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アメリカ歯科医師会雑誌 要約

(JADA) Vol.106 、 1983 年 5 月 小学校入学前の子供によるフッ素洗口によって 残留するフッ素量 ステファン H. ウエイ . DDS,MDS ミカエル J.カネリス.DDS,MS (前略) この研究の目的は、小学校入学前の子供のフッ素洗口受容能力を調査し、 フッ化ナトリウムNaFによる洗口の後の残留量を決定することである。 その結果は、小学校入学前の子供にフッ素洗口法が推薦されるべきで あるかどうかを決定するのに役立つはずである。 (中略)

討論

(前略 ) 17 人の子供の7%( 8/15)は、洗口液全量を飲み込んでいた、 そして、いわゆる「洗口の出来ない子供たち」の分布は、 表 6 で示しておく。 3歳児の 7 パーセント( 8/115 )は、全量を飲み込んでいた。 洗口能力が完全に年齢‐依存性であるとは限らないように思われる。 フッ素摂取と、エナメルフッ素症 小学校入学前の子供によるフッ素洗口についてのいかなるガイドラインも、 洗口液の大部分または全量を飲み込む子供たちがいるという事実を考慮しな ければならない。 更に、小学校入学前特殊教育施設に通う子供はフッ素濃度がまちまちの 自宅の飲料水を飲んでいるであろう。不幸にも、どのガイドラインの設定も、 フッ素摂取とエナメル質のフッ素症の間の特殊な関係が完全に確立されてい ないという事実によって複雑な問題を抱えているのである。 飲料水のフッ素含有量が増加すると、歯のフッ素症の発生率及び、 重傷度は、増大するが[23]、フッ素の断続的「単独量」摂取の影響 は良く理解されていない。飲料水からのフッ素の摂取よりフッ素の 単独量投与は、飲料水からの同量のフッ素の摂取で起こるよりもよ り高い血漿中のフッ素濃度を引き起こすのである。 アンデルセンとピーブルスは、フッ素の単独量投与による血漿中の フッ素濃度の上昇は、歯のフッ素症の誘因にとって限界であるしきい 値レベルを超過するという仮説を立てた[24]。 単独摂取によるフッ素症の危険は、飲料水からのフッ素摂取(単位当たりの フッ素摂取)による危険性より大きいと示唆されているのは、 この理由のためである。 毎日の洗口液スケジュール (前略)アンデルセンとピーブルスは、フッ素を 「一度に: all at once 」服用することが潜在的に更 に有害であるかもしれないことを示唆したのである[24]。 彼らは、むし歯予防法としてフッ素を与えられている子供 集団を比較した。2.2mgNaF錠剤を与えられている子供たちは、 同じ期間、フッ素化された水を飲んでいた子供たちと比べて、 中等度の歯のフッ素症発生率が2倍大きかった。 (訳者解説:水道水フッ素化よりも歯磨き剤、洗口にフッ素を 使う局所応用の方がフッ素の毒性は強い可能性があるのだ!) (中略) 毎週のフッ素洗口スケジュール 現在、毎週洗口で勧められる濃度は、 0.2% NaF である。 7 mgのこの溶液は、約 7.0 mg F- を含む。潜在的に摂取される F- の量は、おそらく 10.0 μ g/l 以上、一時的に血漿フッ素濃 度を押し上げるであろう。この値は、人間で歯のフッ素症を引き起 こすということが知られている値より大きい。 しかしながら、フッ素の週一回投与の影響は、不明である。 洗口液をほとんど全量飲み込むであろう小学校入学前の子供たちが いて、そのため歯のフッ素症を引き起こす可能性があるため に、この濃度は、この年齢層による使用には推薦できない。(中略)

結論

この研究で、幼い子供が年上の子供より多くの洗口液を飲み込んで いたいうことが分かった。 3−5歳の全ての小学校入学前の子供は、洗口液のかなりの部分を飲 み込んでいた。各年齢層で若干の子供たちは、全量を飲み込んでいた。 洗口液の量が多いほど、洗口時間が長いほど、フッ素洗口液を飲み込 む量を多くしていた。 (中略) 週1回法でおこなう低濃度 ( 0.025% NaF ) のフッ素洗口液の効果を 決定するために、さらなる研究が行われるべきである。(後略)

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