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車いすを利用するオフィス作業者のための職場環境整備案
By Linda Carter Batiste, J.D. and Beth Loy, Ph.D.

はじめに

目次

I.序

II.環境整備案

III.人間工学

IV. 製品

V.情報資源

*車いすを利用するオフィス作業者のための環境整備の第一歩

I. 序

車いす利用者の、その利用に至る原因は様々であるが、脊髄損傷(SCI)による麻痺が最も一般的な原因としてあげられる。 現在の試算では、脊髄損傷や脊髄機能不全を持つ人は25万〜40万人いるとされています; その82パーセントが男性であることを示している。 傷害の発生率が最も高いのは、16歳から30歳である。 したがって、脊髄損傷を負った多くの人は、社会人の仲間入りしようとするときに、車いすを使い始める。 残念ながら、統計によれば、現在、対麻痺の人で34.4%、四肢麻痺の人で24.3%しか雇用されていない。

アメリカ障害者法(Americans with Disabilities Act、ADA)に加え、これらの統計は、車いすを使う人のための合理的な環境整備について知ることがいかに重要であるかを示している。 合理的な環境整備は車いすを使う人の雇用率を引き上げ、雇用主が能力ある従業員を雇い、これを保持するのを助ける。

雇用主のなかには、車いすの人に環境整備をはかることは費用がかかり難しいと思っている人がいる。 しかしながら、これは必ずしも本当ではない。 環境整備の提供は低コストで、かつ実施も簡単である。 JAN(Job Accommodation Network、JAN)が収集したデータは、全環境整備費用の半数以上が500ドル以下であることを示している。 さらに、JANの統計によれば、ほとんどの雇用主は、新入社員を訓練する費用の削減や、保険費用の削減、労働者の生産性の向上などにより、環境整備提供から利益を得たと報告している。

車いすを使う人の環境整備を考えるとき、そのプロセスは障害者当人のインプットを考慮しつつ、個別対応で実施されなければならない。 車いすの人はさまざまな能力をもち、さまざまな制限を抱えているため、これを考慮しなければならない。 また、会社ごとに異なる基本的職務権限を定義する必要があり、問題のある職務も特定しなければならない。

車いすを使う人は多種多様な能力と制限をもっているため、可能な環境整備ニーズを一般化することは難しい。 だが、以下に示す頁は、検討すべき有益な質問、一般的な制限に関する基本情報、環境整備の可能性、車いすを使う人のための人間工学を示すことによって、良き出発点を提供することができるはずである。 これは参考例に過ぎません; これ以外にも環境整備法は無数にあります。 特定の環境整備案が必要な場合は、JAN 1-800-526-7234(V/TTY)に電話をしてください。 他の情報源については文末の問い合わせ先表を参照してください。

II. 車いす使う事務職員に環境整備をはかるためのアイデア

A.検討すべき質問

1. 車いすを使っている人はどんな制限をもっているか

2. これらの制限は本人とその人の職務遂行能力にどの程度影響を与えているか

3. その人は車いすの補助なしに立つことができるか、歩くことができるか イエスならば、補助なしでどのくらい立っていられるか、歩けるか

4. その人は上肢の全部または一部を使えるか、あるいは全く使えないか

5. 具体的にどの職務課題に問題があるのか

6. それらの問題を解消するために、どのような環境整備案があり得るのか? 環境整備の候補案を決定する際に、Job Accommodation Networkなどのリソースはすべて活用されているか?

7. 環境整備を実行に移した後、患者が環境整備の効果を評価し、追加の環境整備が必要かどうか判断する機会を与える機能は働いているか?

8. 上司や同僚への、車いす利用者についての講習は必要か?

B.環境整備に関する検討事項

1. 日常生活の活動

車いすを使う人は勤務中もパーソナルケアの支援を必要とする場合がある。 雇用主はパーソナルケアを提供する責任はないが、雇用主は車いすを使う従業員がパーソナルケアのニーズを満たすことができるように、一定の環境整備をはかる責任を負う。 次に示したのは、こうしたパーソナルケアのニーズと可能な環境整備の具体例である:

【大きい青い三角形弾丸】 勤務中に、トイレ、身づくろい、食事の手伝いをする付添い人を付けることを許可する
【大きい青い三角形弾丸】 体位の交換、トイレ、身づくろいの必要を満たすために、定期的に休憩をとることを許可する
【大きい青い三角形弾丸】 柔軟なスケジューリング
【大きい青い三角形弾丸】 医療ケアに病気休暇を使う
【大きい青い三角形弾丸】 介助犬や盲導犬を職場に連れてくることを許可する

2. 作業環境

車いすを使う人はその制限に応じてさまざまな障害に遭遇する。 以下に掲げたのは、その障害と可能な環境整備の例ある:

【大きい青い三角形弾丸】 車いすを使う人が快適に働くことができるように、高さを調節できる机やテーブル
【大きい青い三角形弾丸】 縦型ファイルキャビネットの上段と下段の引出しに手が届かない人にも利用可能なファイリング・システム
【大きい青い三角形弾丸】 上段と下段の棚や引出しに手が届かない人のために、一番利用しやすい棚や引出しに事務用品や頻繁に使用する物品を置く
【大きい青い三角形弾丸】 紙を操作できない人のために、ページめくり機と見台を用意する
【大きい青い三角形弾丸】 筆記用具を握ることができない人のために、筆記支援用具を用意する
【大きい青い三角形弾丸】 利用しやすい事務機器、例えば、車いすを使っている人が座った位置から利用できるようなコピー機やファックス機
【大きい青い三角形弾丸】 人の制限と嗜好に応じて、音声認識拡声器付き電話、大型ボタンの付いた電話機、自動ダイアルシステム、音声メールシステム、及び/またはマイク付きヘッドホン
【大きい青い三角形弾丸】 人の制限と嗜好に応じて、音声認識、モールス信号登録、トラックボール、キーガード、代替キーボード、及び/またはマウススティック

3. 職場環境

車いすを使う人は個人の座席に到達する前にさまざまな障害に遭遇することが考えられる。 以下に掲げたのは、その障害と可能な環境整備の例ある:

【大きい青い三角形弾丸】 車を運転できない人が公共交通機関を利用できるような柔軟なスケジューリング
【大きい青い三角形弾丸】 車を運転する人に便利な駐車スペース
【大きい青い三角形弾丸】 駐車場から建物に入るまでのルートを利用しやすくする
【大きい青い三角形弾丸】 利用しやすいトイレ、ランチルーム、休憩室など。
【大きい青い三角形弾丸】 個人の座席までの移動経路を利用しやすくする
【大きい青い三角形弾丸】 職場までの輸送手段が利用可能でない場合、自宅勤務

4. 出張

車いすを使う人は通勤中に多くの障害に遭遇することが考えられる。 以下に掲げたのは、これらの障害の例である:

【大きい青い三角形弾丸】 利用しやすい輸送手段
【大きい青い三角形弾丸】 利用しやすい宿泊施設
【大きい青い三角形弾丸】 利用しやすい会議室/研修場所
【大きい青い三角形弾丸】 移動先に医療用品/車いすの修理用品の用意
【大きい青い三角形弾丸】 個人の付添い介護

C. 単純な環境整備のシナリオ

メディカル・トランスクリプショニストが負傷して下半身不随となった。 雇用主はトランスクリプショニストが引き続き働けるように、(足の代わりに)手で制御できる転写機を購入した。

下半身不随となった従業員が、新しい事務用什器を購入する余裕のない小企業で働いていた。 従業員は今ある机の脚の下にブロックを置くという環境整備を受けた。

対麻痺をもつ見習いコックが立ち作業を伴う広い調理場に採用された。 雇用主はそのコックが立ち作業と同じ高さで作業できるよう立脚式車いすを購入した。

車いすを使う人が市場アナリストとして採用された。 彼女の職場は利用しにくい建物の2階にあった。 雇用主は自動ドア、2階までのエレベーターを設置し、トイレとワークエリアを改装した。

車いすを使って大学で働いていた化学の教師に、昇降機能付きの車いすが提供された。 既存の化学実験室は学生が立った高さで使うように設計されており、大学は実験室全体を改装することができないため、昇降機能付きの車いすを選択した。

CAD/CAM製図の専門家が四肢麻痺を負い、上肢の使用が制限された。 雇用主は彼が仕事を続けられるように、CAD用に音声で作動するソフトウエアを購入した。

アーチストが四肢麻痺を負い、口で絵筆を使わなければならなくなった。 彼は作業台を調節することができなくなったため、バッテリーで動く調節可能なイーゼルを特注した。

小児麻痺の後遺症を患う会計技術者が車いすを使い始めたが、火災の際の緊急避難が心配であった。 その結果、雇用主は従業員全員の緊急避難計画を策定した。

重い関節炎を患う社会福祉事業の管理者が車いすを使うことになった。 彼女は仕事上、数ヶ所に事業所のバンを運転して行かなければならない。 雇用主はバンを改造してリフトとハンドコントロールを取り付けた。

多発性硬化症を患う資源看護士が、ワークステーションと勤務体制の変更を必要とした。 雇用主はワークステーションを拡張し、調節可能なキーボード台を取り付けた。 さらに定期的に休憩を取ることを認め、疲れを減らせるように、この従業員をトイレと休憩室の近くに移動させた。

D.車いすのエチケット

1. 車いすを使っている人に話しかける場合、そうしていいという許可がない限り、車いすに寄り掛かってはならない。 車いすは個人の私的空間の一部である。

2. 車いすを使っている人が支援を必要としていると決め込んではならない。 支援を提供する前に常に尋ねること。 支援の提供が受け入れられたら、指示を仰ぎ、その指示に従うこと。

3. 車いすを使う人に話しかける場合、連れの人を通じてでなく、その人を見て直接話しかけなければならない。

4. 力を抜き、自然に話すこと。 その人の障害に関連するような"got to be running along"といった一般に認められた慣用句を期せずして使ってしまっても困惑する必要はない。

5. 車いすの人と数分以上話すときは、可能ならば、常に椅子を使うこと。 このことは会話を促進する。

6. 車いすの人に道順を教えるときは、距離、天候、階段、曲がり角、急な坂など物理的障害を考慮すること。

7. 車いすの人を引き合いに出すときは適切な用語を使うこと。 「車いすに束縛された」「車いすに監禁された」といった用語は不適切である。 車いすを使うことは監禁を意味しない。

8. 車いすを使うすべての人が同じ制限を抱えていると想定してはならない。 人はさまざまな理由で車いすを使い、多種多様な制限と能力をもっている。

9. 車いすを使う人が介助犬や盲導犬を連れている場合、それを可愛がったり、一緒に遊んではならない。 介助犬や盲導犬は働いているのであり、それを邪魔してはならない。

10. 車いすを使っている人に挨拶するときは、たとえその人に上肢に制限があっても、握手を申し出るのが適切である。

III. 人間工学

人間工学は、適切な職場環境の設計のために人体の特性を研究する学問です。 本来、人間工学とは、人間の能力を発揮させるためのシステムデザインを中心とした、労働者と職務との間の関係性について言います。 効率的な関係性を持つことができなければ、仕事に関するストレスから、労働者は負傷したり障害を負ったりするかもしれません。 保険費用が高騰し、訴訟費用が急上昇していることもあり、多くの雇用主は自主的に人間工学プログラムを実施している。人間工学に連邦基準はなくとも、職業安全衛生管理局(Occupational Safety and Health Administration、OSHA)が職業安全衛生法(Occupational Safety and Health Act、1970)の第5(a)1項を使って、職場の人間工学的危険を引用している。 第5(a)1項は、「雇用場所は従業員に死や深刻な身体的損害を引き起こす、または引き起こす可能性の高い、認識された危険と無関係でなければならない」と規定する OSHAが雇用主に人間工学的な危険を引証し、「精肉工場のための人間工学プログラム管理指針」(Ergonomics Program Management Guideline for Meatpacking Plants)を発行しているものの、職場の度重なる外傷性障害に歯止めをかけることが、雇用主にとって高い関心事であることに変わりない。

OSHAが全国的な人間工学基準を提案しているものの、現在のところ、事務職員の人間工学に関する具体的な連邦政府の要件は存在しない。 しかしながら、職場における人間工学的な危険の問題に対処しようという試みがいくつか行われている。 例えば、米国標準規格協会(American National Standards Institute、ANSI)は任意の指針を開発することによって、度重なる業務上の外傷性障害を抑えようと努めている。 また、独自に規制法を実施している州もある。 例えば、カリフォルニア州は人間工学基準を可決し、ノースカロライナ州は法案を起草している。 両州とも職場評価を扱っている。 現在のところほとんどの州で義務づけられていないが、人間工学は職場の安全を拡大させ、労働者の補償費を削減し、生産性を高めることによって、雇用主を利することができる。 人間工学プログラムを実施する利益はすべての事務職員に適用されるが、障害をもつ従業員を受け入れるときに、派生的傷害を防止する上で特に重要である。 アメリカ障害者法(Americans with Disabilities Act、ADA)は障害のある従業員に環境整備をはかることを雇用主に命じているため、人間工学は雇用主が効果的な環境整備を実施するのを助ける有益な道具となり、アメリカ障害者法にも適合する。

どのような環境整備が効果的であるか決定する前に、雇用主は仕事の基本的機能を知らなければならない。 業務分析は国障害者法では要求されていないが、基本的機能の決定を助けることが可能であり、人間工学的分析にとって重要な前駆物質である。

次に述べる文書は、業務分析実施の一般的な指針を示し、車いすを使う事務職員に環境整備をはかることに特に重きを置きつつ、いかに人間工学分析を実施すべきかを概説する。 労働者、職場環境、作業現場に対する検討事項が強調される。 特に、人間工学的に適切な間隔、床張り材、ドア、保管区域の概要を説明する。 管理統制も扱う。

A.業務分析実施の一般的指針

調査員は仕事をしている個人を観察し、同僚を観察し、個人に面談し、同僚と面談しなければならない。 そのためには
仕事の課題をビデオ、写真、及び/またはスケッチで記録することが絶対に必要である。

1. 目的

【大きい青い三角形弾丸】 その仕事の存在理由は何か その仕事の組織全体の使命に対する特定の貢献を文書で証明すること。

【大きい青い三角形弾丸】 職務遂行能力に必要な職務は何か 職務の数は一般的にその仕事に必要な基本的活動として10以下である。

2. 仕事の環境

a.職場環境

【大きい青い三角形弾丸】 作業環境ではどんな設備が使われているか
【大きい青い三角形弾丸】 作業環境ではどんな設備が使われているか
【大きい青い三角形弾丸】課題の完成にはどんな条件が必要とされているか 条件は物理的条件(熱い/寒い、戸外/屋内、騒音レベル、照明、換気など)と社会的条件(一般大衆との仕事、締め切りのある仕事、単独での作業など)を含む。

b.作業環境

【大きい青い三角形弾丸】 職場環境はどのように整えられているか
【大きい青い三角形弾丸】 労働者はどのように設備や材料を入手し、廃棄しているか
【大きい青い三角形弾丸】 仕事はどのように組織されているか

c.活動

【大きい青い三角形弾丸】 各課題の関係はどのようになっているか もし課題に順序性があれば、その順番を記録すること。
【大きい青い三角形弾丸】 仕事を完成させるには、どのような労働者の動きが必要であるか
【大きい青い三角形弾丸】 どんな安全対策と品質管理措置がとられているか 潜在的な作業場の危険と、それらを排除するために講じられる対策を記録すること。

B.人間工学分析を実施するための一般的指針

以下の情報は、オフィスで車いすを使う人のための人間工学に関する指針を提供する。 移動補助器具を使う個人のために人間工学を実施する場合、車いすとその利用者はひとつのユニットと見做さなければならない。 移動補助器具の種類は、電動式か手動式車いすかにかかわらず、何が「人間工学的」であるかを変える可能性がある したがって、人間工学分析の第1段階は母集団を定義することである。 障害をもつ個人に人間工学的原則を実施する場合、目標母集団が一人というケースもある。 職場の環境整備問題を扱うときは、優れた人間工学を確保するために、場所と支援技術の設定に特に注意を払うべきである。

1. 労働者

【大きい青い三角形弾丸】 どんな心理社会的因子が労働者に影響を与えているか もし個人が一人で働いている、パーティションで区切った小部屋で働いている、孤立して働いている、職場環境に自由を行使できる(すなわち、ラジオの使用、装飾など)ならば、これを文書で記録すること。

【大きい青い三角形弾丸】 どのような種類の個人用保護具が使われているか 手袋、安全眼鏡、呼吸用保護具、靴、バックベルト、手首固定器具などの種類を記録すること。

【大きい青い三角形弾丸】 被験者の人体計測データはどのようになっているか 被験者の身長; 目、肩、膝の高さ; 腕の長さ; 足の長さ; ウエストのレベルを記録すること。 人体計測データは、さまざまな母集団について、妥当な到達要件と空間要件を明らかにするために使われる。

アクセシビリティと適切な人間工学的位置決めに関する一般的指針は、「アメリカ障害者法アクセシビリティ指針(Americans with Disabilities Act Accessibility Guidelines)」から入手できる。 一般的に、人体測定データは母集団の最小メンバー(5パーセンタイルの女性)と母集団の最大メンバー(95パーセンタイル男性)に適合する職場環境の設計に使われる。 しかしながら、この範囲の外に置かれた人々の大半が障害をもつ人たちである。 このことは人間工学の設計は状況に左右され、個別対応で決定されることを意味する。 よって、車いすを使う個人に環境整備をはかる際は、分析が一般的なユニバーサル・デザインの限度に優先しなければならない。

2. 作業環境

【大きい青い三角形弾丸】 労働環境の規模はどのくらいあるか コンピュータのモニター画面の上端は操作者の目の高さとし、机の上に快適に見える距離に置くべきである。 調節可能なモニターアームでの位置変えもひとつの選択肢である。 モニター画面は、上端を目の高さにして、椅子の直接正面、ワークステーション・ニー(workstation knee)の中央に置くものとする。 スクリーンの高さは33から42インチまでとし、モニタースクリーンの角度は0から7度、見える距離は18から28インチとすべきである。

【大きい青い三角形弾丸】 キーボードは、操作者の姿勢が快適だと感じられるほど十分低く設置されているか 手首の中立的な姿勢を維持し、キーボードに軽いタッチを使うことが重要である。 上腕は床と並行な前腕の両側にゆったりと構えるものとする。 キーボードの高さは25から31インチとすべきである。

【大きい青い三角形弾丸】 作業台は利用者に作業台の高さや角度を調整する能力を与えているか 作業台は労働者がバランスを取るために寄りかかれるほど頑丈なもので、作業台の角や端は丸くなければならない。 作業台の高さは座った位置で25から34インチ、立ち位置で33から45インチとする。 作業台の厚さは2インチ以下、膝が入るスペースは幅30インチ、深さ19インチとすべきである。

【大きい青い三角形弾丸】 どんな設備が固定され/移動可能であるか、労働者との関連上、設備はどこに設置されているか

【大きい青い三角形弾丸】 一般的環境因子はどうなっているか 騒音レベル、床張り材、照明、空気の質を記録すること。

【大きい青い三角形弾丸】 気温が両極端になることはあるか 労働者が75度以上、50度以下の気温に曝されている場合は、文書に記録すること。

【大きい青い三角形弾丸】仕事は反復性で持続的な激しい活動を含んでいるか 仕事が長時間の淀んだ姿勢、反復性の動き、全身を使う激しい活動(持ち上げる、押す、引くなど)を伴うかどうかを記録すること。

【大きい青い三角形弾丸】 ペースセッティング(pace setting)はどうなっているか 身体のどの部分が使われておらず、体のどの部分が定常運動の状態にあるか記録すること。

【大きい青い三角形弾丸】仕事は重力、摩擦力、反作用の力といった力強い激しい活動を伴うか 必要とされる引き上げ、移動、回転、及びこれらの力強い活動は、全身、上肢、下肢と関連するかどうかを記録すること。

【大きい青い三角形弾丸】 不自然で苦しい姿勢の持続時間と頻度はどうなっているか

不自然で苦しい姿勢
手/手首:
曲(左右に)、伸張(上方屈曲)、逸脱(外部屈曲)、肘:90度を超える屈曲、腕の回転、肩、頭上で手が届く範囲、背面に手が届く範囲、身体の前面で手を交差できる範囲、首:30度を超える前屈と伸張、胴体:20度を超える曲げとひねり。

【大きい青い三角形弾丸】 ぎらつきはパネル・ディフューザーやグレア・スクリーンで拡散されているか 調光器付きの照明が役に立つはずであり、調節可能なブラインドも過剰な太陽光を漸減することができる。

【大きい青い三角形弾丸】 快適な温度変化や適切な循環のために、職場環境の空気の質を検査しているか

3. 職場環境

a.スペーシング

【大きい青い三角形弾丸】 電動支援テクノロジーを使う労働者のために、作業スペースを追加し、コンセントを余分に用意しているか

【大きい青い三角形弾丸】 通路が閉鎖されていないか つまずきや落下の可能性を排除するために、障害物が置かれた通路はオープンにしなければならない。 【幅少なくとも36インチの旅行(階段のない)の少なくとも1つの明確な経路、最低60インチある2方向に開いたホールや,32インチの通り抜けできる戸口を除き,幅36インチ以上の(階段のない)障害物のない通路を少なくとも1ヶ所設けるべきである。】 ドアの前後ろに60インチ以上の障害物のない水平な床面積と、ドアのラッチ側に18インチの余裕をみるものとする。

【大きい青い三角形弾丸】 どのくらいの操作スペースが利用可能であるか 職場環境と保管区域に最低30インチ×48インチの操作スペースを提供すること。

【大きい青い三角形弾丸】 職場環境は車いす利用者を収容するほど十分広いか 作業台と作業台の間に48インチ四方の障害物のないスペースを設けるべきである。

【大きい青い三角形弾丸】 入口、作業領域、休憩室、事務機器間の距離は最小限に抑えられているか

【大きい青い三角形弾丸】床から80インチ以下にぶら下がっている物体は除去されたか

【大きい青い三角形弾丸】 壁から4インチ以上突き出している物体は除去されたか

b.フローリング

【大きい青い三角形弾丸】 滑らないフローリング材が確保されているか

【大きい青い三角形弾丸】 適切な滑り止めのトレッド、手すり、検出可能な警告が設置されているか

【大きい青い三角形弾丸】カーペットのパイルが0.5インチ以上深いものは避けてあるか、摩擦の急激な変化は排除されているか

【大きい青い三角形弾丸】 壁と床はカラーコントラストがつけられているか

【大きい青い三角形弾丸】 床レベルの変化は視覚的な対照や、構成のコントラストで識別されているか

【大きい青い三角形弾丸】 傾斜路は最小限に抑えられているか、0.25インチ以上上昇している敷居は傾斜が付けられているか

c.ドア

【大きい青い三角形弾丸】 回転ドアは避けてあるか

【大きい青い三角形弾丸】 クローザーは、70度開いた位置から、ドアの前縁から測定して、ドアがラッチから3インチのポイントまで動くのに3秒以上かかるように調節されているか

【大きい青い三角形弾丸】 握りやすいドアのハードウエア、例えば、レバーやプルハンドルなどが、床上36から48インチに設置されているか

【大きい青い三角形弾丸】 戸口に32インチ以上の水平で障害物のないスペースがあるか

【大きい青い三角形弾丸】 蹴板は床上12から18インチに設置されているか

【大きい青い三角形弾丸】 ドアの内側と外側に60インチ、ラッチ側に18インチの障害物のないスペースがあるか

【大きい青い三角形弾丸】 必要ならば、自動ドアや電動支援ドアが設置されているか

d.保管

【大きい青い三角形弾丸】 材料はどこに保管されているか 材料は床上15インチから48インチの間で、利用しやすい区域に保管されるべきである。

【大きい青い三角形弾丸】 利用し難い引き出しはないか 深さが12インチ以上の引き出しは避けること。 深い収納庫には、回転式トレー、引き抜き式の棚、軸受けスライド式の全開引出しを採用すべきである。

【大きい青い三角形弾丸】 手の届きにくい材料にはラベルが貼ってあるか 材料には見やすいラベルとカラーコードを添付すべきである。

【大きい青い三角形弾丸】 電線がぶら下がっていないか 垂れている危険な電線は視界から隠すべきである。

【大きい青い三角形弾丸】電気のコンセントは利用しやすいか 電気コンセントは床上15インチ以上に設置すべきでる。

【大きい青い三角形弾丸】 材料を輸送および移送するための車輪つきの収納庫があるか

【大きい青い三角形弾丸】キャスターは床の仕上げ材に見合っているか

【大きい青い三角形弾丸】 品目は可能な限り最も「利用しやすい」場所に置かれているか 収納庫は引くより押す、運ぶより引く、下げるより運ぶ、持ち上げるより下げる形に位置づけること。

e.その他

【大きい青い三角形弾丸】 利用しやすい救助支援区域が確立されているか

【大きい青い三角形弾丸】 利用しやすい水のみ場が提供されているか

【大きい青い三角形弾丸】 自動販売機の前面または側面通路に障害物のないスペースが設けられているか 自動販売機は利用しやすい手の届く範囲にあるか(側面の通路で最低9インチ、最大54インチ、前面の通路で最低15インチ、最大48インチ) 自動販売機は利用しやすい経路に設置されているか

4. 統制管理

【大きい青い三角形弾丸】 従業員は人間工学の原理について適正な研修を受けているか 研修は、適切な持ち上げ技術、適正な維持管理、設備の正しい使用を含めるべきである。すなわち、個人は中立の作業姿勢を維持し、必要な反復性活動と最小限の力で使うものとする。

【大きい青い三角形弾丸】 従業員は休憩時間をとっているか 眼の負担を和らげるために、いったん作業から目を離して遠く(少なくとも25フィート以上)を見たり、まばたきの運動をすることも必要。 休憩時間には、肩をすくめる、首を回す、足首を回す、足を伸ばす、両手を上に上げて伸びをする、手を振る、指を広げるなど、簡単で手短な運動も含まれる。

【大きい青い三角形弾丸】 個人の課題は変化に富んでいるか 個人は45分ごとに姿勢を変える、すなわち、右手と左手の間で課題を分配する、集約的な細かい運動操作と全体的な運動操作を交互にする、座る姿勢と立ち姿勢を変えるなどの措置を講じるべきである。

5. 用語解説

蓄積外傷疾患(Cumulative Trauma Disorders、CTDS): 身体の度重なる激しい活動や動きによって引き起こされ、誘発され、または悪化する筋肉腱-骨-神経系の疾患。 CTDSは長時間の連続使用や圧力によって引き起こされる、腱、筋肉、敏感な神経組織の磨耗と亀裂が原因となって起こる。 不慣れな作業習慣や不適切な作業空間の設計によって影響を受ける体の部分は、手首、手、肩、背中、首と目である。 蓄積性外傷疾患は、特徴の似通った複数の障害の総称で: 反復性外傷疾患、過使用症候群、局部性筋骨格障害、職業性疾患などとも呼ばれます。

CTDの具体例

滑液嚢炎(Bursitis): 滑液嚢炎は、嚢、すなわち液体を含み、関節の摩擦部分に位置する閉じた袋の炎症をいう。

手根管症候群(Carpal Tunnel Syndrome、CTS): 手にちくちく刺す痛みとしびれ感を引き起こす疾患。 灼熱痛や手先の器用さの低下、場合によっては手の麻痺などを引き起こすこともあります。 CTSの原因は、手首、手根管、親指と最初の3本の指につながる枝骨に見られる腕輪状の骨格を通って走る正中神経の圧縮である。 手根管の腱が肥大して神経を締め付ける。

肘部管症候群: 肘の尺骨突起部を打ったときの痛みと同様に、肘部管症候群は肘を横断する尺骨神経に影響を与える。 尺骨のあたりというのは、もっと正確に言えば、肘の内部を通る尺骨神経が、肘部管と呼ばれる管の中に収まっている部分のことです。

ド・ケルヴァン病(DeQuervain's Disease): ド・ケルヴァン病の痛みは、親指のちょうど上にある手首と前腕の一面で炎症を起こした腱(及び腱骨膜と呼ばれる腱の皮膜)に起因する。

上顆炎(Epicondylitis): 時にテニスエルボーと呼ばれることもある外側上顆炎は、ブラシやローラーでペンキを塗る、チェーンソーを使う、連続して多種類の手持ち式用具を使うといった過剰な活動の結果生じる。 内側上顆炎(medial epicondylitis)は、時にゴルファーエルボーとも呼ばれ、かまで木を切る、チェーンソーを動かす、連続して多種類の手持ち式用具を使うといった活動に起因する。

ガイヨン管症候群(Guyon's Canal Syndrome): ガイヨン管症候群は一般的な神経圧縮で、ガイヨン管と呼ばれる手首の管を通る尺骨神経に影響を与える。 この問題は手根管症候群と似ているが、全く違う神経が絡んでいる。

衝撃症候群/回旋腱板症候群: 肩さきと肩の回旋腱板との間に隙間がなくなった結果起こる。 腕を上げるときに、肩峰周辺では腱がスムーズに動いているのが普通ですが; 腕を上げるたびに、腱と肩峰の間にある滑液包と腱の間に、軽い引っ掛かりを生じることがあります。 この摩擦または圧迫する行為は、衝撃と呼ばれる。 腕を上げる作業や物を投げる動作などを反復的に繰り返すことで起こります。

交差症候群(Intersection Synderome): 2つの筋肉が下に横たわる手首の2つの腱を横断または交差する前腕の親指側に影響を与える。

顔面筋疼痛症候群/顎関節症候群: 頭蓋骨の下顎(下顎骨)と側頭骨の間にある関節の疾患である。 症状の例として、目のかすみや鼻の障害、下顎、頭、首、肩、耳などの痛みが挙げられます。

橈側管症候群(Radial Tunnel Syndrome): 橈側管症候群は肘下すぐの前腕に痛みを引き起こす。

腱炎(Tendonitis): 腱が炎症を起こした状態。

腱骨膜炎(Tenosynovitis): 外傷、酷使、感染症などによって起こる、腱鞘の炎症です。

ばね指(Trigger Finger): 腱は指や親指を手のひら側に曲げる働きをするため、ばね指と親指は腱の動きに影響を与える。この動きは屈曲と呼ばれる。

胸部出口症候群(Thoracic Outlet Syndrome、TOS): 肩、腕、手に影響を及ぼす。

一般的語彙

外転(Abduction): 身体の中線から離れる動きで、四肢と矢状面の間の角度を増す。

内転(Adduction): 身体の中線に向かう動きで、四肢と矢状面の間の角度を減らす。

人体測定学(Anthropometry): 大きさ(例、身長)、幅(例、肩幅)、解剖学的ポイント間の距離(例、上腕の長さ)など、人の身体的特徴の範囲を調べる学問。 この情報は人と職場環境を最適に適合させるために適切な大きさを決定する上で重要である。

動力計(Dynamometer): 筋肉の収縮力を測定する装置; 例えば、握力計は握り締める力を測定する。

筋電図法(Electromyography、EMG): 電子機器を使った筋肉動作の研究(例えば、筋肉を収縮させることによる活動電位)。

伸張(Extension): 人が静止して立っているときの四肢と背中の関節の位置、もしくは、この位置を回復しようとする動きの方向。 屈曲の反対。

屈曲(Flexion): 関節の曲げを伴い、それによって骨同士の角度が減じる動き。 伸張の反対(肩の部分を除く)。

力(Force): 体内組織に対する労作の効果(例、引き上げ時に脊髄板にかかる圧縮、つまみ握りによる筋肉/腱単位内の緊張)または身体の外部にある物と関連する身体的特徴(例、箱の重さ、道具を作動させるために必要な圧力、2つの品をつまむのに必要な圧力)。

角度計(Goniometer): 関節で接続される身体の2つの部分の角度と角度運動の範囲を測定する装置。

握り(Grip): 一般的に物体を操作するために、力の適用を伴う物体と手の一致。

モーメント(Moment)(Torque): 力の大きさと、力の作用線から回転軸までの垂直距離の積。

姿勢(Posture): 仕事を遂行するときの身体の位置。

回内(Pronation): 手のひらを下に、手の甲を上にして、両手がうつ向きになるように、矢状面に向かって曲げた前腕を回す行為。

心理社会的(Psychosocial): 心理学的および社会的効果を生み出す要因。

関節可動域(Range of Motion、R.O.M.): それぞれの自由度に応じて、関節が平行移動および回転する範囲。

回復時間(Recovery Time): 休息、ストレスの低い活動の遂行、緊張した体の部位を休息させる活動の遂行の時間数量化。

反復(Repetition): 課題中に遂行された類似努力の時間数量化。

局所振動(Segmental Vibration): 手が振動に接触しつづけると、手/指の血管機能不全を引き起こしうる (レイノー病や白蝋病)

静的な力の発揮(Static Exertion): 長時間ひとつの姿勢位置から課題を遂行すること。

回外(Supination): 手のひらが上を向いているように、曲げた前腕を外側に回す行為

IV. 製品

製品の概要と製造供給元を利用する際は、個別の製品リンクをクリックすること。 車いすを使う人に環境整備を図る目的に利用できる製品が多数ある。 以下のページはそうした製品のいくつかについて具体例を提供する。 また、一部の製品についてはこれを提供する業者のリストを提供する。 JANの製品データベースからの業者情報であるが、完全なリストではない。 これらのリンクの大部分はSOARの業者リストサイトに直接つながっている。 SOARサーチを始めるには、以下を見てください: http://www.jan.wvu.edu/soar 。 あるいは、一般的な業者リストに直接つないでください。

A.日常生活の活動

1. 食事の支援
2. 身づくろいと着衣支援
3. 車いす付属品
4. 環境管理

B.作業環境

1. コンピュータ関連

a.代替インプット装置
b.キーガード
c.音声認識
d.タイピング支援

2. 利用しやすい職場環境

a.オフィス
b.工場

3. 保持力支援用具

a.ページめくり機
b.書見台
c.マジックハンド
d.筆記支援用具

C.職場環境

1. 自動ドア
2. 車いすのリフト
3. 階段昇降機
4. スロープ
5. エレベーター

V. 問い合わせ先リスト
(完全なリストではありません)

車いすを使う事務職員のための環境整備供与プロセス

Step 1:
職務遂行能力に必要な職務は何か またどんな制限が職務遂行能力を妨げているか

Step 2:
どんな職務が問題であるか

Step 3:
これらの問題のある職務を減らす、または排除する上で、どんな環境整備が利用可能であるか

Step 4:
仕事を遂行する方法は修正が必要であるか また施設は改修する必要があるか

Step 5:
仕事及び/または施設を修正することは可能であるか
もしイエスなら、仕事及び/または施設を修正すること。 もしノーなら、個人に環境整備を図るような製品やサービスが存在するか イエスなら、製品やサービスを購入すること。 ノーなら、個人に環境整備を図るために、既存の製品を修正する、または新しい製品を設計することは可能であるか イエスなら、既存の製品を修正する、または新しい製品を設計すること。 ノーなら、状況を再評価しなければならない; 他に採りうる配置の可能性はあるか

すべての段階で、環境整備を維持し、更新すること:

【大きい青い三角形弾丸】 環境整備は効果的であるか
【大きい青い三角形弾丸】 適切な訓練や教育が提供されたか
【大きい青い三角形弾丸】 その他に環境整備が必要であるか
【大きい青い三角形弾丸】 人間工学が検討されたか
【大きい青い三角形弾丸】 従業員と管理者が意思疎通を図っているか
【大きい青い三角形弾丸】 検討すべき心理社会的因子はあるか
【大きい青い三角形弾丸】 従業員の制限または職務に変更があったか

 

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障害者雇用政策局のサービス, アメリカ労働省

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