研究代表者挨拶

厚生労働省科学研究費補助金難治性疾患政策研究事業

神経変性疾患領域における基盤的調査研究班

研究代表者   中 島 健 二
鳥取大学医学部医学科脳神経医科学講座

脳神経内科学分野 教授   

 

 

 国が推進する難治性疾患克服研究事業が、2014 年度に大きく変わろうとしています。この研究事業は、がん、生活習慣病、感染症、精神病、薬剤が原因である疾患などの他研究事業で対象となっている疾患以外の疾病であって、原因不明(病態が不明なもの)、治療方法が確立していない、稀少な疾病、生活面への長期の支障といった 4 要素を満たす疾病が対象となっており、政策研究事業と実用化研究事業の二つの事業からなります。昨年度までは、両者を含めた研究を展開するような研究班が組織されており、神経変性疾患につきましては厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等克服研究事業(難治性疾患克服研究事業))“神経変性疾患に関する調査研究”班が政策研究と治療法開発に向けての実用化研究の両者を行うように組織されていました。今年度から、政策研究と実用化研究の二つの研究事業に分かれて研究に取り組むことになりました。

 このような時期に、厚生労働科学研究費補助金(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))による『神経変性疾患領域における基盤的調査研究』班をお世話させて頂くことになりました。本研究班が担当しますのは神経変性疾患領域の疾患に関する政策研究事業で、診断基準・診療ガイドラインの作成・改訂・普及、疫学研究、 QOL 調査などを行います。客観的な指標に基づく疾患概念の確立していない疾患については、科学的根拠を集積・分析し、実態把握を行い、全国規模の客観的な指標に基づく診断基準・重症度分類を確立していくように取り組みます。一方、客観的な指標に基づく疾患概念が確立されている疾患に対しては、エビデンスに基づいた全国共通の診断基準・重症度の改正、診療ガイドライン等の確立や改正及び普及などを行うように研究を展開していきます。具体的な成果として、診断基準・重症度分類・診療ガイドラインの策定・改訂が求められております。これらの診断基準や重症度分類を作成・改訂することにより適切な診断や臨床評価が行われ、診療ガイドラインにより全国どこでも標準的な診療が受けられるように整備を進めることが本研究班の使命となっています。

 本研究班は、これまでの神経変性班が取り組んできた 1) 運動ニューロン疾患(筋萎縮性側索硬化症、球脊髄性筋萎縮症、脊髄性進行性筋萎縮症、原発性側索硬化症)、 2) パーキンソン病関連疾患(パーキンソン病、進行性核上性麻痺、大脳皮質基底核変性症)、 3) 舞踏運動疾患(ハンチントン病、有棘赤血球舞踏病)、 4) 脊髄空洞症の 10 疾患に、 5) 前頭側頭葉変性症、 6) シャルコー・マリー・トウース病、 7) ジストニア、 8) 脳内鉄沈着神経変性症・パントテン酸キナーゼ関連神経変性症、 9) 紀伊半島の筋萎縮性側索硬化症 / パーキンソニズム認知症複合の 5 疾患を新たに加え、計 15 種類の病気を対象としています。本研究班は、全国各所で活躍する 30 余名の神経内科医や脳神経研究者で構成しており、全国調査なども推進しやすい体制を構築し、全国的視野に立った研究を展開していきます。

 このホームページは、神経変性班の活動状況と成果を広く世の中に知って頂くと共に、神経変性疾患やその研究などについて理解して頂く目的で開設しました。神経変性班の研究会・班会議やシンポジウム・ワークショップ、現在進行中の研究や結果として得られた研究成果、変性班が取り扱う病気に関するトピックスなどを逐次掲載していく予定です。このホームページが広く活用されることを願っております。

 

平成 26 年 8 月 3 日

厚生労働科学研究費補助金
(難治性疾患等政策研究事業(難治性疾患政策研究事業))

『神経変性疾患領域における基盤的調査研究』班代表研究者

(鳥取大学医学部脳神経医科学講座脳神経内科分野教授) 中島健二


 
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