オートプシー・イメージング学会 理事立候補 抱負

(五十音順)

慶應義塾大学医学部法医学教室 飯野守男

2012年2月にAi学会理事に選出され,法医学に従事する唯一の理事としてこれまで活動してまいりました。
その間,大阪大学法医学教室において法医解剖例全例にAiを施行するというシステムを構築し,その有用性を訴えてきました。
実務面においては捜査関係者へ実際の画像と解剖見せながらAiの有用性を説明し,その結果,Aiが事件解決,公判の維持に貢献した事件も少なくありません。教育面では医学部学生の法医学実習にAiの読影を取り入れ,将来医師となる学生にその必要性を理解させ,Aiの裾野が広がるよう努めてまいりました。研究面ではAi学会をはじめ,国内外の法医学関連学会で発表を行い,Aiの普及に取り組んできました。
2013年7月からは,慶應義塾大学法医学教室に異動となり,新たにAiシステムを立ち上げるべく努力しております。
今後もますますAiが普及していくと思われるため,法医学関係の会員を代表するつもりでAi関連の活動に従事する所存ですのでよろしくお願いいたします。

亀田メディカルセンター救命救急科 部長 伊藤憲佐

微力ではありますが、臨床現場で必要とされるAiを目指して活動してこれたと思います。
今後とも、Aiで得られる画像所見と臨床情報との対比を重点に活動をしていこうと思います。

社会保険横浜中央病院 病理診断科 桂 義久

病理学分野からのAiの啓蒙活動を行うとともに夏期(2014年からは冬期)症例検討会を開催し世話人として症例発表、症例検討の場を提供して行きたい。
また自身も積極的にAiの勉強会、症例検討会に参加し関東だけではなく全国各地での症例検討会・勉強会の立ち上げに協力していく所存である。

三重大学医学部附属病院 Aiセンター/医療安全・感染管理部
部長/教授 兼児 敏浩

Aiはその特性と歴史的背景から、画像診断学という純然たる放射線医学領域と死因究明のための社会システム・インフラという二つの要素からなっている。放射線科医でも病理医でもなく、また、直接救急患者に接することも少ない小生は患者安全・医療の質という観点から社会システムとしてのAiに理事として関わってきた。一つは医療安全学の研究者としての取り組みであり、もう一つは、Aiを学際的な視野でその普及や意義についての啓蒙・教育である。
医療安全学の研究者としては、その成果をいくつかの論文や学会で報告を行ってきた。学際的な取り組みについては、多くの医療安全関係の学会・研修会でAiの有用性・必要性に関する発表を行ってきた。その集大成の一つとして、2012年、11月23-24日に大宮ソニックシティーで開催された第7回医療の質・安全学会において、「社会基盤としてのAi(エーアイ、オートプシーイメージング、死亡時画像診断)の必要性」と題したシンポジウムを企画・開催した。この学会は、Ai学会の会員には馴染みの薄い学会であると思われるが、2500-3000人の参加があり、医師・看護師はもちろん、薬剤師・診療放射線技師・臨床検査技師等の医療職のみならず、事務職員や行政・保健所の職員も参加する大きな学会である。成功裏に終わったシンポジウムの詳細についての報告は、Ai学会ホームページで閲覧可能である。更に、国立大学附属病院医療安全協議会においてAiのWGリーダーを勤め、国立大学病院におけるAiのあり方についての取り纏めも行っている。
以上のような取り組みを通してAiの発展のために尽力してきた。来春には診療関連死にかかる第3者調査に関する法案が国会に提出されることが予想される。また、小児死亡事例に対して全例Aiを行うための試験的な施行も近々始まると思われ、Aiの社会的役割は更に増大すると考えられる。
理事に再選されれば、患者安全・医療の質の観点からAiおよびAi学会の学際的な発展に更に寄与していく所存である。

筑波メディカルセンター病院 放射線技術科 小林智哉

私、筑波メディカルセンター病院 小林智哉は、オートプシーイメージング学会の理事に立候補させて頂きます。
 これまで私は、MRIを中心としてAiの研究を進め、平成23年度からは日本診療放射線技師会Ai活用検討委員として活動してきました。理事就任にあたっては、Aiの質の担保および技術の向上に努めたいと考えております。
診療放射線技師は、Aiの撮影者であるため、Aiの質を担保する責務があり、教育が重要だと考えております。専門的な知識を持つ人材を育成していくためにも、日本診療放射線技師会などの講習会の充実を図ります。また、Aiは多学会における連携が重要だと考えており、Ai全体をコーディネイトできる人材の教育にも尽力したいと考えます。
日本は、Aiの技術面において先進的な活動をしているため、世界に向けて情報発信していく必要があると思います。Aiが学術的に成熟していくことが重要と考えており、技師の立場での発表・報告を増やしていきたいと考えます。

日本大学医学部放射線医学系 佐貫 榮一

Aiは、画像診断の発展に伴い益々この有用性が注目される。この面に置いて放射線医学を学んできた知識と経験をいかしたい。

Aiは、死因究明に留まらず、児童虐待・高齢者医療・事故・犯罪などの社会的問題に於いても、此の責務を果しうるもの果たすべきと確信する。
この為にも、Ai診断の制度化(施設の充実・診断医の育成など)に努めたく存じます。

筑波メディカルセンター病院 放射線科 塩谷清司

日常臨床上、特別な検査でなくなる程度にまでAiを普及させる。

新潟大学医学部保健学科 高橋直也

Aiの普及。死亡時CTの診断に関する研究を通して読影基準を確立させたい。

千葉県がんセンター 画像診断部 髙野 英行

2009年以降Ai学会の理事として活動してきた。また、日本放射線科専門医会・医会での死亡時画像診断の啓蒙やAiガイドラインおよびガイドライン改訂版の執筆や学術講演、研究発表などAiの普及を行ってきた。今後もAi学会の理事として、死因究明の推進を図っていきたい。

福井大学・医学部・腫瘍病理学 法木 左近

Ai学会理事の改選につきまして、まことに僭越でありますが、自薦させていただきます。
第11回Ai学会の会長をお引き受けしており、本来ならば、大会長終了後は後進に譲るべきと思いますが、理事としてあと2点ほど道筋を立てなければならないことがあると思っております。
一つは、Ai学会の経営状態と関係しますが、学会誌の発刊についてです。発刊する以上は継続性を考えて、誰が理事であっても継続していける体制を整えたいと思っております。発刊の是非も含めて改めて広く意見を聞き検討していきたいと思っております。
もう一つは、病理学会内でのAiの普及です。今年2014年の4月に開催される第103回日本病理学会総会において、「病理解剖と死後画像 研究会」としてコンパニオンミーティングを開催することが決まりました。厚労省の報告書にありますように、Ai画像と剖検結果との対比検証は継続して検討されるべき課題であり、これに病理医も積極的に関与することが重要と考えます。これを機会Aiに理解のある病理医を病理学会内に増やしていきたいと考えております。

独立行政法人国立病院機構北海道医療センター
救命救急センター 救急科 七戸康夫

日本における来院時心肺停止症例は年間12万件を数え、さらに増加中であります。その中には虐待など事件事故が関与する事案も多く、大部分が地域の救命救急センターを中心とする救急医療施設に搬送されております。しかも一部都市域を除いては監察医制度が敷かれていないため、救急医療においては20年ほど前より非正規な形でCT等による死後の画像診断が施行され、死因判断が救急医の手で行われておりました。その状況は放射線科診断医による24時間の読影体制が構築しえない地域・施設では現在もあまり変化はなく、死体検案書の作成にあたっては救急医が死因の判断をしていることが大部分であります。
この状況を踏まえ、救急医学会としてのAiへの関与が重要である由を学会理事会に提言し、その結果2009年に日本救急医学会は診療行為関連死の死因究明等の在り方検討特別委員会の中にAi作業部会が開設され、私はその委員となり活動してまいりました。
このように救急医療はAiと密接な関係にあり、それはこれからも変わらないと存じます。業績内にも記しました通り、本年私が当番幹事を拝命した日本救急医学会北海道地方会において“救急医療とAi”と称し教育セミナーを開催いたしました。視察した日本救急医学会の行岡代表理事(東京医大救急医学主任教授)からは「大変興味深く、本会にても継続するべく企画するように」との指示を受け、来年度の総会(第42回日本救急医学会総会/福岡)での開催を現在準備中です。
理事となった暁には、救急医療の最前線とAiとの懸け橋となり、臨床現場で働く救急医へfeed backさせるために汗をかく所存でございます。

札幌医科大学医学部法医学講座 特任講師 兵頭秀樹

私、兵頭秀樹はAi学会理事に立候補いたします。
理事になりましら、現在担当させていただいております厚労省班研究(研究代表者 兵頭秀樹)の死後画像診断のためのガイドライン策定につき領域を拡大し、院内死亡の死後画像診断のためのガイドライン策定にも着手し、Ai学会理事や会員各位に参加を募り、全国的な取り組みにしたいと考えております。
また、国内各施設を横断的に取りまとめた多施設共同研究に取り組むとともに、医学放射線学会・日本法医学会との連携強化に努めてまいりたいと考えております。
微力ながら、本会のますますの発展に協力できれば幸いと考えております。

Ai情報センター 山本正二

2003年以降Ai学会の理事として活動してきた。また千葉大学Aiセンター設立やAiガイドラインおよびガイドライン改訂版の執筆や学術講演、研究発表などAiを社会に普及させるために尽力したところである。今後もAi学会の理事として、後進の育成に当たる所存です。