第2回田坂賞受賞者は西伊豆病院院長 仲田和正先生に決定しました。
仲田先生は、もともとは整形外科医でありながら自己研鑽のを重ねながら、「田舎で」全科的医療を実践しておられます。
御著書「手・足・腰診療スキルアップ」や家庭医療学会生涯教育セミナーなどを通して、専門外の私たちに実践的“外来”整形外科診療を伝授してくださっています(時にはご自分の膝関節に生食水を注射までして)。
またTFCにおける、「最重要点は・・・」でおなじみのNEJMやLancetの総説などの紹介/解説は皆さんも重宝していることと思います。
選考の際に仲田先生よりいただいた「家庭医療についての思い(家庭医としてor専門医として)」の文章を以下に引用します。
「もともと自治医大の1期生でしたので、僻地勤務の義務もあり多科ローテートは当然でした。色々な科を回ることにより学際的な視点を持つことができるようになり、整形外科に進んでからもその経験は大変役立ちました。
田舎で診療をしておりますと全科的に対応せざるを得ませんし、独居老人であれば必然的に都会にいらっしゃる子供さんなど家族構成も知らなければなりません。また家族全員が患者さんであることも珍しくありません。家族構成を知り既往歴も知り、こういうのが家庭医というのかなあと思っております。
現在、インターネット普及のお陰で僻地にいましても医学の勉強にはほとんど困らなくなりました。田坂先生が始められたメーリングリストTFCは、家庭医の大変力強い味方となり、厚生省のどんな施策よりも僻地医療を改善したと思います。 より多くの若い先生方が、僻地医療を一度は経験されることを希望します。僻地医療はとても面白く、challengingなのです。」
授賞式は2009年プライマリ・ケア関連学会連合学術会議(5月29-31日、国立京都国際会館)の会期中、31日午前に行なわれる予定です。そこで仲田先生の教育的なご講演を20分ほどしていただく予定ですので皆さん楽しみにご参加ください。
田坂賞選考委員会委員長
内山富士雄 |