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(掲載:11.9.5)
水痘ワクチン再接種のすすめ
馬場 宏一
せっかく水痘ワクチンを受けたのに、その後自然の水痘にかかってしまう人が増えています(3人に1人)。
症状は軽い場合がほとんどですが、重くなる人もあり、一旦発症すると治療が必要となるばかりでなく、治癒するまでの間、集団生活に加わることができません。
すでに、水痘ワクチンを定期の接種として、広く国民に実施している米国などでは対応策として、再接種を推奨しています。
ワクチン後にかかった場合の水痘は、ブレークスルー水痘と呼ばれ、いくつかの特徴があります。
先ず、自然水痘同様、1〜2歳が好発年齢であり、飛沫または、空気感染によって流行をおこします。
米国では、自然水痘よりも、ブレークスルー水痘が流行の主体をなしており、水痘の流行をコントロールするためには、ブレークスルー水痘の予防法の確立が不可欠と考えられています。
また、年長者ほど症状が重くなることが知られており、これも、自然水痘でよく知られている現象です。
わが国では、ワクチン後、半年〜1年以内にブレークスルー水痘にかかる人が多いのですが、米国では、数年〜10数年後にかかる人も多く、特に年長者にしばしば見られる、重症のブレークスルー水痘を予防する対策が求められています。
わが国に於いても、将来水痘ワクチンが定期化されれば、同様の問題が予測されることから、すでに水痘ワクチンを、お子様に1回受けさせておられる保護者には、接種医と相談の上、1度目の接種から6〜7ヶ月後に、2度目の接種(再接種)について考慮していただくことが勧められます(ただし、再接種までに、ブレークスルー水痘にかかってしまった場合は、その症状が軽くても、再接種は不要です)。