本コーナーには臨界事故に関するメーリングリストなどでの論議を収載しています。皆様のご意見をお寄せ下さい。なお、ウェブに収載させていただくのは、氏名、連絡先を明らかにして下さる方に限ります。
連絡先:越智元郎(gochi@m.ehime-u.ac.jp)
Date: Sat, 9 Oct 1999 14:20:45 +0900 From:(Tosifusa Toda) Subject: [eml-9: 05523] Re: 一番怖いのは「人間」(長文) 老人研の戸田です。 同じようなことを、何度も書いて申し訳ありませんが、今でもまだ、間違った報道が 続けてられているのを見ると、「科学立国日本」の「底の浅さ」を感じ、何とかしな いといけないという気がします。 こんなことだから、平気で、「バケツでウランを取り扱ったりする人」が出てくるの でしょう。(また、国は7年間も立ち入り検査をしなかったりできるのでしょう)。 今回の事故で、報道機関の関係者(そこから情報を受ける多くの国民)が、放射線の 被爆(外部被曝)による健康へ影響と、放射能汚染による健康へ影響(多くの場合、 体内に取り込まれ、核種によって特定の臓器に蓄積されて局所的に起こる体内被曝) とを混同しているのではないでしょうか。(多分、玉木さんは、こういったこともちゃ んと国民に伝わるように「報道」すべきだと言っているのだと思います。 先程もNHKで、350m 以内の地区に住まいする人に、健康への影響を心配して精神 的にダメージを受けている人が多く、相談窓口の継続を報道していましたが、その中 で住民の「放射線検査」を続けると言っていたように思います。 実際にサーベイメータで測られるのは放射線ですが、検査されるのは「放射能汚染」 があったかどうかなので、正確に言うと「放射能汚染検査」と言うべきですし、その 場合は、服を着替えたり、風呂に入ったりすると、除染されてしまいますので、汚染 があったかどうかを本当に調べる気なら、その時に着ていた服を調べるべきだと思う のですが。 (私たちが、放射性同位元素を取り扱うとき、管理区域内に立ち入る時に胸につける 「フィルムバッジ」は、「体外被曝線量」を記録する為のもので、管理区域から出る ときに使う「Hand-foot-cloth monitor」は、「放射能汚染(放射性核種の付着)」 があったかどうかを調べるもので、全く意味が異なります) 報道機関の人は「放射線測定」(「放射線検査」という言葉は正しい言い方ではない) と「放射能汚染検査」を正確に使い分けをして下さい。 体外被曝を、事故から一週間以上たち、工場からの放射線が自然放射線レベルまで下 がっているならば、今後問題になるのは、体内被曝の有無に限定されます。 この場 合は、どのような核種がどの位漏れ出して、どの範囲まで飛散し、汚染の状態がどの 程度であったかを特定しなければ、心配がいるのかいらないのか分かりませんが、こ れまでのデータを評価するかぎり、「放射能漏れ」は無く(少なくとも、あったとい う事実は確認されず)、周辺住民には、放射能汚染による体内被曝は無かったと断定 して良いように思います。まだ、事実関係が完全に明らかになったとは、言い切れま せんが、個人的に電話等で私に問いあわせて来た人(数名います)には、「今回の事 故では、放射能汚染による健康への影響を全く無いから心配いらない」と伝えていま す。もちろん、宇宙線の被曝や、自然界の核種によるバックグラウンドレベルの体内 被曝は常時全員に(すべての生き物に)起こっていて、これが健康になんの影響もな いかどうかは疑問で、もしかしたら「老化」はこういって原因で起こっている可能性 がありますが、そのおかげで「突然変異」があり「進化」が起こり「人間が誕生」し たことを考えると、この程度の被曝は地球にいる以上我慢しないといけない(という ことも国民に伝えるべきです)。 今回の事故でもっとも健康への被害が懸念されるのが、沈殿槽から放射された中性 子線の被曝によるDNA損傷と、放射化された核種による体内被曝であると思います。 これについては、緊急提案で呼び掛けが行われているように、どの範囲まで、健康に 影響が現れる恐れのあるレベルの中性子線が到達していたのかを知る必要があります ので、その結果が出るまでは、これについては、現段階で心配がいるのかいらないの か分かりません(ということも国民に伝えるべきです)。 それから・・さん。中性子線があたった位で、「白い西瓜」できたりはしません。 DNAに変異が起こっても、交配後に形質がでますので、被曝を受けたそのものの色が 変わることはありません、ましてや「放射能汚染」があっても見た目には何の変化も 現れません。「目に見える形で影響が出ない」からかえって面倒なのですが、このよ うな、目に見えるもので国民が心配する事自体「無知」以外の何者でもないわけで、 報道関係者が、国民にちゃんと伝えていれば「風評被害」は起きないと思います。 (引用、省略) ====================== 戸 田 年 総 財団法人東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門 東京メトロネット災害情報HP ======================
Date: Sun, 10 Oct 1999 03:34:03 +0900 From: ttoda@ncc.go.jp Subject: [eml-9: 05531] 朝日新聞の記事 老人研の戸田です。 (引用部分、省略。朝日新聞の臨界事故特集記事について) うちも朝日をとっているのですが、今朝は横浜で開かれている日本生化学会に行くの に急いでいて、ちゃんと読んでいませんでした。 いま読んでみると、なかなかよく書かれていますね。内容的には非常に正確に書かれ ていると思います。 問題は、これを読んだ人が、どういうふうに感じるかです。 「今回の事故で、いちばん問題になるのが中性子線の被曝であったこと」、「中性子 線の被曝線量は、身体の放射能をサーベイメータで測ったくらいでは分からないこ と」、「問題がある程の被曝を受けたかどうかは、いた場所に到達した中性子線量を、 放射化した銅やナトリウム、金などの量から推定することによってわかること」が書 かれているともっと良かったように思います。 それから、これは書き方に注意がいりますが、今回は「屋内避難」は実際にはほとん ど意味がなく、線源である工場から、できるだけ早く、できるだけ遠くへ移動する事 が、中性子線の被曝量を最低限に抑える唯一の方法であったことも、正直に書くべき です。 事故発生の当初は、中性子線量を測る事すらしてなかったくらいですから、「放射能 漏れがあった(実際には漏れてはいなかったのに) ---> 放射能が空から降ってくる --->だから家の中にいれば安心」と考えて「屋内避難」を呼び掛けたのでしょうが、 中性子線は家の壁くらいは平気で通り抜けてしまいますから、中性子線の被曝は防げ なかったわけです。 でも、このことを今の時点で新聞に書くと、一般の人はもっと不安になるでしょうか ら、到達した中性子線量が正確に測定できた時点で、きちんと伝えて欲しいと思います。 その後で、もし発癌のような晩発性の影響が現れる可能性が否定できない人(ある一 定の地域に、一定時間いた人)には、きちんとしたフォローアップ(定期的に検査を 受ける事)が必要になることも伝えるべきでしょうね。 ====================== 戸 田 年 総 財団法人東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門 東京メトロネット災害情報HP ======================
From: Genro Ochi Date: Sun, 10 Oct 1999 15:33:28 +0900 Subject: [eml-9: 05532] Nature誌で日本の臨界事故が批判されているそうです。 おち@愛媛です。臨界事故に関する緊急提言を emlメンバーでいら っしゃる・・さんが、主催されるメーリングリストchuo-iryoに転載 して下さいましたが、このたびそちらで興味深いコメントをいただき ました。そのコメントと私の返信を、発信者の許可を得て転送させて いただきます。 (web担当者より:以下のメールのHP収載につきご快諾いただきました、chuo-iryo メンバーの村山先生に深謝申し上げます。) ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ [chuo-iryo:01350] Re: 臨界事故と情報公開FROM京橋 >------------------------------------------------------ >【臨界事故周辺住民の健康状態推測と対策のための緊急提言】 >1.放射線モニターの測定結果に関する詳しいデータ公開とその解釈の > 公開をお願いする。 >2.事故後の住民家屋内での中性子線量の緊急調査をお願いする。 >(その際、家庭の食塩中の24Naや電線中の64Cuの測定が適切である。) >http://apollo.m.ehime-u.ac.jp/GHDNet/99/rinkai.htm >------------------------------------------------------ > 緊急提言に関してのレスポンスとか何かあったんでしょうか。 上記のURLでは、その後の記載がなくて、判りませでした。 日本ではやはり危機に際しての知性を持った対応が不可能なのでしょうか・・・・。 残念ながら、何と Nature の最新号に Opinion として、東海村の事件がトップで掲 載されています。トップ記事になるのはことの重大性から当然ですが、内容が完全に 日本という国全体の問題として、批判されています。 責任は政府と科学技術庁にある。きちんと、安全対策を遂行する能力がない。しかし、 その組織自体に問題があること、更に、省庁の統合で事態は更に悲観的という認識ま で、見事に看破されています。 最後にとどめを刺しているのが、民間の圧力がほとんどないこと。これだけ(どうも 厚生省のことも引き合いに出している)欠陥をさらしているのに、まだ、御上の権威 をありがたがる社会。 世界的にみても日本社会の欠陥をさらけ出してしまったようです。 自分たちの問題としてもとらえないといけないんでしょうね。 これから、事後の対策もますます大切です。世界中が注目しています。 さきの、緊急提言もとにかく良いと思うんです。みんなが、意見を言うだけでも、何 もしないより、いいと思います。 緊急提言をまとめられた方々、ご苦労様でした。 その後の活動でも、応援させていただきたいと思っております。 ・・・・何が出来るって訳じゃないんですけど・・・・ mcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmc Jun-ichi Murayama; MURAYAMA CLINIC URL : http://www.md-tkb.gr.jp mcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmcmc ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ Date: Sun, 10 Oct 1999 11:35:37 +0900 From: Genro Ochi Subject: [chuo-iryo:01351] Re: 臨界事故と情報公開FROM京橋 村山さんは書きました(chuo-iryo:01350): >緊急提言に関してのレスポンスとか何かあったんでしょうか。 >上記のURLでは、その後の記載がなくて、判りませでした。 >日本ではやはり危機に際しての知性を持った対応が不可能なのでしょうか・・・・。 村山先生、愛媛大学の越智です。緊急提言の当事者の一人です。 提言に対するレスポンスはほとんどありませんでした。私があてに していた「ケミカルハザード」という政府関係者も含まれたネット ワークでは、以下のようなコメントがあったきりでした。このコメ ントは転送は許されそうもありませんので、これについて触れた私 の emlへの投稿をご紹介します。 以下、 Subject: [eml-9: 05483] ケミカルハザードへのコメント (省略させていただきます) ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ それでは皆様、また。 ---- Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Sun, 10 Oct 1999 16:20:29 +0900 From:(Tosifusa Toda) Subject: [eml-9: 05533] Nature 翻訳(長文) 老人研の戸田です。 >残念ながら、何と Nature の最新号に Opinion として、東海村の事件がトップで掲 >載されています。トップ記事になるのはことの重大性から当然ですが、内容が完全に >日本という国全体の問題として、批判されています。 多分、この記事のことを言われているのだと思います。 これくらい辛口の記事を、日本のマスコミも書けるくらいになると、日本も多少良く なるでしょう。 Nature 401, 549 - 555 (1999) Japanese translation(日本語翻訳) 社説:安全規制の不備がもたらす危険 (以下、省略) ====================== 戸 田 年 総 財団法人東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門 東京メトロネット災害情報HP ======================
From: 小田 貢 Subject: [eml-9: 05535] Re: [eml-9: 05532] Nature誌で日本の臨界事故が批判されているそうです。 Date: Sun, 10 Oct 1999 16:36:56 +0900 米子真誠会小田です。越智さんみなさん今日は。 From: Genro Ochi Sent: Sunday, October 10, 1999 3:33 PM Subject: [eml-9: 05532] Nature誌で日本の臨界事故が批判されているそうです。 |http://apollo.m.ehime-u.ac.jp/GHDNet/99/rinkai.htm |残念ながら、何と Nature の最新号に Opinion として、東海村の事件がトップで掲 |載されています。トップ記事になるのはことの重大性から当然ですが、内容が完全に |日本という国全体の問題として、批判されています。 |責任は政府と科学技術庁にある。きちんと、安全対策を遂行する能力がない。しかし、 |その組織自体に問題があること、更に、省庁の統合で事態は更に悲観的という認識ま |で、見事に看破されています。 小田:私は前回のメールで、今回の責任は政府、科学技術庁の責任であり、それなら ば責任者の具体的同定をすべきだと思い、責任者の逮捕という過激な書き方をしまし た。しかしながら、このmlはどうしても救急の現場のメールが中心であり、責任追 及に関しての意見の交換はあまりなく、私は失望しておりました。 今回越智さんネーチャーの記事の紹介でやっと私も息を吹き替えしました。本日の朝 日新聞によりますと過去7年間なにも行政指導がなされていなかったとのことです。 今回責任者を同定できなければやはり過去に溯って政府、ならびに科学時術庁の責任 者を同定して調べるべきでは無いでしょうか。 政府、ならびに関連官庁は、人事異動という事で責任者を曖昧にします。 IVH訴訟がその例です。 しかしながら多少なりとも民間ではバブル、銀行の崩壊を招いた場合には過去に溯っ て最高責任者が取り調べを受けているでは無いでしょうか。 今回のような大事故でなぜ、行政の監督官庁の歴代の責任者が国会にも呼ばれず、 検察にも呼ばれず、一方無知な民間工場が一方的責任者のごとく扱われているので しょうか。 それに不思議なのは、これだけの犠牲者がでれば、たとえばバスの運転手が事故をし た場合にはバスの運転手はすぐに業務上過失傷害で逮捕される可能性があるのに、 今回の責任者に対する警察、検察の皆さんは動いておりません。 冷たいようですが現場で被爆し現在入院中の方には申し訳ありませんが、本当は 逮捕されるに値するはずです。被爆の犠牲者として甘く見過ごしてはいけません。 この現場作業員は私は将来的にも逮捕されないと思っております。 その理由は、政府は、今回の事件の根幹は政府にある事があまりにも明快である ので現場の犠牲者を事件の責任者として逮捕すれば、国民が政府を許さない という事を感じているからです。 しかし、法律は、法律、事件の現場の責任者が例え被爆という悲惨な、犠牲者で あってもマニュアルの無視による甚大な事故を起こした罪で起訴すべきでしょう。 また政府もその根本的な責任を負っているので、やはり過去に溯り、検察 ないし、国民の審判を得なければなりません。 幸い、このmlのメンバーには有能な弁護士の方もいらっしゃいますのでご意見を 伺えればと思います。 でもご発言は難しいでしょうね。 小田 貢 URL : http://www2.sanmedia.or.jp/hosp/
Date: Sun, 10 Oct 1999 18:24:35 +0900 From: IkegakiSei Subject: [eml-9: 05537] Natureの記事 生垣@砺波です: タイトルの記事は http://www.naturejpn.com/newnature/hottopics/nuclear/index.html で日本語訳と英文が見れます。 ここで見れることをいろいろ宣伝することは構わないでしょう。 とにかく,できるだけこの記事をオープンにしていきましょう。 *************************** 生垣 正 Ikegaki Sei e-mail: oyabeike@nsknet.or.jp ***************************
From: 小田 貢 Subject: [eml-9: 05539] Re: [eml-9: 05533] Nature 翻訳(長文) Date: Sun, 10 Oct 1999 23:29:04 +0900 米子真誠会小田です。戸田さんみなさんこんにちは。 これは他のこのml以外は転載禁止です。 論旨:ネーチャーの発表より私の発表が早い。 (引用、省略) 小田:今回のネーチャーの記事で東海村の事故と非加熱製剤に関する日本政府の 対応の間違いを同列に論じております。 私は過去数回、今回の事故と、非加熱製剤の事故との原因の共通性について このml指摘しましたが、どなたからも同意のメールを頂けませんでした。 私は非常に残念でした。このmlの関係者(マスコミ人も含む)がなぜ外国が指摘する前 に、そしてそれよりも一週間も前に私が指摘した、今回の事故の非加熱製剤に よるIVH問題の共通と指摘し、糾弾しなかったか残念でなりません。 私はネーチャーより早くそれを指摘しました。 そして皆様は今になってネーチャーを引用して読んでいらっしゃいます。 1)今回の事故の責任が科学技術庁の責任であり、 2)これは非加熱製剤による事故と同じである。 という論表を最初に発表したのはネーチャーではなく 鳥取県米子市の、開業医、米子真誠会小田貢です。 今回、救急医学、技術、学識に関してはいざ知らず、その背景を洞察する思考力の無さ、 それを指摘するマスコミジ関係者、報道関係者の勇気の無さではeml-9に失望しております。 しかし大切なのは、事故の減少、それに伴う波及的な現実的な事も大切ですが 一番大切な事は、このような事が二度と起きないためにはどうするかという討議です。 そのためには事故の責任を執拗に追求しなければなりません。 もう一度述べます、今回の一連の作業をしていた方にはお気の毒ですが、どんなに 重症でも、業務上過失傷害の容疑者なのです。その他に軽症のお二人もありました がこのかたも容疑者として事情聴取を受けるべきです。 骨髄移植を受ける重症であっても罪の疑いはあるのです。まずここから事件の究明、 責任の究明が始まるのです。 追伸;軽症の二人は本当に軽症でしょうか、将来発癌性は無いのでしょうか。 私より将来の発癌性は20倍以上高いと憶測しますが、マスコミは軽少としか 書いておりませんね。現在が軽少なら軽症でしょうか。マスコミは事実を伝えて ほしい。 小田 貢 URL : http://www2.sanmedia.or.jp/hosp/
From: Genro Ochi Date: Mon, 11 Oct 1999 07:20:29 +0900 Subject: [eml-9: 05541] 臨界事故に関する小田さんの警鐘 小田さん、皆様、おち@愛媛です。 小田さんの的確なご指摘は大変耳が痛いものです。「Nature」誌は、 科学者(医師もそうです)なら一生に一度くらいはこの雑誌に自分の論 文が掲載された '夢を見る' くらいの、「確立された権威」です。また その権威に見合った実質を伴っているのも事実と思います。この確立さ れた権威に弱く、また海外からの圧力に弱い(自律的な評価基準を持た ない)日本社会の曖昧さは、まさに「Nature」記事の著者にこきおろさ れた所だと思います。 emlがそういう日本社会の縮図であることは事実であります。同時に 一般社会と違って、メンバー一人一人の意見が他のメンバーを、より効 率的に啓発できるのも emlの特徴です。 メーリングリストへの投稿に反応がない時、無視されたような疎外感 を持つのは私も経験がございます。しかしこのわが国の危機管理は、反 応の無い眠った社会に繰り返し警鐘を鳴らしてゆかないといけない代物 であると思います。ポジティブシンキングをすれば、小田さんのご意見 と「Nature」論文の一致はまさに追い風であり、社会を動かしうるもの は「Nature」であれ「姉ちゃん」であれ、活用すべきであろうと思いま す。 さて小田さんのご意見をきっかけとした、皆様への私の具体的な提案 は、緊急提言の公開のペ−ジに、 eml上の論議のうち公開可能なものを 掲載させていただこうというものです。ここからの論議は次のメールで 書かせていただきます。 それでは小田さん、皆様、また。 In message "[eml-9: 05539] Re: [eml-9: 05533] Nature 翻訳(長文)", 小田 貢 wrote... (以下、省略) ---- Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
From: Genro Ochi Date: Mon, 11 Oct 1999 07:49:09 +0900 Subject: [eml-9: 05543] Re: 臨界事故に関する小田さんの警鐘 おち@愛媛です。 In message "[eml-9: 05541] 臨界事故に関する小田さんの警鐘", Genro Ochi wrote... > さて小田さんのご意見をきっかけとした、皆様への私の具体的な提案 >は、緊急提言の公開のペ−ジに、 eml上の論議のうち公開可能なものを >掲載させていただこうというものです。ここからの論議は次のメールで >書かせていただきます。 先のメールで書きました、臨界事故に関する emlの次の(小さな) 動きを提案させていただきます。 eml 5532で chuo-iryouでの私共 の提言に対するコメントを紹介させていただきました。その中には 「提言の行方を知りたかったが、提言のペ−ジを見てもそれはわか らなかった」とあります。 越智より([eml-9: 05532] Nature誌で日本の臨界事故が批判されているそうです。) >緊急提言に関してのレスポンスとか何かあったんでしょうか。 >上記のURLでは、その後の記載がなくて、判りませでした。 >日本ではやはり危機に際しての知性を持った対応が不可能なのでしょうか・・・・。 私は公開の提言に提言以外の情報を収載してゆきたいと考えます。 ・提言に対するレスポンスのまとめ: 提言に対する公的機関からのレスポンスがほとんど無いこと。 ハザードネットの方で政府関係者から「すべての情報が公開されて います」というコメントがあったが、計測に関しては返答をいただ けなかったこと。 ・転送されたメーリングリストなどのリスト ・臨界事故に関する emlでの論議 (お名前、連絡先入りでの公開を了承されたもののみ。メール中の他 の人のメールの引用部分は匿名での公開許可を得るか、削除または 要約して掲載する) ・臨界事故や「提言」、「提言のペ−ジ」などに対する一般の意見 (氏名、連絡先を明らかにできる方の意見のみを収載する) 皆様、上記の案は如何でしょうか。最初のステップとして、臨界事 故に関する emlでの論議を「提言のペ−ジ」に収載させて下さる方は、 eml上か私宛にご連絡をお願い致します。特に小田さんのご意見につ いてはぜひご許可をお願いいたします。 皆様のご意見をお待ちします。 ---- Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
From: 小田 貢 Subject: [eml-9: 05545] Re: [eml-9: 05541] 臨界事故に関する小田さんの警鐘 Date: Mon, 11 Oct 1999 08:44:08 +0900 米子真誠会小田です。越智さん、みなさんおはようございます。 From: Genro Ochi Sent: Monday, October 11, 1999 7:20 AM Subject: [eml-9: 05541] 臨界事故に関する小田さんの警鐘 |emlがそういう日本社会の縮図であることは事実であります。同時に |一般社会と違って、メンバー一人一人の意見が他のメンバーを、より効 |率的に啓発できるのも emlの特徴です。 | |メーリングリストへの投稿に反応がない時、無視されたような疎外感 |を持つのは私も経験がございます。 小田: このmlは救急関係者が多いので、事故、事件が起きると、そちらの 現場の情報交換の方が優先する事は承知しております。 事故現場の状態が一段落した今は多少のゆとりも出来たと思いますので 1)事故の責任者、責任組織を同定する事。その責任者と、組織を法的に 罰する事。 2)今後の事故の防ぎ方(現場のモラル、知識、技術の向上) (現場のモラルの前に政治家のモラルを上げる必要が有りそうですが) 3)原子力関連施設に関する国家管理責任体制 4)事故が起きた場合の対策(危機管理) をきちんと区別すべきだと思います。これら)がきちんと出来る事が、今回の 事故の際に二次災害として被爆された救急隊員の犠牲的、献身的精神 と行動に対して報いる事であり、またこのような作業がこのmlの存在価値 だと認識しております。 今回の事で、私のメールに反応が無くて「がっかり」、「失望]した事は事実 ですが「無視された」と思ったり、「疎外感」を感じてはおりません。 今でも私はこのmlには特別の愛着を持っております。 このmlに単に感情的に人のmlを「無視」されるような人がいらっしゃると 思っておりません。 このmlが無ければ、私はそれこそ田舎の馬鹿医者になってしまいます。 私はむしろ、このmlで発言の場がある事を感謝しております。 小田 貢 URL : http://www2.sanmedia.or.jp/hosp/
Date: Mon, 11 Oct 1999 09:10:29 +0900 Subject: [eml-9: 05548] 言霊信仰と防災施策 From: Genro Ochi ・・さん、皆様、おち@愛媛です。 ・・さんからはいつもユニークな観点からの、実に的確な指摘 をいただいています。今回ご指摘の、日本人が「言霊信仰」が災 害想定を曖昧なものにするというご説も大変もっともだと思いま す。 しかし過去においても現在も、そのような無意識の恐れを持ち ながらも、必要な施策を行うのが為政者たるもののあるべき姿だ と思います。岡山の「後楽園」は(記憶は定かではありませんが) 「民に先んじて憂い、民に後れて楽しむ」という為政者の心得が 語源だと聞いています。 「民に先んじて憂」い、(国民が想定できない位の極端な例を 含む)様々な災害想定(シミュレーション)のもとに準備を行う ことが、過去においても現在においても、行政担当者(や医療機関 を預かる者など)の務めだと思います。それを怠れば、民が飢え、 病み、傷つき、苦しみながら死ぬということにつながるのではな いでしょうか。 (引用、省略) ---- Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Mon, 11 Oct 1999 10:17:02 +0900 From: IkegakiSei Subject: [eml-9: 05550] Re: Nature 翻訳(長文) 生垣@砺波です: At 11:29 PM +0900 99.10.10, 小田 貢 wrote: > 米子真誠会小田です。戸田さんみなさんこんにちは。 > > 小田:今回のネーチャーの記事で東海村の事故と非加熱製剤に関する日本政府の > 対応の間違いを同列に論じております。 > 私は過去数回、今回の事故と、非加熱製剤の事故との原因の共通性について > このml指摘しましたが、どなたからも同意のメールを頂けませんでした。 必ずしも同意がなかったことを意味しているわけではないと思います。 > もう一度述べます、今回の一連の作業をしていた方にはお気の毒ですが、どんなに > 重症でも、業務上過失傷害の容疑者なのです。その他に軽症のお二人もありました > がこのかたも容疑者として事情聴取を受けるべきです。 > 骨髄移植を受ける重症であっても罪の疑いはあるのです。まずここから事件の究明 > 、責任の究明が始まるのです。 > 追伸;軽症の二人は本当に軽症でしょうか、将来発癌性は無いのでしょうか。 > 私より将来の発癌性は20倍以上高いと憶測しますが、マスコミは軽少としか > 書いておりませんね。現在が軽少なら軽症でしょうか。マスコミは事実を伝えて > ほしい。 法的には,やはり業務上過失傷害の容疑者となるのでしょうか?そうなるのかも しれませんね。 だけど,マニュアルとか設置基準というものは,考えてみると現場の者への責任 付与と監督者の責任免除の手段になっている気がします。 今回の事件でいえば,充分な科学的知識と訓練を受けた技術者によってなされる べき作業ではなかったのか,ところが,法律的にはなんらかの知識を有するとい う条件は無く,全くの素人が行っても構わない作業として位置づけられているよ うに思います。 その上での,マニュアルの遵守規定とか設置基準を振り回すのはおかしいのでは ないでしょうか。 現場では一体何がおきたのか,おきているのか充分理解されない状態で,しかも それが上へ行くとさらにひどくなり,原子力安全委員会になると全く理解されな い状態となり,機能麻痺状態が作り出されたようですね。(昨日のNHK番組)。 こんな事態の中で,マニュアル通りにやらなかったからと罰せられるとしたら, たまったものではないですね。問題は,そんなところにあるわけではないので すから。 *************************** 生垣 正 Ikegaki Sei ***************************
Date: Mon, 11 Oct 1999 11:18:50 +0900 From:(Tosifusa Toda) Subject: [eml-9: 05551] Re: Nature誌(そこそこ長いぞ) ・・さん、皆さん、老人研の戸田です。 (引用、省略) ・・さんのおっしゃること、ごもっとも。 事故のレベルこそ小さいけれど、福岡で、都市型鉄砲水の被害者がでたとき、東京で もおなじことが起こる可能性があるので、水没の恐れがある地域を予測して事前に警 報を出す必要があると指摘しましたが、数日後に東京でも死者出てしましました。 ・・さんのご指摘を具体的な形にするために提案ですが、 1.各地のダムは、もし満水時にダムが決壊した場合、どの範囲にどの程度の被害起 きるか。災害に巻き込まれ無いようにする為には、どこに避難すれば良いかを調査し、 マスコミを通じて公表する。 2.各地の原子力関連施設(発電施設、加工施設、廃棄物貯蔵施設)では、起こりえ る最大の事故(「人が上手にコントロールすれば防げるはずだから、起こりえない」 などという寝言はやめにして)で放出される最大放射線量を公表する。その上で、災 害(被曝)を最小限に抑える為には、事故後どのくらいの時間内にどこまで避難しな ければならないかを公表する。 この事を、日本の政府は、各担当の省庁に指示して、直ちに実施に移すべきです。 ただし、私は、直ちに原子力発電はやめるべきだと言っているのではありませんので、 誤解のないように。 今の日本のエネルギー消費を考えると、原子力発電に頼らずにすべての電力を賄うこ とは現実的には不可能です。それで我々はどうしたら良いか、政府に頼らずに、国民 全員が真剣に考えるべきです。「もっと消費エネルギーを下げる」ことをまじめに考 えるのも一案でしょうし、代替エネルギーを改めて探ることも必要だと思います(第 一次石油ショックの時には、光合成ユニットを科学的に合成し大規模プラントを作成 する研究が文部省科研費で推進され、私自身も大学院での研究費の一部が賄われた記 憶がありますが、今は「代替エネルギー」の研究予算は耳くそレベルに下ってしまっ ています。咽元を過ぎてしまったのでしょうか) そして、その上で、やむを得ず運転を続けざるを得ない施設については、国民(周辺 住民)の理解が得られる形で、運転を続けるべきでしょう。成田空港の二の舞いの様 な行政はごめんです。近くにこのような施設のない地域にお住まいの多くの国民も、 他人事だと思わずに(多分上記の危険地域の公表が行われると、被害が予想される範 囲があまりに広いので、驚く人が多いと思いますが)、自分たちの問題として、地域 住民と一緒になって考える和(それこそMLや、そのためのHPが必要かも)ができて くるべきです。こういった国民全体の意識の向上こそが、行政を動かすことにつなが ります。このMLにも行政側の人がいます(かくいう私も地方自治体の職員です)が、 行政側の人間も個人ではなかなか動けないもので、たとえ動いても途中で潰されたり 無視されたりする事が多く、世論の後押し(尻たたき)や外圧がないと、上の方は実 際には動かないのです。残念な事ですが。 ====================== 戸 田 年 総 財団法人東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門 東京メトロネット災害情報HP ======================
From: 小田 貢 Subject: [eml-9: 05552] Re: [eml-9: 05550] Re: Nature 翻訳(長文) Date: Mon, 11 Oct 1999 11:47:29 +0900 米子真誠会小田です。生垣さんみなさんこんにちは。 From: IkegakiSei Sent: Monday, October 11, 1999 10:17 AM Subject: [eml-9: 05550] Re: Nature 翻訳(長文) |現場では一体何がおきたのか,おきているのか充分理解されない状態で,しかも |それが上へ行くとさらにひどくなり,原子力安全委員会になると全く理解されな |い状態となり,機能麻痺状態が作り出されたようですね。(昨日のNHK番組)。 | |こんな事態の中で,マニュアル通りにやらなかったからと罰せられるとしたら, |たまったものではないですね。問題は,そんなところにあるわけではないので |すから。 小田:本当はそのとおりです。しかし法律では事件を起こしても、知らなかったから という事では無罪にはならないと思います。 私が申し上げているのは、それぞれの段階で責任の重さをきちんと吟味しなけれ ばならないと思います。 現在は報道も問題があった事は論じておりますが、一連の流れで(歴史的な 流れも含めて)過去、現在の責任者の追求をあまりしていない点が不満です。 政府も事故調査はしておりますが、責任追及調査はしていないのではないで しょうか。この調査の手法は自然災害の調査の手法なのです、今回は自然 災害ではありませんので責任者の追求調査も必要です) そして,政府は手早く新し法制度を作って、安全宣言を出して一件落着 を試みようとしているのでは無いでしょうか。 もちろん現場の人が本当に有罪か無罪かは司法当局が決める事でしょう。 しかし司法当局の最高司令官は現実的には政府ですから結局曖昧で 終わると思います。 もう一度もうしあげますが、私は現場の人を厳罰に処する事を提案している のではありません、今回の事故の流れ、こうなった歴史の流れの中での 責任者をきちんと究明して欲しいという事です。 自然災害では無いのですから。 小田 貢 URL : http://www2.sanmedia.or.jp/hosp/
From: 小田 貢 Subject: [eml-9: 05558] 制度災害? Date: Mon, 11 Oct 1999 17:20:23 +0900 米子真誠会小田です。みなさんこんにちは。 (中略) 本日の私のメールeml05552で、自然災害、あるいは人災と いうような書き方をしましたが、これ以外に制度災害という言葉 はありますでしょうか。 すなわち、制度が不完全であったり、全く無かったりしたために ぽっかりと穴があいているために起きる災害です。 もしその様な言葉があるとすれば(もしなければ私は制度災害を 提唱しますが)今回の災害は、まさに制度災害では無かったかと 思います。この場合、制度が無かったから、責任者が非常に 同定しにくいのです。処罰の根拠となる法律も不完全でしょうから。 政府も今回の災害はその様な解釈をしているかもしれません。 しかしながら、やはり行政、あるいは監督官庁、専門家は制度 の有無に関わらず、予見の義務、それに対する予防の義務は 免れないと思います。 これからも社会の展開が早くなるほど制度、法律の整備が 遅れるために多くの制度災害が発生すると思います。 しかしながら制度災害といっても基本的には人災だと 思いますので、やはり責任者という者を同定しなければ なりません。 小田 貢 URL : http://www2.sanmedia.or.jp/hosp/
From: 小田 貢 Subject: [eml-9: 05560] 「制度災害」が辞書にありました Date: Mon, 11 Oct 1999 19:18:16 +0900 自己レス。 制度災害は、行政災害! (引用、省略) 小田:ありました、ありました。 その後詳しく辞書を見ましたら、「制度災害」がありました。 「制度災害とは、制度が無いか、あるいは制度に欠陥があり、そのために 災害が起きる事。同意語には「行政災害」という。 (中略) 辞書の名前は「新、真誠会辞典」で著者はな、なんと、小田貢となって おりました。 私の医療法人と同じ名前の辞典、そして私と同姓同名、 世の中、探せばこんなこともあるものですね。 小田 貢 URL : http://www2.sanmedia.or.jp/hosp/
Date: Tue, 12 Oct 1999 00:09:02 +0900 From: (Tosifusa Toda) Subject: [eml-9: 05563] ヨウ素131 のレベル eml, WNN, saigai-ml の皆さん、戸田です。 今日の夕方のテレビのニュースで(多分NHKだったと思う)、転換試験棟の排気中の ヨウ素131のレベルが許容限度の2倍検出され、建物の目張りをしたことが報道され ていましたが、健康への影響は無いとやたらに強調していました。 しかし、半減期の短いヨウ素131はそもそも自然界にはほとんど無いもので、揮発性 が高く、水に溶けやすいので雨が降れば地表に戻りやすく、体内に入れば甲状腺に蓄 積され(甲状腺ホルモンの成分として)、甲状腺癌の発症リスクを高めることは素人 でも知っていることなのに、「健康への影響は無い」と言い切ってしまうのは問題が あるように感じました。 茨城県生活環境部発表の http://www.pref.ibaraki.jp/news/99news/n991007_08.htm を見てみると、 「10月5日に採取した雑草を測定した結果, 4地点からヨウ素−131などが検 出されました。 ヨウ素-131 0.0014〜0.037 Bq/g ヨウ素-133 0.011〜0.038 Bq/g 」 となっており、 「検出された最大値(0.037Bq/g)は,野菜類の摂取制限値(2Bq/g)と比較す ると, その約50分の1で,健康への影響はありません。 」 と書かれていますが、2Bq/g は全核種の総計でヨウ素-131単独の摂取許容限度 が2Bq/gというのは高すぎる気がします(詳しい人がいたら、突っ込んで下さい)。 また、「なお,これを食べると仮定し,最大値0.037Bq/gを用いて計算した実効 線量当量は0.00036mSvとなり, 人の年間線量限度1mSvの約3000分の 1となる。」というのも、多少うそがあって、体内に取り込まれ、甲状腺などの局所 に濃縮された時の体内被曝では、許容量は 「人の年間線量限度1mSv」よりはるか に低いはずです。 局所的な体内被曝の場合、「絶対に安全な許容限度」はあって無いようなもので、被 曝線量と発がんのリスクはほぼ直線に比例します。 心配をさせまいとする気遣いはよく分かりますが、正直な話をしないと、国民は却っ て不信感を抱き、台湾の義援金の話では無いですが、「政府のやることは信用できな い」ということになってしまいます。 この辺の数値について、核医学、放射線医学の専門家がいらっしゃいましたら、コメ ントをお願いします。 それから、ヨウ素-131よりさらに半減期が短いヨウ素-133が検出されたと言う ことは、ヨウ素-133の生成が続いていることを意味していますが、私は勉強不足 の為、ウランの崩壊で、ヨウ素-131やヨウ素-133がつくられるプロセスを良く 知りません。この辺のところ、水野さん、田中さん、解説をお願いします。また、臨 界が収まった後でも、許容限度の2倍の濃度の放出が続いているということは、事故 当初、かなりの量のヨウ素-131やヨウ素-133が放出されていたのではないかと 疑わせますが、この辺の可能性についてもコメントを戴けませんでしょうか。 よろしくお願い致します。 ====================== 戸 田 年 総 財団法人東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門 東京メトロネット災害情報HP ======================Date: Tue, 12 Oct 1999 03:10:53 +0900 From: (水野義之 Y.Mizuno) Subject: [eml-9: 05568] Re: ヨウ素131 のレベル 水野@京都女子大です。 At 00:09 1999.10.12 +0900, Tosifusa Toda wrote: >今日の夕方のテレビのニュースで(多分NHKだったと思う)、転換試験棟の排気中の >ヨウ素131のレベルが許容限度の2倍検出され、建物の目張りをしたことが報道され >ていましたが、健康への影響は無いとやたらに強調していました。 > >しかし、半減期の短いヨウ素131はそもそも自然界にはほとんど無いもので、揮発性 ... かなり問題が大きいと思われるのは、行政(すくなくとも茨城県の生活環境部) には放射線の情報の意味を理解している人がいるとは思われないこと、 またその発表をそのまま流されるメディアさん(すくなくともNHKさんですか)も その情報の意味を理解しているとは思われないこと、という2点です。 そういう意味で、あの情報を聞いて(その発表を確認して)私のように 非常に不安になった人たちは、ちょっとでも放射線のことがわかっている 人達に中には、きっと多いことでしょう。学生のレポートだったら、完全に 不合格です。 その理由を述べておきます。 > >茨城県生活環境部発表の >http://www.pref.ibaraki.jp/news/99news/n991007_08.htm >を見てみると、 > >「10月5日に採取した雑草を測定した結果, 4地点からヨウ素−131などが検 >出されました。 >ヨウ素-131 0.0014〜0.037 Bq/g >ヨウ素-133 0.011〜0.038 Bq/g 」 > >となっており、 > >「検出された最大値(0.037Bq/g)は,野菜類の摂取制限値(2Bq/g)と比較す >ると, その約50分の1で,健康への影響はありません。 」 > >と書かれていますが、2Bq/g は全核種の総計でヨウ素-131単独の摂取許容限度 >が2Bq/gというのは高すぎる気がします(詳しい人がいたら、突っ込んで下さい)。 摂取の制限値は、核種ごとに、異なるのはあたりまえです(放射線の種類も エネルギーも、蓄積される場所も、健康への影響のメカニズムも何もかも違うはず)。 それを区別していない(だから何もわかっていないか、あるいは故意に無視しよう としているか)だけでも、私なら、疑ってかかります。 >また、「なお,これを食べると仮定し,最大値0.037Bq/gを用いて計算した実効 >線量当量は0.00036mSvとなり, 人の年間線量限度1mSvの約3000分の >1となる。」というのも、多少うそがあって、体内に取り込まれ、甲状腺などの局所 >に濃縮された時の体内被曝では、許容量は 「人の年間線量限度1mSv」よりはるか >に低いはずです。 当り前です。これは、これを発表した人も、報道した人も、内部被曝と外部被曝 という最も基本的なこと(いいですか、これは、放射線の人体への影響を考える 時の、最も、基本なのです)をわかっていないことが、明らであると、私には 思われます。これだけでも、私なら、疑ってかかります。 >局所的な体内被曝の場合、「絶対に安全な許容限度」はあって無いようなもので、被 >曝線量と発がんのリスクはほぼ直線に比例します。 これは戸田さんのご専門でありますが、ちょっと放射線のことを勉強した人で あれば、常識ですよね(一般の常識にはまだなっていないと思いますが)。 > >心配をさせまいとする気遣いはよく分かりますが、正直な話をしないと、国民は却っ >て不信感を抱き、台湾の義援金の話では無いですが、「政府のやることは信用できな >い」ということになってしまいます。 というか、私は、この発表で、一挙に不安になってきました。いったい、放射線の ことをわかっている人は、行政様に、どれだけおられるんでしょうか?????? もしおられないんだったら、ちゃんと教育するなり、雇用でも助言機関でもコンサ ルティングでもなんでもいいから、専門家の目を通すべきです。自分はわかってい ないことくらい(もしそうなら)自覚を出来ないなんて、もっとまずいでしょう。 国民が不安に思うのは、当り前ではないですか。(なんとも、もういやに なってきます)。 あのあたりだったら、筑波大学でも、高エネルギー加速器研究機構でも、 いくらでも専門家はおられるのに、いったい、どうしたのでしょうか? >それから、ヨウ素-131よりさらに半減期が短いヨウ素-133が検出されたと言う >ことは、ヨウ素-133の生成が続いていることを意味していますが、 しかも、決定的なことは、半減期の意味さえ、わかっていないようで、 もうなんといいますか...。彼等は、こう発表しています: =======引用 種別調査数 検出核種 検出数 測定結果 ヨウ素-131 4 0.0014〜0.037 Bq/g 雑草 5 ヨウ素-133 2 0.011〜0.038 Bq/g 注1)ヨウ素-133の半減期(20時間)はヨウ素-131よりはるかに短く問題な し 注2)京都大学原子炉実験所が10月4日に測定したヨモギの結果(0.025〜0. 054Bq/g)より減衰している。 =======引用おわり ヨウ素-133の半減期(20時間)はヨウ素-131よりはるかに短いのに、 同じくらいかそれ以上に放射線が出ていることが、問題でしょう? いまも出続けていることを意味するかもしれないからです。 また、ヨウ素133は半減期が21時間ですが、あれだけ大きな誤差 (0.011〜0.038)で、しかもたったの2件の測定で、減衰している、 なんて...。2件で 0.011〜0.038ということは、おそらく、 一つが0.011Bq/gで、もう一つが0.038Bq/gでしょう。 統計計算の基礎もわかっていないとは思いたくないですが...。 >の為、ウランの崩壊で、ヨウ素-131やヨウ素-133がつくられるプロセスを良く >知りません。この辺のところ、水野さん、田中さん、解説をお願いします。 これは、単純に、核分裂の結果です。 235/92 U 143 ですから、分裂して3個の中性子を出すとして、また陽子数と中性子 数の割合を保ったまま、(大きさの違う)2個に均等成分で分裂すると仮定して、 予想されるヨウ素(原子番号53)における中性子数は、ごくごく単純に (143+1-3) * 53/92 = 81.2... となります。だからヨウ素において予想される 質量数(陽子数と中性子数の和)は、53+81.2=134.2 あたりであると 予想されることになります。134ではない理由は、陽子も中性子も奇数の 場合には不安定なので、より安定な133になります。135よりも131の 方が多い理由は、135だと今度は重すぎてより不安定になるからです。 そういうことで、ヨウ素ならば、133と131が最も多いだろう、 ということが理解できます。 >また、臨 >界が収まった後でも、許容限度の2倍の濃度の放出が続いているということは、事故 >当初、かなりの量のヨウ素-131やヨウ素-133が放出されていたのではないかと >疑わせますが、この辺の可能性についてもコメントを戴けませんでしょうか。 あのデータを見る限り、私も、そのように予想せざるを得ません。 でも、まあ、あれは、ほとぼりがさめたあとの、火事現場からの煙(とか有毒ガス) のようなもの。 核分裂のあとの、いわゆる核分裂生成物のうち、昇華しやすいヨウ素が出続けて いるのは、当り前だったのでしょう。だからあの雨のデータを(われわれの提言 においても、わざわざ)問題にしたのでが...。問題は、定量的な評価です。 この点では、法定の線量における「内部被曝に対する」空気中、あるいは水中の 限度と比較すべきでしょう。で、そうすると、おそらくびっくり仰天する ことでしょう(これは私の予想ですので、確認が必要です)。 --- ------------------------------------------------------------------- Yoshiyuki MIZUNO 水野 義之(大阪府 茨木市)
From: Genro Ochi Date: Tue, 12 Oct 1999 12:37:43 +0900 Subject: [eml-9: 05575] Re: 提案・東京災害医療センター「核災害対応マニュアル」のウェブ化 おち@愛媛です。先日、東京災害医療センター「核災害対応マニ ュアル」をホームページに収載するという提案をさせていただき、 emlの皆様のご助力を御願いしました。何人かの方からご助力の申 し出をいただいたのですが、マニュアルのデジタル情報を提供いた だくべく連絡をとっておりました東京災害医療センターのご担当者 から、現時点ではホームページ収載は不可というお返事をいただき ました。 本マニュアルは1997年に一部厚生研究の援助も得て、研究資料と して作成したもので、国立病院東京災害医療センターのマニュアル として確定したものではないようです。現在、この位置づけが不明 瞭であり、誤解を招くことを恐れられたものと思います。 昨日も書きましたが、先週発信を開始した「臨界事故に関する提 言」のペ−ジ http://ghd.uic.net/99/rinkai.htm には、 emlの論議のうち公開可能なものを含め、様々な資料や情報 を収載してゆきたいと思います。災害医療センターのマニュアルを 収載させていただけなくなったのは残念でが、皆様がお気づきにな られた有意義な資料につきましてはぜひご紹介いただければ幸いで す。 それでは皆様、また。 In message "[eml-9: 05332] 提案・東京災害医療センター「核災害対応マニュア ル」のウェブ化", Genro Ochi wrote... > さて、・・さん、・・さん >が言及されました、国立病院東京災害医療センター「核災害対応マ >ニュアル」ですが、資料をご提供いただきました時に、公開の「国 >立病院東京災害医療センターホームページ」に本資料を収載するこ >とについて了解をいただいています。このような機会にウェブ資料 >として収載することは、 emlメンバーのみならず多くの救急医療関 >係者にとりましても極めて有用ではないかと考えます。 ---- Genro Ochi gochi@m.ehime-u.ac.jp
Date: Wed, 13 Oct 1999 01:55:37 +0900 From: (Tosifusa Toda) Subject: [eml-9: 05595] Re:ヨウ素131 のレベル (web担当者より:本メールは引用部分を省略しているために理解しにくくなって います。メール収載にご協力いただきました戸田さんには申し訳ございません。 引用部分のメール発信者には本コーナーへ収載させていただけるよう、お願いを する予定です。) ・・さん、みなさん、老人研の戸田です。 (引用、省略) なるほど、これなら 「検出された最大値(0.037Bq/g)は,野菜類の摂取制限値(2Bq/g)と比較す ると, その約50分の1で,健康への影響はありません。 」 の根拠はわかりますが、 そもそも、この数値を決めるに当たっての、 (引用、省略) は、一見理屈は通っているように見えますが、摂取量が変わると総被曝線量(蓄積線 量)が変わりますので、特に野菜を多く食べる人は、やはり注意が要りますし、これ 以下なら安全という医学的根拠は乏しいと思います。 こういう情報を知った上で、「摂取制限値以下ではあるけれど、しばらくは、工場周 辺で採れた野菜は、余りたくさん食べないでおこう」と考える人が出てもおかしいこ とではなく、それで野菜が売れなくなった場合、これを「風評被害」と言うかどうか は、難しいところですね。これについては、農家に対する被害の補償が必要でしょう。 工場から遠く離れた場所で、全く汚染の心配が無いところで採れたものなのに、茨城 県産というだけで売れなくなったら、これは明らかに風評被害ですから、ヨウ素13 1が検出限界以下のものについては、風評被害が起こらないようにするにはどうした ら良いか対策を講じる必要があると思います(しかるべき機関が、「ヨウ素131は 検出されませんでした」とお墨付きを出すことで安心して食べてもらえるなら、それ が良いでしょうが、そのような表示をすることで却って不安感を増すことになること もありますので、難しい問題だと思います)。 ====================== 戸 田 年 総 財団法人東京都老人総合研究所・遺伝子情報部門 東京メトロネット災害情報HP ======================
Date: Wed, 13 Oct 1999 08:18:38 +0900 From: (水野義之 Y.Mizuno) Subject: [eml-9: 05597] Re:ヨウ素131 のレベル ・・さん、・・さん、戸田さん、みなさん、水野@京都女子大学です。 まず、・・さんには、報道する判断の根拠を示して下さったことに、 最大限の敬意を表したいと考えます。これによって、社会的に見て明らかに、 よりよい判断が可能となります。それをして下さったことは素晴しいです。 私としては、これからの新聞は、より深く知りたい人のために、という コーナー(適切な資料へのガイド、参考文献、資料など)を設けるべきだと 考えます。これによって、全国民的な「民度」(という言い方は失礼では ありますが)のレベルアップをはかれるだろうと、私は思っております。 それをこそ、私はマスコミに期待したい(私は個人的レベルでそういう ための活動を行っていますし、大学で学生に教えるということ、そのものが そういう社会的役割を期待されていると思っていますが、それだけでは、まったく 「追い付かない」というのが実感なのです)。 さて: (引用部分、ウェブ担当者により省略) この数字をチェックしてみましたが、ほぼ、私の理解とあっています。 根拠は、 U.S. Department of Energy Order 5400.5. (January 7, 1993). Radiation protection of the public and the environment TABLE 1 DERIVED CONCENTRATION GUIDES FOR RADIATION PROTECTION (micro-Ci/mL) Radionuclide In Air In Water 131 I 4 x 10-10 3 x 10-6 参考: http://userpages.acadia.net/jbrown/Rad3d.html#int levels これを基礎にして計算しても、だいたい、上記の値になります。 さらに、これとは別に、国際貿易上での放射能汚染の限度を見て見ても、 ほぼ、同じ結論です。根拠は、 Crick, Malcolm. (1996). Nuclear and radiation safety: Guidance for emergency response. IAEA Bulletin. 38(1). pg. 23. にある表で、 Generic action levels for foodstuffs (From the CODEX Alimentarius Commission Guideline levels for radionuclides in food moving in international trade following accidental contamination) Radionuclides Foods destined for general Milk infant foods and consumption (kBq/kg) drinking water (kBq/kg) 131 I 1 0.1 (100 Bq/kg) (以下略) となってるからです。 この資料の出典は http://userpages.acadia.net/jbrown/Rad3d.html#int levels の下の方です。 ということで、これらの資料が間違っていないと仮定すれば(人間はいくらでも 間違うことを基礎に、考えないと、簡単にだまされますので、そういうのも 仮定です。現状の科学的知識を前提にすればという意味です)、戸田さんや ・・さんのご判断は、私も正しいと思います: (引用部分、ウェブ担当者により省略) そうですね、私も非常に不安になっていたので、いささか、安心しました。 なお、これらの資料を、私はどうやって見つけたか、ということをメモ しますので、皆様のご参考にでもなれば、幸いです: http://www.altavista.com/ において、+ICRP +"Publication 63" と入力して検索し、いくつかを 眺めて、出てきました。これは、まさに由藤さんに教えていただいた 出典そのものを探した、というだけです。 実際のところ、このレベルの放射線は、(微量すぎて)測定が困難という ほどの量でしょう。しかし、だからといて、それを確認するまでは、 いったいどうなっているか、わからなかったわけで、やはり、根拠を 示しながら、報告をすべきでしょう。茨城県は、安全かどうか、 というのに、安全という欄を作って、◯ などと記入して発表を されていましたが、あれほど国民のレベルをあなどった方法はない のではないでしょうか? 本当かどうか、わからないから(それを 確認する方法が他にないから)、国民は不安になる(だからウワサ でも何でも、それ以外の情報があれば、それを信じてしまう)、 ということが、何も理解されていないように見えます。ちゃんとした 資料を示すべきです。どんな発表においても。 そういう点から見ると、戸田さんや・・さんがおっしゃるように: (引用部分、ウェブ担当者により省略) 私も、そう思います。 そして、これとまったく同じ注意が、上記の本の26ページに出ています: "The calculated values are of necessity based on an effective dose of 5 mSv for each nuclide in isolation in a single food category, since it is not possible to generalize regarding which nuclides will be most importent in each food category after an accident." (pg. 26). ここで、nuclide というのは、核種、という意味で、そのアイソトープか、という のと同じ意味です。 例えば、このことから、この資料を見るだけで簡単に次のことがわかります。 1)以下の、子供のミルクでの限度をみればわかるように、131 I だけでなく 90Sr, 137Cs も問題になりうることがわかります。従って、(きっと調べている かとも思いますが)90Sr, 137Csについても報告をしていただくようお願いしたい。 特に、90Sr は10倍も、厳しい基準ですから、安心できる報告がほしいところ (つまり、まだ、調べてみないとわからない、と考えるべきでしょう)。 Table 6. (pg. 27). Guideline values for derived intervention levels for [milk in] infants (Bq/l) 90Sr 160 131 I 1600 137Cs 1800 出典 Crick, Malcolm. (1996). Nuclear and radiation safety: Guidance for emergency response. IAEA Bulletin. 38(1). pg. 27. 2)この限度というのは、かなりやばい時のもの(行政指導でアクションを とらねばならない時のもの)ですから、安心した日常生活のための ガイドラインではありません。そのことに注意をすべきです。 そういう意味でも、以下の戸田さんの判断は非常に正しいと、私は思います。 > >こういう情報を知った上で、「摂取制限値以下ではあるけれど、しばらくは、工場周 >辺で採れた野菜は、余りたくさん食べないでおこう」と考える人が出てもおかしいこ >とではなく、 例えば、例のチェルブイリのあとの輸出された子供用ミルクの、制限は 上記の値にくらべて、もっとずっと、厳しいものとなっています。 このあたりもきちんとフォローして(数字の確認をして、その意味を理解して) いくべきと思います。我々があの提言で、「データのその解釈の全面的公開」を 望む、としているのは、こういうところまでを期待したいからです。 出典: Lester, T.F. (1987). The effect of the nuclear accident at Chernobyl in the USSR on the export of milk products from the United Kingdom. Journal of the Society of Dairy Technology. 40(2). pg. 59-61. (引用部分、ウェブ担当者により省略) なお、これも、ここに出ています: http://userpages.acadia.net/jbrown/Rad3d.html#int levels ------------------------------------------------------------------- Yoshiyuki MIZUNO 水野 義之(大阪府 茨木市)
From: 小田 貢 Subject: [eml-9: 05602] Re: [eml-9: 05594] 核事故;トップだった人の責任 Date: Wed, 13 Oct 1999 17:22:44 +0900 米子真誠会小田です。井上さん、みなさんこんにちは。 副題(このmlメンバーの行政官の方へ) From: ・・・・ Sent: Wednesday, October 13, 1999 12:40 AM Subject: [eml-9: 05594] 核事故;トップだった人の責任 |核事故について、監督官庁の責任を問う小田さんの御意見には、 |厳しいなあ、と思いつつも、共感を覚えました。同感だとただ書 |いても仕方がないので、拝読していただけです。無視していたわ |けではありません。(以下割愛) 小田:丁寧なメールありがとうございます。 私の文章は厳しい印象があり、また内容的にも過激?に感じられる ところがあると思いますので、すぐに私のメールに賛同されるのは ちょっと勇気が要ると思います。自覚しております。 ただ個人的にはご賛同のメールも頂きました。 しかしながら私は、ある政治的指向とか、偏向的な思想をもっている ものではありません。 私は行政とか、組織の上層部の無責任により行政災害や、制度 災害がおき、沢山の市民や救急関係者が危険にさらされるのを少し でも防げないかと思っているだけです。 ですから事故が起きたときに、なるべく早く、事故の対処の情報交換、 のみではなく、事故原因に関する私なりの視点を発表する事に より、皆様がたの事故に対する視点に多様性が出ればよいと思って 私の意見を述べさせていただいております。 ですから、事件のいろいろな問題が新聞やマスコミで取り上げられ 始めれば、私のメールも不要になってきます。 私自身原因を追求するキャンペーンをしているわけでもなく、この メーリングリストもそれが目的ではありませんので。 今後も多少厳しい論調でメールを出し皆様のお目、お心をわずらわせると 思いますが、山陰にはこんな変わった人間が生きているのかと、気軽に 読んでください。いわゆる山陰の珍獣です。 最後に、私はいつも行政の欠点を書いているようですが、このメーリング リストのメンバーに沢山の優秀な、誠意ある行政官がいらっしゃる事を 承知しておりますし、その皆様がたの活動に敬意を表している事も付け 加えさせていただきます。 むしろ私はこのmlメンバーに加わって勇気或る発言をされる行政官の 皆様に将来の日本の行政を託したいという思いです。 小田 貢 URL : http://www2.sanmedia.or.jp/hosp/
Subject: [eml-9: 05618] 臨界事故HP Date: Thu, 14 Oct 99 19:20:55 +0900 From: Tosifusa Toda eml, WNN, saigai-ml, metronet-ml の皆さん、戸田です。 どうも、今回の事故では、中性子線被爆による急性障害の他に、ヨウ素131など の放射性物質(いわゆる放射能)の拡散による(さらにそれが、吸気や、飲水、節 食等による体内への取り込みによる)体内被爆による晩発性障害(発がん、胎児へ の影響など)の心配も皆無ではなさそうなので、急いで、 http://proteome.tmig.or.jp/saigai/rinkai.html に、以下のサイトへのリンクを 張りました。 ******************** 環境放射線モニタリング情報 事業所外空間γ線量率 事業所内空間γ線量率(その1) 事業所内空間γ線量率(その2) 事業所内観測降水量 ******************** これを見るかぎり、最初に・・さんが指摘した、「放射性物質の拡散」 --> 「降雨 による地表への落下」があったと考えるべきでしょうね。 雨が降った地域の地図や、当時の風向きの情報を出しているサイトをご存知の方は 教えて下さい。リンクを張りたいので。 ===================== 東京都老人総合研究所 遺伝子情報部門 戸田年総 東京メトロネット災害情報HP =====================