災害医学論文集(災害事例別) JR羽越線脱線事故(2005) |
■日本集団災害医学会誌
■プレホスピタルMOOK 4 多数傷病者対応、永井書店、東京、2007
Abstract:2005年12月25日の羽越本線いなほ14号の脱線転覆事故への当院の対応を報告・検討した。当初100名程度の傷病者が予想され、医師51名、看護師36名など100名余が緊急に登院し対応した。搬送された傷病者は11名だった。骨折等の中等症患者と、軽症患者が半数ずつだった。現場には、医師・看護師など計9名を派遣した。横倒しになった先頭車両で1名の乗客が座席に挟まれ、救出に時間を要した。派遣された医師は客車にもぐり込み、点滴等の治療を行った。4時間後の救出直前に、クラッシュ症候群予防のため、炭酸水素ナトリウムを投与した。本邦2例目の「瓦礫の下の医療」と思われる。直前の災害医療訓練のお陰で、なんとか病院一丸の対応ができた。ただ、50名程度の傷病者への治療体制、外傷患者の診察・診療録記載等については反省すべき課題もみられた。また現地への交通手段等についても検討すべき課題があった。
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