(北海道新聞)

5月23日

外科学を取り巻く環境改善に向けて、第107回日本外科学会開催
 大会テーマと同題で行われた会長講演では,日本外科学会が会員1276人に対して行ったアンケート調査結果を報告。外科医の抱えている問題ならびに外科志望者の減少の主な理由が,(1)長時間勤務,時間外勤務が多い,(2)労働に見合わない報酬,(3)高い医療訴訟リスク,に集約されたと説明。(1)に関連する当直明け勤務について,「医療事故防止の観点からも改善が必須」とし,主治医制から時間単位で治療を担当する交代勤務制への移行や,コメディカル・医療事務スタッフを充実し,外科医業務以外の負担軽減の必要性に言及した。
(週刊医学界新聞)

お産を選ぶ:6 ブランド産院と費用 河合蘭
 東京では、妊婦健診と分娩(ぶんべん)料を合わせて百万円くらいかかる「ブランド産院」が人気だ。もっともブランド産院という言葉は、料金が高かったり、皇室関係者や有名人の出産が多かったりすることからマスコミが作り出したものである。
 高額な出産施設で産む人は幸せなお産で、安い施設で産む人はつらいお産かというと、そんなことはない。産むのは自分と家族だ。分娩料は立地条件にも左右され、華やかな街にあれば高い。産院は医師やスタッフの実力やハートが最重要だと思うけれど、それもお金の問題ではない。料金だけで産院の良しあしを決めず、内容を知って、高く払うに値すると思ったら払えばいい。「一流ホテルのような個室でなければダメ」と思わない限り、大金を払わなくても幸せなお産はできる。
 ただし今後は、分娩料が軒並み上がる時代が来るかもしれない。昼夜を問わない産科医療の担い手を増やすためには今の一般的な分娩料では魅力がないし、人手もそろえられないと言われるようになった。そうなら、値上げ分を誰が負担するかが問題だ。
(朝日新聞)

医師不足を考える集会(熊本)
 医師不足が深刻な問題になる中、地域医療が抱える問題について考える集会が益城町で開かれ現役の医師が厳しい医療現場の状況を訴えました。
 県内の民間病院などでつくる県民主医療機関連合会が開いたもので、医師や医療関係者などおよそ160人が参加しました。埼玉県の済生会栗橋病院の副院長で外科医の本田宏さんが全国的に医師不足が問題になっている現状を紹介し「高齢化がすすむ中、今、医師の数を増やさなければ将来、医療を受けられなくなる」と訴え、診療報酬の見直しなど医療費抑制を進める国の改革を批判しました。
 県内の医師でつくる保険医協会が行った勤務医の労働環境に関するアンケートではおよそ77%が体力的、時間的に厳しい勤務環境だと答え、回答した1325人のうち875人が医師の増員が必要と答えています。
(熊本朝日放送)

歯科の医療法人破産、治療費先払いで苦情…京都など
 京都市や大阪府東大阪市で歯科診療所を経営する医療法人「奨和会」(京都市伏見区、岡本行雄理事長)が患者らに説明しないまま突然休診し、京都地裁に破産を申し立て、解散していたことがわかった。京都府歯科医師会や同府などには、今月上旬から一括払いした治療費の返還などを求める患者から「診療所と連絡がとれない」などの苦情が数十件寄せられ、同歯科医師会が患者の救済を求める異例の申し入れ書を岡本理事長に送付する事態になっている。
(読売新聞)

医師不足 増やすことも選択肢に(信濃毎日新聞社説)
 担当科の医師が1人で60日連続勤務した。医療が高度化して診療時間は増えているのに、医師の数が増えない。女性医師が働きやすい職場は少なく、このままではさらに医師不足が進む。いずれも、病院に勤務する医師の生の声だ。日本医労連が全国の病院勤務医の労働実態についてまとめた調査から、負担の重さが浮かび上がってくる。
 県内でも医師がいなくなって診療科目を減らしたり、診療日数を減らす病院が相次いでいる。医師の数が多く1人の負担が軽い都市部の病院に移ったり、開業医に転じる医師が多くなるのも無理はない。
 厚生労働省は中核病院への医師の重点配置、出産時の事故に対する無過失補償制度創設などの対策を打ち出しているものの、思わしい成果は上がっていない。今後の論議の重要なポイントは、医師はどれだけ必要なのか、ということだ。
 厚労省は、医師不足は都市部や一定の診療科目に集中する「偏在」が問題だとしている。一部の大学で医学部定員の増員を認めたが、あくまでも暫定措置である。昨年まとめた需給見通しでも、年々医師は増えており長期的には需要と供給のバランスが取れるとしている。
(信濃毎日新聞)

地域医療シンポ:医師不足を考える−−20日、茂原 /千葉
 地域医療問題を考えるシンポジウムが20日午後1時半から茂原市早野新田のプラザヘイアン茂原コンベンションホールで開かれる。テーマは「自治体病院の危機=医師不足問題を考える」(茂原青年会議所、NPOふるさと未来ネットワーク共催。茂原市長生郡医師会後援)。
 住民公開討論会の形式で公立長生病院の課題、今後の方向性を住民に正確に伝えることで現状を把握し、課題解決の糸口を探るのが目的。
 一部は城西大学経営学部准教授の伊関友伸氏が「医師はなぜ、立ち去るのか・地域医療再生のために」と題して基調講演。2部は地域医療の現状と今後について、医療関係者、有識者らが公開討論する。先着200人。入場無料。問い合わせは茂原青年会議所事務局(電話0475・22・3361)へ。
(毎日新聞)

5月22日

診療科名38を26に、患者に分かりやすく…厚労省見直し
 厚生労働省は、患者が医療機関を受診する際、自分の症状にどの診療科が当てはまるのかが現状では分かりにくいとして、診療科の表記の仕方を抜本的に見直す方針を固めた。
 38ある診療科を26の基本診療科に整理する一方、医師が治療を得意とする専門分野や病名などを、いくつでも併記できるようにすることで、診療科の表記に関する規制を事実上、大幅緩和する。
 21日の医道審議会診療科名標榜部会に同省案として提案し、早ければ年内にもスタートさせたい考えだ。
(読売新聞)

地方の医師不足、拠点病院が研修医派遣
 政府・与党は地方の医師不足対策に関連し、国公立病院など地域の拠点病院から、研修医を医師の足りない地方に派遣する制度を創設する方針を固めた。大学医学部が医師を地方に割り振る機能を果たせなくなってきていると判断、地域の拠点病院に担わせる方針に転換する。全国の医学部生を対象に、卒業後の地方勤務を条件とする授業料免除も検討する。
 医師派遣を巡っては、かつては主に大学病院が機能を果たしてきたが、2004年度に導入された新しい臨床研修制度では基本的に自分で研修先を選べるようになったため、研修医が都市部の一般病院などを選ぶ傾向が強まっていた。
 このため、政府・与党は拠点病院を地方派遣の中核として活用し、期限通り地方勤務を終えれば本人の希望する勤務先を優先的に認めるなどの優遇策も設ける。
(日経新聞)

袋井市民病院:内科外来は予約制に 経費を10%以上削減−−来月から /静岡
 袋井市は18日、袋井市民病院の経営改善実施計画を発表した。6月から内科外来を予約制にするほか経費の10%以上の節減、医療費未収金の回収率向上などを挙げている。2病棟閉鎖など実施済みの対策と合わせた上で、今後5年間の収支見通しを作成し適切な病院経営を目指すとしている。
 袋井市は今年度一般会計から8億5000万円を病院会計に繰り入れるが、単独病院としての生き残りも視野に入れ今後、さらに改善策を進めると見られる。
(毎日新聞)

竹田医師会病院:救急指定、来月から取り下げ 医師不足が背景に /大分
 竹田市医師会(加藤一郎会長)が運営する竹田医師会病院(竹田市拝田原)が、6月1日から救急告示医療機関(救急病院)の指定を取り下げることが分かった。常勤内科医の退職で救急病院として対応できなくなるための措置。また、豊後大野市緒方町の公立おがた総合病院でも内科医4人が8月末までに1人になる可能性があり、地方の医師不足が深刻になっている状況が改めて浮き彫りになった。
(毎日新聞)

小児、産科医確保など全力6月上旬にとりまとめ対策を骨太方針へ反映
公明提唱で政府・与党が初会合

 政府と自民、公明の与党両党は18日朝、首相官邸で「医師確保対策に関する政府・与党協議会」の初会合を開き、取り組むべき諸課題について協議した。
 北側幹事長は「小児科医、産科医などの命にかかわるリスクの大きな診療科を医師が選ばない状況がある。医師の負担を軽減する取り組みが大事だ」と力説した。
 深刻な医師不足の課題に対する主な論点としては、(1)大学医学部の医師派遣機能の低下(2)病院勤務医の過重労働(3)小児科医、産科医の厳しい勤務環境(4)女性医師の出産・育児による離職(5)医療にかかわる紛争の増加――などの意見が出された。
(公明新聞)

医師不足:医師を県職員として採用「有給研修1年付きです」 /秋田
 県は医師不足対策として、医師を県職員として採用する「県地域医療従事医師」の募集を21日から開始する。自治体病院などで3年間勤務すれば、1年間は有給で国内外の病院で研修や研究できる特典付き。県は「地域医療や豊かな自然に魅力を感じてもらえたら」と話し、県内外から広く応募を呼びかけている。
 県によると、医師は、県内12の自治体病院や日赤病院に派遣され、勤務先は相談できる。有給研修では、研修先を希望でき、期間中は給与が満額支払われる。給与は、秋田市の県立脳研センターなど県立の専門病院に勤務する医師と同レベル(44歳・扶養家族1・6人で平均月収約80万円)を支払うという。
(毎日新聞)
(管理人注:この事業はうまくいくような気がします

「副院長に看護師」急増・患者の視点、経営に生かす
 看護師を副院長に起用する病院が急増している。全国病院事業管理者等協議会の調査では、今月1日時点で3年前の3倍超に当たる168施設で看護師が副院長に就いた。医師ではなく、看護師を病院運営の要職に据えることで患者本位の医療を目指す。独立行政法人化や赤字経営などで改革を迫られた大学病院や公立病院で目立っている。
(日経新聞)

医療を守る全国大会
 医療関係団体40団体で作る国民医療推進協議会(会長=唐沢祥人・日本医師会長)が18日、「国民医療を守る全国大会」を東京・九段会館で開き、医療従事者ら約1200人が参加した。
 大会では、〈1〉医師・看護師不足の解消〈2〉医療における格差の是正〈3〉医療費財源の確保――などが決議された。
(読売新聞)

外来受診「ほぼ毎日」は2000人超(栃木)
 医療機関から国民健康保険(国保)などに請求される1カ月当たりのレセプト(診療報酬明細書)で、月の3分の2に当たる21日以上外来を受診した人は県内で5081人に上り、「ほぼ毎日」(26日以上)は2000人超だったことが、県保健福祉部の調査(概数)で初めて分かった。医療費の伸びは県内市町が運営する国保の財政状況を逼迫(ひっぱく)させ、8割超の28市町(2005年度)は実質単年度収支が赤字だった。
(下野新聞)

研修医、拠点病院に集約 修了後へき地に 政府与党検討
 政府・与党は18日、医師の不足や地域間の偏在を解消するため、大学卒業後の研修医の受け入れ先を地域の拠点病院に限定し、拠点病院にへき地への若手医師派遣を義務づける方向で検討に入った。従来、医師を割り振る役割を担ってきた大学医学部が、04年度の新しい臨床研修制度の導入をきっかけに機能しなくなってきたため、地域医療の中心になる拠点病院に代替させる狙いだ。
 政府・与党は同日、医師不足対策のための協議会を発足。100人程度の医師を国立病院機構などにプールし不足地域に緊急派遣する対策とともに、拠点病院からの派遣策について具体的な検討を進め、6月の骨太方針に盛り込む方針だ。
 政府・与党は、現在年1万1300人分ある研修医の定員総枠を、研修医の総数8600人程度に削減することを検討。都市部を中心に定員枠を大幅に削減することで、地方への研修医の流入を促進するとともに、受け入れ先を地域の拠点病院に限定する。
 そのうえで、拠点病院に対して、研修の終わった若手医師を医師不足が深刻な地域に派遣することを義務づける。勤務を終えた医師には拠点病院でのポストを約束することで、若手医師の理解を得たい考えだ。都道府県が条例などで拠点病院に医師派遣を義務づけられるようにし、医師の供給を確実にすることを目指す。
(朝日新聞)

神大が中核病院構想 北播磨5市1町へ提案(兵庫)
 兵庫県内の多くの公立病院に医師を派遣している神戸大学医学部が、北播磨五市一町(西脇、三木、小野、加西、加東市、多可町)の首長や五つの公立病院長に対し、「従来通りの医師派遣の維持は困難」などとし、病院を統合して医師を集中派遣できる中核病院設置を提案していることが、十八日分かった。神戸大によると、大学側から自治体に対し、病院統合や中核病院構想を提案するのは、国内でも異例という。北播磨では医師不足が深刻なことから、小野市などは「住民の利益にもなる」と提案に沿う方向で検討を始めた。
(神戸新聞)

医師不足対策の政府・与党協議会が初会合
 産科や小児科など地方を中心に深刻化する医師不足を解決するための政府・与党協議会の初会合が18日午前、首相官邸で開かれた。安倍晋三首相は「どこに住んでいても安心して生活できる基盤を作るのが重大な使命だ」と述べ、早期に重点対策をまとめるよう指示した。政府・与党は6月上旬に結論を出し、政府の「骨太の方針」に盛り込むほか、夏の参院選の与党公約として打ち出す考えだ。
 会合では、政府側が医師不足・偏在の背景として大学医学部の医師派遣機能低下病院勤務医の過重労働、女性医師の離職増加などがあることを説明。参加者からは産科や小児科の待遇改善や、医療事故対策の充実などの意見が出された。
 与党はすでに▽地域拠点病院から地方の病院に期限付きでの医師派遣▽産科、小児科の診療報酬引き上げ▽大学卒業後の数年間、地方勤務を義務付ける「地域勤務枠」を全国の大学医学部に新設−などの案を検討しており、自民、公明両党が今月末をめどに、それぞれの対策案を絞り込んだ上で、6月上旬に政府・与党案としてまとめる。
(産経新聞)

新人官僚の意識、「給与安い」半数・「勤務長い」6割
 人事院は18日、国家公務員1種試験などに合格し、4月から中央省庁のキャリア官僚として採用された新人職員の意識調査結果を発表した。
 給与や勤務時間、残業などの条件が民間企業に比べて厳しいと感じる人がいずれも過半数を超えており、人事院は「就職を決める際の重要な要素である勤務条件について、厳しい見方が強まっている」と分析している。
 勤務時間については「多い方」が61・1%(昨年比3・2ポイント増)。残業も「多い方」が73・7%(同2ポイント増)だった。
(読売新聞)

5月21日

ヘッドライン
 5月18日 厚生労働省 武見敬三厚生労働副大臣、水田邦雄保険局長らが出席しての緊急会見が18日省内で開かれ、18日付日本経済新聞1面記事の「開業医の初診・再診料下げ」に対し、「事実無根」と厳しく非難し、同新聞社に対して厳重の抗議を行ったことを明らかにした。官庁が報道記事に対して抗議会見を行うのは異例。

「看護師やめたい」44% 国立大病院職員組合が調査
 国立大学病院の看護師の44%が「仕事を辞めたい」と思っている――。全国大学高専教職員組合は17日、国立大病院看護師の勤務実態についてのアンケート結果を発表した。看護師不足が叫ばれる中、体制が整っているとされる大病院でも厳しい環境であることがうかがえる。
 勤務状況では、1日3交代の勤務で、勤務と勤務の間隔が8時間しかない「日勤―深夜勤」が月3〜4回あると答えたのは36%。有給休暇を年11日以上取得できたのは、00年調査の22%から13%に低下。月40時間以上残業している看護師の割合も13%から16%に増えた。
(朝日新聞)

労働局、法令順守を要請/県立病院医師の過重労働(沖縄)
 沖縄労働局監督課は十七日、医師や看護師の過重労働が指摘されている県立病院の勤務実態などについて、県病院事業局から事情を聴いた。同局監督課は「労働基準法などの法令違反がないようお願いした。病院事業局とは連絡を取っていきたい」と当面は事態の推移を見守る考えを示した。
 県病院事業局は「過重労働の解消については、数年前から労使交渉の場などで話し合いを持っている。しかし全国的な医師や看護師不足などが背景で、人員増も難しく抜本的な解決策が見いだせない」と対応に苦慮している状況を説明した。
(沖縄タイムス)

Report:国病機構の「緊急医師派遣制度」中止の背景 機構だけで医師派遣は困難 派遣元病院の負担大きいなど課題浮上
 国立病院機構の矢崎義雄理事長は15日に本紙取材に応じ、昨年10月から医師標欠病院に医師を派遣・支援する事業として展開してきた「緊急医師派遣制度」を3月末で中止したことを明らかにした。機構の146病院のうち医療法標準医師数を満たすことができない病院は、5月時点で約3分の1の49病院に上るなど、1法人で医師派遣システムを推進していくことの難しさが浮き彫りになった。
  結果的に東北地域の旧療養所の八戸病院(138床)、釜石病院(180床)、米沢病院(220床)の3病院に対しておおむね1週間交代で29病院から延べ108人の医師が派遣された。
  しかし、派遣元病院では、派遣できる医師が限定され、日常診療に影響を来さない院長など幹部クラスの派遣が常態化したほか、派遣期間も短期になってしまうなど派遣元病院の負担が大きくなっていった。同機構は、この3月までの約半年間で緊急医師派遣制度の中止に踏み切らざるを得ないと判断した。
  医師派遣で直面した問題について同理事長は、医師が地方病院への派遣に対して拒否の意思表示が明確で、「業務命令ならば退職する」と病院幹部を悩ませたほか、医師派遣元である大学病院からも「地方への医師派遣を容認することはできない」とした医師引き揚げの動きへの対応などを挙げ、「マグネットホスピタルといっても基盤が脆弱で、大学からの医師派遣で支えられているのが現状だ」と指摘した。
(Japan Medicine)

診療情報流出:奈良の妊婦死亡で、県警が捜査着手
奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、緊急搬送先探しが難航した末、死亡した高崎実香さん(当時32歳)=同県五條市=の診療情報がインターネットの医師専用掲示板に流出した問題で、同県警が掲載情報を収集するなど捜査を始めたことが分かった。内容が町個人情報保護条例の保護対象にあたるかなど検討を進めている。
(毎日新聞)

医師の確保と育成―マグネットホスピタルの提言
 一方で,疲弊する地域の医療圏の実情を目の当たりにすると,市町村に丸投げされた貧困な医療政策をそのまま反映する中小の病院が,政治の玩具にされ,行く末を見定めかねてあえいでいる.今や医療は,医師不足も含め,一市町村単位で解決できる問題ではない.
 地域に医師が不足している.増員もかなわない.ならば,医療者はせめて,できるだけの無駄と姑息な既得の権益を排し,前述の調査で明らかなように,妥当な人口規模で医師が集まりやすい五百床ほどのMHの設置を考えるべきではないか(人口二十万に一つ).診療科が網羅でき,三次救急も標榜でき,医師数も七十人以上と,若い医師にとっての教育環境は十分だ.医師不足の医療圏にMHを設置し,医療圏全体で医師を確保し,地理的事情も考慮しつつ中小病院の戦略的な配置を考えるべきである.
 市町村の財政規模の身の丈にあった病院と言うことで,“二百〜三百床の病院に若い医師を張り付かせて忙しくこき使う”というのは,人材育成の観点でも,長期的に正しい考えではない.わが身に置き換えて考えれば,無理な話だ.市町村の垣根を越えて,ふかん的な立場で,医療行政を進めなければならない.住民にも包み隠さず,手の内を明かして議論に参加してもらう必要がある.
(日医ニュース)

県立病院で労基法違反 「三六協定」締結せず(沖縄)
 週40時間の法定労働時間を超える時間外勤務が恒常化している沖縄の県立病院は、労働基準法により、時間外労働の限度などを定める労使協定(三六(さぶろく)協定)の締結と労基署への協定届け出が必要な状態だが、労使間で同協定は結ばれておらず、労基法違反であることが分かった。県病院事業局や各県立病院と、県職労病院労組は昨年4月以降、締結に向け団体交渉を続けているが、過重労働解消の抜本策を見いだせずに苦慮、締結のめどは立っていない。一方、県立病院の過重労働を重く見た沖縄労働局監督課担当者は17日、県病院事業局を訪れ、労基法順守を求めた。
 沖縄労働局が県病院事業局に法順守を要求するのは初めて。
 県内5つの県立総合病院の医師は時間外労働が週20時間を超える人が大半を占めるほか、看護師も多くの時間外労働を強いられる環境に置かれている。ひと月で時間外勤務が100時間を超える医師も多い。このため各県立病院と労組の間で協定締結が必要だが、締結に至っていない。
 各県立総合病院は、当直の月平均回数が各病院とも5―6回で全国平均のおよそ倍に上り、連続32時間労働の当直明け勤務も常態化している。当直でも昼間と同じように働いているため勤務形態上は時間外勤務とみなされ処理されている。これも時間外勤務の時間数を押し上げる大きな要因だ。
 こうした過重労働の実態が本紙で報道されたことを受け、那覇労基署は「全県的な問題」と深刻視して上位組織の沖縄労働局に対処を移行。医師や看護師の過重労働の事態を重く見た同局の監督課担当者2人は17日、県病院事業局を訪れ、実態を聞くとともに過重労働への対策と労基法の順守を要求した。
(琉球新報)

政府・与党が医師不足で協議会、6月上旬に対策
 政府・与党は18日午前、地方の医師不足解消策を検討する「医師確保対策に関する協議会」の初会合を首相官邸で開き、6月上旬に対策をまとめる方針を決めた。その後「骨太方針2007」にも反映し、順次実行に移す。
 会合では問題点として大学医学部から地方の医療機関に医師を派遣するシステムが有効に機能していないことや、勤務医の過重労働などを指摘。出席者からは地方の大学医学部の定員増や、医療を巡る訴訟などから医師を守る仕組みの導入が必要だとする意見が出た。
(日経新聞)

医師へき地勤務義務付け、骨太の方針に盛り込み、協議会が初会合
 地方で深刻化する医師不足・偏在の解消を目的とした「医師確保対策に関する政府・与党協議会」の初会合が18日午前、首相官邸で開かれた。
 初会合では、新たな重点対策を6月上旬にとりまとめ、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針」(骨太の方針)や与党の参院選公約に盛り込むことで一致した。
 政府・与党は、〈1〉医学部を卒業後、へき地などの勤務を義務づける「自治医科大学方式」を全国の医学部に拡大する〈2〉医師が集中している中核的な拠点病院から、地方の病院・診療所へ医師を派遣する仕組みの整備――などを重点対策の柱とする方針だ。
(読売新聞)

社説:医師不足深刻化 研修医の確保が最優先(秋田魁新報)
 医師不足の深刻化が、こんな事態まで引き起こしてしまったかというのが実感だ。男鹿みなと市民病院による非常勤医師との契約問題である。医師の出身大学が未承認だったことや、副市長が独断で契約をしていたことなどが判明、契約を破棄する事態に至ったのだ。契約を仲介した東京のコンサルタント会社に対する高額のコンサルタント料や成功報酬など、契約内容にも不透明感が漂う。
 医療行政を担う県の責任も大きい。医師を県職員として採用し自治体に派遣する事業やドクターバンク開設など力を入れているが、まだ十分とはいえない。青森県は2年前に、医師の労働環境整備などを柱にした「医師確保のグランドデザイン」を策定した。地域の開業医との連携推進、子育てなどで現場から離れている女性医師の能力活用など、地方病院の労働環境改善に向け、予算措置を含め手だてを尽くすべきだ
 診療を受ける側の県民も、風邪など軽度の病気なら、取りあえず近くの診療所(開業医)などで受診、必要に応じて専門病院を紹介してもらうことで地方病院の負担を少しでも軽くすることは可能だ。行政、医療界の努力は当然ながら、当面は県民も協力して苦しい時期を乗り越えていくしかない。

首相「安心の基盤を」 医師不足で初会合
 地方や小児科、産科で深刻化している医師不足問題に関する政府・与党協議会の初会合が18日午前、安倍晋三首相が出席して首相官邸で開かれた。首相は「医師の不足、偏在を訴える声が地方に強い。どこに住んでいても安心して生活できる基盤をつくっていくことが政府、与党の重大な使命だ」と強調した。
 会合では、厚生労働省が、医師の不足、偏在の背景には、病院勤務医の過重労働や、女性医師の出産、育児による辞職があることなどを説明した。県庁所在地など都市部では医師数が多く、郡部では少ない偏在傾向が明らかになっている。
(東京新聞)

終盤国会 暮らしの法案を重視せよ
 今国会で成立が困難の見通しとなった法案の一つに、労働関連三法がある。小泉政権時代に批判された格差問題に対応し、安倍政権が「成長底上げ戦略」の一つとして打ち出したものだ。
 ▽賃金の最低限度額の底上げを図り、違反企業が支払う罰金額を引き上げる最低賃金法案▽月に80時間を超える残業の割増率を引き上げる労働基準法改正案▽働き方の基本的ルールを定める労働契約法案。この三つからなっている。
 塩崎恭久官房長官は、「働く人全体の所得や生活水準を引き上げて格差の固定化を防ぐ」と説明した。その趣旨に異論はない。
 格差解消を求める声は経済団体からも出ている。経済同友会が先日、最低賃金の底上げを求める提言を発表した。
 最低賃金の引き上げが中小企業の経営を圧迫し、結果として、労働者から職を奪うものであってならないのは当然だ。雇用の地域間格差、賃金格差の是正も必要になる。政府がうたう「成長底上げ」を実現するには、増加している非正社員も含め働く人全体への目配せが欠かせない。法整備も含め、早急に対策を講じなくてはならないはずだ。
(信濃毎日新聞)

5月20日

国立大病院の看護師、6割がミス…パニック経験も4割
 国立大学病院の看護師の6割が、半年間でミスを起こしたり、起こしそうになったりしていたことが17日、全国大学高専教職員組合(全大教)の調査でわかった。
 過密労働でパニックになることがあると答えた看護師も4割以上いた。
 調査は、昨年10月に全国の国立大学病院の看護師を対象に行われ、25大学5410人(回答率28・3%)から回答があった。それによると、昨年4〜9月にミスを起こしたり、起こしそうになったりした人は60・9%。経験年数が少ないほど、その割合は高く、25歳までの若手看護師では76・7%に上った。
 妊娠・出産と仕事との関係を聞いたところ、妊娠しているのに夜勤免除を申し出られなかった人は63・6%。切迫流産などの異常があった人は32・8%と高率だった。全大教では「高度な看護を少ない人数で担うのだから、一人一人の負担は大きい。患者にしわ寄せが行かないように、看護師を増やすべきだ」と話している。
(読売新聞)

法医学会総会で医療事故調巡り討論、モデル事業の課題報告
 秋田市で17日から始まった日本法医学会(中園一郎理事長)総会で、厚生労働省が新設を検討している医療版の事故調査委員会に関する公開討論会が行われた。
 事故調のモデル事業に携わった医師らが討論者として出席。調査期間について厚労省の目指す3か月では難しいことや運営に膨大な人材や費用が必要なことなどの課題を報告した。
 法医学者からは「診療関連の死亡は、死因不明の全異状死の5%に過ぎない。なぜ全体の制度改善にしないのか」と、死因究明制度そのものの見直しを求める意見が出た。討論者の佐原康之・厚労省医療安全推進室長は「臨床医から診療関連死の第三者的調査組織を求める声が多く、異状死の死因究明の中でも最も大きな問題」と述べた。
(読売新聞)

職場のいじめなどでうつ病になった女性が労災認定/小田原(神奈川)
 職場のいじめやセクハラ(性的嫌がらせ)が原因でうつ病と診断された小田原市内に住む女性(34)が二〇〇六年七月、小田原労働基準監督署から労災認定されていたことが十七日、分かった。
 女性はアルバイト先だったファミリーレストラン「デニーズジャパン」(本社・東京)と元同僚三人に対し、慰謝料など計約二千九百六十万円を求めた訴訟を起こしており、女性の代理人によると、いじめやセクハラによる労災が認められるのは珍しいという。
 訴状によると、女性は二〇〇五年四月下旬から大井町上大井の「デニーズ大井松田店」にアルバイト店員として勤務。直後から当時の店長や従業員から「お前は給料をもらう資格がない」と言われたり、「胸をもませろ」などセクハラを受けたりしたほか、首を絞められるなどの暴行を受けた。女性は同年十一月に小田原市内の病院で「うつ病」と診断されて入院し、現在も横浜市内の病院に入院している。パニックを起こしたり自傷行為に及ぶなど症状は重いという。
(神奈川新聞)

開業医の初診と再診料引き下げ・厚労省方針
 厚生労働省は病院の勤務医に比べて高く設定されている開業医の初診・再診料などを2008年度から引き下げる方針を固めた。あわせて開業医の時間外診療や往診などの報酬引き上げを検討。開業医の収益源を見直して夜間診療などへの取り組みを促し、医療現場や医療サービスでの担い手不足解消につなげる。勤務医に集中する負担を軽減し、待遇差の縮小で医師の開業医シフトにも歯止めをかける。
(日経新聞)

無資格者にレーザー脱毛させた疑い、医師を逮捕 茨城
 茨城県警は17日、同県内の美容外科医院で医師資格のない事務員らにレーザー脱毛をさせていたなどとして、東京都品川区大崎5丁目、医師稲吉浩司容疑者(44)を、医師法と医療法違反の容疑で逮捕した。
 調べでは、同容疑者は05年10月から06年3月の間、水戸市と同県つくば市の美容外科医院で、事務員ら計8人に指示し、来院した当時20〜30代の男女12人に対し、レーザー装置を使って腕や脇などの脱毛行為をさせた疑い。また、水戸市の医院では、06年4月に廃院を届け出た後も診療を続けていた疑い。
(朝日新聞)

「DtoD」の既存事業への波及効果拡大
 病院勤務医の過剰勤務や医師不足の深刻化に伴い、「病院勤務医(ドクター)の転職支援」や「医師不足に悩む病院の医師確保支援」などの「DtoD」事業が成長期を迎えている。登録勤務医数が東京圏での事業拡大に伴い順調に増加し、会社側は07年3月末5374人に対し、08年3月末8000人を計画。岡三証券では「DtoD」事業の売上高が07年3月期の7億円から、08年3月期には12億円に拡大すると予想する。
(FujiSankei Business i)

看護師足りず33床休止 県立中部病院(沖縄)
 【うるま】うるま市の県立中部病院(平安山英盛院長)で昨年10月以降、看護師を十分に確保できず、多数の病床が使用できない状態に陥っていることが16日までに分かった。県立病院では診療報酬の制度上、看護師一人当たり十人の患者しか受け入れることができず、看護師の欠員分だけ受け入れ病床数を減少せざるを得ない。このため同病院では16日現在、550床のうち使用できない病床が33床に上っている。同病院は「このままでは中北部の救急医療に対応できない」として、県条例を改正し、職員定数を拡大する必要性を訴えている。事態を重く見た中部市町村会(会長・知念恒男うるま市長)は17日の定例会で、県に対し看護師の増員を要請する決議を可決する。
 県立中部病院は昨年、看護師不足のため15床あるICUのうち12床しか使用できない状態が起きた。民間病院などで対応できない重症患者の救急搬送に対応するため、段階的に婦人科と小児科から看護師を移し、昨年秋に休眠状態だった3床のうち2床の使用を開始した。その分、看護師を減らした両科で病床を縮小せざるを得なくなった。婦人科混合病棟の22床が昨年10月、小児科の11床が今年1月から使用できない状態になった。
(琉球新報)

看護師確保は保育充実から、滋賀県内の総合病院、新設や定員拡大(滋賀)
 滋賀県内の総合病院で、院内に看護師向けの保育所を新設、拡充する動きが広がっている。昨年の診療報酬改定をきっかけに病院間で看護師の獲得競争が激化していることが背景にあり、各病院とも福利厚生の充実で人材確保を目指している。
 社会保険滋賀病院(大津市)は4月、院内の一角に保育所を開設した。看護師北川朋子さん(37)は産休明けから保育所を利用し、10カ月になる二男を預けている。「24時間保育の日もあるので、夜勤でもみてもらえる。熱を出しても、すぐに迎えに行って院内の小児科に連れて行くことができるので助かる」と歓迎する。
 ほかにも滋賀医科大(同市)が2月に新設、草津総合病院、近江八幡市立総合医療センターが保育所を改装し、定員拡大や24時間保育の導入など受け入れ態勢の充実に乗り出している。
 看護師と同様に不足が叫ばれている医師の確保も開設の動機となっており、滋賀医科大は「女性医師の利用もある。大学や病院の子育て世代が働きやすいよう、環境整備を進めたい」と話している。
(京都新聞)

過労死:死亡男性に労災認定 時間外、月80時間超6カ月−−磐田労基署 /静岡
 磐田労働基準監督署が4月27日付で、住宅販売会社社員だった掛川市内の男性(当時25歳)が05年7月に死亡したのは過労死だったと、労災を認定したことが分かった。これを受けて16日、男性の母親(52)が会見し、「会社側は社員の命を預かっていると考えて雇用してほしい」と訴えた。遺族は会社側に安全配慮義務違反があったとして、損害賠償請求訴訟を起こす意向だ。【望月和美】
 母親は06年6月に磐田労基署に労災を申請。労基署の調査で死亡する前の6カ月間、月平均80時間超の時間外労働があったため、労災を認定した。労基署は同社の労働時間の実態調査に入る。
 母親によると、制度上は週休2日だったが、男性は研修や顧客回りのために出勤し、月1日程度しか休んでいなかったという。帰宅時間も午前3時を過ぎることもあり、04年秋ごろから「辞めたい」ともらしていたという。
(毎日新聞)

県立胆沢病院:産科、廃止の方針 拠点集約化の選にもれ /岩手
 奥州市水沢区の県立胆沢病院の産科が廃止される方針であることが16日明らかになった。県医療局は厚生労働省の方針に従い、数少ない産科医を拠点病院に集める集約化を進める意向で、胆沢病院が拠点病院の選にもれた形だ。また胆沢病院の産科医3人中2人が6月に退職するのを機に、集約化に先立ち産科休診も検討している。
(毎日新聞)

医療費削減に反対(北海道)
  「療養型病床の削減」などを進める政府に対して、北海道医師会などが緊急集会を開いて医療費の削減をしないよう求めました。
 緊急集会には、北海道医師会や看護協会など35の医療関係団体が集まりました。挨拶に立った北海道医師会の長瀬清会長は、「6月の骨太の方針で、今後の医療の方向が決まる。悪い流れを堰き止めなければならない」と述べました。
 集会では、「医療従事者は、国が責任をもって確保すること。必要な財源を確保すること」など求める決議案を採択し、政府にアピールする事にしています。
(札幌テレビ)

常勤医3人減少診療過酷に/ 久慈病院(岩手)
 岩手県立久慈病院(阿部正院長)で医師不足が深刻化している。四月以降、開業や他病院への異動を理由に産婦人科、循環器科、消化器科の三科の常勤医がそれぞれ一人ずつ病院を去った。現在、岩手医大から不定期で臨時医師を派遣してもらい、何とか診療体制を維持しているが、今後、医師が増員される見込みは薄く、関係者は「残された医師の業務が過酷さを増している」と対応に頭を悩ませている。
 同病院の産婦人科はこれまで二人体制で行ってきたが、県立大船渡病院の産科医が六月末までに辞めることに伴い、今月から一人が大船渡病院へ異動。循環器科と消化器科も四人体制だったが、循環器科の一人が派遣元の岩手医大に引き揚げたほか、消化器科の一人も開業のため久慈病院を去り、四月から三人体制を余儀なくされている。
 関係者によると、常勤医の一週間の勤務時間は、多いときで八十―百時間に達する。夜間の宿直時も一日平均で三十―四十人の患者が訪れ、一睡もせずに翌日の勤務に当たることも。
(デーリー東北)

医療保険の給付見直し、社会保障費削減で財制審
 財政制度等審議会(財務相の諮問機関)は16日、財政構造部会を開き、社会保障制度改革について議論した。会合では、高齢化で膨らむ医療費の削減に向けて、税金と保険料を財源とする公的医療保険の給付の範囲を見直して対応すべきだとの認識で大筋で一致。政府が来月策定する「骨太方針2007」への反映を目指し、具体的な項目の詰めを急ぐ。
 財務省は会合で、先発医薬品(新薬)と効果が同じで価格が安い後発医薬品の普及を促すため、医療保険の適用範囲の改定を求める資料を提出。保険給付でカバーする金額を後発薬を基準に設定する新たな仕組みに切り替えれば、総額で1兆3000億円の医療費(国の歳出ベースでは3000億円)を削減できると試算した。
(日経新聞)

医師、「報酬もらっていない」と回答 男鹿市民病院問題(秋田)
 コンサルタント会社を介し、男鹿みなと市民病院(下間信彦院長)と一時契約したものの、契約破棄が決まった非常勤女性医師(30)の問題で、医師は16日までの防衛省陸上幕僚監部広報室の事情聴取に対し、「病院から報酬をもらっていない」と答えていたことが分かった。
 医師は防衛医大卒。防衛医大は入学時から特別職公務員という立場にあり、卒後9年間は自衛官として、関連病院などに勤務することが義務付けられている。勤務しない場合はその期間に応じて償還金を払わなければならない。一連の経緯を聞き取り調査した同広報室は「近く医師は自衛官を辞めて、償還金を払い一般病院に勤務する道を探していたようだ」としている。
(秋田魁新報)

岩手医科大学:誤って気管に栄養剤注入、患者死亡
 岩手医科大学(盛岡市)は16日、同大付属循環器医療センターに入院していた70代の男性患者の胃に注入する栄養剤を誤って気管に入れ、死亡させる医療ミスがあったと発表した。県警盛岡東署は業務上過失致死の疑いもあるとみて関係者から事情を聴いている。
(毎日新聞)

過労自殺:労災認定57%増、過去最多の66人 06年度
 過労による精神障害などの労災認定件数と自殺者数の推移 長時間労働や仕事のストレスなど過労が原因の自殺(未遂を含む)で06年度に労災認定を受けた人が前年度比57.1%増と急増し、過去最多の66人に上ることが16日、厚生労働省のまとめで分かった。うつ病など精神疾患が認定された人も前年度比61.4%増の205人で過去最多。働き方の見直しが言われる中、労働者を取り巻く長時間労働が一向に改善されない状況が改めて浮き彫りになった。
 同省によると、過労自殺が認定された66人では50代が21人で最多、30代が19人、40代12人。
 過労で脳出血や心筋梗塞(こうそく)などを発症した「脳、心疾患」の認定者355人(うち死亡147人)も過去最多だった。50代が最多の141人、次いで40代104人、30代64人。ここでも30代が目立って増えた。職種では運輸・通信職が最も多かった。残業時間では月80〜100時間未満が最多の116人。100〜120時間未満は101人で、前年度より大幅に増えており、長時間労働がより過酷になっていることが分かった。
(毎日新聞)

財務省が医療費の「高コスト事例」提示、高価な医療機器も
 財務省は、財政を圧迫している医療費の「高コスト事例」をまとめ、16日に開かれた財政制度等審議会(財務相の諮問機関)に提示した。
 日本では新薬より安いジェネリック医薬品(後発医薬品)の利用率が低く、医療機器も高価な実態が浮き彫りになった。
 高コストの事例として、〈1〉心臓ペースメーカーなど医療機器の価格が外国の2〜8倍高い〈2〉高額なコンピューター断層撮影法(CT)や磁気共鳴画像(MRI)など高価な機器が人口あたり4〜13倍もある――などを挙げた。
(読売新聞)

医師不足… 道保健福祉部技監が志願、焼尻へ 来月赴任(北海道)
 医師不足問題を担当している道保健福祉部技監の貞本晃一(てるかず)医師(54)が自ら志願し、六月一日付で留萌管内羽幌町・焼尻島の道立焼尻診療所長に就任する。部次長職に相当する技監が、下の課長職ポストの診療所長に就くのは極めて異例。貞本医師は十六日、高橋はるみ知事の記者会見に同席し、深刻化する医師不足への危機感から、「最後の手段として自分が行くしかないと思った。高齢者が多い島民の命と健康を守りたい」と、意気込みを語った。
 志願のきっかけとなったのは市立根室病院の医師不足問題。貞本医師は「常勤の外科医が一人もおらず、医師が一日おきに当直せざるを得ない状況。助けてほしいと何度も頼まれ、何とかしたいと思った」と話す。
 貞本医師ら道の担当部局は焼尻診療所に勤務する外科医(32)の派遣を検討。しかし、同診療所は医師一人と看護師一人だけの体制で、後任医師が見つからないと島からは医師が一人もいなくなってしまう。このため、貞本医師が自らの赴任を決断した。これにより、診療所の外科医を市立根室病院に六月一日付で派遣することも可能となった。
(北海道新聞)

激務で自殺 労災と認定 編集アルバイト、昼夜かけもち
 別々の出版社で編集アルバイトをかけ持ちしていた東京都杉並区の女性(当時26)が自殺したのは過重な労働が原因だったとして、遺族が出した労災の認定請求について、東京労働者災害補償保険審査官は15日付で、女性の死を「過労自殺」と認めた。新宿労働基準監督署長が昨年1月、遺族補償給付金の不支給を決めたため遺族側が審査を求めていた。
 決定書などによると、女性は04年10月、以前から働いていた都内の出版社で午前と夜間に勤務。午後は別の出版社で働くようになり、月末に自殺した。同月の労働時間は両社で計307時間に達していた。
 女性は当初からの会社を辞めようとしたが社長に慰留され、かけ持ちすることになったという。決定は、かけ持ちが当初の会社の社長に分かり、自殺の前日、社長との話し合いが4時間に及んで問い詰められるなどしたことを重視。「指導の範囲を大きく逸脱する行為」と判断した。長時間の時間外労働による疲労とともに複合的に精神的な影響を与え、自殺に至ったと認定した。
(朝日新聞)

過労自殺で労災認定、最多66人 道内4人、50代多く 06年度(北海道)
 働き過ぎが原因でうつ病などの精神障害を患って自殺したとして、二○○六年度に労災認定された人が、前年度比61%増の六十六人(未遂含む)に達し、過去最多だったことが十六日、厚生労働省の集計で明らかになった。道内も四人と最も多かった。脳出血や心筋梗塞(こうそく)など脳・心臓疾患の労災認定も三百五十五人と最多で、道内は前年度と同じ十五人。うち死に至った過労死は百四十七人(道内八人)。好景気の裏で過酷な労働が心と体の健康をむしばむ実態が浮き彫りになった。
 集計によると精神障害で労災認定を受けたのは二百五人、道内十人。このうち自殺での労災認定も前年度を二十四人上回り、道内では昨年の二人から、道東の三十代団体職員など四人に増えた。
 精神障害の労災認定を職種別でみると、システムエンジニア、医師などの専門技術職が六十人でトップ。事務職三十四人、製造工などの技能職三十三人と続く。年代別では、三十代が八十三人と最も多く、40%を占めた。以下は二十代19%、四十代18%。自殺に限ると五十代が32%、三十代が29%の順だった。
(北海道新聞)

バイト2社の労働時間合算=女性の過労自殺認定−東京
 東京都内の出版社2社で編集アルバイトをし、2004年10月に自殺した女性=当時(26)=について、東京労働者災害補償保険審査官は16日までに、労災と認めなかった新宿労基署の決定を取り消し、過労による自殺として労災認定した。両社での勤務時間を合算し、相当程度の長時間労働があったと指摘した。
 遺族の代理人弁護士は「非正規雇用者の兼業が増加する中、画期的な決定だ」と話している。
(時事通信)

5月19日

医師の宿日直手当に関する源泉所得税を納付しました(横浜市 平成17年6月30日)

1 横浜中税務署から指摘された内容
 医療施設における入院患者の病状の急変等に対処するための当直勤務は、従前どおり宿日直料の非課税を定めた所得税取扱通達に該当し、非課税であるが、それ以外の勤務については、課税となる。

2 対象者及び納付すべき税額
(1) 対象者
平成13年以降に上記の業務に携わった医師・歯科医師216名
(2) 税額
13,291,420円
(内訳)
源泉徴収をしなかった税額 11,705,820円
不納付加算税額 1,167,000円
延滞税額(試算) 418,600円

徳島市民病院 納税漏れ
 徳島市の徳島市民病院で、医師らの所得税の一部が納税できていなかったことが税務署の調査でわかり、このほど総額376万円あまりを追徴課税されました。
 徳島市民病院事務局によりますと、去年8月、徳島税務署の調査を受けた際、「宿直と日直の手当ての一部を非課税にしているのは認められない」との指摘がありました。
 医師らの所得税の源泉徴収義務者である市民病院側は、「かねてから手当てのうち、4000円以下は非課税と解釈してきた」として税務署側と協議をしてきました。その結果、今年1月、「勤務実態から非課税とは認めれらない」とされました。
 そして、現職の医師と医療技術職の過去3年分に限り、追徴課税を求められました。全体では延べ183人、総額376万6300円となりました。先月末にそれぞれの医師らが納付を完了しました。
(2005年4月13日 四国放送)

マスコミの魔女狩報道 医療崩壊を招いた?
産婦人科医や小児科医だけでなく病院から勤務医が次々と去って行く。こうした医療現場の厳しい実態は「医療崩壊」と呼ばれ、関心が高まっている。激務で休みが取れない、といった問題だけでなく、医療ミスを巡っての「マスコミの魔女狩報道」が原因のひとつだ、という指摘も出てきた。マスコミの報道姿勢を問う本が出版され、医師の専用のブログはマスコミを呪う発言で満ち溢れている。
(J-castニュース)

准看護師が出産時内診 青森の元院長ら不起訴
 准看護師に出産時の内診をさせたとして、青森県警は、保健師助産師看護師法違反の疑いで、青森県内の診療所(閉鎖)の元院長と准看護師を書類送検し、青森地検は15日までに2人を不起訴とした。
 県警などによると、元院長は2004年1月、県内の女性が女児を出産した際、子宮口の大きさを確認するなどの内診を准看護師にさせたとされた。
 女児は2カ月後、血中の酸素不足などで、転送先の病院で死亡した。県警、地検ともに、任意捜査などを理由に詳細を明らかにしていない。
(河北新報)

ソネット・エムスリー(株)の株価
前日比 - 11,000円
(日経ネット)

県立病院 医療費未収1億2000万円(福井)
 県立病院で患者から1年以上支払われていない治療、入院代などの医療費未収金が、2006年度末時点で約1億2000万円に上り、初めて1億円を突破した。県は昨年から出先機関の職員も動員するなど回収策を強化しているが、歯止めがかからない状況。低所得者の増加や医療費の自己負担増、モラルの低下など複数の要因が重なり、対応に苦慮している。
(福井新聞)

医師確保:研修充実、若手戻る 千葉県立東金病院、住民も育成支援−−地域の取り組み
 各地で深刻な医師不足が続く中、患者や住民の協力も得て、若手医師を全国から集め、医師数を増やした病院がある。千葉県東金市の県立東金病院(平井愛山院長)。昨年9月末、内科の常勤医が3年前の5分の1となる2人に減ったが、今年4月からは6人まで回復した。平井院長は「若手医師にとって魅力的な研修制度を整備し、地域住民に自分たちの医師を育てようという意識が広がったことが回復につながった」と話す。
(毎日新聞)

鳥取大が全国初の看護師地域枠(鳥取)
 看護師確保のため鳥取県は、鳥取大学医学部が保健学科看護学専攻に二〇〇八年度から創設する県内出身者対象の地域枠制度(十人)への奨学金を、六月補正予算案の総務部長査定で認めた。同学部は医師確保のため〇六年度から医学科に地域枠(五人)をスタートさせているが、県によると看護師の地域枠は全国で初めて。
 地域枠の学生には毎月六万円の奨学金を貸与。卒業後、県内の病院などに六年間勤務すれば、返還を免除する。夏に公表する選抜要項に鳥取大が盛り込む。
(山陰中央新報)

診療科を半分近くに再編 医師不足解消の思惑も 厚労省
 厚生労働省は、医療機関が名乗ることができる診療科を、現在の38科から20科程度に再編する方針を固めた。細分化して患者にわかりにくくなっている診療科を廃止する一方で、幅広い病気を診断できる医師に公的資格を与え、その医師がいる医療機関には「総合科」(仮称)を名乗ることを認めることなどが柱だ。患者が医療機関を選びやすくするほか、医療機関ごとに初期診療と専門医療の役割分担を明確にし、医師不足の一因とされる大病院への患者集中を緩和する狙いもある。
 見直しは、各学会による専門医の認定制度を調整している日本専門医認定制機構が定める18の基本診療科をもとにする。内科、外科、小児科など20科程度に絞る方針だ=表。アレルギー科、神経内科など19科の廃止や、「救急科」など4科の新設を検討する。「内科(呼吸器)」といった得意分野の併記は認める。
 見直しの目玉は「総合科」の新設。患者が最初にかかる初期診療で高い能力を持つ医師に、麻酔科のように国が公的資格を与え、その医師がいる医療機関に「総合科」を名乗ることを認める。体調の悪い人がどの診療科に行ったらいいか迷う場合、まず総合科にかかるようになれば軽症患者がいきなり大病院に行くことが減り、大病院の混雑解消や、多忙のあまり医師が大病院を辞める医師不足の改善につながると厚労省は期待する。
(朝日新聞)

週刊朝日 2007年5月15日号
対談●日野原重明×福井次矢 ベテラン医師がここまで明かすすぐそこにある「医療過誤」

男鹿市が契約破棄へ 市民病院医師問題(秋田)
 東京都内のコンサルタント会社を介して、男鹿みなと市民病院(下間信彦院長)と契約し、現在診療を休止している非常勤女性医師(30)に対し、男鹿市が契約破棄する方向で検討していることが13日、分かった。コンサルタント会社とも契約を打ち切る考えという。
 市当局によると、一連の契約を担当したのは佐藤文衛副市長で、知人に紹介されたコンサルタント会社に医師確保を依頼。その後、佐藤一誠市長が契約内容を顧問弁護士に相談するよう話したにもかかわらず、佐藤副市長は独断で3月28日に契約したという。4月5日に月決めコンサルタント料31万5000円、4月10日に「成功報酬」630万円が支払われた。
 医師は契約成立後、4月23?25日と今月1日の計4回、同病院内科医として診察した。その後、卒業した防衛医大の承認を得ていないことが発覚。1日の診察終了後、下間院長が女医に「当面、診察を見合わせてほしい」と話し、報酬として約120万円を自費で立て替える形で払ったという。
(秋田魁新報)

弘大病院が経営コンサルを公募
 弘前大学医学部付属病院(花田勝美院長)は、財政状況の一層の改善に向け、経営戦略のコンサルティングを外部に委託することを決めた。委託先は公募により六月中にも決定し、年度内に改善方策を策定する予定。付属病院は、国立大学の独立法人化以降、国が課した経営改善係数による収入減などにより厳しい経営を迫られており、院外から見た改善点や情報を導入する考え。
(東奥日報)

看護師配置巡る“争奪戦”、6割の病院が予定数確保できず
 昨年の診療報酬改定で看護師配置の新基準が導入されたことに伴い、全国の病院を舞台に巻き起こった看護師の“争奪戦”。その行方を日本看護協会が調べたところ、予定していた看護師数を確保できなかった病院が6割近くに上ることがわかった。
 確保できた病院は、その理由として、「教育研修体制の充実」(38・3%)、「夜勤や人員配置など勤務体制の工夫」(38・1%)などを挙げたのに対し、うまくいかなかった病院は「給与」(45・8%)、「病院の知名度」(38・3%)という基本条件を敗因に挙げていた。
 また、離職が昨年に比べて減少したと答えた病院は、入院患者と看護師の比率を「7対1」にしている病院で37・1%、「10対1」27・6%、「13対1」24・5%、「15対1」21・6%で、看護師配置が多いほど、離職者は少なかった。
 日本看護協会では「労働条件を整えれば、看護師は集まる。看護師が来ないと嘆くのではなく、来ない理由を改善する努力が必要」としている。
(読売新聞)

バス事故逮捕 背景に踏み込む捜査を(信濃毎日新聞社説 5月16日)
 大阪府吹田市で2月に起きたスキーバスの事故で、大阪府警はバスを運行していた、北安曇郡松川村の会社の経営者と運転手を逮捕した。
 運転手は経営者の長男だった。これまでの捜査で、運転手が厳しい労働をしていたことが明らかになっている。事故当日の2月18日までの1カ月間で、労働時間は計326時間50分に及んだ。1週間でみると、労働基準法が定める週40時間をはるかに超え、所定の2倍働いたことになる。
 運転手は、夕方、長野県を出て、翌朝に大阪に着き、しばらく休憩した後、再び乗車。翌朝、長野へ戻る勤務をくり返していたという。スキーツアーの始まった昨年12月下旬から事故まで休みはわずか6日だけだったといい、事故当日、運転の交代はなかった。
 昨年6月には大町労働基準監督署が、長時間労働を改善するよう是正勧告していた。起こるべくして起きた事故と言われても仕方がない。
 経営者の逮捕には、運行管理責任者を厳しく追及しようとする警察の姿勢がうかがえる。居眠りなど直接の原因だけでなく、背景となった厳しい労働実態から運行管理の全容まで詳しく調べることが大事になる。

5月18日

生活保護の母子加算削減 21人、道に不服請求へ 全国初、訴訟も視野(北海道)
 生活保護受給者のうち、十五歳以下の子どもを持つひとり親世帯に支給されている母子加算が本年度から削減されたことに対し、道内の受給者二十一人が十八日、減額処分の取り消しを求め、道に不服審査請求を行う。生活保護受給者の支援をしている「全国生活と健康を守る会連合会」(全生連)によると、今回の母子加算の削減に対する不服審査請求は全国初。受給者は「生活実態を無視した減額は、生存権を定めた憲法二五条の理念に反する」として、請求棄却の場合は訴訟に持ち込む方針だ。
 厚生労働省は本年度と来年度で、基準額に上乗せして支給している十五歳以下の母子加算を削減、二○○九年度に全廃する。削減額は居住地の人口規模などによって異なるが、子ども一人の場合だと本年度は最大で月額約八千円。
 全生連の下部組織、北海道生活と健康を守る会連合会によると、不服の審査請求をするのは札幌市十二人、小樽市六人、苫小牧市一人、函館市二人の二十一−五十九歳の女性。
(北海道新聞)

公立病院の民営化推進、医療費効率化で大筋合意・諮問会議
 政府の経済財政諮問会議は15日、2012年度までの5年間の医療・介護分野の効率化計画で大筋合意した。民営化などで公立病院の改革を進め、民間病院より非効率な経営構造を改めることなどを盛り込んだ。焦点の医療費削減の数値目標は経済財政運営の基本指針(骨太方針2007)への明記は見送るが、安倍晋三首相は改革の詳細設計にあわせ年末までに削減の道筋を示すよう柳沢伯夫厚生労働相に指示した。
 計画は医療・介護サービスをより効率よく提供するための20項目の対策を掲げた。6月にまとめる骨太方針に盛り込む。柱となるのはIT(情報技術)の活用。医療機関が健康保険に出す医療費の請求書である診療報酬明細書(レセプト)を紙からオンライン請求に切り替える改革を進める。10年4月までに8割を移行、11年4月までに全面移行することを明記した。
(日経新聞)

スキーバス事故、社長・専務を逮捕・大阪府警
 大阪府吹田市で今年2月、旧「あずみ野観光バス」(長野県松川村)=「ダイヤモンドバス」に名称変更=の大型バスが橋脚に衝突し、スキー客ら27人が死傷した事故で、大阪府警交通捜査課は14日、同社社長の下総建司(40)と妻で専務の下総美和子(44)の両容疑者を、道交法違反(過労運転の下命)容疑で逮捕した。
 また同課は同日、過労による居眠り運転でツアー客らを死傷させたとして、運転手の小池勇輝容疑者(22)を業務上過失致死傷と道交法違反(過労運転)容疑で逮捕した。
 美和子容疑者は「連続勤務で疲れがたまっているのは知っていたがバスの運転を命じた」と容疑を認めているが、建司容疑者は「休みを取らせていたので過労だとは思っていなかった」と否認している。
(日経新聞)

変わる医療現場−開業医が増える 5月15日(火)
いま"地方病院の医師不足"の原因の一つに―、"医師が病院を辞めて開業するからだ"という見方があります。確かに診療所は増えています。背景に何があるのでしょうか?

今村啓作医師
「勤務医やっていると転勤転勤で退職金もつかないし定期昇給もない。いま公立病院は職員給与カットもある/単に若い中堅が忙しいからではなく社会的な待遇や評価が正当ではないので頑張る価値が見出せないのではないか」

西後健一さん
「大きい病院の医師が沢山辞めている。その中で最終的に残ると大変になるので病院に残れないといった状況で開業も一つの選択肢になっていると思う」

大湯淳功医師(44)
「実際に倒れた医師もいるし・・・そいうところもあるし家族の心配とか家族との時間が欲しいとかホンネではある」「やりがいはみんな感じていると思う。それをちゃんと評価して/少しでも"小児科頑張って"いうのがあれば違うかも知れないが・・・」
(札幌テレビ)

救急「古川方式」悲鳴、軽症患者 大崎市外から続々(宮城)
 平日夜間と土曜午後・夜間の救急医療に取り組む大崎市が、市外からの受診者や風邪などで診察を受ける軽症患者の増加に苦慮している。大崎市は「この状態が続けば、医療スタッフの過剰負担となり、業務に支障を来す恐れがある」として、栗原市、登米市、加美町など周辺6市町に対し、緊急時以外に利用しないよう、異例の申し入れを行った。
(読売新聞)

「改善しないと悲劇続く」、医療ルネサンス 読者の反響
 多摩版で4〜5月にかけて掲載した医療特集「都立小児病院の移転統合と多摩医療格差」、産科医不足などを報じた連載「多摩のお産事情」に対し、「医療現場を改善しないと悲劇が続く」などの反響が寄せられた。

 「都民なのに都内の病院にことごとく断られた。23区にはいい病院がそろって優遇されている。でも、23区だけが東京ではない」と訴えるのは、昨冬出産した男児が難病で、埼玉県内の病院のNICU(新生児集中治療管理室)に入っている小平市の女性(34)だ。近くにある公立昭和病院、都立府中病院、同八王子小児病院はいずれも満床で入院できなかった。

 現在は片道2時間をかけて現在の病院に面会に通う。医師には「長くは生きられないでしょう。面会の回数を増やしたほうがいい」と勧められているが、週2〜3回通うのに、交通費だけでも1か月に4万円はかかる。ほかにも幼児を抱え、これ以上面会を増やすのは現実には無理、という。

 昨夏、多摩地区にある病院で、産まれたばかりの第一子を亡くした男性(33)は「今の病院環境では、もう子どもを持とうと思えない」と悲痛な声を上げる。
 出産を担当したのは病院に来て数か月の、初めて見る若手医師だった。妻の陣痛が長く続き、帝王切開を希望したが、医師は聞き入れず、分娩(ぶんべん)台の操作や胎児の引き出し方などにも手間取り、赤ちゃんは生まれて1時間で死んでしまった。
 男性が問い詰めた結果、病院側は不手際を認め、謝罪したが、男性は、医師や看護師が出産中に雑談し、あるいは男性との話し合い中に居眠りし、患者に乱雑な対応をする姿を幾度も目にした。その背景に「人手不足で疲れ果て、まともな患者ケアや適切な人事配置もできない病院の実態」を強く感じ取った。
 男性は「医師の働く環境を改善しなければ、どこでも起こりうる。私たちのような不幸を二度と起こさないように、誰もが安心して子どもを産める環境を整えてほしい」と訴える。
(読売新聞)

市立3病院追徴税1187万円、宿・日直手当分で告知…長崎税務署
 長崎市病院局は14日、市民病院、成人病センター、野母崎病院の市立3病院で、医師の宿・日直手当など総額約3655万円について源泉徴収をせず、長崎税務署から約1187万円の追加徴収の告知を受けた、と発表した。同局は同日付で納付した。
 同局によると、国税庁の通達では、宿・日直勤務1回の手当のうち4000円は非課税となる。しかし、勤務中に医療行為を行った場合は、宿・日直勤務とみなされず、通常勤務として手当全額が課税対象となるが、同局は非課税扱いとしてきた。昨年8月以降、同税務署から調査を受けていた。
 調査の結果、2003年から4年間で、医師112人分、計約1059万円の徴収漏れが分かり、延滞税などを加えた約1187万円の追加徴収を求められた。同局が立て替えて納付し、今後、医師から個別に徴収するという。
 同局企画総務課の片岡研之課長は「通達の解釈が間違っていた。今後、是正する」と述べた。
(読売新聞)

赤ちゃんポストに3歳児、「捨て子助長」の懸念が現実に
 熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)が設けた「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」に最初に預けられたのは、新生児ではなく、言葉も話せる「3歳児」だった。
 親が養育できない新生児の受け入れを想定していた病院の担当者は、予想外の事態に固く口を閉ざしたまま。これに対し、「捨て子を助長する」と設置に慎重だった人たちからは、「恐れていた事態が現実になった」と改めて疑問の声が上がった。
(読売新聞)

医師不足解消へ修学資金貸与(新潟)
 県と財団法人新潟医学振興会は14日までに、県内の医療機関での勤務を考える医学生を対象とした「医師養成修学資金」を貸与する学生3人を決めた。3人は卒業後、資金を出す見附、柏崎、上越のいずれかの市の医療機関に勤務し、地域医療の一翼を担う。
 本年度は9人の応募があり、書類審査と今月6日の面接を経て選ばれた。3人とも今春に県内の高校を卒業した大学1年生で、新潟大の男子と、県外の国立大の男子、県外の県立医大の女子。
 医師免許を取得し、県内の医療機関で3年間の研修を受けた後、3市の病院や診療所に勤務。貸与年数に応じ、一定期間勤務すると返済が免除される。
 この事業は県と市町村が2分の1ずつ負担し、最長で6年間、1人当たり月30万円を貸与する。県内の医師不足解消が狙いで、本年度が3年目。応募者数は2005年度が6人、06年度が8人と微増傾向にある。
(新潟日報)

医師不足対策 女性の就労環境整備も、参院行監委で風間氏
 14日の参院行政監視委員会で公明党の風間昶氏は、医師不足対策について、「医師が地域に偏在していることを解決すべき」と強調し、政府の見解をただした。
 菅原一秀厚生労働大臣政務官は、「国民生活に直結する重要かつ緊急な課題として、医師不足の解消に向けて、今後さらに早急かつ力強く取り組みを進めていく」と答えた。
 また風間氏は、日本医師会が実施したアンケートに触れ、国民が医療に対して、夜間や休日の診療、救急医療体制の整備を望んでいることに言及。特に、産科や小児科の医師不足が問題になっていることを指摘し、「医師の診療科別の偏在も問題だ」と訴えた。
 菅原大臣政務官は、産科医や小児科医に女性が多い点に触れ、「女性医師が働きやすい環境整備を着実に進めていく」と述べた。
(公明新聞)

スキーバス事故 運転手、20日間休みなし
 大阪府吹田市の府道で2月中旬、「あずみ野観光バス」(現・ダイヤモンドバス、長野県松川村)のスキーバスが橋脚に衝突し、27人が死傷した事故で、運転手の小池勇輝容疑者(22)(逮捕)が事故前1か月間で法定労働時間の1・8倍も乗務していたことが、府警交通捜査課の調べでわかった。事故までの20日間は休日も取っていなかった。
 小池容疑者は、事故前1か月間に、長野―大阪間を13往復し、労働時間が327時間、拘束時間は405時間に上っていた。労働基準法の労働時間基準(177時間)、厚生労働省が定めた運転手の拘束時間基準(4週で260時間以内)を大幅に上回っており、府警は、過労運転を認定した。
(読売新聞)

小児救急電話相談:急な発熱や嘔吐に対応 「助言で安心」好評 /山形
 発熱や嘔吐(おうと)など、子どもが急病になった際、電話で相談に応じる県の「小児救急電話相談事業」が、対応に困った親から「アドバイスをもらって安心できる」と好評だ。
 電話相談は国の補助事業で、県内では3月からスタートした。小児科には、比較的症状が軽い患者が多く受診に訪れる。自分の症状をうまく伝えられない子どもを見て、親が判断に迷うケースが少なくないため、小児科医の過重労働を緩和し、親にも安心してもらおうと導入した。
 月〜土曜日の午後7〜10時に開設、対象はおおむね15歳未満の子どもとその家族。県医師会から派遣された看護師と小児科医が対応を助言する。
 看護師が症状を聞き、必要な場合は医師につなぐ。3月の1カ月間に寄せられた相談は計143件(1日平均5・5件)に上った。助言内容の内訳は、緊急に受診32件▽翌日まで様子を見て受診29件▽様子を観察45件−−などだった。
(毎日新聞)

彦根市が産科医療を支援 新たな開業に補助金(滋賀)
 彦根市立病院産婦人科が三月下旬から分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止している問題で、市は十四日、分娩可能な民間診療所の新たな開業に対し、一定の補助金を交付すると発表した。市立病院の新たな医師確保が難しい中、民間診療所の誘致で市内の出産環境を改善するのが狙い。県内の市町での、こうした補助金制度は初めてという。
 同日開かれた湖東地域医療対策協議会の中で報告した。補助の対象は、市内に新たに開業する分娩可能な診療所の建設事業。開業後十年間、産科医療を継続する場合に限る。
 補助は診療所の本体工事費について、一平方メートル当たり七万四千六百円(実施単価の半額が限度)を交付。十万円以上の医療機器や備品の購入についても、一千万円を限度に半額を補助する。
(中日新聞)