災害医学・抄読会 081024

トリア−ジとは 1定義と歴史

(大友康裕、EMERGENCY CARE 2008年夏季増刊 8-14)



HICS(Hospital Incident Command System)に学ぶ災害時の病院組織の考え方

(大橋教良.救急医学 32: 163-166, 2008)


 HICS(病院有事統制システム:Hospital Incident Command System)はICS(Incident Command System)を応用した病院の危機管理の手法で、災害の種類、規模、病院の大小や災害発生後の時相を問わずに応用可能な汎用性の高いシステムと考えられている。

 英国の災害医療研修コースのMajor Incident Medical Management and System(MIMMS)では災害時の3Tと呼ばれるトリアージ(triage)、治療(treatment)、搬送(transport)の以前に、指揮命令系統の確率、安全の確保、通信手段の確立、起こっている事態の評価の重要性を強調している。

 そして米国医師会の災害医療研修コースであるBasic/Advanced Disaster Life Support(BDLS/ADLS)でも災害発生の確認・宣言、指揮命令系統の確立、安全の確保、危険物の評価、必要な応援要請などがトリアージ以前に重要であることを強調している。

 すなわち、米英の代表的な災害時医療研修コースにおいては「指揮命令系統の確立」と「安全の確保」の重要性が強調されている。

 「災害時の指揮命令系統の確立」とは、「災害時に、その場の状況に応じた役割分担を速やかに決め、情報の流れをコントロールすること」であり、災害時の限られたスタッフのなかで、その時点の責任者、治療班、情報収集班、その他災害医療を行ううえで必要な役割分担を速やかに決めて情報の流れを明らかにし、ただちに災害対応を開始することである。さらに、「災害医療を行ううえで必要な役割分担」と各役割間の「情報の流れ」を系統的に記載したものが「災害時の病院組織図」であり、その組織図に基づき災害時に行うべき事項を定め手順にまとめたものが「災害対応マニュアル」であり、この2つは通常の体制では対応しきれない災害時に、事態が収束するまでの一定期間病院の危機管理を行うための指針である。

 HICSの主要部分は大きくcommand(指揮)、operation(現場)、planning(企画運用)、logistics(後方支援)、finance/administration(経理・管理)の5部門から成り、災害発生時には、この役割分担の中から災害の種類や規模に応じて柔軟に新たな役割の追加や縮小を交えながら、必要なものを必要な時に立ち上げる。

 1) 指揮部門:災害対策に関する最終的な意思決定と責任を持つ部門で、情報・広報、安全管理、他関係施設間調節の責任を持つ。必要により化学薬品や法律家などさまざまな専門家とも連携をする。

 2) 現場部門:治療班や施設班、有害物質担当班、安全担当班、事務機能維持班など具体的に災害対応に関連する業務の多くを含む。

 3) 企画運用部門:災害急性期に患者追跡情報や空床情報、職員配置・追跡情報、文書管理、撤収管理などといった災害対応の進行状況を常時把握・整理する部署である。

 4) 後方支援部門:通信連絡、IT、スタッフの食事提供、職員とその家族の健康管理、必要物資と施設、搬送、応援要員の確保と認証などを担当する。

 5) 経理・管理部門:災害発生の直後には必要とされないが、長期にわたる災害医療活動の際、労働時間管理や、労災対策、物資の調達などを担当する。

 これらそれぞれの役割分担の責任者の集まりを災害対策本部とし、これは 1)災害の喧騒から離れ、2)各種通信回線などが装備された、3)安全な場所に、4)十分なスペースを確保するものでなければならない。

 災害対策(危機管理)は、特に急性期においては基本的に24時間体制であるべきで、「災害対策本部長という役割分担」を交代制にして24時間体制を組まねばならない。同様にその他の役割分担においても適宜交代するべきで、そのためには誰が、何時から、どこで、何を担当しているかという、職員の配置・追跡情報が不可欠となる。HICSでは必要に応じてさまざまな役割分担の追加・増強ができるが、ある担当者が責任をもって管理・担当できる部下や管理すべき部署の数は簡単な業務でも7、複雑な業務でも3までとされている。たとえば医療の現場では外来患者の増加に対しても1人の責任者が担当する治療班の数を3〜7の間でコントロールする必要がある。

 HICSは米国における国家非常事態管理体制とも整合性を持ち、いわば災害対策の標準化ともいうべきものである。一方我が国では、災害時の病院組織の在り方は施設ごとに統一されておらず、議論も十分でない。日米の医療・病院組織に対する考え方相違もあり、HICSをわが国にそのまま取り入れることについてはさまざまな問題があると思われる。しかし、効果的な災害対策ができる病院組織はどうあるべきか、という点に関してHICSから学ぶべきことは多い。


災害現場における自衛隊の役割と他機関との連携

(福井達彦:プレホスピタルMOOK4号 Page 83-93, 2007)


 自衛隊は、自衛隊法第3条により、我が国の防衛のほか必要に応じ、公共の秩序の維持にあたるものとされており、その一環として自衛隊法第83条において、都道府県知事等の要請に基づき災害派遣を行うことができることとなっている。防衛大臣又はその指定する者は、都道府県知事等からの要請があり、事態やむを得ないと認める場合には、部隊等を派遣できる。また、市町村長は、当該市町村の地域に関わる災害が発生し、応急措置を実施するため必要があると認めるときは、都道府県知事に対し、災害派遣の要請をするよう求めることができる。市町村長が災害派遣の要請の要求ができない場合には、防衛大臣またはその指定する者に通知し、通知を受けた者は、都道府県知事の要請を待ついとまがないと認められるときは、要請を待たずに部隊等を派遣することができる。また、防衛大臣又はその指定する者は、災害に際し、その事態に照らし特に緊急を要し、都道府県知事等の要請を待ついとまがないと認められるときは、要請を待たずに部隊等を派遣(自主派遣)することができる。

【自衛隊の災害派遣の内容】

 自衛隊の災害派遣活動は、防衛省防災業務計画に規定されており、災害の内容に応じて、次のような活動を行うこととしている。

a. 災害派遣等準備態勢の強化

 自衛隊においては、災害の発生に迅速に対応するため、全国で災害派遣の初動に必要な人員、航空機、艦艇が災害の発生に際して、24時間、概ね1〜2時間以内に派遣できる態勢を確立している。

b. 連絡員の派遣

 都道府県その他必要な関係機関に連絡員を派遣し、情報の交換、部隊等の派遣等に関して連絡調整を図る。

c. 災害にかかわる第一次情報等の収集・伝達

 震度5弱以上の地震発生との情報を得た場合、当該震度の発生地域の近隣の部隊の長は、速やかに、航空機等により、当該地震の発生地域およびその周辺地域について、目視、撮影等による情報収集を行い、収集した情報を防衛省内部、内閣官房・内閣府等政府部内、都道府県等関係機関に伝達する。その他の災害に関しても、上記に準じて情報の収集・伝達を行う。

d. 災害派遣時に実施する救援活動

 1)被害状況の把握、2)避難の援助、3)遭難者などの捜索救助、4)水防活動、5)消防活動、6)道路または水路の啓開、7)応急救急、救護および防疫、8)人員および物資の緊急輸送、9)炊飯および給水、10)物資の無償貸付または譲与、11)危険物の保安および除去、12)その他

 なお、被災地域における初動対応の時期が過ぎ、本格的な復旧・復興段階に入ったときは、災害派遣を要請した知事からの撤収要請に基づき、部隊等は活動を終結し所属する駐屯地などに帰隊し災害派遣が終了する。

【政府・地方一体となった活動】

 災害救援活動においては、地方公共団体、消防、警察等との密接な連携が非常に重要であるため、日頃から密接な関係を確保することが必要である。そのため自衛隊では、地方公共団体との連携強化を図るため、以下の取り組みを行っている。

1) 地方公共団体が実施する防災訓練への積極的な参加

 毎年、全国すべての都道府県主催の総合防災訓練に自衛隊の部隊が参加している。

2) 災害派遣要請先の都道府県への周知徹底

 各都道府県の窓口となる自衛隊部隊の一覧表の配布により、都道府県知事の災害派遣要請先について都道府県へ周知徹底を行っている。

3) 退職自衛官の地方公共団体防災関係部局への採用

 現在、防災関係業務をはじめとするいわゆる危機管理への対応に知見を有する退職自衛官が、全国の県庁をはじめ地方公共団体の防災・危機管理担当職員として勤務している。

4) 各種災害への対応マニュアルの作成

 平成12年11月に災害の各種類型ごと(都市部、山間部、島嶼部、特殊災害)の対応マニ ュアルを作成し、各省庁、各都道府県に配布し、周知している。

5) 都道府県防災会議委員として陸自方面総監等の部隊長が参画

 発災時に活動拠点を円滑に確保し、効率的かつ効果的な災害派遣活動を行うためには、地方公共団体と平素から調整を行い地域防災計画などにおいて、具体的な自衛隊の災害派遣部隊の活動拠点(例:ヘリポートに使用できる公園など)を予め明記しておくことが有効である。


災害時に特徴的な看護ニーズ 看護ニーズ

(渡邉智恵、南裕子ほか・編:災害看護学習テキスト 実践編、日本看護協会出版会、東京、2007、p.18-24)


1.救命救急活動

 災害時はまず被災状況の確認を行い、医療機関としての意思決定を行う。情報を迅速に収集するとともに、情報を提供していくことが極めて重要となる。

 救命救急活動をするためには 1)救急外来前の広い場所でのトリアージの実施、2)救急処置に必要な器具・物品の準備、3)DOA(Dead on Arrival)への対応、4)遺体のケアとその家族へのケア、5)搬送の必要な負傷者の対応などが必要となる。

2.災害ストレスによる心身への影響

1)災害時の心的反応

  1. 心的外傷

     心的外傷を被った場合は、誰しも心身ともに変調を来して、それまでとは同じように日常生活を営むことができなくなる。心的外傷とは、災害など外界の圧倒的な事態に曝されることによって、著しく自我が脅かされ、こころの安定の基盤である安全感や安心感が覆されること意味する。心的外傷における具体的な心身の症状を表1-1-12に示す。

    表1-1-12 心的外傷における具体的な心身の症状

    情緒的影響ショック、怒り、絶望、感情麻痺、戦慄、罪悪感、悲嘆、焦燥、孤立無援間、現実感喪失、食欲の減退、イライラ感、落ち込み、生き残ったことへの罪悪感
    身体的影響疲労、睡眠障害、覚醒亢進、驚愕反応、身体的愁訴、免疫低下、食欲低下、頭痛、手足のだるさ、筋肉痛、胸の痛み、吐き気、アレルギー症状の悪化、インフルエンザの蔓延
    認知的影響集中力低下、決断力低下、記憶障害、不信、混乱、曲解、自尊心低下、自責、侵入的な思考と記憶、憂慮。他の選択肢を考えたり、優先順位をつけるなどの合理的な判断が難しくなり、1つの考えに固執することもある(特に高齢者)
    対人的影響孤立、社会からの引きこもり、対人関係葛藤の増大、職業上の障害、学業上の障害、家族の中でもちょっとしたことで喧嘩になる、人間関係のトラブルが多くなる、子供の夜尿や指しゃぶり

  2. 外傷後ストレス反応(PTSR:Post-traumatic Stress Response)

     大規模な災害を経験した場合、それに伴って一時的に心身の反応が生じるのは自然な反応であるが、そのことに対して「自分が変になった」と感じることを外傷後ストレス反応PTSRという。PTSRは正常な反応であることを被災者に伝え、安心感や安全を確保することで、PTSDに移行させないことが重要である。

2)外傷後ストレス障害(PTSD:Post-traumatic Stress Disorder)

 復興期に住民相互の交流を促進することは、PTSDの予防上大きな意味をもつ。また災害後の生活上の困難を解決する情報を提供するなど、実際に問題解決に結びつく行動や、こころだけではなく身体的な症状にも配慮しながら、具体的なサポートを行うこともPTSDの予防に有効である。

3)被災者のこころのケア

 被災者のこころのケアにあたってのガイドラインが定められている。

4)アルコール問題

 アルコールは肝疾患などさまざまな疾患の危険因子となるため、アルコール依存症が疑われる人には特に注意を払う必要がある。

3.防疫、感染症対策

 災害発生後の避難所での生活は、衛生環境が悪化し過密状態になるために、感染性疾患が増加する。特に、乳幼児や高齢者、障害者などに感染症が集団発生する可能性が高いので、注意が必要となる。基本的な環境衛生や食料や栄養を整えなければ、医療行為のみでは病気に際罹患することがあるため、環境の改善から行っていく必要がある。

1)感染症予防のための公衆衛生活動

 ライフラインの途絶時には手洗いやうがいの励行、ゴミの分別や食事の指導を行う。

2)災害時治療における感染症予防

  1. 外科的治療における注意点

     汚染創の処置は、洗浄し、汚染組織の除去の後数日開放し、感染が収まってから縫合する。このディレイド・プライマリークロージャーを行うことで縫合後に感染し、再度外科的治療を行う必要が生じることを回避できる。

  2. 内科的疾患における注意点

     抵抗性の細菌叢を作らないために、第三・四世代の抗生物質を初期から使用しない。

4.健康維持・増進

 災害時の看護職の活動は、個々の被災者が災害前の健康レベルを維持できるように、避難所での肺炎や深部静脈血栓症のような関連死を防ぐことが重要となる。災害そのもので健康被害が生じなくても、その後の生活再建途上で生じるストレスは心身の健康に影響を与えるため、中・長期にも見守りの活動を展開し、健康レベルを維持あるいは増進していくことが重要である。

5.個や集団の自立(セルフケアの向上)

 運動機能障害のある人に対して、段差解消や手すりを取り付ける工事を仲介するなど、セルフケア行動がとれるような配慮を行い被災者へのケアを提供する。


インドネシア・ジャワ島中部地震における神戸大学の支援活動

(中尾博之ほか、日本集団災害医学会誌 13: 50-55, 2008)


【はじめに】

 地震災害の現場においては情報の正確な把握、急性期や慢性期の医療支援や、工学的・理学的支援活動などの総合的援助活動が必要である。神戸大学は、ジャワ中部地震においてこれらの他分野にわたる援助活動を行ったので紹介する。

【活動】

 神戸大学では現在までに1999年台湾地震、2000年インド地震、2004年新潟中越地震、2005年福知山線列車脱線事故などの緊急医療援助をおこなってきた。また、ジョグジャカルタにある国立ジャマダ大学はと神戸大学と以前より交流があった。

 2006年5月27日午前5時53分(現地時間)インドネシア・ジャワ島中部に古都ジャグジャカルタ周辺を震源地とするM6.3の地震が発生し、死者5000人超、負傷者38000人、家屋損壊20万戸の被害が起こった。この災害に対して神戸大学では災害支援活動として医療チームと理・工学系チームを派遣した。第1陣は医療チームを派遣したが、被災後6日目ですでに海外からの医療班が対応しており、医療面で寄与する部分は残っていなかった。被災者の症例はほとんどが整形外科領域の外傷であった。第2陣は工学系で建物の被害状況を調査した。これらの2チームの多角的調査から 1)ガジャマダ大学では術後患者が多くなってきており、各地に帰宅できるようになっていることから、その周囲にリハビリのできる施設が必要、2)衛生状態の維持や、リハビリの指導などのPuskemas(地域保健中核施設)の復興、3)夜間に泣き叫ぶ小児が多いことの3つが判明した。

 これらの結果より、第3陣は小児科医、理学療法士が派遣された。これにより心のケア、やリハビリテーションの関しての枠組みが決定し、心のケアやリハビリテ−ションを行っていった。

 第4陣以降は理工学系のチームが主に活動した。第4陣はライフラインについての調査を行った。上水道・電力を調べたが、ライフラインのシステムの損傷は少なく復興に影響は少なかった。第5・6陣は建物の被害について調査した。一般家庭はレンガ造りで鉄筋が入っておらず、建物の倒壊で死者が多く発生した。一方、竹造りの家では死者がなく建物の被害も少なかった。第8・9陣はシェルターに関しての調査を行った。本来シェルターである小学校やモスクはレンガ造りであるため被害が大きく、住民は避難場所が確保できず、テント暮らしを余儀なくされた。一方、仮設住宅の建設は多額の費用がかかり、郊外の農村部では負担が大きくすぐに入手できないため、工学系チームは即座に入手でき、安価な竹を使った緊急シェルターの建築法を提案し、現地行政機関に採用された。

 今回の大規模災害派遣では、神戸大学本部指揮下に医学部・都市安全センター・工学部・理学部が連携をとりながら情報交換しそれぞれの専門分野の活動をするとともに、逆に他分野に情報を提供した。被災者に対しては医・食・住の提供は地域の安定化につながるが、多角的な災害支援はその安定化につながると共に、地元機関からの信頼も獲得した。

【考察】

 インドネシア・ジャワ島は2つのプレートが合わさる場所であり、過去23回の大地震が起こっている。また、メラピ火山の噴火や嵐など自然災害も数多くみまわれてきた地域である。この地震はOpak川沿いのOpak断層が運動した内陸型地震であった。多くの医療救援チームは被害の大きな町に救護所を設立したが、第1・2陣チームは断層を中心としたPuskemasの被害状況を調査した。その結果、同施設は断層を中心として被害が大きかった。

 一方で、この古都は竹造りの家屋よりもレンガ造りの家屋が歴史的に多いため、瓦は釘などで固定されておらず不安定な状態で置かれていたため、地震により簡単に崩れ落ちたと考えられる。この情報は被災者が多数発生した理由が脆弱な住家の下敷きになっていることを示唆する。これは整形外科領域の外傷が多かったことと合致する。

 インドネシアの医療体制は日本と異なり、医療機関が少なく専門医の処置や手術がすぐに受けられる体制になっていない。まして、非都市では一層医療過疎であった。そのためPuskemasの復興は重要であった。

 被災者の発生メカニズムを理解し、背景を知ることは災害医学にとって有益であり、このような多分野の情報交換によって今後の被災国の建築、社会的背景、地形的特徴をとらえることができるので、被災地ごとにあわせた必要な医療を可能とする。

 今回の救援での特徴は火山や津波後の救援のために多くの救援機関がすでに継続して活動していたので、新たな地域に対しての急性期の対応が迅速に対応できたこと、道路網が確保されており、救護がスムーズで物資搬送に支障が比較的少なかったことが挙げられる。このため急性期の具体的活動は行う機会は少なかった。

 被災後6日後と出発が遅れた原因として、資金調達に時間がかかったこと、全学を通した災害時の緊急マニュアルがなかったことが挙げられる。神戸大学の場合は急性期支援だけでなく、過去の災害支援経験から支援内容の多様性を持っているので、心のケアやリハビリテーションなどの慢性期長期支援や非医療面の支援も可能であった。

【結論】

 今回の反省から緊急派遣のための資金準備、神戸大学内の組織を横断した災害派遣に関するマニュアルの作成、平時からのアジアを中心とした災害ネットワーク建築に向けて努力している。

 海外広域災害においては医学的支援だけでなく多方面からの綿密な情報交換を行い、救助を行うことによって地元の要望に沿う活動が可能となる。神戸大学では、災害直後の短期支援だけでなく、長期にわたって多方面と協調した活動を実施中である。


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