第2回災害医療セミナー


1997年2月28日(金)・3月1日(土)・3月2日(日) 

国立病院東京災害医療センター

主催:日本救急医学会(災害医療検討委員会担当)


プログラム(詳細)


開講式・オリエンテーション


◆災害医学の基礎

 各病院における災害対策や地域における災害医療を考えるにあたり、そもそもこ の地球上にはどのような災害がどれ位発生しているのか、災害の背景となる気象現象 、被害予測とはなにか、危機管理の考え方といった基礎的な知識が不可欠です。

 これらの内容はいわば基礎災害医学とも言うべき分野です。

気象と災害

   運輸省気象研究所気象衛星観測システム研究部第二研究室長 牧原康隆

世界の災害

   東京都政策報道室計画部計画担当課長 西川 智

被害予測

   京都大学防災研究所巨大災害研究所教授 川口恵昭

危機管理

   住友化学常務取締役 諸石光煕


懇親会


◆グループディスカッション・病院防災マニュアルはどうあるべきか

 阪神淡路大震災や地下鉄サリン事件以後各病院で災害マニュアル(防災マニュア ル)の作成・見直しが行われていると思います。また、厚生省からも病院防災マニュ アル作成の指針が示されております。

 このプログラムは、病院災害マニュアルを既にお持ちの病院から参加の先生方に はその特色や基本的な考え方、問題点等を紹介していただき、また現在作成中の病院 の先生方も作業の進行状況や問題点などを出していただき、グループディスカッショ ンの中で、より現実的、実際的な病院防災マニュアルとは何かを考えていくものです。

 参加者はあらかじめスモールグループに別れてディスカッションの後、全体討論 で各グループの意見をまとめます。

各グループ別討論

全体討論


災害事例検討

 我国は世界的に見ても災害の多い国であるといわれていますが、だからと言って 毎日毎日大災害が発生しているわけではありません。従って災害対策を考えるにあた っては過去の事例を徹底的に調査し、その教訓を少しでも生かすことが大切です。

 今回のセミナーでは自然災害として鹿児島県で発生した水害を、人的災害として 航空機事故を、それぞれとりあげました。

災害事例検討1−自然災害:鹿児島水害

   鹿児島赤十字病院院長 新村 健

災害事例検討2−人的災害

  ◎名古屋空港中華航空機墜落事故

     愛知医科大学救命救急センター教授 野口 宏

  ◎福岡空港ガルーダ航空機墜落事故

     福岡市消防局救急救助課救急係長 小川武志


パネルディスカッション・非難所の医療を考える

 昨年の阪神淡路大震災では発生直後の救急医療の問題点とともに数十万人の人々 が避難した避難所における災害の急性期から慢性期に至るまでの医療のあり方も問題 となりました。

 このパネルディスカッションでは、外部から被災地に入って避難所の医療を展開 する立場、被災地内の医療機関は避難所の医療に対してどう取り組むべきか、さらに 被災地内の医療機関の復旧状況、各地から集散する救援チームや医療ボランティアを 誰がどのようにコーディネイトするべきか、といった点から大災害における避難所医 療のあり方を検討します。

被災地外からの救援医療の考え方

  新潟市民病院院長 木村 明

被災地内の医療機関と避難所医療

  東灘区医師会・田中医院 田中良樹

避難所医療のメディカルコントロール

  神戸市立中央市民病院救急部副部長 石原享介


災害シミュレーション・高須伸克

 現在災害訓練の形骸化が言われておりますが、多数の人と器材を投入する実地訓 練を本当に実のあるものにするためには、実際にマニュアル通りに事が進むものか否 かを事前の机上訓練で十分に検討しておく必要があります。

 今回のセミナーでは、地下鉄サリン事件発生直後に約700名のサリン患者を診療し た聖路加国際病院の様子を机上で再現し、医師のみならず病院全体がどのように動く べきか、また実際にはどのように動けるのか、といったことを参加者全員のフリート ーキングで進めます。


災害拠点病院構想

     厚生省健康政策局指導課課長補佐 山本光昭

 先の阪神淡路大震災の教訓から、災害拠点病院構想が出され、既に一部では病院 の指定も行われております。しかし災害拠点病院が本当に有効に働くためには、拠点 病院の機能を維持するために日頃からどのような取り組みが必要なのか、拠点病院ど うしの連係はどうするのか、拠点病院とそれ以外の多くの医療機関との連係をどうす るのか、など様々な問題があります。

 災害拠点病院の運用を巡るこれらの問題について理解を深めることは、次にくる 大災害時の医療対策にとって極めて重要な意味を持ちます。


国立病院東京災害医療センター見学

     国立病院東京災害医療センタースタッフ

 国立病院東京災害医療センターはわが国全体の災害医療の中心的存在として運用( ソフト)面のみならず、設備(ハード)面でも様々な工夫が凝らされています。これ らをつぶさに見学することで災害に強い病院とは何かを改めて考えてみたいと思います。


閉講式


※プログラム・講師が変更となる場合があります。ご確認ください。


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