(1)対象とする病院:
(2)診療機能を期待する時期、期間:震災直後から4,5日とし、それを
(3)外部環境、特にライフラインの制限:
(4)対象となる疾病:
b.入院
B.3〜5日(患者移送期)
b.入院
(5)職員の確保:必要な職員数はある程度確保されているが、十分ではないとした。
(6)薬剤、器材の確保:診療機器には薬剤、器材を必要とするものがあるが、一応充足している事を条件とした。
(7)診療機能レベル:大震災直後の診療機能は、ライフラインが確保できたとしても、相当低下していることが前提。
2.対象機器の選別
3.診療機器メーカーに対する被害状況調査
4.診療機器の特性に応じた震災対策
診療機器類が電力に依存する比率が極めて高いこと、次に電気・水との接続使用が多いことが明らかで、震災対策を考える際に機器本体の安全性の確保と同時に電気・水との接続部の対策が重要である事をうかがわせた。
5.日常点検リストの作成
6.災害拠点病院における点検リストの検証
7.調査結果に基づく点検リストの修正、追加
クラッシュ症候群における低カルシウム血症とその遷延については、原因はいくつか考えられる。横紋筋融解症では、障害を受けた筋肉や皮下軟部組織にカルシウムが長期間沈着することにより、低カルシウム血症、その遷延が起こると考えられている。自験例で患肢のCT撮影を行った6例では、全例に障害を受けた筋肉と筋膜に高吸収領域(high density area:HDA)を認めた。4例に筋生検を施行し、このHDAは病理学的にカルシウムであることが証明された。したがって、クラッシュ症候群においても、横紋筋融解症と同様に障害を受けた筋肉へのカルシウム沈着が大きな役割を果たしていると考えられる。
低カルシウム血症を来たす病態として、腎不全が知られている。実際に今回、対象としたクラッシュ症候群でも血液浄化施行例と非施行例では最低血清カルシウム値は有意な差を認めた。しかし、最低血清カルシウム値は最高血清CPK値と血液浄化の有無に係わらず逆相関を示す。したがって、クラッシュ症候群における腎不全合併例は、それだけ障害を受けた筋肉量が多いと考えられる。 経日的に血清カルシウム濃度をモニターできた自験例では、低カルシウム血症は長期間持続した。血清リン値の経時的な検討では、腎不全合併の5例で高リン血症を、腎機能良好な症例では低リン血症を示したが、低カルシウム血症の程度や持続期間に差はないことから、低カルシウム血症に対する高リン血症の関与も少ないと考えられる。
血中のイオン化カルシウム濃度が変化すると、副甲状腺は数秒以内に反応しPTHの分泌を増加させる。今回、生物学的活性を持つintact PTHを測定することにより、急激なカルシウム動態を示す副甲状腺の分泌能を評価することができた。クラッシュ症候群では血清カルシウム値の低下とともにintact PTH濃度は著しく上昇した。このことより、副甲状腺が低カルシウム血症に対し良好に反応していることがわかる。逆にintact PTH濃度が著しく上昇したことによりイオン化カルシウム濃度が低下していたと推測できる。
1)感染症患者の増加曲線は指数関数に従う。
数式(1) 指数関数N(t)=N(0)・exp(c・t)(c:定数)
2)感染症サーベイランスデータが経時的に利用可能である。すなわち時点t0およびt1における患者数N0、N1というペアデータが得られるものとする。
3)時点tsにおける患者数Nsに達した時、接種しない場合の利益より接種する場合の利益の方が大きくなるものとする(ここでtsを危険時点と呼ぶ)。
4)接種後ワクチン接種が実際に有効になるまでに一定期間Vが必要である。このVは現実的には2週間程度とされる。危険時点より期間Vだけ早期の時点であるtxをワクチン接種期限と定義する。
仮定2)のペアデータを数式(1)に代入することにより、定数cが求められる。
数式(2) c=t1・ln(N1/N0)
そこで仮定3)を用いると得られる。
数式(3) Ns=N0・exp(t1・ln(N1/N0)・ts)
Nsは既知であると仮定すれば、危険時点tsは
数式(4) ts=t1・ln(Ns/N0)/ln(N1/N0)
従って仮定4)よりワクチン接種期限txは定式化される。
数式(5) tx=t1・ln(Ns/N0)/ln(N1/N0)−V
Fig5を用いて確率論的な期待値計算を行えば、ワクチンを接種する場合と接種しない場合の決定点におけるそれぞれの期待生存年数E(vac)、E(Nvac)を求めることが出来る。
数式(6) E(vac)=(1−mv)・{P1・(1−m1)・Y+(1−P1)・Y}
数式(7) E(Nvac)=P0・(1−m0)・Y+(1−P0)・Y=Y−P0・m0・Y
従って接種する場合の利益がそうでない場合の利益より大きくなるためには、E(vac)>E(Nvac)が成立する必要がある。P0について解く。
数式(8) P0>〔1−(1−mv)・{P1(1−m1)+(1−P1)}〕/m0
この不等式の右辺は期待生存利益の確立閾値を示す。すなわち、確率P0が数式(8)の右辺の値(P0*とする)より大きい時(すなわちP0>P0*)、ワクチン接種する方がしない場合より大きい期待生存年数が得られることを意味する。
危険時点tsにおいて考えられる確率閾値P0*はその時点でのインフルエンザ罹患のリスクであると考えられる。
数式(9) P0*=Ns/(N−Ns)
Nsについて解く。
数式(10) Ns=N・P0*/(1+P0*)
既知のNと意思決定分析により得られる確立P0*を用いてNsを具体的に求めることが可能となった。数式(5)に数式(10)のNsを代入すると、接種期限が推定できる。
数式(11) tx=t1・ln(N・P0*/{(1+P0*)・N0})/ln(N1/N0)−V
数式(11)の接種期限txにより、現在時点t1におけるワクチン接種を行うべきかどうかについての意思決定基準を得る事が出来る。
基準;
b)t1≧txのとき、接種は出来るだけ早くすべきである。
数式(12) P0/P1>m1/m0
数式(12)から従来の報告からm1/m0=0.40,P1=0.08とすると、P0>0.032となりインフルエンザ罹患の可能性が3.2%を超えればワクチン接種が奨められることになる。しかし、学校、高齢者収容施設、災害後の避難所などの高い感染感受性が推定される高危険郡においては、文献よりm1/m0は0.05から0.20の範囲で、P1は0.15と推定され、数式(12)からP0は0.0075から0.03の範囲であると求められる。すなわち接種しない時の感染率P0が極めて小さな場合においても高感染感受性の発症率の高い集団においては、ワクチン接種を奨励する根拠が得られることになる。
緊急援助はODAの現象の影響を比較的受けていないように見えるが、毎年の緊急援助の規模は災害の有無によって大きく異なる。最新の数値によると、ODA全体に占める貧困対策支出に割合は1994年の5.86%から1995年の5.19%にわずかに減少した。
このような数値から、救援支出は個別の危機の特定の段階に応じて増加することもあるが、紛争の影響を受けた人々が実際に受け取る救援の量にはほぼ変化はなく、実際には減少するケースもあることが示唆される。また、複雑な政治的緊急事態は長期化することが多いが、紛争の影響を受けた人々の基本的ニーズに対する資金供給は持続的であるようには見えない。最大限の効果をもたらす方法で資金を活用し、人々の少なくとも最低限の援助を受ける権利を守ることが救援機関の責任である。
2つの問題がある。1つは、国際法違反の広がりに直面して、国際社会がどのような制裁を行う意志があるかという問題である。もう1つは、人道活動作成基準の尊守を監視するためにどのような機構が適切かという問題である。
寄付者は、NGOによる人道的基準の尊守を期待していると表明するのに熱心ではなかった。依然として、財政報告に関する関心のほうが、中立性及び公平性の原則に対する関心より強いように思われる。
多くの国連機関が、食糧確保や保険などの他の分野での役割を主張しているため、援助の重複が生じ、事態が悪化すると責任の所在があいまいになる。
1991年に国連に人道問題局(UNDHA)が創設されたが、様々な専門機関間の調整不足は解消していない。そのため、一部の人々は国連の専門機関の救援機能を統合し、安全保障理事会人道小委員会を設立することを主張してきた。新しい国連事務総長は改革の必要性を主張し、これらの課題は1997年の国連経済社会理事会で討議される予定である。
人道的価値を守る強固な防護策には少なくとも2つの要素がある。第1に、人道活動策定基準が改善され、特にその効果および効率性を最大にするよう注意が払われていることを確認することである。そのためには、多くの場合、救援活動の策定において中立性および公平性という最も重要な人道的価値を保証することが必要である。
第2に、人道システムには、達成可能なことと非可能なことを明確に規定した、首尾一貫した立場表明が必要である。救援は低開発の問題や紛争の原因を解消することは出来ず、司法手続きに代わるものでもない。救援活動が実施し、実際に達成できるのは、人命を救い、人々の尊厳を高めることを援助することである。人道団体は、他者の仕事を肩代わりすることはできないが、自らが実施すべき仕事を主張することは出来る。
クラッシュ症候群のカルシウム動態について
森本文雄、吉岡敏治、織田 順、田中 裕、松岡哲也、平出 敦、嶋津岳士
日救急医会誌 1998; 9; 539-44目 的
対象と方法
結 果
考 察
結 語
シミュレーションによるインフルエンザワクチンの接種時期の推定
前川宗隆ほか:日本集団災害医学会誌 4: 7-16, 1999はじめに
分析疫学モデルによる接種時期の定式化
意思決定論分析の適用
サーベイランスデータによる検討
考 察
今回の問題点
まとめ
1996年の援助の傾向:資金の減少の中で増大する問題
国際赤十字・赤新月社連盟.世界災害報告 1997年版、p.60-7はじめに
財政の傾向
行動の限界
戦争の力学
契約及び規則
システムを改革する
おわりに