第3回中国四国救友会・資料

シンポジウム「新しい心肺蘇生法ガイドラインの諸問題を整理する」の検討項目

(近畿救急医学会 2002年3月、資料提供:尼崎北消防署 守田央)


1.新しい蘇生法ガイドラインから改善が期待できるか?
   期待できるとしたらどのような部分か
   期待できないとするならそれはなぜか

守田の問題提起と意見:
 CPRが単純・簡単になった、心マだけのCPRが容認された、
 などから、bystander CPRの実施率の上昇が期待できる。

2.各組織のマニュアルは統一されているか?
   各組織の裁量にまかされている部分はないか

守田:
 各組織でのマニュアルは必要か?
  必要だと思う。今回の改訂では、CPRの手技に関してかなり融通の利くもの
 となっている。各組織間、指導者間でばらばらになる可能性が高い。
 指導者間で、あくまでも、市民への展示方法としての統一した方法を作る必要
 があると思う。しかし、これは、あくまでも、展示用であって、実際に市民に
 指導する段階では、市民の理解度に応じてどんどん簡単に単純にしていったら
 いいと思う。

3.最も有効な指導方法は何か?
   ビデオの使用をどのように位置づけるか

守田:
 ビデオの影響力はものすごく大きい。可能であればJRCがビデオを作ること
 が望ましい。従来のビデオは、20〜30分のビデオを全て見せてから、
 実技に入るものがほとんどであった。
 しかし、AHAのビデオでは、パートごとにビデオを止めて、実技を行う方法を
 採用している。こういった形式のビデオが望ましいと思う。

4.G2000におけるBLSの二重構造をどのように取り入れるか?
  (一般市民と医療従事者で手順が異なる)

守田:
 特に問題はないのではないか。

5.指導上難しいと予想されることは何か?

守田:
 呼吸ありととらえない状況(喘ぎ呼吸、下顎呼吸)
 「循環のサイン」の観察方法
 時間の数え方
 異物除去の新指針の記載内容

6.JRCの指針で異物除去は混乱しないか?

守田:
 「新しい救急蘇生法指針」では、背部叩打法や側胸下部圧迫法は
 意識がない傷病者にも行っても良い手技だとされている。
 また、異物除去法の優先順位を決めていない。
 AHAは、一般市民に対して、意識がないまたは意識がなくなった傷病者には
 CPRを行うとしている。
 これらの記載は、市民や指導者の混乱を招くことになるだろう。

7.わが国のエビデンスを作るためにどのようなデータが必要か?

守田:
  早期の、全国でのウツタイン様式の採用。
  どの異物除去法がわが国では推奨されるのか、プロスペクティブのデータ。


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