第7回オートプシー・イメージング学会学術集会 開催記

日本大学医学部社会医学系法医学分野
大会会長 内ヶ崎西作

2月6日(土),日大医学部板橋キャンパスにて,第7回オートプシー・イメージング 学会・学術集会を無事開催することが出来ました。他の幾つかの学会と日程が重なって おりましたし,新潟など日本海側では記録的な大雪となり,東京でも風の強い寒い一日 でしたが,北は北海道,南は沖縄まで,150名を超す皆様が日本全国からご参加頂きました。 まずは心から御礼申し上げます。

午後1時からの総会議事に引き続き,1時半から学術集会が行われました。第1部の 「Aiシステムの導入に関して」(座長:重粒子医科学センター病院 江澤英史先生)では, 各施設や救急医学会の取り組みの他,今後運用が開始されるという「Ai情報センター」 の紹介がありました。第2部の「救急・院内死亡例でのAi-診断手法・診断精度-」 (座長:新潟市民病院 高橋直也先生)では,造影CTを使った新たな診断技術開発・評価や, 画像診断の限界,臨床診断・画像診断・解剖診断の乖離等,臨床の場で接する問題点が 議論されました。第3部の「病態・死後変化と画像」(座長:日本大学医学部放射線医学系 高橋元一郎先生)では,死後変化や病態に伴う画像の変化に関するホットな演題3題に, 質疑応答にも熱が入りました。「ここが知りたかった!」と誰もが思うような,いずれも すばらしい内容の12の演題でしたが,特に長谷川 巌 先生(東海大学法医学)の演題では 死後1時間毎のCT画像上の変化をご呈示頂き,思いもよらぬ変化が起きていることに 聴衆の誰もが釘付けになりました。特別講演は 飯野守男 先生(大阪大学法医学)に 「法医学分野における画像診断~諸外国の取り組み」をお話頂きました。法医学領域に 限定されますが,海外の死体の画像診断への取り組みを拝聴することが出来ました。 CTとMRIが法医解剖室に設置されたコペンハーゲン大学の例は日本での法医学施設での CT設置例に近いものでしたが,画像を科学捜査に応用するテクニック(ベルン大学の Virtopsy チーム)や大規模災害への画像診断の応用の実例(ビクトリア法医学研究所)は, 死因究明だけが目的とされがちな「Ai」の概念に慣れ親しんだ私たちにとっては目から鱗でした。

Ai学会に参加している各分野が,その分野の特長を出した大会を,持ち回りで開催すること になり,今年はその第1回目でした。法医学の分野における死体の画像への取り組みやその 意義,そして「Ai」の問題点を少しでもご理解頂けるよう,工夫を凝らしたつもりです。 死体の画像診断については,分かっているようで実はまだまだ分かっていないことが 沢山あります。「読影は放射線科医が…」とか「法医学の画像診断は…」という主導権争い のような議論をするのではなく,各分野がそれぞれ専門の立場で死体の画像に取り組み, お互いに補完しあって残っている問題点を学際的に解決していくことが一番必要なのです。 こういうことを少しでもご理解頂けたのであれば,今回の学会は成功であったと思います。

来年の大会は放射線科の当番となり,理事長の山本正二先生が大会会長の労を執られます。 バトンを山本先生に渡して,私の役目も終わりとなります。最後になりますが,Ai学会員の皆様, そして大会の企画・開催・運営に対してご協力をいただきました各方面の皆様には,再度, 厚く御礼申し上げます。ありがとうございました。(文責 内ヶ崎西作)