15保　第10320号
平成15年 5月22日

愛媛県保健福祉部長＿＿＿＿＿

　さて、救急搬送中に救急救命士等が行う応急処置について医学的見地から消防と医療機関の連携を 保証するメディカルコントロール体制の構築につきまして、本年３月に、愛媛大学医学部、医師会、救急医療機関、消防機関、県からなる、「愛媛県メディカルコントロールコントロール検討委員会」を 愛媛県救急医療対策協議会の専門委員会として設置し（事務局は県医師会）、本県のメディカルコントロール体制の大枠について検討を行ってきたところです。

　去る 5月19日に、県医師会館において第１回委員会が開催され、愛媛大学医学部白川洋一教授が 委員長に選出されるとともに、検討事項を協議した結果、第１回検討結果報告書として別添のとおり 取りまとめましたので、送付いたします。

　今後、この検討結果報告に基づき、郡市医師会、救急医療機関の代表、消防機関、保健所等を構成員としたメディカルコントロール体制の推進母体となる「地域メディカルコントロール協議会」を東・ 中・南予の３地域に設置し（事務局は県消防防災安全課）、指示体制、事後検証体制、病院研修体制 等の業務実施にかかるマニュアル策定など実質的な検討を行うこととしておりますので、 趣旨をご理解のうえ、ご協力いただきますようお願いします。

【送付資料】

【本県におけるＭＣ体制構築のための組織づくり】

• メディカルコントロールは、各地域の救急医療と密接に連携して行うことが望ましく、また、地域の実情に応じた体制を構築するため、東・中・南予の３地域に、推進母体となる「地域メディカルコントロール協議会」（以下、「地域協議会」という。）を設置する。

• 各地域協議会の中核医療機関及び代表消防機関は次のとおりとする。

  （東予）中核医療機関：東予救命救急センター

  代表消防機関：新居浜市消防本部

  （中予）中核医療機関：県立中央病院救命救急センター

  代表消防機関：松山市消防局

  （南予）中核医療機関：南予救命救急センター

  代表消防機関：宇和島地区広域事務組合消防本部

• また、ＭＣの技術的な問題解決等を迅速に行う必要があることから、愛媛県メディカルコントロール体制検討委員会（以下、「県委員会」という。）（１名）と各地域協議会（各１名）に、ＭＣの技術的な問題を統括し、連絡・調整を行うＭＣ統括委員を置く。

【救急救命士に対する指示及び救急隊員に対する指導・助言体制の整備】

• 救急搬送中、選任された指示医師から、医学的知識を必要とする以下の事項に関し、無線電話等の通信手段によって具体的な指示、指導・助言を迅速に受ける体制を、原則として地域協議会内にて構築する。

  ア　心肺停止患者に対する器具を用いた気道確保及び静脈路確保
  イ　その他の観察、判断、処置
  ウ　搬送先医療機関の選定

【事後検証体制の整備】

• 消防機関における救急活動の事後検証を実施するとともに、医師による医学的観点（以下の観点）からの事後検証体制を、原則として地域協議会内にて整備する。

  ア　心室細動、無脈性心室頻拍の患者に対する除細動
  イ　心肺停止患者に対する静脈路確保及び器具を用いた気道確保
  ウ　その他の観察、判断、処置
  エ　搬送先医療機関の選定

【病院研修体制の整備及び研修プログラム（案）の作成】

• 救急救命士が行う救急救命処置の更なる向上を図るためには、絶えず新しい知識、技術の習得が不可欠であり、再教育制度の早期構築を図る。

• 救急救命士による気管挿管の実施に係る病院研修の具体的方法や研修実施医療機関については、今後、県委員会において検討していく必要がある。

【メディカルコントロール体制に係る法的問題】

• 救急救命士の処置範囲の拡大に伴い、指示体制が機能している中や、病院実習中に発生する事故が懸念され、関係者に刑事及び民事上の法的責任が生じるおそれがあるため、その対応については今後検討する。

• また、検証票や救急活動に関する情報については、個人情報に該当する場合が多く、その開示については、当該自治体の関係制度に則って運用する。

　（任　務）
第２　委員会は、メディカルコントロール体制構築に関し、次に掲げる事項について検討を行うもの とする。
(1) メディカルコントロール体制整備の在り方に関すること
(2) メディカルコントロールの実施に関すること
(3) メディカルコントロール体制に係る調整に関すること
(4) その他、県内のプレホスピタル・ケアの向上に関すること

　（組　織）
第３　委員会は、委員25人以内で組織する。

　（委　員）
第４　委員会の委員は、規約第10条第1項により、専門委員をもって構成する。

　（役　員）
第５　委員会に委員長及びメディカルコントロール統括委員を置き、委員の互選によりこれを定める。なお、委員長は、メディカルコントロール統括委員を兼ねることができる。
２　委員長は、委員会を代表し、会務を総理する。
３　委員長に事故があるときは、委員長があらかじめ指名する委員がその職務を代理する。
４　メディカルコントロール統括委員は、メディカルコントロール体制の技術的な 問題に関し、地域メディカルコントロール協議会との連絡調整を行い、その結果を 委員会に報告する。

　（会　議）
第６　委員会は、協議会会長の同意を得て委員長が招集し、委員長が議長となる。
２　委員会で検討した事項等については、委員長は、理事会に報告する。
３　委員長は、必要に応じて委員会に委員以外の者の出席を求め、その意見を聞くことができる。
４　委員会は、委員の２分の１以上が出席しなければ会議を開くことができない。

　（事務局）
第７　委員会の事務局は、愛媛県医師会館内に置く。

　（雑　則）
第８　この要綱に定めるもののほか、委員会の運営に関し必要な事項は、委員長が委員会に諮って定 める。

　　　附　則
　この要綱は、平成15年3月10日から施行する。

　　　附　則
　この要綱は、平成15年5月19日から施行する。

（平成15年5月19日現在）