■脊柱管内治療 ISCT; Intra Spinal Canal Treatment は脊柱管狭窄症など病変にアプローチするのに、背側から椎弓を削ったり、腹側から椎間板を経由したり、椎間孔から椎弓などを削ったりする従来法と違うもう一つのアプローチの方法で、脊柱管内特に硬膜外の環境を変化させる治療法である。仙骨裂孔から腰椎と後頭窩から頚椎へのアプローチが考えられる。コイルカテーテルから可動式のカテーテル、そして硬膜外鏡の精度が抜群に進歩した。
■経仙骨脊柱管形成術 TSCP; Trans Sacral Canal Plastyは、ISCTの中でも仙骨裂孔から硬膜外に可動式カテーテルを挿入し、腰椎部の硬膜外を剥離したり、脊柱管の形成を行う手技である。以前より硬膜外鏡やラッツカテーテルなどが市販されてペインコントロールの分野で応用されていたが、器械は発展途上であった。2019年4月より硬膜外腔癒着剥離術K188-2/11000点が診療報酬で認められ、手技が見直され脊椎脊髄外科医を中心に再評価された。
高齢化社会を迎え、腰部脊柱管狭窄症は増加し、経口投薬や神経根ブロックと手術との間の治療オプションとして注目されている。