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5月18日

生活保護の母子加算削減 21人、道に不服請求へ 全国初、訴訟も視野(北海道)
 生活保護受給者のうち、十五歳以下の子どもを持つひとり親世帯に支給されている母子加算が本年度から削減されたことに対し、道内の受給者二十一人が十八日、減額処分の取り消しを求め、道に不服審査請求を行う。生活保護受給者の支援をしている「全国生活と健康を守る会連合会」(全生連)によると、今回の母子加算の削減に対する不服審査請求は全国初。受給者は「生活実態を無視した減額は、生存権を定めた憲法二五条の理念に反する」として、請求棄却の場合は訴訟に持ち込む方針だ。
 厚生労働省は本年度と来年度で、基準額に上乗せして支給している十五歳以下の母子加算を削減、二○○九年度に全廃する。削減額は居住地の人口規模などによって異なるが、子ども一人の場合だと本年度は最大で月額約八千円。
 全生連の下部組織、北海道生活と健康を守る会連合会によると、不服の審査請求をするのは札幌市十二人、小樽市六人、苫小牧市一人、函館市二人の二十一−五十九歳の女性。
(北海道新聞)

公立病院の民営化推進、医療費効率化で大筋合意・諮問会議
 政府の経済財政諮問会議は15日、2012年度までの5年間の医療・介護分野の効率化計画で大筋合意した。民営化などで公立病院の改革を進め、民間病院より非効率な経営構造を改めることなどを盛り込んだ。焦点の医療費削減の数値目標は経済財政運営の基本指針(骨太方針2007)への明記は見送るが、安倍晋三首相は改革の詳細設計にあわせ年末までに削減の道筋を示すよう柳沢伯夫厚生労働相に指示した。
 計画は医療・介護サービスをより効率よく提供するための20項目の対策を掲げた。6月にまとめる骨太方針に盛り込む。柱となるのはIT(情報技術)の活用。医療機関が健康保険に出す医療費の請求書である診療報酬明細書(レセプト)を紙からオンライン請求に切り替える改革を進める。10年4月までに8割を移行、11年4月までに全面移行することを明記した。
(日経新聞)

スキーバス事故、社長・専務を逮捕・大阪府警
 大阪府吹田市で今年2月、旧「あずみ野観光バス」(長野県松川村)=「ダイヤモンドバス」に名称変更=の大型バスが橋脚に衝突し、スキー客ら27人が死傷した事故で、大阪府警交通捜査課は14日、同社社長の下総建司(40)と妻で専務の下総美和子(44)の両容疑者を、道交法違反(過労運転の下命)容疑で逮捕した。
 また同課は同日、過労による居眠り運転でツアー客らを死傷させたとして、運転手の小池勇輝容疑者(22)を業務上過失致死傷と道交法違反(過労運転)容疑で逮捕した。
 美和子容疑者は「連続勤務で疲れがたまっているのは知っていたがバスの運転を命じた」と容疑を認めているが、建司容疑者は「休みを取らせていたので過労だとは思っていなかった」と否認している。
(日経新聞)

変わる医療現場−開業医が増える 5月15日(火)
いま"地方病院の医師不足"の原因の一つに―、"医師が病院を辞めて開業するからだ"という見方があります。確かに診療所は増えています。背景に何があるのでしょうか?

今村啓作医師
「勤務医やっていると転勤転勤で退職金もつかないし定期昇給もない。いま公立病院は職員給与カットもある/単に若い中堅が忙しいからではなく社会的な待遇や評価が正当ではないので頑張る価値が見出せないのではないか」

西後健一さん
「大きい病院の医師が沢山辞めている。その中で最終的に残ると大変になるので病院に残れないといった状況で開業も一つの選択肢になっていると思う」

大湯淳功医師(44)
「実際に倒れた医師もいるし・・・そいうところもあるし家族の心配とか家族との時間が欲しいとかホンネではある」「やりがいはみんな感じていると思う。それをちゃんと評価して/少しでも"小児科頑張って"いうのがあれば違うかも知れないが・・・」
(札幌テレビ)

救急「古川方式」悲鳴、軽症患者 大崎市外から続々(宮城)
 平日夜間と土曜午後・夜間の救急医療に取り組む大崎市が、市外からの受診者や風邪などで診察を受ける軽症患者の増加に苦慮している。大崎市は「この状態が続けば、医療スタッフの過剰負担となり、業務に支障を来す恐れがある」として、栗原市、登米市、加美町など周辺6市町に対し、緊急時以外に利用しないよう、異例の申し入れを行った。
(読売新聞)

「改善しないと悲劇続く」、医療ルネサンス 読者の反響
 多摩版で4〜5月にかけて掲載した医療特集「都立小児病院の移転統合と多摩医療格差」、産科医不足などを報じた連載「多摩のお産事情」に対し、「医療現場を改善しないと悲劇が続く」などの反響が寄せられた。

 「都民なのに都内の病院にことごとく断られた。23区にはいい病院がそろって優遇されている。でも、23区だけが東京ではない」と訴えるのは、昨冬出産した男児が難病で、埼玉県内の病院のNICU(新生児集中治療管理室)に入っている小平市の女性(34)だ。近くにある公立昭和病院、都立府中病院、同八王子小児病院はいずれも満床で入院できなかった。

 現在は片道2時間をかけて現在の病院に面会に通う。医師には「長くは生きられないでしょう。面会の回数を増やしたほうがいい」と勧められているが、週2〜3回通うのに、交通費だけでも1か月に4万円はかかる。ほかにも幼児を抱え、これ以上面会を増やすのは現実には無理、という。

 昨夏、多摩地区にある病院で、産まれたばかりの第一子を亡くした男性(33)は「今の病院環境では、もう子どもを持とうと思えない」と悲痛な声を上げる。
 出産を担当したのは病院に来て数か月の、初めて見る若手医師だった。妻の陣痛が長く続き、帝王切開を希望したが、医師は聞き入れず、分娩(ぶんべん)台の操作や胎児の引き出し方などにも手間取り、赤ちゃんは生まれて1時間で死んでしまった。
 男性が問い詰めた結果、病院側は不手際を認め、謝罪したが、男性は、医師や看護師が出産中に雑談し、あるいは男性との話し合い中に居眠りし、患者に乱雑な対応をする姿を幾度も目にした。その背景に「人手不足で疲れ果て、まともな患者ケアや適切な人事配置もできない病院の実態」を強く感じ取った。
 男性は「医師の働く環境を改善しなければ、どこでも起こりうる。私たちのような不幸を二度と起こさないように、誰もが安心して子どもを産める環境を整えてほしい」と訴える。
(読売新聞)

市立3病院追徴税1187万円、宿・日直手当分で告知…長崎税務署
 長崎市病院局は14日、市民病院、成人病センター、野母崎病院の市立3病院で、医師の宿・日直手当など総額約3655万円について源泉徴収をせず、長崎税務署から約1187万円の追加徴収の告知を受けた、と発表した。同局は同日付で納付した。
 同局によると、国税庁の通達では、宿・日直勤務1回の手当のうち4000円は非課税となる。しかし、勤務中に医療行為を行った場合は、宿・日直勤務とみなされず、通常勤務として手当全額が課税対象となるが、同局は非課税扱いとしてきた。昨年8月以降、同税務署から調査を受けていた。
 調査の結果、2003年から4年間で、医師112人分、計約1059万円の徴収漏れが分かり、延滞税などを加えた約1187万円の追加徴収を求められた。同局が立て替えて納付し、今後、医師から個別に徴収するという。
 同局企画総務課の片岡研之課長は「通達の解釈が間違っていた。今後、是正する」と述べた。
(読売新聞)

赤ちゃんポストに3歳児、「捨て子助長」の懸念が現実に
 熊本市の慈恵病院(蓮田晶一院長)が設けた「赤ちゃんポスト(こうのとりのゆりかご)」に最初に預けられたのは、新生児ではなく、言葉も話せる「3歳児」だった。
 親が養育できない新生児の受け入れを想定していた病院の担当者は、予想外の事態に固く口を閉ざしたまま。これに対し、「捨て子を助長する」と設置に慎重だった人たちからは、「恐れていた事態が現実になった」と改めて疑問の声が上がった。
(読売新聞)

医師不足解消へ修学資金貸与(新潟)
 県と財団法人新潟医学振興会は14日までに、県内の医療機関での勤務を考える医学生を対象とした「医師養成修学資金」を貸与する学生3人を決めた。3人は卒業後、資金を出す見附、柏崎、上越のいずれかの市の医療機関に勤務し、地域医療の一翼を担う。
 本年度は9人の応募があり、書類審査と今月6日の面接を経て選ばれた。3人とも今春に県内の高校を卒業した大学1年生で、新潟大の男子と、県外の国立大の男子、県外の県立医大の女子。
 医師免許を取得し、県内の医療機関で3年間の研修を受けた後、3市の病院や診療所に勤務。貸与年数に応じ、一定期間勤務すると返済が免除される。
 この事業は県と市町村が2分の1ずつ負担し、最長で6年間、1人当たり月30万円を貸与する。県内の医師不足解消が狙いで、本年度が3年目。応募者数は2005年度が6人、06年度が8人と微増傾向にある。
(新潟日報)

医師不足対策 女性の就労環境整備も、参院行監委で風間氏
 14日の参院行政監視委員会で公明党の風間昶氏は、医師不足対策について、「医師が地域に偏在していることを解決すべき」と強調し、政府の見解をただした。
 菅原一秀厚生労働大臣政務官は、「国民生活に直結する重要かつ緊急な課題として、医師不足の解消に向けて、今後さらに早急かつ力強く取り組みを進めていく」と答えた。
 また風間氏は、日本医師会が実施したアンケートに触れ、国民が医療に対して、夜間や休日の診療、救急医療体制の整備を望んでいることに言及。特に、産科や小児科の医師不足が問題になっていることを指摘し、「医師の診療科別の偏在も問題だ」と訴えた。
 菅原大臣政務官は、産科医や小児科医に女性が多い点に触れ、「女性医師が働きやすい環境整備を着実に進めていく」と述べた。
(公明新聞)

スキーバス事故 運転手、20日間休みなし
 大阪府吹田市の府道で2月中旬、「あずみ野観光バス」(現・ダイヤモンドバス、長野県松川村)のスキーバスが橋脚に衝突し、27人が死傷した事故で、運転手の小池勇輝容疑者(22)(逮捕)が事故前1か月間で法定労働時間の1・8倍も乗務していたことが、府警交通捜査課の調べでわかった。事故までの20日間は休日も取っていなかった。
 小池容疑者は、事故前1か月間に、長野―大阪間を13往復し、労働時間が327時間、拘束時間は405時間に上っていた。労働基準法の労働時間基準(177時間)、厚生労働省が定めた運転手の拘束時間基準(4週で260時間以内)を大幅に上回っており、府警は、過労運転を認定した。
(読売新聞)

小児救急電話相談:急な発熱や嘔吐に対応 「助言で安心」好評 /山形
 発熱や嘔吐(おうと)など、子どもが急病になった際、電話で相談に応じる県の「小児救急電話相談事業」が、対応に困った親から「アドバイスをもらって安心できる」と好評だ。
 電話相談は国の補助事業で、県内では3月からスタートした。小児科には、比較的症状が軽い患者が多く受診に訪れる。自分の症状をうまく伝えられない子どもを見て、親が判断に迷うケースが少なくないため、小児科医の過重労働を緩和し、親にも安心してもらおうと導入した。
 月〜土曜日の午後7〜10時に開設、対象はおおむね15歳未満の子どもとその家族。県医師会から派遣された看護師と小児科医が対応を助言する。
 看護師が症状を聞き、必要な場合は医師につなぐ。3月の1カ月間に寄せられた相談は計143件(1日平均5・5件)に上った。助言内容の内訳は、緊急に受診32件▽翌日まで様子を見て受診29件▽様子を観察45件−−などだった。
(毎日新聞)

彦根市が産科医療を支援 新たな開業に補助金(滋賀)
 彦根市立病院産婦人科が三月下旬から分娩(ぶんべん)の取り扱いを休止している問題で、市は十四日、分娩可能な民間診療所の新たな開業に対し、一定の補助金を交付すると発表した。市立病院の新たな医師確保が難しい中、民間診療所の誘致で市内の出産環境を改善するのが狙い。県内の市町での、こうした補助金制度は初めてという。
 同日開かれた湖東地域医療対策協議会の中で報告した。補助の対象は、市内に新たに開業する分娩可能な診療所の建設事業。開業後十年間、産科医療を継続する場合に限る。
 補助は診療所の本体工事費について、一平方メートル当たり七万四千六百円(実施単価の半額が限度)を交付。十万円以上の医療機器や備品の購入についても、一千万円を限度に半額を補助する。
(中日新聞)

5月17日

<疲労蓄積>20代が一番 酷使される若年労働者
 会社員の中で20代が一番疲れている――。連合総合生活開発研究所(薦田隆成所長)は疲労の自覚症状などを調査した。一番若い層に疲労が蓄積しているという結果に、酷使される若年労働者の現状が浮かび上がる。
 疲労の自覚症状の調査では「イライラする」「憂うつだ」など、厚生労働省も使用する疲労蓄積のチェックリスト13項目を聞いた。その結果、正社員で低疲労と分類されたのは50.5%、高疲労は48.4%だった。高疲労は20代が最も高く56.7%。次いで40代が52.8%と半数を超え、30代(44.9%)、50代(40.5%)と差がついた。
(毎日新聞)

ビートたけしのTVタックル
テーマ:医療亡国ニッポン 5月21日(月)午後9時から午後10時

 過酷な労働を強いられる医師、そしていわばサービス残業の上に成り立っている勤務医の実態、産科・小児科だけでない医師不足問題。相互扶助で成り立つ国民健康保険制度での保険料の滞納、国民皆保険制度を如何に保持するか。日本の医療の現状と課題を武見が議論します。
(たけみ敬三の活動報告ブログ)

入院費定額制、1000病院に、医療費抑制で厚労省
 厚生労働省は14日、病名や治療方法ごとに入院医療費が「定額制」の一般病床の対象病院数を、現行の360病院から、2012年度までに1000病院に増やすことを決めた。一般病床のある病院は現在、全国で約8000あり、全体の約13%で定額制となる。柳沢伯夫厚生労働相が15日の経済財政諮問会議で示す。
(共同通信)

外国人の労働研修、経産省報告書は「維持」…厚労省と対立
 不当な低賃金労働が問題化している外国人の研修・技能実習制度をめぐり、経済産業省の研究会は14日、労働関係法令の保護を受けない研修期間について、維持すべきだとする報告書をまとめた。
 厚生労働省の研究会が11日に公表した中間報告では、研修期間を廃止して研修生も労働者として扱うよう求めており、両省の意見が対立している。
 一方、入管難民法を所管する法務省は、現時点では在留管理の厳格化で対応すべきだとの立場にとどまっており、今後、各省間の調整が難航する可能性もある。
(読売新聞)

小児救急電話相談 06年度は件数5%増加 4割以上、助言で解決(北海道)
 夜間、看護師らが電話で子供の急病やけがの相談に応じる道の「小児救急電話相談」の二○○六年度の受付件数がまとまった。計二千七百六十一件で前年度比5%増。開設日には、一日十数件の相談が舞い込む勘定だ。相談内容を見ると、症状が軽いケースが多く、四割以上が電話での助言で済んだという。道保健福祉部は「救急病院に連れて行くと、かえって子供を疲弊させる場合もある。受診前にぜひ相談して」と呼びかけている
(北海道新聞)

保育料滞納、厚労省が山形市の保育拒否制度に口頭注意
 認可保育園の保育料滞納問題で、厚生労働省が、滞納者に自主退園届を提出させている山形市に、児童福祉法違反の疑いがあるとして口頭で注意したことが分かった。
 山形市はこれを受け、制度を見直す方針を決めた。ただ、支払い督促などの対策だけでは、保育料を支払えるのに支払わない親が減らない現状もある。同市のような保育拒否制度は滞納者に対する警告となり、納付を促す効果もあるだけに、厚労省の今回の対応は議論を呼びそうだ。
 厚労省は、児童福祉法が「仕事や病気などで保育ができない保護者から申し込みがあれば、保育所で子供を保育しなければならない」と定めているため、こうした制度が同法に違反している可能性があるとみて、調査していた。その結果、「自主退園届を強制的に提出させていると解釈できる」と判断。「児童福祉法上、問題がある」と、口頭で注意した。
(読売新聞)

スズキ過労死訴訟で和解 会社側が6千万円支払い
 自動車メーカー・スズキに勤務していた小松弘人さん(当時41)=浜松市=が02年に自殺したのは長時間労働とストレスが原因だとして、両親が同社に約9125万円の損害賠償を求めた訴訟は14日、東京高裁(一宮なほみ裁判長)で和解が成立した。争点だった同社の安全配慮義務違反の有無には触れず、同社が和解金6000万円を支払うことで合意した。
 一審の静岡地裁浜松支部はスズキの責任を認め、約5867万円の支払いを命じていた。
 スズキは「不幸な事態の再発を防ぐ努力を新たにする契機にしたいと思います」などとするコメントを出した。
(朝日新聞)

豊築休日急患センター:深夜の診察を休止 内科・小児科、来月から /福岡
 豊築休日急患センター(豊前市荒堀)の内科、小児科、歯科のうち、内科と小児科が6月から深夜の診察を休止する。医師派遣元の北九州市などの3病院が、医師不足を理由に3月、派遣時間短縮を申し出たため。
 病院側の申し出を受け、同医師会は他の大学病院などに打診したが、医師不足から替わりの派遣元は見つからず、6月から両科の診察時間を午前9時〜午後10時とすることにした。深夜の急患は、小児科は大分県中津市の中津市民病院、内科は行橋市の新行橋病院で対応可能。歯科の診察時間は午前9時〜午後5時で変更はない。
 センターは06年度は71日診察し、内科は1175人、小児科は1307人が受診した。
(毎日新聞)

へき地医療:医師養成、県の奨学金に5人応募−−今年度 /福島
 会津地方などへき地の医師不足問題を解消するため、県が医学生を対象に募集している奨学金制度に、今年度は5人の応募があった。昨年度より2人多く、3人は県外出身者。愛知県の大学生からの応募もあった。
 この制度は04年度にでき、毎年3人の奨学生を募集している。県内のへき地診療所などに将来勤務する意志のある学生を対象に、年間282万円を貸与する。学生は卒業後、奨学金貸与と同じ期間中、へき地診療所に勤務すれば、返済を免除される。
 勤務地は▽只見町など会津地方を中心とした過疎地域20市町村の診療所▽下郷町など豪雪地帯の4自治体の診療所▽いわき市田人町旅人地区の国保診療所など、市街地に病院があるが郊外の一部地域には病院がない自治体の6国保診療所。
(毎日新聞)

スキーバス事故:運転手、社長ら3人逮捕 大阪府警
 今年2月18日、大阪府吹田市の府道大阪中央環状線で、スキー客を乗せた「あずみ野観光バス」(本社・長野県松川村)の大型観光バスが、道路わきのコンクリート柱に衝突し、誘導員(16)が死亡した事故で、大阪府警は14日、運転手の小池勇輝容疑者(22)を業務上過失致死傷容疑で逮捕した。同社社長、下総建司(40)▽同社専務、下総美和子(44)の両容疑者を道交法違反(過労運転下命)の疑いで逮捕した。
(毎日新聞)

研修医の4割が「過労死ライン」の80時間を超す時間外労働
 病院で働く研修医や非常勤医の時間外労働は月平均73時間にのぼり、「過労死ライン」とされる月80時間を超す医師も4割以上いる――。病院勤務医の労働実態について、日本医療労働組合連合会がこんな調査結果をまとめた。
 昨年11月〜今年3月、アンケート形式で前月の勤務について聞いた。回答したのは33都道府県の約180病院に勤める常勤医1124人(推定平均年齢42歳)、研修医130人(同27歳)、非常勤医91人(同32歳)。
 時間外労働は、常勤医の月平均60.4時間に対し、研修医73.3時間、非常勤医73.2時間。月80時間を超す時間外労働も研修医の40.5%、非常勤医の48.5%にみられた。
 一方、研修医で時間外手当を請求しているのは16.2%に過ぎなかった。「宿直は月4回以上」「当直明け後も勤務」とした研修医も、それぞれ7割を超えた。
(朝日新聞)

理研に労基法違反で是正勧告、時間外賃金200万円未払い
 理化学研究所和光研究所(埼玉県和光市)が、研究員や技術員に対し違法な時間外労働を行わせているとして、さいたま労働基準監督署から2006年6月と12月の2回にわたり是正勧告を受けていたことが分かった。
 監督署では未払いの時間外労働賃金を支払うよう求めており、総額は200万円前後にのぼるとみられる。
 是正勧告の対象となっているのは、同研究所の中で裁量労働制の労使協定が結ばれていない3研究センターを中心とする研究職、技術職の職員650人。同研究所によれば、このうち任期制職員396人については給与に超過勤務手当相当額が含まれているものとみなして労務管理を行ってきたが、労働契約書や就業規則には明記していなかった。このため労働基準法に反していると指摘された。
 また、任期制以外の職員については月15時間分の超過勤務手当が定額支給されているが、これを超える場合には手当の支払いが必要とされた。
(読売新聞)

奈井江国保病院 小児科、来月新設 砂川市立から医師派遣(北海道)
 【奈井江、砂川】空知管内奈井江町の町立国保病院(小西裕彦院長、九十六床)は六月七日から、砂川市立病院(小熊豊院長、五百十九床)から小児科医一人の派遣を受け、小児科を新設する。診療は週一回だが、専門医の派遣で診療科を新設するのは全道的に珍しいという。
 砂川市立病院によると、同病院小児科を利用する外来患者約二万人のうち、10−15%が奈井江町の子供たち。ぜんそくやてんかんなどの慢性疾患で、奈井江から約八キロ離れた砂川まで定期的に通院している子供もいる。竹内亮・砂川市立病院小児科医長は「サテライト的な診療科を設ければ、投薬などのために通院する子供や家族の負担を減らせる」と話す。
 奈井江町立国保病院での小児科診療は毎週木曜の午後二時から二時間で、年間約二百五十人の診療を見込んでいる。
(北海道新聞)

多角的視点で考える「臨床研修の光と影」、第25回臨床研修研究会の話題より
労働時間制限は賛否両論

 定例の「厚労省と文科省の協議」においては,国立病院機構における実態調査が報告されたうえで,研修医の労働環境が話し合われた。
 協議の中では,医療安全面や研修医のメンタルヘルスに配慮が必要との観点から,米国などで研修医の労働時間に一定の制限(「週80時間以内」など)があることが話題となった。しかし時間を指標とすることには,「日本の実情にあうのか」「研修医だけ制限すれば,上級医がカバーしないといけない。全体で議論すべき」など,慎重な意見も相次いだ。一方で,「(研修時間よりも)当直明けの勤務に対する措置をまずは優先すべき」と,医療事故の直接的原因となる当直明け勤務に対し,早急な対策を迫る意見も出された。なお,今回は厚労省・文科省の担当官のほか,新たな試みとして中央労働基準監察監督官も加わり,意見交換が行われた。
(週刊医学界新聞)

外国人研修制度:229機関が通帳取り上げなどの不正
 外国人研修・技能実習制度で、法務省入国管理局が昨年に不正行為を認定した受け入れ団体・企業が、過去最高の229機関に上ったことが分かった。全国の労働局の監督指導では、賃金未払いなどの違反が8割に上っていたが、外国人労働者を多く働かせるための「名義貸し」など入管への届け出違反、パスポートの取り上げなど人権侵害も明らかになった。
 不正行為で多かったのは、▽入管に届けた企業以外で働かせていた「名義貸し」=74機関▽研修時間以外の残業=69機関▽研修計画とは異なる労働内容=46機関▽入管への虚偽文書作成・提出=43機関▽割増賃金を払わないなど労働関係法規違反=37機関▽不法就労者の雇用=31機関▽入管に届けた契約と、実際の賃金が違うなど労働者との二重契約=20機関−−など。
(毎日新聞)

県医師会勤務医部会7月発足 過重労働改善へ(富山)
 医師不足などから病院勤務医の過重労働が深刻化する中、県医師会(富山市蜷川、福田孜会長)は七月、県内の実態を把握し、改善策を検討するため「勤務医部会」を発足させる。女性医師の出産や子育てなどを支援する職場環境づくりにも力を入れる。
 近年、勤務医が当直明けも通常勤務を強いられるなど長時間労働に耐えきれず、病院を辞めて開業するケースが全国的に増えている。県公的病院長協議会長で富山市民病院長の泉良平県医師会副会長は「三十−四十代の、病院を支える中堅層の医師が辞職し、開業する傾向が年々強まっている」と話す。
 こうした現状を踏まえ、県医師会では勤務医の生の声を聞いて、日本医師会や病院などに具体的な提言をしようと、昨年十月から、県医師会勤務医担当理事の三崎拓郎富山大大学院教授や、日本医師会勤務医委員会委員を務める泉副会長らが準備を進めてきた。
 三崎理事は「過重労働は医療事故に結び付く恐れがある。より多くの医師に参加を呼び掛けたい」と話している。
(北日本新聞)

5月16日

道女性医師バンク 発足1年やっと再就職第1号 育児支援の充実課題(北海道)
 育児などで退職した女性医師の再就職を支援する、道地域医療振興財団などの「北海道女性医師バンク」による就職第一号が四月に誕生した。既に制度発足からは一年以上が経過しており、関係者は「基本的な体制整備が遅れた。これからが本格的なスタート」と意気込むが、育児支援を整えて女性を受け入れる医療機関が少なく、支援策の充実が課題となっている。
 第一号は札幌市内の三十代医師で、四月中旬に札幌市中央区の札幌南一条病院に再就職した。
 二人目の出産を控えた昨年三月に道北の病院を退職、八月に出産した。夫は単身赴任しており、当直や呼び出しのない職場を探したが、「当直ができて当たり前の世界」のため難航。今年二月にバンクに登録し、南一条病院側が提示した「週五日勤務、うち二日は半日勤務」という条件で合意した。半額負担で利用できる契約保育所があることも決め手となったという。
 この医師は「女だからと辞めるのはもったいない。育児と両立して働ける環境があると後輩たちに知ってほしい」と語る。同病院の工藤靖夫院長は「女性医師ができる範囲で貢献してくれるのはありがたい。病院側が柔軟な勤務体制に変えていけば、十分働いてもらえる」と話す。
 ただ、現場の女性医師からは「産休を取るなら退職しろと言われた」(旭川市内の二十代)、「育児休業を取った医師など見たことがない。産休だけで復職するか、辞めるかしかない」(札幌市内の三十代)など、育児支援体制の立ち遅れを指摘する声が相次いでいる。
(北海道新聞)

産科、存続の危機 厚木市立病院(神奈川)
 厚木市立病院(厚木市水引一、田代和也院長)の産婦人科が八月以降、存続の危機にさらされている。同病院に産科医を派遣している東京慈恵会医科大(東京都港区)が七月いっぱいで常勤医四人全員を引き揚げる方針を示したためで、同市は八月以降も診療を継続できるよう模索しているが、縮小や廃止に追い込まれる可能性も出てきた。
 同病院総務課によると、慈恵医大側は二月、派遣医の中に、指導的立場の医師がおらず、異常出産に対応できないことや、大学の人員不足などを理由に、七月いっぱいで派遣医の引き揚げを市立病院側に打診した。
 同病院は六月までは通常の診療を行うが、七月以降の分べん受け入れを停止する。現在のところ、七月までに約九十人が同病院で出産を予定しているという。
(神奈川新聞)

松江で地域医療を考えるシンポ(島根)
 地域医療を切り口に山陰の将来を考えるシンポジウム「地域振興を考えるin山陰−地域医療の課題と活力ある地域社会」が十二日、松江市内であった。医療や行政関係者らによるパネルディスカッションでは、地域の医師確保や、医療関連産業の経済効果などについて意見が交わされた。
 パネリストとして、亀田総合病院(千葉県鴨川市)の亀田隆明副理事長、野村ヘルスケア・サポート&アドバイザリー(東京都千代田区)の市川剛志課長、厚生労働省の牧原厚雄中国四国厚生局長のほか、地元から島根大医学部付属病院の小林祥泰院長、島根県健康福祉部の法正良一部長が参加。
 このうち亀田副理事長は「千葉県外房地域で慢性的な医師不足による激務で、地域内の病院から医師が次々と退職する現象が起きている」と説明。国際的にみても日本の医師の絶対数が不足していると指摘し「医師数を大幅に増やさなければ、地域医療の崩壊は拡大する」と警鐘を鳴らした。
(山陰中央新報)

医学部に地域勤務枠…全国250人、授業料を免除、政府・与党方針、卒業後へき地で10年
 政府・与党は12日、へき地や離島など地域の医師不足・偏在を解消するため、全国の大学の医学部に、卒業後10年程度はへき地など地域医療に従事することを条件とした「地域医療枠(仮称)」の新設を認める方針を固めた。
 地域枠は、47都道府県ごとに年5人程度、全国で約250人の定員増を想定している。地域枠の学生には、授業料の免除といった優遇措置を設ける。
 政府・与党が週明けにも開く、医師不足に関する協議会がまとめる新たな医師確保対策の中心となる見通しだ。
(読売新聞)

勤務わずか4日間で終了 医師派遣委託契約 男鹿市(秋田)
 医師不足に悩む秋田県男鹿市が、市立男鹿みなと市民病院(下間信彦院長)の医師を確保するため、市議会の承認を得ずに、医療コンサルタント会社(東京)と医師派遣の委託契約を結び、病院の事業会計から報酬など約700万円を同社に支払っていたことが12日、分かった。同社から4月末に派遣された医師との雇用関係を、身分上の問題で既に打ち切ったことも判明。市のずさんな対応に、市議会などから批判が出ている。
 非常勤医師として派遣されたのは、東大付属病院で形成外科を研修中の防衛医大出身の女性(30)で、1年間、隔週3日の月6日勤務するという契約だった。市は5月初めまでに、4、5月のコンサルタント料計63万円と、成功報酬の630万円を、病院の事業会計から会社に支払った。
 医師は4月23―25日と5月1日の計4日間、内科で勤務した。だが、非常勤医師として働くことが、「出身の防衛医大の規定に触れる恐れがある」(男鹿市)ことが分かり、市側が雇用をやめた。佐藤副市長によると、コンサル会社との契約に、医師の氏名や出身校を明らかにしないとの約束があったという。病院は事業会計とは別に、この医師に124万円の報酬を払った。
(河北新報)

5月15日

Kobayashi Y, Takaki H. Geographic distribution of physicians in Japan. Lancet. 1992 Dec 5;340(8832):1391-3.
 Between 1980 and 1990, the number of practising physicians increased by about 37%, and the ratio of physicians per 100,000 population increased from 127 to 165 throughout the country. However, analyses by the Lorenz curve and the Gini coefficient indicated that the inequality in physician distribution did not improve.


医師不足対策:医学部の学費免除など導入を 丹羽総務会長
 自民党の丹羽雄哉総務会長は12日、政府・与党が検討している医師不足対策に関連し、全国公立大学の医学部で、10年間の地方勤務を条件に学費免除などの優遇措置を与える「へき地枠」を導入すべきだとの考えを示した。新潟市内での党新潟県連大会で語った。
 この中で丹羽氏は「自治医科大学にはいろんな免除があり、これを全国に拡大してはどうか」と発言。自治医大は地方の病院に9年間勤務すれば、貸与された学費の返還が免除される。丹羽氏は「へき地枠」を全国の医学部で5人程度設ければ「山村やへき地の医師不足は解消できる」と語った。
(毎日新聞)

医学部に「へき地枠」、医師不足で政府、与党
 政府、与党は12日、深刻化する医師の不足や偏在を解消するため、すべての都道府県の国公立大学医学部に、卒業後のへき地での勤務を義務付ける枠を設ける方向で調整に入った。定員100人当たり5人程度を「へき地枠」として増員する案が上がっている。
 医学部の定員をめぐっては、東北など10県の大学医学部で最大10人まで最長10年にわたり増員する措置のさらなる拡充が政府、与党の検討項目に上がっており、「へき地枠」創設はそれを一段と進め全国に拡大する形だ。
 与党幹部と厚生労働相ら関係閣僚で構成し、近く開かれる医療問題に関する政府与党協議会で検討し、6月に策定する政府の「骨太の方針」に盛り込みたい考えだ。
(共同通信)

独自色受け研修医増加 福井大病院30人確保
 福井大付属病院(永平寺町)は本年度、医師法改正で2004年に定められた初期臨床研修制度開始以来、最多の30人の研修医を確保した。同病院は「独自の特色ある研修プログラムの採用などが大きい」として、地域の医師不足の解消につながるものと期待されている。
 同病院の研修には、各診療分野の知識に基づいて行う応急処置(プライマリケア)や、あらゆる患者に対応するER型救急など特色あるカリキュラムを導入している。
 制度開始後、同病院のの研修医数は、開始前の三十五人前後から大幅に落ち込み、〇四年は十九人(県全体三十一人)、〇五年は十一人(同三十一人)まで減少したが、〇六年は二十人(同四十三人)、〇七年は三十人(同四十九人)と回復。人数だけでなく県全体に占める割合も本年度は六割強まで回復した。
(中日新聞)

名張・伊賀の3病院:2次救急の輪番制導入を協議 搬送時間遅延などに課題 /三重
 名張、伊賀両市の公私立3病院が2次救急を交代で受け持つ輪番制の導入に向けた協議を進めている。医師不足を背景に過重労働が続いており、負担軽減が狙いだが、救急患者の搬送時間がこれまで以上にかかる場合があるなど課題も多い。今後、問題点を洗い出した上、早期導入を目指す。
 名張市立病院は医師22人による24時間救急体制を敷いており、宿直の場合、勤務時間は連続36時間に達するケースもあるという。05年度には労働基準監督署から是正指導を受けた。伊賀市は市立上野総合市民病院と岡波総合病院が交互に2次救急を受け持っているが、医師の負担は年々重くなっており、3病院では労働環境の改善が迫られている。
 名張市の亀井利克市長は一昨年の市議会で「小児科、産婦人科にとどまらない医師不足で、広域的に機能分担を考えないといけない」と述べ、3病院による輪番制導入を検討する方針を示していた。
(毎日新聞)

自治体病院の不良債務155億円(青森)
 県内市町村が運営する三十自治体病院の二〇〇六年度決算見込みで、二十三病院が計五十八億円の赤字を出し、県内自治体病院全体の累積赤字は五百八十億円に上ることが、県のまとめで分かった。支払い能力を超えた借金である「不良債務」(資金不足)は、前年比14.4%増の約百五十五億八千万円と過去最悪を更新。医師不足と診療報酬抑制で、入院・外来収益が落ち込んでおり、病院経営環境がますます悪化していることが浮き彫りとなった。
(東奥日報)

外国人研修制度の維持求める 経産省、厚労省案と対立
 低賃金労働などが問題になっている外国人研修・技能実習制度の見直しについて、経済産業省がまとめた報告書案が11日明らかになった。現行の研修制度を維持し、規制や指導強化で適正化を図るとしており、研修制度の廃止を打ち出した厚生労働省案とは対立が際だっている。在留資格の延長についても、産業界の要請を背景に、厚労省案よりも幅広い企業に門戸を開く内容になっている。14日公表する。
 経産省は、中小企業などを中心に外国人労働者の受け入れニーズが高まる一方、賃金未払いなどの不正行為が社会問題化したことを受け、有識者による研究会で独自に見直しを検討している。
(朝日新聞)

診療報酬明細、3年内に8割電子化・厚労省
 社会保障費の抑制のために厚生労働省がまとめた医療・介護分野の効率化計画の全容が11日明らかになった。医療機関が健康保険組合に出す医療費の請求書である診療報酬明細書(レセプト)の電子化を2010年3月末までに8割達成する数値目標を掲げた。このほか割安な後発医薬品のシェアの倍増や7年以内に介護が必要な高齢者の比率を1割に減らす目標も盛り込んだ。
(日経新聞)

医学部定員増の拡充検討 医師不足で政府、与党
 政府、与党の医師不足対策で、東北など10県の大学医学部の入学定員を最大10人まで最長10年にわたり増やすことになっている定員増の拡充が検討項目にあがっていることが11日分かった。与党は、対象県をさらに増やすことや1県当たり増員枠のさらなる引き上げなどを検討課題に挙げている。
 医師不足が深刻化している地域に、国立病院などの拠点病院から期間を区切って医師を派遣するシステムの構築も検討する。
 2008年度から医学部の定員増が認められた10県は、04年に人口10万人当たりの医師数が200人未満で、100平方キロメートル当たりの医師数が60人未満の青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重の各県。政府が昨年夏に決めた。
(北海道新聞)

産科医不足悩み深刻 県立病院体制維持に懸命(岩手)
 県立病院で産科医不足が深刻化している。奥州市の県立胆沢病院では、3人の常勤医のうち2人が夏までに病院を離れることになり、県が対応を協議している。大船渡、久慈病院も常勤医2人体制が崩れ、応援診療で急場をしのぐ。県は体制維持に懸命だが、医師の確保は難しく、対応に苦慮している。
 胆沢病院には現在、産科の常勤医が3人いるが夏には1人が開業準備、もう1人は産休に入る。同病院は地域の中核病院として年間500件以上のお産を取り扱っており、常勤医が1人になると夜間の出産・手術、医師の待遇面など対応が難しくなる事態も想定される。
(岩手日報)

5月14日

着床前診断制限は適法…東京地裁判決
 体外受精で問題のない受精卵を選んで子宮に戻す「着床前診断」を制限する日本産科婦人科学会の自主ルール(会告)は、患者の子を産む権利を侵害するなどとして、産婦人科医らが、会告の無効確認などを求めた訴訟の判決が10日、東京地裁であった。
 中村也寸志裁判長は「会告の内容は公序良俗に違反しておらず、着床前診断の制約は違法ではない」と述べ、請求を退ける判決を言い渡した。
 一方で、判決は、着床前診断の現状について、「学会の自主規制に委ねられることが理想的とは言えず、立法による速やかな対応が望まれる」と、法制度の不備を指摘した。
(読売新聞)

医学部定員再拡充も 医師不足対策 政府・与党が検討
 政府、与党の医師不足対策で、東北など10県の大学医学部の入学定員を最大10人まで最長10年にわたり増やすことになっている定員増の拡充が検討項目にあがっていることが11日分かった。与党は、対象県をさらに増やすことや1県当たり増員枠のさらなる引き上げなどを検討課題に挙げている。
 医師不足が深刻化している地域に、国立病院などの拠点病院から期間を区切って医師を派遣するシステムの構築も検討する。
 2008年度から医学部の定員増が認められた10県は、04年に人口10万人当たりの医師数が200人未満で、100平方キロメートル当たりの医師数が60人未満の青森、岩手、秋田、山形、福島、新潟、山梨、長野、岐阜、三重の各県。政府が昨年夏に決めた。
 医師の派遣元となる拠点病院は、各地で医療の中心的役割を果たしている国立病院機構の146病院などを想定。期間が長いと医療技術の進歩から取り残されるとの懸念が医師側に強いため、半年から長くても1年以内とする方向だ。
(西日本新聞)

障害者、企業並み残業しても同意で「訓練生」…厚労省
 厚生労働省は、作業所や授産施設で働く障害者に対する労働法規の適用基準を改定し、近く関係施設に通達する。
 残業や休日出勤の強制など企業並みの作業実態があると、現行基準では労働法規が適用されるが、新基準では、訓練計画に盛り込んで障害者の了解を得れば、「訓練生」とみなして適用しない。
 基準改定は、現状を追認する内容で、関係者からは、労働実態がある人までも訓練生とみなすことになるとして、抜本的な制度改正を求める声が出ている。
 基準の見直しは、今年2月、神戸市内の作業所について、作業内容に労働としての実態があるのに、最低賃金を大幅に下回る工賃しか支払っていないのは問題と神戸東労働基準監督署が判断したのが発端。作業所は4月18日、同労基署から労働基準法違反などで改善指導を受けた。
(読売新聞)

泉崎村立病院で医師1人が退職願(福島)
 泉崎村の村立病院で2人の常勤医のうちの1人が10日までに村に退職願を出した。村は慰留したが、この医師の意思は固く6月末で退職する。村は後任の常勤医の確保を急いでいるが、決まらない場合は、7月以降、常勤医は嘱託の院長職務代理者のみになる。 村によると、外来患者は当面、新たに民間病院から非常勤医師の派遣を受けて支障が出ないように対応する。
(福島放送)

「定額入院」3倍の1000病院で・厚労省方針、2012年度までに
 厚生労働省は、同じ病気なら入院1日あたりの医療費が一定の金額になる「定額制」の病院数を、現在の3倍の1000に増やす。検査や注射などの診療行為を増やすほど医療機関の収入が増える現在の仕組みを改め、効率的な診療を促す狙い。2012年度までに実施する方針で、国内9000の病院の1割強が定額制を採用することになる。
 定額制病院の拡大は、柳沢伯夫厚労相が15日の経済財政諮問会議で示す。11年度までに社会保障に投じている国費を1兆1000億円抑える計画の柱の効率化策となる。
(日経新聞)

医師不足:過酷な勤務医、体調不安 県医労連がアンケート、浮き彫りに /山口
 「1年間、1日も休みがない」「いつも疲れている」−−。大学病院などの勤務医のこんな過酷な労働実態が県医療労働組合連合会(県医労連)がまとめた報告書で明らかになった。アンケートに答えた大半の勤務医が原因を「医師不足」としていた。県医労連は「医療事故の原因になりかねない」と危惧(きぐ)する。
 報告書によると、前月の宿直回数は4日以上と答えた医師が21人に上った。平均は3・8日で全国平均の2・9日を上回った。宿直明け後の勤務も56人が「ある」と答えており、宿直明けで手術に立ち会うなどの実態も報告された。
 1日の労働時間は8時間が11人で、10時間以上15時間未満29人▽15時間以上12人。1週間の労働時間は、40時間は8人、50時間以上は32人いた。うち1人は130時間だった。また、連続勤務時間は最高で76時間。連続勤務日数も1週間以上が17人と約3割いた。1年間休みなしと答えた医師もいた。
 前月の総時間外労働時間は、「過労死ライン」とされる80時間以上は22人で3割以上。前月の休み日数も「なし」が11人で最も多く、4日以下は41人で7割を占めた。
(毎日新聞)

外国人不正雇用見直し案 研修廃止し実習に 厚労省
 安い賃金で外国人を働かせる不正が横行している研修・技能実習制度について、厚生労働省は10日、労働関係法令が適用されない研修制度を廃止し、受け入れ企業と雇用契約を結び、最低賃金などが保証される実習制度に一本化する方針を固めた。法務省や経済産業省と協議し、09年の通常国会への関係法案提出を目指す。ただ、政府内には異論もあり、調整が難航する可能性もある。
(朝日新聞)

最低賃金順守、1万事業所に注意喚起・厚労省が6月
 厚生労働省は11日、企業が働く人に支払うべき最低限の賃金を示す「最低賃金」が守られるよう、全国の1万事業所・工場に対し最低賃金制度に違反しないよう注意喚起する方針を決め、柳沢伯夫厚生労働相が同日の閣議で報告した。期間は6月1日からの1カ月間。全国一斉の注意喚起は初めて。
 対象となる事業所は各都道府県の労働基準監督署が決める。各都道府県ごとに過去に最低賃金未満の賃金しか支払わないなど最低賃金法に違反した企業が多い問題業種を中心に選ぶ。最低賃金法違反が見つかれば是正指導につなげる方針だ。
(日経新聞)

外国人の低賃金労働防止、「研修」廃止へ…厚労省が報告案
 不当な低賃金労働が問題化している外国人の研修・技能実習制度をめぐり、厚生労働省の研究会は11日、労働関係法令の保護対象外になっていた研修制度を廃止することなどを盛り込んだ中間報告案をまとめた。
 同日の研究会で正式決定する。今後、法務省や経済産業省などと協議した上で、制度改正に取り組む方針。
(読売新聞)

釧路町初の小児科開設(北海道)
 医療法人孝仁会(齋藤孝次理事長)は小児科専門医の新たな人材を確保し、釧路町睦2の新くしろ病院で14日から同町初の小児科を開設すると10日発表した。同病院に勤務を決めた小児科専門医は群馬県内の病院で約20年間、活躍してきた鈴木幸代さん(43)で、特にアレルギーを専門としている。鈴木さんは1989年、群馬大学医学部を卒業し、同大学医学部小児科教室に入局。群馬中央総合病院、群馬県立がんセンター・小児科(部長)などを歴任し、2004年から渋川総合病院・小児科(課長補佐)に勤めていた。
(釧路新聞)

県内勤務医時間外労働「80時間以上」が25% 医労連調査(長野)
 県医労連(渡辺一信委員長)は10日、県内の病院勤務医の労働実態について初の調査結果をまとめた。回答前月の時間外労働が過労死認定基準の「月80時間」を超えた、とした医師が24・6%。最長連続勤務時間は平均36・3時間で、医師不足による厳しい労働状況の一端が浮かんだ
(信濃毎日新聞)

過酷な労働環境改善が急務、全国知事会、自治体病院協、日本病院会と意見交換
 公明党の医師不足問題対策本部(福島豊本部長=衆院議員)は10日、衆院第1議員会館で会合を開き、医師不足対策について、全国知事会の神田真秋社会文教常任委員長(愛知県知事)や、全国自治体病院協議会の小山田惠会長、日本病院会の村上信乃副会長らと意見交換した。福島本部長、江田康幸衆院議員、渡辺たかお(参院選予定候補=比例区)、山本かなえ(同)の両参院議員が出席した。
 神田氏は、医師不足の対応策として、診療所や病院の管理者要件に、へき地医療などの従事経験の付加や、都道府県が行う対策事業への国の財政支援などを求めた。
 小山田氏は、絶対数が足りないことが医師不足の原因と強調。緊急対応として、勤務医の労働環境の改善が急務と訴え、労働条件の最低限度を国が提示し、管理者に義務付けるよう求めた。
 村上氏は、勤務医の過酷な労働環境が「勤務医の開業」に拍車を掛け、勤務医不足の悪循環に陥っていると指摘した。
(公明新聞:管理人は当該政党関係者ではありません)

治療費未払いで検討会 モラル低下に防衛策議論
 治療費を支払わない患者が増えて医療機関の経営を圧迫しているとの指摘を受け、厚生労働省は10日、検討会を6月に設置する方針を決めた。
 学識経験者や医療関係者、法律家らで構成。所得が低くて支払えない人だけでなく、モラルの低下で払えるのに払わない患者もいることから、入院保証金やカード払いといった防衛策を講じる必要があるのかなど意見交換する。ただ一律の防衛策に対しては、医療へのアクセスを阻害しかねないとの意見もあり論議を呼びそうだ。
 治療費の未払いは、民間病院を中心につくっている4病院団体協議会によると、2004年度までの3年間に会員病院だけで総額853億円に上るとみられている。
(東京新聞)

公立病院の6ヵ所に1ヵ所は、いまだに入院患者を男女同室に! (英国)
 10年も前から入院患者の男女別室政策が行われているにもかかわらず、いまだに入院患者を男女同室にしている公立病院は6ヵ所に1ヵ所にものぼることが調査の結果明らかになった。
(UK Today)

県総務部、医師手当廃止を通告(沖縄)
 県総務部は保健所などで働く知事部局の医師32人を対象に、特殊勤務手当に位置付けられた医師手当を廃止する方針であることが10日までに分かった。1カ月の医師手当は県庁を除く本島中部以南の勤務地で4万5千円、県庁・北部で9万5千円、宮古・八重山で16万円。これに対して保健所の医師は「使命感を持って働き、サービス残業も多い。医師が逃げてしまう。人材は集まらず医師確保対策に逆行する」として反発を強めている。 医師手当が廃止されれば、手当を高くしている離島の保健所での医師確保が困難になるとの懸念も出ている。
(琉球新報)

神奈川県内の自治体、産科医不足で新規事業続々
 産科医不足の現状を打開しようと、神奈川県内の自治体で現在働いていない助産師や産科医に現場復帰を促す取り組みが相次いでいる。横須賀市は10日、県内市町村で初めて助産師に限った人材登録制度の運用を開始。神奈川県や横浜市では今年度から座学に加え、実際に助産行為を体験させるなど助産師向けの研修メニューを拡充。潜在人材の掘り起こしを急いでいる。
 県の調査(一部の診療所と助産所は回答していない)によると、県内の常勤産科医数は03年度の434人から06年度(見込み)は399人に減少。分娩(ぶんべん)取扱件数も6万6400件から6万662件に減少している。産科医不足は特に県西部や横須賀・三浦地域が深刻で、お産を取りやめる病院も出ている。
(日経新聞)

5月13日

小児・産科に診療報酬厚く・厚労省
 厚生労働省は小児科、産科の医師不足問題に対応するため、両科に関連する診療報酬を2008年度の改定で引き上げる検討を始める。加えて再就職を希望する女性医師を登録した「人材バンク」を各地につくり、小児科・産科医が不足する病院への就労を促す。地方の医師不足解消のため、都市部などで院長になる要件に「へき地での診療経験」を含めることも検討。問題解消に向けた総合対策づくりに着手する。
 辻哲夫厚労次官は10日の会見で「医師不足は大変深刻な事態で、最大限の努力をしていく」と表明。来週にも政府・与党が初会合を開く医師不足問題に関する協議会で具体策をつめる構えだ。合意ができた施策については、6月にまとめる骨太の方針に盛り込む。
(日経新聞)

外国人研修生に法的保護・政府、不正雇用防止へ改革案
 政府は10日、不正な低賃金労働などが問題となっている外国人研修・技能実習制度の改革案の骨格をまとめた。実習指導員の配置や帰国前の技能評価を企業に義務付けるほか、現在は労働者と見なしていない研修生も最低賃金法など労働法令の適用対象とする。法的保護を明確にし、実習などの目的に沿った外国人労働者の円滑な受け入れにつなげたい考えだ。
(日経新聞)

着床前診断:除名の学会指針「適法」、大谷医師ら全面敗訴
 着床前診断に関する東京地裁判決を受けて会見する(手前から)根津八紘医師、大谷徹郎医師ら=東京都千代田区で10日午後3時4分、丸山博撮影 日本産科婦人科学会(理事長・吉村泰典慶応大教授)に無断で着床前診断を行い、学会指針違反で学会を除名された大谷産婦人科(神戸市)の大谷徹郎院長らが、学会と当時の幹部3人を相手に会告や除名の無効確認と6600万円の損害賠償などを求めた訴訟で、東京地裁は10日、原告側全面敗訴の判決を言い渡した。中村也寸志裁判長は「指針は公序良俗に反しないし、それによる会員医師の医療行為や患者の受診の制約は違法でない」と述べた。
(毎日新聞)

来月から深夜診療中止 豊築休日急患センター 派遣元が医師不足 豊前市(福岡)
 京築市町村圏事務組合が運営する豊築休日急患センター(豊前市荒堀)が、6月から午後10時以降の深夜診療を中止することが10日、分かった。同センターに医師を派遣している福岡市や北九州市の病院の医師不足によるもので、同組合では市民に理解を求めている。
(西日本新聞)

格差是正へ具体策 民主、参院選へ政権公約案
 小児科・産科の医師不足対策も、きめ細かく盛り込んでいる。医療事故の原因を究明する第三者機関の設立や法整備、小児科医療診療報酬の引き上げなどを提起。政府・与党もここにきて協議会をつくり、対策づくりに着手しており、参院選でも争点となりそうだ。
(朝日新聞)

特集● 病院が崩壊する 医者も患者も病院から逃げ出した―皆保険制度を基盤とした「医療大国日本」の姿は見る影もない

・〈勤務医を襲う激務、待遇悪化、訴訟リスク……〉そして医師はいなくなった
久坂部羊
・患者が日本の病院を捨てる日、このままでは皆保険制度は破綻する
川渕孝一
・自治体病院の現場からみた地域医療の破綻の姿
毛利博
・医療立国、医療費増額と関連産業再建が医を荒廃から救う
大村昭人
・良い病院、悪い病院、選別の極意とは……
米山公啓
(中央公論6月号)


横浜栄共済病院、産婦人科・小児科 医師不足が深刻(横浜市栄区)
 「横浜栄共済病院」(桂町/葛谷信明院長)の産婦人科と小児科で医師不足が深刻化している。現在募集を行い、解決を急いでいるものの、有効な解決策はなく、関係者は頭を抱えている。
 同院は、内科や外科など18の診療科、455床の病床を備える区内最大の総合病院。外来だけでも1日に平均1100人が来院する。
 医師不足が問題となっている産婦人科は現在、常勤医師2人、非常勤医師1人の3人体制。外来患者の診察は問題なく行えるものの、常勤医師2人では出産に対応できず、4月から新規出産希望者の受け入れを行うことができなくなった。しかし、近隣に産婦人科が少ないためか、患者数が増加しているのが実状。早期解決を求める声が多方面から上がっている。
 同様に医師不足に悩む小児科も現在常勤医師は1人。ほかに非常勤医師が4人いるが、夜間に診ることができないため入院は受け入れられず、入院が必要な患者は、「周辺の病院と連携を図り、対応している」という。
(タウンニュース)

2年ぶり整形外科医 県立大東病院(岩手)
 県南広域のリハビリテーション拠点となっている一関市大東町大原の県立大東病院に、2年間不在だった整形外科の常勤医が着任した。一方で院長が空席となり、常勤医も4人から3人に減少。応援医師で対応しているが、同病院事務局は「満足とは言えない状況だ」としている。
 常勤医はこれまで、外科が院長を含む2人、神経内科が1人、内科が1人の計4人だったが、4月からは2005年度から不在だった整形外科医が着任。外科医の院長、神経内科医が転勤したため、現在は院長職務代理を務める副院長兼外科長、整形外科医、内科医の3人体制となった。
 神経内科、循環器科、血管外科、皮膚科、泌尿器科の5診療科は常勤医が不在。常勤医がいる診療科も含め、これまで以上に他病院医師の応援に頼らざるを得ない状況に陥っている。
(岩手日報)

勤務医の厳しい勤務明らかに(長野)
 県内で働く勤務医の4人に1人が1か月に80時間以上の時間外勤務を強いられている実態が、アンケートで明らかになりました。
 このアンケートは、県内の医師や看護師などの労働組合で作る長野県医療労働組合連合会が、ことし1月から3月にかけて行ったもので、79人の医師から回答を得ました。
 それによりますと、「過労死の恐れがある」とされる1か月あたり80時間以上の時間外勤務をしている医師が24%と4人に1人が過酷な勤務を強いられている実態が明らかになりました。
 また、1日に12時間以上働く医師が42%を占めていました。
 さらに95%の医師が当直明け後も一定時間以上の勤務をしていて、半数の医師が健康に不安を持っていると答えています。
(NHK長野)

5月12日

「勤務中に過労死」と提訴 尾道の中学教諭の妻(広島)
 尾道市立栗原中教諭だった西川修さん=当時(54)=が二○○二年、勤務中にくも膜下出血で倒れ死亡したのは公務による過労死として、妻和子さん(58)が十日、公務災害と認定しなかった地方公務員災害補償基金に処分取り消しを求める訴えを広島地裁に起こした。
 訴状によると、西川さんは○二年、新教育課程の導入や生徒の非行問題への対応で過重な労働を強いられ、同年九月、修学旅行の説明会中に倒れた。死亡前一週間の残業時間は約三十時間だった。
 和子さんは○三年、同基金広島県支部に公務災害の認定を請求。県教育委員会や学校も「死亡は公務との因果関係が高い」とする意見書を出したが、同支部は○五年に公務外と決定した。
(中国新聞)

医療ビジョン―開業医は休日も夜も
 身近な開業医には夜間や休日でも診てもらいたい。大きな病院は入院と専門的な治療だけを扱い、軽い病気は開業医にまかせてはどうか。
 厚生労働省は今後の医療ビジョンとして、こんな考え方をまとめた。
 もともと、軽い病気の時は開業医、難しい治療や入院が必要な時は病院とすみ分けていた。
 ところが最近は、夜間や休日に往診する開業医が減った。逆に病院に患者が集まり、勤務医は疲れ切っている。
 厚労省が開業医と病院の役割を見直そうというのは、こうした現状を改めるためだ。限られた医師や医療機関を有効に使うためには、この改革は遅すぎたぐらいだ。日本医師会や地域の医療に責任を持つ都道府県も加わって、具体策をまとめてもらいたい。
 診療所で患者を診るだけでなく、往診に出かける。当番医のネットワークをつくり、夜間や休日も診察にあたる。時間外でも電話で相談に応じる。高齢者には24時間体制で対応する。そんな活動が新たな開業医の姿として描かれている。
(朝日新聞)

三島の県立宮下病院が改革の目玉で無料バス(福島)
 三島町の県立宮下病院は病院改革の目玉として6月4日から、同町と金山町、柳津町の患者を送迎する無料バスの運行をスタートさせる。高齢化が進む地域事情を踏まえ、患者の交通手段を確保するのが狙いで県立病院では初めての試み。併せて患者の自宅に直接看護師が訪れて医療に当たる訪問看護事業も開始した。年々患者数が減少し、厳しい経営を強いられる中、高齢者に優しい取り組みを通じて地域に親しまれる病院づくりを目指す。
(福島放送)

医師不足解消へ新法検討、政府、与党で対策会議
 自民党の中川秀直、公明党の北側一雄両幹事長ら与党幹部は9日午前、都内で会合し、医師の不足や偏在の解消策を検討するため、政府、与党による対策会議を来週に設置することを決めた。「医師確保法」の制定も視野に検討する。
 両党幹事長がこの問題で地方の現場を視察し、参院選に向け、与党の最重要課題として対応策の取りまとめを急ぐ。
 両党はそれぞれ党内に対策本部を立ち上げ議論を始めている。今月中に与党プロジェクトチームを設置する方針だが、厚生労働相ら関係閣僚の参加を求めて政府と一体で対応する必要があると判断した。
(共同通信)

医師の全国派遣を検討 政府・与党、偏在解消へ新制度
 政府・与党は医師不足解消に向け、医師を不足地域に派遣するシステムを構築する方針を固めた。与党内では臨床研修後の若手医師や定年後の勤務医らを全国に配置する案が浮上。政府・与党の対策会議を立ち上げ、6月中にも取りまとめる政府の「骨太の方針」に盛り込む。自民、公明両党は7月の参院選のマニフェスト(政権公約)の目玉に据える考えで、地方重視をアピールする選挙対策の狙いもありそうだ。
 地域の医師確保策は都道府県が設置する「地域医療対策協議会」で進めているが、地方によって医師数に差があり、全国的なバランスを考えた対策が急務となっている。与党が検討している医師派遣システムは、国立病院機構の中に派遣機構を新設して医師をプールし、1年程度の期限つきで派遣する構想だ。
 必修の臨床研修(2年間)終了後の後期臨床研修に進んだ医師や、定年を迎えた勤務医らから希望者を募る方針。人材確保のために、派遣期間終了後に希望の専門研修に進める制度づくりも検討している。
(朝日新聞)

療養病床:厚労省が削減数縮小へ 老健施設転換遅れで
 厚生労働省は9日、慢性病のお年寄りが長期入院する療養病床を11年度末までに6割減らし15万床とする削減計画について、今年秋に下方修正し削減幅を緩和する方針を固めた。医療機関などに削減する病床の受け皿となる老人保健施設への転換を促しているが、思うように進んでいないため軌道修正もやむを得ないと判断した。修正幅に関しては、終末期の高齢者が滞在できる新型の老健施設を認めるなど受け皿の幅を広げ、3万床程度にとどめたい考えだ。
(毎日新聞)

拠点病院から医師派遣、地方での不足解消…政府・与党方針
 政府・与党は9日、地方の医師不足を解消するため、医師が集まる国公立病院など地域の拠点となっている病院から、半年〜1年程度の期間を区切り、地方の病院・診療所へ医師を派遣する新たな制度を整備する方針を固めた。
 医師派遣の主体を都道府県や病院関係者らで作る「医療対策協議会」とし、復帰後に医師が人事で不利益を受けない仕組みを担保するほか、医師を放出する拠点病院への補助金制度も導入する。厚生労働、文部科学など関係閣僚が参加する政府・与党協議会で来週から詳細な検討に入り、今年度中の制度スタートを目指す。
 医師派遣は従来、大学病院の教授が若手の研修医の人事権を握り、派遣先を決定してきた。だが、2004年度から医師臨床研修制度が義務化されると、若手医師らは上下関係が厳しい大学病院を敬遠して待遇のいい国公立病院などに殺到し、大学病院中心の医師派遣は事実上、崩壊した。
(読売新聞)

外国人研修生も労基法適用を
 日本の技術を学ぶために来日した外国人の研修生が最低賃金を下回る安い賃金で働かされている実態を受け、厚生労働省の研究会は、研修生にも労働基準法などを適用して労働者として保護するよう制度の見直しが必要だとする提言をまとめることになりました。厚生労働省は、この提言を踏まえ、関係する省庁などと調整を進め、必要な法律改正を目指したいとしています。
(NHK)

三重大、残業代不払い 津労基署調査 146人分1400万円
 三重大(津市)で2006年4月から今年2月までに職員146人に計約1400万円の残業代の不払いがあったことが、津労働基準監督署の指導に基づく内部調査で分かった。津労基署の是正勧告を受け、不払い分は5月分の給与に上乗せして支払う。
 同大人事課によると、不払いはほぼすべての職場で見つかった。不払い残業時間は約7700時間。最も多い人で約70万円。職場の管理者が職員の勤務時間を管理できていなかったのが原因。サービス残業を命じたケースはなかったという。06年3月以前は資料が残っていない職場があるため調査していない。
 同課は「実態をさらに調査し、再発防止に努めたい」と話している。
(東京新聞)

看護職員:新人離職で防止策 経験者の復職支援も 東京都
 看護師や助産師などが全国的に不足する中、東京都は、離職率が高い新人と復職希望の経験者の支援を柱とした本格的な看護職員の確保策に乗り出すことを決めた。都内の民間病院と看護師資格を持った都内在住者が対象で、今夏の運用を目指す。離職防止を含めた総合的な看護職員対策は自治体レベルでは初めてで、今後、看護師確保を巡る動きが本格化しそうだ。
 都は離職対策を5年計画で実施する方針で、新人を手厚く指導できるよう病院の研修態勢を支援する。300床以上の大病院には、研修を担当する専任職員の人件費を最大4分の3補助。専任配置が厳しい300床未満の病院には都が指導員を派遣し、効果的な研修プログラムを助言する。研修の際に使う人形の購入費は病床数に関係なく半額補助する。
 都福祉保健局によると、都内の看護職員の不足数は昨年で約1800人に上る。その一方で、日本看護協会が昨年行った全国アンケートでは、結婚や出産で退職した看護職員約4000人のうち、7割以上が再就職を「希望する」と回答。逆に、仕事になじめないなどを理由に1年以内に辞める新人が10人に1人という調査結果が出ている。
(毎日新聞)

胆沢病院産科廃止も、常勤医減少予定 県医療局が対応検討(岩手)
 県立胆沢病院(奥州市水沢区)の常勤の産婦人科医3人が今年度内に1人になり、県医療局が産婦人科の廃止も含めて対応を検討していることが8日、わかった。胆沢病院は、胆江地域(奥州市、金ヶ崎町)の中核病院。廃止されると、産婦人科を備える病院がなくなり、出産に対応できるのは民間医院に限られ、妊婦は他地域への遠距離診療を強いられかねない。
(読売新聞)

医師不足解消へ新法検討 政府与党、参院選にらみ
 政府、与党は九日、医師の不足や偏在を解消するための「医師確保法」(仮称)の制定を検討することを決めた。来週に医療問題に関する政府与党協議会を設置し、今国会中に新法制定を含めた対策を取りまとめる。新法は参院選後の秋にも開かれる臨時国会への提出を想定している。
 地方での医師不足の深刻化を踏まえた参院選対策の一環で、参院選での与党公約の「目玉」として打ち出したい考えだ。
 塩崎恭久官房長官は記者会見で、産婦人科や小児科の医師が不足しているとの認識を示した上で「与党とよく協議したい」と述べた。
(中国新聞)

産科婦人科、小児科学会 就労環境などで意見交換、党医師不足問題対策本部、医師不足対策で意見交換する党対策本部(公明党)
 公明党の医師不足問題対策本部(福島豊本部長=衆院議員)は8日、衆院第2議員会館で会合を開き、医師不足の対応策について、日本産科婦人科学会将来計画委員会の澤倫太郎副委員長や日本小児科学会の藤村正哲副会長らと意見交換した。坂口力副代表、福島本部長、古屋範子厚生労働部会長、渡辺たかお参院議員(参院選予定候補=比例区)が出席した。
 澤氏は、看護師の雇用環境について、交代制やワークシェアリングなどの導入が進んでいないことを指摘し、「女性医師の就労支援の改善が必要」と述べた。
 藤村氏らは、病院勤務の小児科医の労働時間が過労死基準である週60時間を超えている点など、小児科医を取り巻く諸問題に言及。その上で、(1)医師に事務補助員をつける(2)専門看護師の役割を増大させる――などの対応策を説明し、「医師の仕事から、医師でなくてもできる業務を取り去ることが必要」と強調した。
(公明新聞)

医師不足:医学部生への就学資金貸与、応募者が殺到 県、枠拡大検討へ /茨城
 医師不足が深刻な県北などで将来勤務してもらうのを条件とした県の医学部生への就学資金貸与制度が、人気を集めている。制度を始めた06年度は5人の定員枠に18人が応募し、枠を拡大して全員に貸与。今年度は30人に拡大したが、新規の12人枠に20人が殺到、県はさらに枠を拡大する検討を始めた。担当者は「ありがたいが、県財政は厳しく頭が痛い」と予想以上の好反応にうれしい悲鳴を上げている。
 厚生労働省の都道府県別調査(2004年12月31日現在)で県内の医師数は人口10万人当たり150人で全国47都道府県中ワースト2位。全国平均の211・7人に遠く及ばない。中でも常陸太田・ひたちなか(85人)、鹿行(89・5人)、筑西・下妻(101人)の3地域は全国平均の半分以下で、深刻な医師不足が続いている。
 県はこの3地域と日立地域の計20市町村を特に医師が不足している地域としており、将来この地域で勤務する意思があることを貸与の条件としている。対象者は県内の高校または県出身で現在県外の大学の医学部生。月10万円を卒業までの間貸与し、医師国家試験合格後、指定地域の医療機関で貸与期間と同期間勤務すれば、返金を免除する。他県にも同様の制度があるという。
(毎日新聞)

5月11日

西都救急病院:来月にも内科医ゼロに 知事に医師確保の協力要請 /宮崎
 西都市の中核病院・西都救急病院で、宮崎大医学部付属病院が内科医の派遣をやめるため、6月以降、内科常勤医がいなくなる。3年前には外科医がいなくなっており、西都救急病院の相沢潔院長らが4月25日、東国原英夫知事に医師確保への協力を要請した。
 相沢院長は「内科医一人だけでも何とかならないか。一人いれば、周囲の開業医も協力してくれるので何とか運営していける」と訴えた。現在、内科医1人のほか、脳神経外科医3人が勤務するが、内科医がいなくなれば、救急病院の機能を果たせなくなるという。
 同席した橋田和実市長も「知事は地域医療充実を掲げている。県が主体となって医師を確保してほしい」と要望。知事は「救急医療の重要さは理解しており、地元と連携したい」と応じたが、「若い医師は設備の整った病院に行ってしまう」と厳しい見方を示した。
(毎日新聞)

大阪・阪南市立病院 医師不足で内科の入院休止へ
 全国的に地方病院で医師不足が問題となっていますが、大阪府阪南市の市立病院が内科医の退職により、入院患者の受け入れを休止することにました。
 阪南市立病院には内科の常勤医師が5人いますが、6月末に一斉に退職することになり、4人いる非常勤医師だけでは入院に対応できないと判断し、入院患者の受け入れ休止を決めました。
 常勤医師5人は和歌山県立医科大学から派遣されていましたが、和歌山も医師不足のため、これ以上、医師の派遣が不可能だとして、全員引き揚げることにしました。
(毎日放送)

月100時間以上の残業が過労死と関連
 月100時間以上の時間外労働による睡眠不足が、過労死や過労自殺と関連することが、産業衛生学会などの調査で明らかになった。
 産業衛生学会の産業保健活動に携わる杉本寛治氏(滋賀産業保健推進センター所長)によると、現在、わが国の自殺者は年間3万人を超え、労働者の自殺者は7000〜8000人に上るという。過重労働は、高血圧や糖尿病、高脂血症などの基礎疾患の悪化やうつ病を引き起こし、過労死や過労自殺につながっている。
 同学会が、仕事が原因の精神障害で自殺した1999〜01年度までの労災認定者51人を対象に残業時間などを調べた結果、自殺した前の月の残業が100時間以上だったケースが27人で、全体の53%を占めた。労災申請資料では、92%で自殺前にうつ状態を示していたが、約7割が精神科の治療を受けておらず、うつ病の診断はついていなかった。
 さらに、うつ病が発症した時期を調べると、100時間以上の残業をしていたケースでは、仕事上のミスやノルマ未達成、顧客とのトラブルなどの問題が起きてから6カ月以内に96%が発病していた。これらの結果を総合すると、月100時間以上残業が睡眠不足の原因となって健康障害を引き起こし、過労死や過労自殺と因果関係があることが浮き上がってきた。
 また、長時間労働だけでなく、職場のメンタルヘルスではうつ病が最重要課題になっている。日本人が死ぬまで働き続ける理由としては、[1]仕事が終わっているのに帰れない雰囲気[2]やれる人のところに仕事が偏るシステム[3]頼まれると断れない[4]困難な仕事をやり遂げることによって周囲からの信頼を得る‐‐など、わが国特有の職場環境が挙げられている。
(薬事日報)

県立中央病院 精神科の初診診療を停止(山梨)
 県立中央病院(甲府市)が、精神科の初診診療(一般)を停止したことが、7日分かった。
 同病院によると、精神科の一般診療は常勤医1人、非常勤医2人が担当していたが、同科の受診患者数の増加により「適切に対応することが困難となった」としている。初診診療を正式に停止したのは5月1日からで、再開時期は未定という。
 同病院は、患者数の増加について〈1〉他病院からの重度患者の紹介〈2〉別の病で入院中の患者の悩み対応〈3〉社会的に心的ストレスを抱える人の増加――などの理由を挙げている。
(読売新聞)

勝山市 妊婦に交通費助成 「分べん業務中止」で支援(福井)
 勝山市内の福井社会保険病院が4月から分べん業務を取りやめたことを受け、勝山市は市民が受診、出産する県内医療機関までの交通費を助成する制度を導入した。出産しやすい環境をつくるため、交通費を支給する自治体は珍しいという。
 対象は市内に住み、妊娠23週まで福井社会保険病院で健診を受けた妊婦。引き続いての受診、出産は福井大付属病院(永平寺町)が最も多いとみられるが、他の県内医療機関に行く際も交通費を助成する。同制度は5月1日から開始している。
(福井新聞)

医療問題緊急課題に、脇羅臼町長(北海道)
 4月の羅臼町長選挙で無投票当選した脇紀美夫町長が7日、釧路新聞社を訪れ「医療・福祉の問題に全力で取り組む」とし、羅臼町国民健康保険病院の改修に着手する考えなどを改めて示した。 脇町長は2期目について「『しっかり頑張れ』という町民のメッセージを感じている。厳しい時代を乗り切り、プラスになる町政を築いていく」と抱負を語った。緊急のの課題に医療問題を挙げ「看護師の増員や救急医療体制の確保、ドクターヘリの導入などをさまざまなアプローチで進めている」と述べた。
(釧路新聞)

県立二戸病院 「見守りネット」近く始動(岩手)
 二戸市堀野の県立二戸病院(佐藤元昭院長)は、妊婦健診時に得た情報をウェブ電子カルテに記入、インターネットを通じて関係機関が閲覧し、産前産後の支援・相談に当たる「見守りネットワーク」システムを近くスタートさせる。近隣市町村や圏域の開業医、県などと連携して子どもの成育環境などの情報を広く共有し、育児不安解消や児童虐待防止を目指す。青森県南の町村も加わる意向で、県境を越えた育児支援の連携も期待される。
 二戸病院圏域「見守りネットワーク」構想は、健診で病院を訪れた妊婦の中から、医師らが必要と判断した人について、本人側の同意を得てウェブ電子カルテに登録し健診の都度、情報を入力する。
 ネットワークに加わった地域の保健師や民生委員、少年補導職員らが、端末からカルテを開いて状況を把握しながら、電話や家庭訪問を通じて細やかに相談や支援に当たる。出産後も継続して各所で情報を更新できる。パスワードで管理し、見られる範囲も機関ごとに限定する予定。
(岩手日報)

“医師確保と格差更正”強化(北海道)
 道は「地域の医師確保」や「格差の是正」など、高橋知事が2期目の公約に掲げた施策を進めるための組織を、6月の機構改正で新たに設けることになりました。
 道内各地の病院では、医師不足のため診療科目の休止や廃止が相次いでおり、特に勤務状況が厳しいとされる産科は医師が都市部に集中し、助産師もいないため地元では子どもを産めない自治体も出てきました。
 このため道は、保健福祉部に「地域医師確保推進室」を新設し、道内外から医師を確保するための取り組みを強化することになりました。
 具体的には、医師を道職員として採用し、医師不足が深刻な地方の病院に派遣するほか、地方勤務を希望する医大生向けに返済免除の奨学金制度を創設することにしています。
(NHK北海道)

全腎協調査 透析・夜間透析廃止など見直しが67施設に、医師不足、診療報酬引き下げが直撃
 全国的な医師不足や、診療報酬点数の引き下げが、自治体病院や公的病院の透析あるいは夜間透析の廃止・休止を生んでいることが、全国腎臓病協議会が4月にまとめた全国調査で明らかになった。昨年から透析あるいは夜間透析について見直しを図った施設は、4月以降廃止の予定を含め67施設に上った。全腎協では、次回診療報酬改定の動き次第では、自治体・公的病院における廃止などへの動きが加速していくと問題視し、中医協の診療報酬改定結果検証部会などで透析医療を取り巻く厳しい現状を報告していく。

● 茨城県立中央病院など透析廃止も
 昨年1月から透析廃止に向けて動いた施設は、4月以降廃止の予定を含め26施設。 透析廃止等の理由については、医師・スタッフ不足を明確に挙げたのが13施設で、過半数を占めた。医師不足は、医業収入のダウンにもつながる問題であり、結果的に経営不振につながっていくと考えられる。
 透析廃止組では、北海道の夕張市立総合病院を筆頭に、大阪府の公立忠岡病院、茨城県立中央病院、鳥取市立病院などの自治体病院のほか、栃木県の上都賀総合病院は、昨年4月に透析部門そのものを廃止していた。
 公立忠岡病院は、医師不足と経営不振などによって3月に閉鎖に追い込まれた。それに伴って、透析患者24人のうち18人は転院し、残りの患者は市立岸和田市民病院への転院が決まっている。
 愛知県の稲沢市民病院は2月から、岩手労災病院(当時)、茨城県立中央病院はそれぞれ3月から、兵庫県の三田市民病院が4月から医師不足で透析を廃止した。
 4月から透析を完全廃止するとしたのは、鳥取市立病院。次いで、鳥取県立中央病院についても、4月から外来透析を原則廃止した。病院関係者は、医師が減員になったことや、地域医療機関に透析患者を回そうという方針によるものとしている。

● 夜間透析は、廃止と縮小の2方向に進む
 一方、夜間透析については、今回の診療報酬改定論議の過程で厚労省が時間外加算・休日加算500点を廃止する案を提出したが、強い反対を受け、早々に引っ込めた経緯がある。結果的に点数を当時の500点から200点引き下げた。
 こうした背景の中で透析現場における夜間透析は、昨夏の日赤医療センターなど27施設が廃止に踏み切り、終了時間の繰り上げ、患者受け入れ人数の縮小を図ったのが14施設としている。合計41施設が、この1年間に夜間透析に関して何らかの対応を図ったとした。
 例えば、北海道の市立札幌病院、愛媛県の松山赤十字病院など自治体・公的病院を含めた施設では、夜間透析の不採算を挙げている。
(Japan Medicine)

5月10日

研修医、無資格で診療 献血の448人に問診も
 福島県国見町の公立藤田総合病院(庄司光男院長)が、国家試験に合格していながら医師免許申請をしていなかった男性研修医に、1年近く無資格で医療行為をさせていたことが7日分かった。医師法違反にあたるうえ、病院は、研修協力施設に指定されていない県赤十字血液センター(福島市)に、男性や他の研修医を派遣し、献血希望者の問診をさせていた。
(朝日新聞)

救急救命士が医療事故 気管チューブを食道に
 名古屋市は7日、救急隊が心肺停止状態の患者を搬送する際、救急救命士の男性(37)が人工的に呼吸させるため気管に入れるチューブを過って食道に入れる事故を起こした、と発表した。患者は搬送先の病院で死亡が確認されたが、事故との因果関係は「調査中」としている。救急救命士による気管チューブを使った医療行為は04年7月から認められたが、総務省消防庁は「こうした事例は聞いたことがない」としている。
(朝日新聞)

働き方改革へ指針 少子化対策で分科会が骨子案
 政府の少子化対策を検討している「子どもと家族を応援する日本」重点戦略検討会議(議長・塩崎官房長官)の「働き方の改革分科会」がまとめた中間報告骨子案が7日、明らかになった。少子化対策に前向きな企業行動や国民の意識向上を促す「ワークライフバランス憲章」や、政府による「働き方の改革を推進する行動指針」の策定を検討する方針などを明記した。5月中に中間報告をまとめ、政府の「骨太の方針」に盛り込みたい考えだ。
 骨子案は少子化の背景として、労働時間の長短二極化や、子育てに伴って退職せざるを得ない女性の割合が高いことなどを列挙。そのうえで、憲章を策定して働き方についての意識改革を図るとし、「長時間労働の抑制や年次有給休暇の取得促進」「個人や家族の置かれたライフステージに応じて、多様な働き方を自己選択できるようにする」ことなどを掲げた。
(朝日新聞)

赤ちゃんポスト:20年前、群馬にも 6年で10人預かる
 10日にも熊本市の慈恵病院で国内初の「赤ちゃんポスト」の運用が始まるが、その原型ともいえる施設が約20年前、群馬県にあった。戦後、私財を投じて養護施設を設立するなどの活動で知られる、吉川英治文化賞受賞者の品川博さん(99年に83歳で死去)が発案した。死亡した乳児が見つかる事案もあり、活動は6年弱だった。赤ちゃんポストには賛否両論あるが、当時の関係者は「親への批判はあっても、子どもの命を救うことは別の問題のはず」と今回の取り組みを注目している。
(毎日新聞)

過労自殺、二審も労災認定=遺族補償不支給取り消し−福岡高裁
 旧鐘淵化学工業(現カネカ)の子会社に出向していた単身赴任の男性=当時(48)=が自殺したのは過労によるうつ病が原因として、兵庫県内に住む妻が福岡県内の八女労働基準監督署長を相手取り、遺族補償年金不支給処分の取り消しを求めた控訴審判決が7日、福岡高裁であった。牧弘二裁判長は「自殺は業務に起因する」として、処分を取り消した一審福岡地裁判決を支持、労基署側の控訴を棄却した。
 原告側によると、高裁段階で過労自殺が労災認定されたのは、トヨタ自動車の係長だった男性=同(35)=のケースで名古屋高裁が2003年に認めて以来2件目。
 訴訟では、労災の判断基準が争点となり、労基署側は自殺の原因は本人の「脆弱(ぜいじゃく)性にあった」と主張。しかし、同裁判長は平均的労働者と比べて「性格等に過剰な要因があったと認めることはできない」と指摘した。
(時事通信)

内部告発 もう病院は信じるな!
・医師の3割が「前月の休日ゼロ」で過労死ライン、5割が「職場を辞めたい」!
・崩壊する現場を目の当たりにする医師&看護師の断末魔の叫びを聞く

 「今、病院で働く医師の多くが、常軌を逸した忙しさから極度の睡眠不足や精神的疲労を抱えているため、いつ医療ミスが起こっても不思議じゃない状況なのです」
 川崎市立井田病院で勤務医として働く鈴木厚氏が言うように、ここ数年、医師不足の問題が誘発したと思われる医療過誤の報道が跡を絶たない。
 もっとも激務を強いられる産婦人科では、マスコミによるバッシングもあり異例の逮捕者を出したり、小児救急の世界でも、生後8か月の乳児が専門医がいないことを理由に4軒の病院をたらい回しにされたうえ、最後に辿り着いた病院で容態が急変。当直をしていた眼科医が泣きながら心臓マッサージを施したが死亡に至ったというケースもあったり、医師個人を責めるにはあまりにも忍びない事件が多い。
 病気やケガをして病院に行っても、それを癒してくれる医師がいない。例え迎え入れても、医師たちにはそれを癒す気力すら残っていない……。
 なぜ、このような悲劇が繰り返されても、医師不足は解消されないのか?
今回、現役の勤務医たちに、まさしく「野戦病院化」する病院内の惨状を「告白」してもらった。
(WebSPA!)

(5)開業医へ「逃げたい」、人手・財政不足の病院「もう限界」
 医師と患者・家族の信頼の大切さを描いた「がんばらない」などの著者で、一昨年、諏訪中央病院(長野県茅野市)の院長を退職した鎌田実医師(58)は去り際にそう語った。
 今は同病院の嘱託医として診療に当たる鎌田さんは、「医療費削減政策の中で綱渡りの日々が続いた。日本の病院は財政、人員ともに余裕がなさすぎる。がんばりも限界だった」と苦闘の日々を振り返る。
 現在の診療報酬制度は急患を扱う病院に不利とされる。効率化や支出切り詰めが甘い病院も少なくないが、総務省の2005年度の統計では、全国の自治体病院982病院のうち約65%(643病院)が赤字だ。
 病院を圧迫する理由は財政面ばかりではない。長野市の長野市民病院(300床)は医師60人と看護師260人を抱え、スタッフ数は恵まれた部類だ。しかし、医師は週1回ほとんど徹夜になり、翌日も夜までの連続勤務をこなす。「診療を巡る状況が変わった」と今年3月に病院長を退職した長田敦夫医師(68)は説明する。
 夜間、子どもの急患が殺到する。「核家族化で祖父母の助言がなくなり、開業医も夜中は診てくれない。発熱などで直接病院に駆けつけるケースが増えた」
 検査の同意書や患者の紹介状、様々な報告書作りに毎日数時間を費やす。感染症対策や医療事故対策など会議も多く、勤務医の仕事は雪だるま式に増えている。
(読売新聞)

望まない妊娠で24時間相談 「ポスト」に対応、熊本市
 熊本市の慈恵病院が「赤ちゃんポスト」(こうのとりのゆりかご)の運用を今週にも始めるのに伴い、同市は7日、望まない妊娠に悩む女性からの相談を24時間態勢で受け付ける「妊娠に関する悩み相談電話」を開設した。
 相談窓口は市庁舎1階の福祉総合相談室の一角に設置。これまでも平日の昼間に対面や電話での相談を受け付けていたが、今後は夜間や土日、祝日も電話を相談員に転送して対応する。
 熊本市地域保健福祉課の今坂智恵子課長は「一人で悩みを抱え込まず、一緒に解決の方法を探したい。思いがけない妊娠で悩んでいる方などは、ぜひ利用してほしい」と話していた。
 ポストは今月1日に完成、慈恵病院は10日正午からの運用開始を予定している。
(北海道新聞)

医療満足度、病気で差 認知症や乳がんは低く
 認知症の患者やその家族の医療への満足度は、ぜんそく患者の半分――。過疎地や産科・小児科の医師不足など「医療格差」が問題となるなか、疾患によっても医療や医薬品に対する患者らの満足度に大きな開きがあることが、医薬産業政策研究所と明治大学の合同調査でわかった。満足度が低かった認知症や乳がんの患者らは、「医師との対話不足」や「待ち時間の長さ」など医療提供態勢への不満を強く訴えている。
(朝日新聞)

5月9日

行政を組織暴力から守れ、警視庁が緊急対策会議
 長崎市の伊藤一長・前市長が暴力団幹部に射殺された事件を受け、警視庁は7日から、島部を除く東京都内の全市区町村を対象にした「行政対象暴力」の緊急対策会議をスタートさせた。
 同庁組織犯罪対策3課によると、都内で昨年1年間に、容疑者が逮捕された行政対象暴力は計7件。6月には、恐喝未遂罪で服役し出所したばかりの山口組系組幹部(50)が「逮捕されたのは区の担当者に密告されたせいだ」と逆恨みし、窓口の職員を「殺してやる」と脅迫したとして逮捕されたほか、11月にも右翼団体元幹部(55)が、都の福祉施設を街宣車で威圧するなどして駐車場を無断使用したとして逮捕された。郵便局や公立病院などの職員が被害者になるケースもあり、救急隊員も救急車内での対応を巡って稲川会系組関係者に殴られる被害に遭った。
(読売新聞)

第2回「仕事の効率化は、まず"残業ゼロ"から」(2007/05/07)
 昔から「働き過ぎ」と言われる日本人の年間実労働時間は、1990年代以降1人当たり平均2,000時間を割り、2005年には1,775時間にまで減少しました(OECDによる就業者全体の国際比較データに基づく)。
 数字だけ見ると、かなり短縮されたように思われるかもしれませんが、実態は違います。仕事の効率化を積極的に進めてもたらされた結果というより、バブル経済崩壊後、長く続いた景気低迷で、単に「仕事が減ったから働く時間も減った」という消極的な理由による部分が実は大きいのではないかと私は考えています。さらにこの1,775時間という数字にしても、ヨーロッパの先進国と比較するとまだまだ「働き過ぎ」の水準にあり、実感として日本人の労働時間の長さは、さほど変化していないのが現状です。現に最近発表されたデータでも、週に50時間以上労働している就業者の比率は、諸外国に比べ日本だけ突出して高くなっています。
 ビジネスマンが効率よく、スピーディーに仕事を進められるインフラは急速に整っているのに、なぜ労働時間の長さは変わらないのか。なぜ残業は減らないのか。答えは簡単、会社の経営者も社員も、「残業は当たり前」という固定観念から脱却できずに、真剣に残業をなくそうとしていないからです。では残業をなくさないと何が問題なのでしょうか。
(日経新聞)

政府「医師不足」認めず偏在≠ニ答弁
 政府は5月1日までに開いた閣議で、医師の需給見通しについて「医師の需給の不均衡は解消の方向に向かうものと認識している」などとする答弁書を決定した。医師の需給見通しに関しては、「医師の絶対数の不足に根本的な原因がある」とする医療関係者が少なくない中、政府は「(医師の絶対数は不足しておらず)偏在が問題」という従来の立場を改めて示したことになり、医師不足≠めぐる今後の動向が注目される。
(キャリアブレイン)

m3.comからのお知らせ
 本サイト内に本来非公開であるべき個人の診療情報が掲載されている可能性があることがわかりました。現在、当社としても事実関係などを調査中ですが、調査が終了するまで、個人の診療情報の可能性のある投稿については、投稿された会員医師と協議の結果、掲載を一旦停止いたしました。

病理・細胞診検査のリスク・マネージメント
帝京大学医学部附属溝口病院 臨床病理部・臨床検査部  水口 國雄

はじめに
 近年、患者や家族の権利意識が向上しているが、それにともなって医療機関や医療従事者と患者側とのトラブルが増加している.トラブルの種類やその成り行きにはいくつものパターンがある.最悪の場合は医療訴訟となり裁判で争うことになる.従来、病院が絡む訴訟では病院(長)が訴えられるケースが多かったが、訴訟件数の増加により、医師や看護師など現場の医療従事者が同時に訴えられるケースが増え、しかも個人の分は自分でカバーしなければならなくなってきた.訴訟の内容をみるとほとんどは治療や検査など医師や看護婦が直接関わるケースである.このため病理・細胞診部門が訴訟の対象になることは少ないが、最近の病理検体の取り違い事件など,以前に比べると目に付くようになった.本稿では、まず医療過誤とはどういうものなのかを説明し、さらに一般的な医療事故の実態と病理・細胞診が関わった具体的なケースについて述べる.最後に、医療事故を予防するための方策や事故が起こった時の対処法について触れる.

5月8日

当直、全国の2倍 5県立病院の医師(沖縄)
 県内5つの県立総合病院に勤務する医師267人(2006年度)の大半が、日勤後に夜から明け方まで働く当直勤務に就く回数が月平均で5―6回に上り、全国平均のおよそ2倍に達していることが琉球新報の調べで分かった。また、ほとんどの医師が当直明け後、そのまま日勤勤務を継続しており、連続32時間労働が恒常的に繰り返されていることも分かった。県病院事業局によると、県外自治体病院の当直時間は大部分が(待機中の)睡眠に充てられるのが前提となっているが、沖縄県では当直時間の大半が救急などの医療行為に占められ、睡眠を取れる状況にない。今年3月には医師一人が過酷な当直勤務を理由に退職しており、県立病院医師の過重労働があらためて浮き彫りになった。
 当直の回数は医師の年齢や診療科で違いはあるが、月10回を超える医師も少なくない。50代の男性医師は14回の当直をこなし、超過勤務の実労働時間が約200時間に上る事例もあった。さらに複数の医師は手術が急に入るなどして3日連続70時間以上働いた経験を持っていた。当直に就かない日も超過勤務が慢性化している。
 当直の勤務時間中も日勤と同水準の勤務状況に置かれていることから、各県立病院では残業代が付く超過勤務として扱われている。こうした過重労働の実態が結果的に手当の多さへとつながり、全国の自治体病院と比べて全体の給与額が高くなる大きな要因となっている。
(琉球新報)

危機の北海道医療*頼れる医師の育成急ごう(5月6日:北海道新聞社説)
 北海道の地域医療に「赤信号」がともっている。最大の問題は、医師が札幌に集中し、地方の医師が足りないことだ。医師を養成する北大など道内三大学でも研修医が他の病院に流れている。医師の派遣要請があっても十分に応えられないのだ。事情は理解できる。

*予防医療の大切さ認識を

*待ったなしの病院集約化

 医師不足同様、自治体病院の経営問題も深刻だ。百十余りある道立、市町村立病院の累積赤字は総額千七百億円に膨らみ、自治体財政を圧迫する。医療圏ごとに拠点病院を設け、機能と人材を集中させなくてはならない。周辺の病院には拠点病院から医師を派遣し、外来機能を残す工夫が要る。
 近年、医師が辞めたり、大学に戻ったりした結果、診療科を閉鎖する病院が相次いでいる。拠点病院に医師を集めれば、医師が交代で休みを取れ、過酷な労働条件が緩和される。集約化によって、医師が地域に定着する環境をつくることが大切だ。
 自治体間の利害が絡むだろう。医療として、何を提供できて、何ができないのか、住民に十分な情報を提供し、納得してもらうことが肝心だ。 ここは、高橋はるみ知事がリーダーシップを執り、道や市町村、道医師会、三大学などでつくる北海道医療対策協議会として集約化を決めるべきだ。
(北海道新聞)

社説:在宅医療 往診する開業医を増やそう
 来年度から医療構造が様変わりしそうだ。専門治療は大病院で行い、開業医(診療所)は「かかりつけ医」として24時間体制で患者を診る。厚生労働省がこの機能分担を進めようとしている。狙い通り実現すると、医療現場で起きている課題のいくつかは解決へ向かうかもしれない。
 大病院での「待ち時間数時間、診察数分」というばかげた事態はなくなる。勤務医や看護師は過重労働から解放され、医療ミスも減る。小児科や産科の医師不足も解消されそうだ。こんな良いことばかり思い描いてしまう。
 患者側の意識変革も必要だ。ちょっと頭痛がするだけで大病院へ行きたがる傾向がある。原因がわからないので迷った末、診療科もそろい、24時間対応、専門性が高い病院を選んでしまう。病院が1次医療をしないとなれば、私たちは良い「かかりつけ医」を選ぶしかないのである。発想を切り替えなければならない。
(毎日新聞:勤務医の次は開業医が過労死か)

応募まだ1人、県立病院の看護師特別募集(静岡)
 県立病院の看護師の特別募集に、応募はたった1人―。看護師確保のため県が4年ぶりに募集している7月採用の看護職員の応募者が、募集締め切り(10日)の1週間前になっても一向に集まっていない。県は「昨年来からの病院間の看護師獲得競争の激化が理由の1つ」とし、「看護師免許を持っている人はぜひ挑戦してほしい」と呼び掛けている。
 県立の総合病院、こころの医療センター、こども病院の三病院は看護師定員1001人に対し、現状で16人不足している。年度途中の退職者や産休者などを考慮すると30人以上の不足が見込まれるため、県は4月中旬、三交代をこなすフルタイム勤務者34人程度の募集を始めた。
 2日現在、「日勤だけなら」などの問い合わせはあるものの、正式な申し込みとなると1人にとどまる。県は競争激化の理由に「看護師1人に患者7人」という手厚い看護体制を敷く病院の収入を高くするよう設定した前年度の診療報酬改定を挙げ、「看護師の囲い込みに走った都会の病院に、採用内定者の一部が流れた」とみている。このまま特別募集でも集まらない場合、「現場スタッフへの負担が増し、医療の提供にも支障が出かねない」と気をもむ。
(静岡新聞)

[解説]伊・独で出生率回復、子育て支援予算拡大 家庭と仕事の両立、法整備
 先進国の中でも、「少子化枢軸国」とやゆされてきた日独伊3国。だが、イタリアとドイツでは最近、出生率が緩やかな回復傾向にある。両国で何が起きているのか。(生活情報部 榊原智子)

 【近年導入の主な家族政策】

〈イタリア〉
 ▽保育所を整備する自治体・企業へ助成
 ▽産前産後に5か月休める「出産休暇」
 ▽出産休暇の一部を父が取れる「父親休暇」
 ▽生後8年以内に10か月休める「両親休暇」
 ▽第2子以降の出産に約14万円のベビーボーナス(04と06年のみ)

〈ドイツ〉
 ▽3歳未満児の保育を拡大する保育整備法の制定
 ▽最大3年取れる育休期に、休業前所得の67%を1年給付する「両親手当」創設
 ▽児童手当を18歳までのすべての子に月2.3万円支給(第4子以降は2.7万円)

 【日本の子育て支援策】
 ▽児童手当を12歳まで月5000円支給(所得制限あり。3歳未満と第3子以降は1万円)
 ▽生後1年まで休める育休期に、休業前所得の40%を給付
 ▽「待機児童ゼロ作戦」を実施。しかし保育所の待機児童数は約2万人で推移
(読売新聞)

厚生年金病院存続へ 社保病院も 整理機構が運営
 年金財政を改善させるため、10年度までに廃止または売却するとしていた全国10カ所の厚生年金病院について、厚生労働省はすべて存続させる方針を固めた。53の社会保険病院も一部を廃止する以外は残す考えだ。医師不足や病院の統廃合が進むなか、地域医療をいっそう空洞化させると判断した。いずれも独立行政法人に移管したうえで運営しながら、将来的には地域ブロックごとに売却する案も浮上している。
(朝日新聞)

道内の自治体病院 民営化進むか 新都市砂原病院 診療は充実、経営厳しく
 自治体病院の赤字経営が深刻化する中、財政破たんした夕張市の市立総合病院が四月から民営化されるなど、道内自治体でも病院民営化を探る動きが本格化してきた。ただ、経営効率化に期待が高まる一方、利益優先によるサービス低下などを懸念する声も根強い。国は旗を振るが、どこまで進むかは未知数だ。
 駒ケ岳を望む渡島管内森町砂原にある新都市砂原病院。一九九八年に自治体病院を民営化した、全国でも先駆けとなる病院だ。前身は人口約五千人の旧砂原町で唯一の医療施設だった町立国保病院(七十二床)。不良債務が町の一般会計の一割近い三億円にまで膨らんだ病院を、函館市を拠点に広域的な病院経営を目指していた医療法人「雄心会」が引き継いだ。
(北海道新聞)

南予9診療所、入院部門廃止 医師不足など(愛媛)
 県内の過疎地域に自治体が設置している公的診療所のうち2002年4月以降の5年間で、入院部門を取りやめて無床化した診療所が9施設に上っていることが4日までに、愛媛新聞社の調査で分かった。すべて南予の診療所。医療スタッフ不足や財政的な問題で入院治療から撤退せざるを得なくなっており、地盤沈下が叫ばれる南予の過疎地医療が速いペースで弱体化している深刻な状況が浮かび上がった。
(愛媛新聞)

「公務員に労働基本権」見送り スト実行 懸念根強く
 国家公務員の昇進や配置転換を能力本位で決める「能力・実績主義」を導入する国家公務員法改正案が、国会に提出され、公務員にも労働基本権を認めることは置き去りにされた。連合は能力主義の導入には労働基本権の付与が不可欠だ、と主張してきたが、かなわなかった。この背景は−。
 労働基本権は憲法で保障された権利で(1)労働組合をつくる団結権(2)使用者側と勤務条件などを交渉できる団体交渉権(3)争議(スト)権−の三権からなる。民間企業は三権とも保障されているが、一般の公務員には団結権しかない。
 例えば、公務員がストに踏み切れば、行政サービスに支障が出る。団体交渉で賃上げとなれば、財政負担増につながる。ある政府高官は「国益につながるのか」と疑問を投げかける。ただ、渡辺喜美行革担当相は「リストラを公務員にやるなら、議論は避けて通れない」と付与に前向き。行革推進本部の専門調査会に、秋までに結論をまとめるよう要請している。
(東京新聞)

総合太田病院:市も出資、「市民病院」へ 東毛医療の中心に /群馬
 富士重工業健康保険組合が開設する総合太田病院(難波貞夫院長)が、「太田市民病院」(仮設)として新たに生まれ変わることが4日、明らかになった。太田市と富士重工業が30億円ずつ、総合太田病院が60億円を出資。同市大島町内に建設地約6ヘクタールを確保する。新病院は同市の救急指定病院となる。市は資金捻出のため、3年間にわたる年10億円の市債発行を検討している。
 現在、総合太田病院は富士重工業が市民に開放している状況にある。このため、小児科や産婦人科などの医師不足について、市が公的な支援をすることはできず、一時、市民に不安が広がったこともある。こうした背景から、医師確保を容易にするため、群馬大学医学部との提携を進めており、群大側も新病院計画に賛同しているという。
(毎日新聞)

5月7日

子どもの人口、最低の1738万人・減少は26年連続
 総務省が「こどもの日」にちなんで4日発表した推計人口(今年4月1日時点)によると、15歳未満の子どもの数は前年より14万人少ない1738万人となった。子どもの人口は26年連続の減少で、統計上確認できる1920年以降の最低記録を更新した。総人口に占める割合は前年を0.1ポイント下回る13.6%。こちらも33年連続で低下し、少子化の進展が改めて浮き彫りになった。
 男女別では男子が891万人、女子が847万人。3歳ごとの年齢層別では中学生の12―14歳が362万人と最も多く、最少のゼロ―2歳は323万人。年齢が低くなるほど少なくなっている。
 都道府県ごとの子どもの割合(昨年10月1日時点)は、沖縄が18.4%と最も高く、滋賀(15.3%)、佐賀(14.9%)と続いた。最も低かったのは東京の11.6%で秋田(12.1%)、北海道(12.6%)の順。
(日経新聞)

【患者が支える医療 米国の取り組み】(上)何ができる
 日本と比べ患者の「自己責任」が強く求められる米国では、患者たちがより良い医療を受けるため、自ら努力を続けている。日本でも昨年、患者団体の働きかけでがん対策基本法が成立するなど、患者参加型の医療へ向けた取り組みが始まっている。患者が支える米国の医療事情を報告するとともに、日本国内での今後の課題を探る。
(産経新聞)

保育料滞納34億円、悪質例多く差し押さえも…読売調査
 自治体の認可保育園で2005年度に滞納された保育料が、全国の主要都市だけで34億円近くに上ることが、読売新聞の調査で分かった。
 本来徴収されるべき保育料に占める割合(滞納率)は2・3%に達している。支払い能力が十分あるにもかかわらず、長期間にわたって滞納を続ける保護者も多く、財産差し押さえなどの強硬措置をとる自治体も現れている。
 読売新聞は3〜4月、全国の道府県庁所在地、政令市、東京23区の計73市区を対象に、05年度の保育料の滞納額を聞いた。
 その結果、全市区でそれぞれ200万円以上の滞納があり、本来支払われるべきだった保育料の総額1447億3322万円に対し、滞納総額は33億9767万円に上った。文部科学省の調査で全小中学校の滞納総額が22億円超、滞納率0・5%だった学校給食費に比べても、深刻な状況に陥っている。滞納額が多かったのは、大阪市(3億7973万円)、仙台市(2億1730万円)など。東京23区は全体で5億6780万円。滞納率は東京都北区(9・6%)、世田谷区(7・4%)などで高かった。
(読売新聞)

少子化対策:政府の有識者会議が苦慮 妙案浮かばず
 少子化対策を検討する政府の有識者会議「子どもと家族を応援する日本重点戦略検討会議」は6月の中間報告に向け、連休明けから議論を加速させる。焦点は出産、子育てと両立できる新たな働き方をどう具体化できるか。将来の人口減少をにらみ、働き手を確保しつつ出生数を増やすという難題に挑んでいる。会議メンバーは「団塊ジュニア世代の出産適齢期はあと数年。政策展開を急ぐ必要がある」と危機感を強めるが、妙案はなかなか浮かばないのが現状だ。
(毎日新聞)

新人看護師が辞めていく、04月27日(金)
 看護師不足が深刻化する中、医療現場では新人看護師が次々に辞めていく事態が起こっている。即戦力として厳しい勤務をこなしながら、高度化する医療技術や患者への対応の仕方など、様々な課題に追われ、精神的、肉体的に疲弊してしまうためだ。日本看護協会の調べでは、1年以内に職場を去る看護師の数はおよそ4500人。10人に1人が辞めている。川崎市にある聖マリアンナ医科大学病院でも、昨年度、1割を超える新人が辞めた。今年4月に入ってきた新人は124人。看護師を辞めさせず、一人前にどう育てていくか、病院側は様々な対策に乗り出している。新人看護師を取り巻く現状と課題を伝える。
(NHK 「特報首都圏」)

本県で低出生体重児と帝王切開増(青森)
 体重二五〇〇グラム未満の「低出生体重児」の割合が本県で年々高くなっている。高齢出産、生殖補助医療の普及による多胎妊娠の増加、妊婦のやせ志向−などが背景にあるとされる。ハイリスク妊娠の増加とともに、帝王切開分娩(ぶんべん)の割合も全国並みに上昇。高まるリスクを回避するため県内の医療関係者は「出産前の妊婦健診を必ず受けてほしい」「行政は健診の補助を増やしてほしい」と訴えている。
(東奥日報)

<4>疲弊する医師、8人で手術年3600件
 3月4日夕、救急車のサイレンが響き、高岡市永楽町の厚生連高岡病院救命救急センターに次々急患が運びこまれた。午後6時20分から20分間で立て続けに4台。狭い病院の入り口で患者を運ぶストレッチャーが交差する。
 同病院には、麻酔科医は6人いるが、3次救急と呼ばれる重篤な急病人を引き受けるには、研修医も入れて10人は欲しいという。その分を補うため、休みを削らざるを得ない。
 医師全体が不足する中で、麻酔科、小児科、産科医の不足は特に深刻だ。各市町村からの要望を受け、県が昨年5月に設置した「県小児科・産科等医療対策検討会」の中間報告書によると、最も手術件数が多い県立中央病院で、2005年は3576件。それを8人の麻酔科医が担う。麻酔科医が足りないために、手術の予約待ち日数が長くなる傾向さえある。
 県立中央病院小児科の勤務医の1日あたりの時間外勤務は約6時間、1か月のうち自宅待機は8回、当直回数は約4回で、翌日も通常勤務を行っている。
(読売新聞)

<5>開業医が夜間救急、「病診連携」突破口に
 南砺市福光で石黒医院を開業する石黒雅臣院長(73)は2日夜、同市梅野の公立南砺中央病院で夜間の救急外来を担当した。「電子カルテにはなかなかなじめませんね」と苦笑いする横で、病院当直医で泌尿器科の山本健郎医師(32)が「内科は専門外。開業医の先生にいてもらえると助かります」と笑顔を見せた。
 同病院では4月から、地元の開業医と病院の勤務医がペアになって救急を担当する全国でも珍しい試みを始めた。開業医ら55人で作るNPO法人「南砺市医師会」が、内科医を月、水、金曜日の週3回、午後8時から同11時まで派遣している。
 連携のきっかけは、同病院の医師不足だ。2002年度の開院当初16人いた常勤医は、06年度に9人に減少。臨床研修制度導入で大学病院で働く医師が足りなくなり、金沢大が公立南砺中央病院に派遣していた医師を引き上げたからだ。
(読売新聞)

5月6日

災害時救助:「妊婦優先」配慮を 学会が指針づくり
 災害時に妊婦や胎児をどう救護するかを示す指針づくりを、日本産科婦人科学会と日本産婦人科医会が共同で進めていることが分かった。大規模被災地では多数の母児が被害を受ける可能性があるが、負傷者救助の優先順位を決める「トリアージ」の区分には、要救護の女性が妊婦である場合が考慮されておらず、改善を求める声が挙がっていた。指針には、妊婦なら優先順位を上げることや、搬送・処置にあたっての注意点が盛り込まれる予定だ。
(毎日新聞)

救急隊員に暴行、東金署、無職女を逮捕(千葉)
 東金署は三日、公務執行妨害と器物損壊の現行犯で九十九里町不動堂、無職、水野弘容疑者(49)を逮捕した。
 調べでは、水野容疑者は同日午前九時四十五分ごろ、自宅近くの空き地に一一九番通報で呼び出した救急車内で「早く病院に運べ」などと言って暴れ出し、男性救急隊員(35)ら三人に対してけるなどの暴行を加え、車内の医療器具を壊した疑い。
 同署によると、水野容疑者は「頭が痛い」と言って救急車を呼んでいた。
(千葉日報)

セクハラは男性にもダメ 裸踊り強要など
 改正男女雇用機会均等法が4月に施行され、女性だけでなく、男性へのセクシュアルハラスメント(性的嫌がらせ)の防止も企業に義務づけられた。これまで、「男同士だから」と大目にみられた言動も、場合によっては懲戒処分の対象になる。一体どんなケースがセクハラになるのか、法改正は男性社員にとってどんな意義があるのか−。専門家2人に聞いた。
 厚生労働省では職場でのセクハラを、上司の性的な言動を拒んで降格などの不利益を受ける「対価型」と、性的な言動によって不愉快な思いをさせられたりする「環境型」の2タイプに分けている。
 インターネットの情報サイト「All About」で「ストレス」ガイドを務める産業カウンセラーの大美賀(おおみか)直子さんによると、「ありがちなのは、上司から風俗店やキャバクラへ行く誘いを男性社員が断るようなケース」という。「この結果、上司ににらまれ、仕事を与えられないようなケースは、『対価型』のセクハラになる可能性があります」
 また、会社の宴会で男性社員に裸踊りを強要したりする“体育会系のノリ”も、本人が不快に感じれば「環境型」セクハラになりうるという。
(産経新聞)

労災隠しを洗い出し 不適正な健保治療
 労働災害に遭ったのに労災保険を使わず健康保険で治療するケースが多いことから、厚生労働省は二日までに、労働者の治療情報を社会保険庁から提供してもらうことを決めた。各労働局に近く通知を出し、会社側が労災事故を労働基準監督署に届け出ない「労災隠し」の洗い出しに役立てる。
 不適正な健康保険利用の事例は年間数万件あるとされ、厚労省は「従来、労働者本人からの通報に頼ってきた労災隠しの発見に、大きな効果が期待できる」としている。
 労働安全衛生法は、職場で発生した労災によって労働者が仕事を休んだ場合、会社が労基署に届け出ることを義務付けている。治療費は労災保険から支払われる。
 しかし、労災発覚による会社のイメージダウンや、管理責任が問われることを嫌い、労災を隠して労働者に健康保険で受診するよう求める会社がかなりあるという。
(東京新聞)

東京労働局、仕事と子育て両立支援で日経など30社認定
 東京労働局は1日までに、次世代育成支援対策推進法に基づいて、仕事と子育ての両立支援に積極的に取り組む企業として日本経済新聞社など30社を認定した。同法では従業員に男性の育児休業取得者がいて、女性の育児休業取得率が70%などの基準を満たしている企業を認定する。各企業が2―5年間の行動計画を作ったうえで、計画通りに両立支援が進んでいるか評価する。ほかに認定を受けたのは野村総合研究所、アメリカンファミリー生命保険など。
(日経新聞)

平川病院の診療所化を正式決定、市議会が条例案可決(青森)
 国保平川病院(診療休止中)をめぐる問題で、平川市議会は2日、臨時会を開き、病院の廃止と診療所設置を定める条例案を賛成多数で可決し、同病院の診療所化が正式に決まった。国保平川診療所は早くて6月を目標に、院長となる常勤医の招へいと準備が整い次第、診療再開を目指す。
 診療所転換関連条例案の提案理由で、外川三千雄市長は医師確保と財政問題が病院存続の障害になったと説明。05年度3億円以上、06年度見込み2億円以上の一般会計からの繰り出しがあり、05、06年度で合計2億6千万円以上の不良債務を抱える見込みを明らかにした上で「今後の一般会計に及ぼす影響は極めて大きい」とし、理解を求めた。
(陸奥新報)

閉鎖病院の医療機器オークション 忠岡町(大阪)
 忠岡町は、町のホームページ(HP)などを通じて、経営難のため3月末に閉鎖した公立忠岡病院の備品売却を始めた。対象は検査・治療機器類やベッドなどで、提示価格の高い順に決定する。HPを通じての申し込み締め切りは9日、運送費は購入者負担。
 病院事務局がなくなり、経理処理などを町企画財政課が引き継いでいるが、HPを通じた購入申し出とは別に、民間病院などから複数の問い合わせが来ているという。町は「できるだけ高く買ってもらい、病院の処理費用に充てたい」としている。
(読売新聞:リンクが切れました)

津島市民病院 医師不足で診療制限、神経内科、患者受け入れ休止(愛知)
 津島市民病院は、内科常勤医師の急減に伴い、今月から診療制限に踏み切った。3月まで12人在籍していた内科常勤医が4月に11人に、5月は9人に減り、さらに7月には8人になる見込みという。
 内科医の急減に伴い同病院は今月から、神経内科での新規の患者受け入れを休止。外来で比較的症状が安定している患者には近隣の開業医を紹介している。
 また、平日時間内の内科の新しい患者については、原則、開業医の紹介状がある人を診察し、2次医療機関に求められる診療、病院でなければできない診療を最優先したいとしている。
(読売新聞)

5月5日

2006. 10. 31妊婦死亡大淀病院 脳出血疑いもせず 意識消失「失神」けいれん「子癇」診断 大阪朝刊社会39
読売新聞に診療記録が掲載されています。
(読売新聞ヨミダス文書館)

11月めどに産科休止 登米・佐沼病院(宮城)
 登米市立佐沼病院(宮城県登米市迫町)の産婦人科が11月をめどに分娩(ぶんべん)の受け入れを休止する見通しであることが1日、分かった。産科の休止は、医療資源の集約化を進めて医師の負担が大きい一人診療を解消する国や東北大の方針を受けた。「現時点で複数の産科医、小児科医を確保できる見通しが立たない」(佐沼病院)と判断した。
 佐沼病院は5つある市立病院の中心で登米医療圏の中核病院。産科休止後は、市内で分娩ができる医療施設は民間診療所1カ所となる。
 同病院の産科は、昨年3月末で常勤医が2人から1人に減ったのに伴い、体制を縮小。経過が順調な地元在住の経産婦のみを受け入れ、月50件前後あった分娩は、月14―18件に減った。
(河北新報)

(3)女性医師と育児 過酷な両立、育休あきらめた 同僚に負い目
 「子供を産んでも働きやすい世の中になってほしい」(横浜市立大病院で) 1・26。わが国の合計特殊出生率は危機的な数値に落ち込んでいる。官民あげて知恵を絞る中、医療現場でも、産婦人科医や小児科医らが厳しい労働条件に耐え、子どもの誕生や成長を支えている。しかし、皮肉にも、そこで働く女性勤務医自身の出産・育児環境ほど厳しいものはない。
(読売新聞)

柏原病院に小児科医派遣 県立こども病院(兵庫)
 小児科の医師不足が深刻な丹波市柏原町の県立柏原病院が四月中旬から、神戸市須磨区の県立こども病院から週二日、医師の派遣を受け、緊急的な診療態勢で臨んでいる。当面は六月末までの臨時的な対応だが、こども病院が単発ではなく、一定期間、他の県立病院を支援するのは初めてという。
(神戸新聞)

リンクスタッフが仲介事業 日本語のできる中国人医師を日本の医療機関に
 転職を希望する医師を医療機関に橋渡しする人材紹介会社、リンクスタッフ(東京都港区)は1日、日本語のできる中国人医師を日本の医療機関に仲介する事業に乗り出す方針を明らかにした。中国の国有人材会社、北京外企人力資源服務(FESCO)との提携関係を拡大し、日本語の話せる中国人医師のデータベースを活用する。日本国内では医師が都市部に偏在し、地方での医師不足が社会問題化しているほか、深刻化する小児科、産婦人科の医師不足にも対応する。
(FujiSankei Business i)

「患者様」ちょっと違和感 「患者さん」に戻す病院も
 「患者様」という呼び方が病院ですっかり定着した。しかし、好きで病気になったわけでもないのに、違和感を感じる人もいる。もともと患者の立場を尊重した医療の実現などを意識して使われ始めた言葉だが、「日本語としておかしい」という指摘もあり、「患者さん」に戻す病院が出てきた。
(朝日新聞)