公益社団法人 日本小児保健協会

協会からのお知らせ

(掲載:11.8.24)

感染症のサーベイランス

 感染症の発生状況を正確に把握・分析することは、効果的な対策を講じるための基礎となる。
 感染症発生動向調査(以下、発生動向調査)は感染症法に基づくサーベイランスであり、診断した医師から最寄りの保健所に提出される発生届等を活用して、感染症の発生状況を把握・分析を行う事業である。
 発生届の情報は、保健所から地方感染症情報センター(都道府県等が設置)、さらに国の感染症情報センターに送られ、これらのセンターが中心となって、地域や国全体の情報が集約される仕組みになっている。
 発生動向調査の対象疾患には、医師等に全症例の届出を求める「全数把握対象疾患」と、指定された医療機関(定点医療機関)のみに届出を求める「定点把握対象疾患」がある。
 全数把握対象疾患は一類〜四類感染症と五類感染症の一部、指定感染症であり、結核、腸管出血性大腸菌感染症、麻しんなど、70疾患余りが指定されている。これらの疾患は、診断された症例全てが届出の対象となる。
 定点把握対象疾患は五類感染症であり、手足口病、百日咳、マイコプラズマ肺炎などを含む30疾患が対象で、定点医療機関で診断された症例だけが届け出られることになる。
 地方感染症情報センターの多くは、それぞれの自治体の衛生研究所に設置されている。研究所では、必要に応じて、患者等から得られた臨床検体や食品等を用いて病原体の詳細な検査を行うとともに、感染症の発生届や疫学調査の結果等を分析している。
 感染症の流行の状況や、予防の留意点などについて、ホームページなどを活用して情報発信している。