第5回オートプシー・イメージング学会総会を終えて

中島孝(群馬大学大学院医学系研究科・応用腫瘍病理学 教授)

2008年2月2日の土曜日に東京船堀にある「コラボ産学官プラザ」でAi学会を開催させて頂きました。私の所属が群馬大学なのに、なぜ、東京船堀で、開催するのかについては、2つの理由があります。前橋市で行う事になると、参加者が少なくなると考えたことがまず1つ、2つ目は、ここ船堀には「コラボ産学官プラザ」という幾つかの国立大学法人が運営する施設があり、群馬大学の「東京オフィス」もここにあり、さらに、小さな学会が行えるホールも完備、安価で利用できるという利点があったからです。当日は、用意した椅子もほぼ埋まり、盛況裏に学会を終了することができ、会員ならびに関係者の方々に改めて感謝する次第です。翌3日には東京に大雪が降り、3日でなくてよかったと胸をなで下ろしてしまいました。

学会運営については、無駄を省き、内容を充実させることに心掛けました。外国の学会で行っているように、スライドの動作は自分でコンピュータを動かして行っていただきました。学会内容については、まず、塩谷先生の司会で、第一部、「Aiの実際」についての4演題が発表されました。第二部、「社会制度としてのAi」は海堂先生の司会で、4演題が発表され、特に、解剖とAiとの関係、医療紛争やADRにおけるAiの活用、さらにはAiセンター創設等に関して、熱い討論が繰り返され、通常の学会よりも熱気あふれたものとなりました。多くの方々が熱心に討議を重ねることにより、Aiの考え方や今後の進むべき方向性についての合意形成がなされていったように思われました。そして、千葉大学の山本先生による特別講演「Aiセンターが拓く医療社会の未来」、さらに私の追加発言「日本医師会におけるAi活用に関する検討委員会の試みと報告」が終了した頃には、5時30分近くになって、予定時間を大幅に超過しておりました。最後に、第6回Ai学会会長の千葉大学、張ヶ谷教授から閉会の言葉をいただいて無事閉会することができました。

この学会を主催してみて、Aiの活用が現在の社会に必要であることを痛感し、社会もその活用を望んでいることが、新聞社をはじめとする多くの報道関係者の参加によって感じとることができました。今後のAi学会の発展を祈念致します。