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日本家庭医療学会 議事録

日本家庭医療学会 臨時理事会記録(平成19年3月10日)
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【議案】
  1. 第22回学術集会について
  2. 日本在宅医学会の単位と作業部会への参加について
  3. 学会合同シンポジウム開催について
  4. 出版社からの学会員確認依頼について
  5. 後期研修プログラムの解釈について
  6. 第22回家庭医療後期研修プログラム指導医養成のためのワークショップについて

【議事】

理事会に先立ち、2月に亡くなられた田坂先生のご冥福を祈り、全員で黙祷を行った。

1. 第22回学術集会について

白浜 学術集会のことについては、いろいろご協力ありがとうございます。場所は損保会館でやります。行かれると分かると思いますが、部屋はたくさんあっていいのですが、廊下その他の余裕があまりない。遊びがない。そういう意味でWSなどは事前登録を行って、ある程度そこに行くということがわかっていないと大変かなと思います。WSは最初の予定よりも多く、40ぐらい全部で応募があったので、できるだけ一緒になるのは一緒にしましたけど、いろんな企画があるので活かしたいと思ってやっていると部屋がちょっと足らなくなりました。それで、大村さんが手配してくださって、隣りのホテル聚楽のコンベンションホールを使うことになりました。ほかに、JR御茶ノ水駅の日立本社ビルの中に貸し会議室がありますが、ちょっと距離があります。それと、とても高いので、今回はそこまでは広げないことにしました。そうすると、ポスターがどれだけ集まるか分かりませんが、ポスター会場はポスターを貼ったまま、その中でWSをすることになりますが、それくらいはがまんしていただこうかと思っています。あと、15日までの一般演題の募集と抄録の提出をお願いしています。事前にWSの受付を行いますので、ネーミングも分かりやすく、参加できやすいものにしていただきたいです。それから、インタレストグループも部屋の余裕がありますので、普通だったら大きな部屋でガヤガヤするのですが、自分たちだけ集まってしたいということであれば、50分という時間ですが部屋を与えてするということもできるようにしたいと思って準備しています。また、田坂先生のメモリアルコーナーはぜひ作りたいと思っていて、家庭医療学会で発表されたこととか、あるいはその関係でTFCのことで医学教育学会で発表されたものとか、そういう資料があるものについては掲示したいと思いますし、今からまだTFC関連の学会が、総合診療医学会、医学会総会、プライマリケア学会と続きますし、そういうところで、みんながこういうものは出せるとか、そういうものがあったら出していただいきたいと考えていて、今日の理事会で正式に決まったら動きたいと思います。特別賞などもひょっとしたら決まるかもしれないですし。そういうことも含めて、4月の医学会総会の後、お家にお寄りしてこういうことで計画していますので、ということで写真をお借りしたりとか、そういうことをお願いしにいこうかと思っています。学術集会については、事前登録をなるべくしていただいて、数がどれだけ動くかということだけを早く知りたいということがありますので、一応4月1日から事前登録を始めて、4月末を目標に。今ひとつだったら5月15日くらいまでは延ばすかも知れませんが、とにかく事前にいろんな準備をして、当日はあまり受付もバタバタしなくていいようにと思っています。なんとかいろんな協力を得ながらやっています。うまくいくと、今後も大学以外の先生が大会長を引き受けることが可能になるので、がんばりたいと思います。今後ともご協力よろしくお願いします。
竹村 田坂先生のメモリアルコーナーに関してご意見ありますでしょうか。
白浜 今、考えているのは、田坂先生が今までにどういうお仕事をされたかということと、書かれた論文で興味深いもの、例えば川崎医大の卒業生にされた日本でのプライマリケアのニードとか、そういう目で見えるものは残して。それからTFC関係で武田裕子先生が発表されたものはそのままのフロッピーがまだ残っているので、そのまま貼らしてもらうとか。そんなことを1つ思っているのと、できれば、TFCの管理というのが田坂先生にとって大きなお仕事だったので、家庭医療学会の関係の方で、自分が励まされた田坂コメントを並べてもいいかなと思っています。そのあたりも、来週の総合診療学会など、いろんな所でメモリアル的な集まりがありますので、そこでちょっと膨らませていこうかなと考えています。また、皆さんから何か企画があればお知らせください。伴先生も津田先生も直接の上司であられたので、何か書いていただけるなら書いていただきたい。メモリアルコーナーについてはそんな風に考えています。場所としては、ポスターセッションの、ずっと皆が見れる食堂の一角をメモリアルコーナーにしようと今のところは思っています。
竹村 他のワークショップと同様にどなたか中心になるような方を決めたほうがいいと思います。
白浜 それは決めたいと思っていて、田坂先生に近かったメンバーでお願いできる方に中心になっていただこうと思っています。
竹村 具体的には。
白浜 今は具体的には決まっていません。総合診療学会は大滝先生が中心となってされるそうですが、ちょっと相談させてください。
竹村 特別賞については。田坂先生のご功績に対して学会として特別賞を授与したほうがいいのではないかという意見がありますが、そのあたりについてご意見など。
特別賞は大会とは別だと思います。学会が出す。前例として白浜先生も挙げておられたのは、医学教育学会で吉田一郎先生が急逝されたときに学会として出した。それは医学教育学会というのは長年の功績を賞する牛場賞というのともう1つ論文に与える賞があるんですが、そのどちらにも属さないようなという形で出したのです。家庭医療学会が出している賞は研究の、学会の発表の賞ですか。あんまり思いつきで賞を出すと、後で、あの賞も、この賞も、となったらいけないとは思いますが、家庭医療学会、プライマリケア学会、総合診療学会が田坂先生がコントリビュートしていた学会だと思うので、ぜひ出せればいいと思う。
白浜 藤崎先生のコメントにもありましたように、TFCが発足一年ぐらいのときに、賞に値するのではという議論もすこしありました。ただ、今後、もっと伸びるだろうからその時でいいのではないかという話もありました。TFCというのは、家庭医療学会の準機関メールという形で、間違いなく、家庭医療学会の学会員が増えた一つの要因は、TFCを通して家庭医療の面白さを知ったということはあると思うんです。そういう意味でも、特別賞というのがあたると思うし、今後も学会賞だけではなくて、学会のために大きな貢献のあった方には特別賞というのはあっていいと思います。まず、今回は田坂先生のためにというのでいいと思いますが。今後もそういう規程を作っていいと思います。
山田 メモリアルコーナーと特別賞の創設については異論をはさむ方は全くいらっしゃらないと思います。メモリアルコーナーについては白浜先生に主導していただいて、特別賞の創設は、どういったものがいいかご提案していただく。盾や賞状や記念品だとか、そういったものが適当なのか。それを贈与するときには、今度の学術集会の時にもしご家族が来ていただけるのなら。
白浜 医学会総会の後、広島によってご家族にご挨拶とそのあたりお願いしますということをお伝えしてこようと思っています。奥様が来られるかと思いますが。
山田 この件に関しましては、ご一任していただいていいですか。何かご提案があれば。田坂先生は家庭医療の枠組みを作ってくださったことは、創設時の代えがたい功績です。他の人ではできなかったですし。ただ、功績を称える方法は他にもあります。例えば、家庭医療学会で記念誌を作るとか。あるいは田坂先生の名前を入れた賞を作るとか、事業名の中に入れて今後も残すとか。それぐらい家庭医療学会に対して、田坂先生の貢献度は高かったと思います。それも創設期に。誰もあれだけの仕事量はできなかった。功績は群を抜いているというか。今日、ご意見があれば是非、お伺いして。とりあえず、特別賞を付与するということはよろしいですか。
津田 上司として、とてもありがたいと思っています。ぜひやっていただきたい。本人はもういないので、記念になる盾とか、仏間に飾ることができるようなものがいいかと思います。
白浜 今後、田坂賞というものがあってもいいかと思う。
山田 それでは、盾などそういうことについてはこちらでご用意します。
竹村 事後になりますが、田坂先生のご逝去にあたり、学会としてお花を送らせていただきました。
津田 ランチョンはCOPDとうつ病・自殺予防だったが、どちらも土曜日がいいといわれて、COPDを土曜日にさせていただいて、日曜日は秋田大学の先生の推薦により、青森県の先生を紹介していただいき、その方と今交渉中です。

2. 日本在宅医学会の単位と作業部会への参加について

竹村 在宅医学会の単位の件ですが、今年、在宅医学会が専門医制度の規程を変更しました。認定単位ということを見直しているらしいのですが、その中で、日本家庭医療学会の学術集会・総会に参加したときに3単位、家庭医療関連の演題発表をしたらまた3単位、在宅医学会の単位を付与するという形にしたいそうなのですが、この件に関していかがでしょうか。認めていいのかどうかということなのですが。家庭医療学会の学術集会に参加して、在宅医学会の単位が取れるということにしていいでしょうか。
白浜 こういうことは初めてですか?
森  在宅医学会が決めることではないんですか?こちらが決めるような性質のものでしょうか?
山田 こちらが何も知らないで、参加していた方に単位を付与されるというのも、単位の補完性がないですから。反対にこちらから求める場合もありうるようなことを打診されたのではないでしょうか。
津田 専門医制度を発足させて、認定された方がいらっしゃるんですか?
森  40人ぐらい。創設期から在宅医学会に入っているような人が経過措置で認められています。
小林 3単位取っただけで認定医が取れていいんでしょうか。
岡田 単位の一部として。
小林 単位の相互認定ということであれば問題ない
竹村 反対の方いますか?認めることに慎重であるべきという方。
白浜 いいと思いますが、実際、どれくらいのスパンで更新されていくか。こちらの参考にもなります。
生坂 内科学会、臨床内科医会、医師会、プライマリケア学会など、いろんな単位認定制度があって乱立状態になっている。これを認めるということは、家庭医療学会としては在宅医学会も認めるというような間接的なメッセージになると思うんです。家庭医療学会の盛り上がりに寄与すればいいことだと思うんですが、あんまり安易に認定してしまう状況はどうかなとは思います。山田:そんなところが、懸念でもある。ただでさえ、家庭医療のフィールドの専門医をどうするかという時なので。特に在宅医療は家庭医療の非常に肝の部分で、非常に家庭医療と切っても切り離せない部分です。おっしゃる通り、これを認めるということは家庭医療学会の魂を売っているような感じがしないでもない。ただ、まだ雑然とした状態だし、このことで、在宅医療を一生懸命やろうという人たちの求心力に少しでもなればいいかと思うので、とりあえず、今は細かいことを言わなくていいかと。
伴  在宅医学会が専門医制度を作るときに相談を受けた。そのときには、どんどんそれぞれの学会が専門医制度を作っていたらまずいので、今、3学会共同という話し合いをしているので、そういうところに入って専門医制度を作ってはどうかと言ったんですが、一方的に走っている。在宅医学会が本当にそういう気持ちかどうかは分かりませんが、ある程度、家庭医療学会としても承認しているというメッセージを期待しているのではないでしょうか。
岡田 2010年からの本認定というところで、何か連携はあるか。そのあたりを、多少お願いをしたらどうかと思います。
山田 そうですね。
伴  日本家庭医療学会が認めているという一つの根拠になる。
津田 混沌とした時期なので、けんかするよりは認めておいて、いずれ吸収していく方向のほうがいいのでは。
山田 今回はお認めして、今後の認定医等は、合同で協議させていただく機会を下さいとお願いする。
白浜 在宅医療を進めたいという厚生省の流れが間違いなくあって、今の辻次官、あの方が熱心で、このことをするためにアドバルーンとして、例のかかりつけ医の認定をどうするかという流れがあるようなのですが。間違いなく、在宅医療は家庭医療にとって肝で、それは避けられない。そして、向うにしても、作るならちゃんとオールジャパンを作りたいと。家庭医療学会からは出て欲しいと。この前、私がシンポジストの一人として行ったので、わたしか、あるいは理事会から推薦される方にお願いしたいということです。このオールジャパンの部分はある意味で、宛職みたいな感じです。実際には作業部会というのがもう1つ動きます。作業部会はどうも東京でやるらしいのです。
東京で誰か動ける、実際に家庭医として在宅をしている人に入っていただいたほうがいいかと。 というのは、この前のフォーラムで非常に感じたのは、在宅専門医を作りたいとものすごく感じる。わたしはあえてその時に言ったのは、今、家族とかコミュニティがある意味で崩壊してきている。10年前に比べて、在宅が減っている。介護保険が減って在宅が減ってきている。実際にいろんな方に聞いてもそうだと言われる。だから、在宅だけが足りないから、今度の看取りの1日10万円とか使って在宅をする。24時間在宅を受ける診療所をとりあえず数として合わせようと。それで、170万亡くなっているうちの少なくとも半分か3分の1は在宅でという。それは国の方策としては分かるんですけど、わたしが危惧するのは日常的なフォローはないのに、在宅の部分だけ診るという医療をすると、本当の意味での看取りとか、看取りというのはその時に死亡診断をするのではなくて、その後の家族をケアするとか、そちらのほうがが大事だと思っていて、 そういう意味で、家庭医療のトータルで家族を見るとか、地域を見るという人間が敢えてここに入っておかないと、在宅だけすればいいというような、そういう感じを受けるんです。在宅をプロにするということは、都会では成り立つかも知れないが、地域では絶対に成り立たないと思うんです。そういう意味では関わっていたほうがいいと思っています。もちろん、わたしは最初の関わりがあるので関わろうと思うができれば、もう一人ぐらいは、東京あたりでいてくださると非常にありがたいと。作業部会に関われるような方を出していただいたらもっとありがたい。
草場 今の白浜先生がおっしゃったことには非常にわたしも同感していまして、室蘭市で在宅医療支援診療所としてやっているんですが、室蘭市人口10万人のところに在宅療養支援診療所が2つしかないんです。一般の開業の先生たちはこの要件ではできないと。24時間の訪問看護との連携は難しい。そこまで自信もってできませんと。在宅のみの事業所が札幌にはいくつかありますが。そういう流れができてきていて、地方都市での在宅医療が骨抜きにされる流れになりかねないと思う。在宅だけを専門にする先生の勢い強く、いろんなところの会をみていても、在宅専門の先生が発言されているのをお見かけするので。家庭医療学会としてもかなりここは力をいれてやらないと、油断できない。在宅のみをやる医師がたくさんいる日本という国はかなり特殊な医療構造になってしまう。
白浜 作業部会はほとんどが在宅の人がメンバー。
松下 新たな在宅医の人材の養成に関する部会というのは、うちらが切り込んでいきやすいと思う。今回の後期研修のことも含めると。
白浜 東京あたりで、家庭医療学会のなかで在宅をやられているのは誰かおられますか。
山田 藤沼先生。
白浜 では、その線で。打診して。
松下 実際、奈義町でも一生懸命やっているが、作業部会の頻度が分かれば。関わりたいというのはある。
白浜 どういう関わり方ができるか聞いてみます。直接行けなくても、メールで参加でもいいかどうか。
松下 できたら、複数いたほうがいいと思います。
草場 メールという形でよければ、喜んで。
竹村 交代で出席する。
白浜 学会としてうけおったという形にすれば。わたしだけが行くよりも何人かが関わっていただいたほうがいいかと思います。
山田 正しい在宅医療の道を提言していただかないと。在宅医療というのを切り売りで、それをまた、医療制度の中で切り離して、病院医療と在宅医療という中で政策誘導だけに使われたり、専門医の人たちが場合によっては在宅医療を今度は、在宅皮膚科医や在宅整形外科医とか、そういう流れになりかねない。在宅医療こそ家庭医の機能を一番発揮しやすい。質の高い在宅医療をするために家庭医が必要なんだということを是非主張していただきたい。
伴  例えば、生涯教育委員会の中に、WSのための案を出すMLがある。作業部会についてもグループを作って、意見を集約して代表の人が持っていくというような構造を作ったらいいと思う。
草場 在宅皮膚科というのもちょっとできつつあるんです。皮膚科医が増えてきて、あまってきていて、在宅を中心に往診している皮膚科医がいる地域が青森にはある。そういう危惧はかなりリアルになっている。
山田 それは、家庭医療学会の考えている在宅医とかなり離れますよね。
岡田 家庭医療学会員ではないとダメですかね。1人かなり適任者がいるんですけど。小野沢先生。我々の非常に心強いサポーターで、こういう流れがなかったときに在宅医療をはじめられた。立場上、在宅の専門医ですが、明らかに在宅は家庭医がやるべきだという形で、協力されている方ですので。我々とフィロソフィーも同じですので。発言力も大きい方。
竹村 会員に入っていただけば。
生坂 個人的な意見なんですが、国がかかりつけ医認定制度の中に在宅24時間体制をひとつの要件にするということもあって、開業医を在宅に誘導したいのでしょうが、元開業医の立場から言うと、在宅の24時間オンコールはソロでは厳しいんです。それこそ過労死の原因になるくらい大変です。これができるのはグループプラクティスかあるいは在宅医に特化したクリニックだけなんですね。そのへんを我々、家庭医療学会がソロでやったときもある程度できるような要件に緩和するような提言をして欲しい。中央の委員会へ行かれる方にはそれはきついのではないかと言っていただきたい気持ちもありますし、あるいは在宅学会のようなグループを家庭医療学会の中で抱え込む。そういう人たちも家庭医療学会に取り込んで家庭医でも実現可能な在宅の仕組みを考えてもらう。いずれにしても家庭医の三大要件の1つが在宅という動きはきついかなと。ソロでやっていこうという人にはきつい。欧米をみても、在宅はたくさんの項目の中の1つなんですね。コアスキルの中の1つに過ぎません。アメリカやイギリスの家庭医もそんなに在宅をやっていません。
白浜 去年、委員会に行ったときにわたしは、雪の日に家族が僕を呼ばなかったという事例を出したんです。在宅の要件はすぐ行くということが要件なんです。でも、ちゃんと読めば24時間以内に行けばいいんです。すぐ行かなくても。それだけの信頼関係があればそれができるということを伝えたかったんです。
生坂 田坂先生の葬儀に行って聞きましたが、バケーション中にもかかわらず田坂先生の携帯は始終なっていたと。分別ある患者さんばかり診ているはずの田坂先生の携帯がそれだけなるということは、24時間対応を一人でやるのはやはりかなりのストレスになるのではないでしょうか。
白浜 そこらへんのことも作業部会で具体的に話したほうがいいかと思います。在宅だけをやっている人は3人ぐらいでチームを組んで、上手に時間分けをしてやっていますが、小さな村にいると、最後まで看取りたいというのがあるから。年間そんなに頻度はないが、その村でも最後は死ねるという保障にもなる。ある程度、具体的にできることも含めて、システムについて言わないと、在宅の人たちは在宅オンリーでやっているから、できるから。そういう意味でそこへ行かないためにもわたしたちが関わることは必要。先生が言われたことは非常に重要な視点だと思います。
亀谷 都会にいる立場として。最近の若い人の開業のスタイルに金儲けという意味で在宅オンリーという志向があると思う。多少、国の政策にのっているようなところがあって、独自にその線で走るようなグループが懸念される。彼らも家庭医療のグループと位置づけるべきか。金儲けのためにはこれしか生きる道がないと、在宅で自分は生きるんだと、独善的な方向に走りかねない。そのことも含めて大きく捉えるべきだと思う。 
山田 在宅だけを語り合うのではなく、家庭医としての在宅とか、在宅は家庭医療にとって肝なので、今のお話ではないですが、本来は開業している人たちが8時−5時で家に帰ることのほうが今の開業スタイルとして問題で、在宅をやるというのは24時間アクセスを保障してあげること。本来、家庭医はすぐに診なくてもアクセスを保障してあげることのほうが大切です。そこで培われた信頼関係で末期も診ましょう、あるいは在宅も診ましょう、後期高齢者も診ましょうということで、質を高めるための提案をしている。なにも医療費のことでわたしたちは左右されていないですよね。
亀谷 一部の人たちの金儲け主義が、在宅の質を落とす可能性がある。我々はそこにブレーキをかけるようなシステムを作るべきだと思います。
山田 在宅の正論を推してもらいたいと思います。その波を正すように。
白浜 メンバーとしてはわたしが継続して出るということで。あとは何人か。また、公募してもいいですね。
津田 作業部会に毎回違うメンバーがいくのは、意見のずれが出てくるので。ある程度しぼらないと。
竹村 そのあたりは調整、お願いします。

3. 学会合同シンポジウム開催について
竹村 HPや学会MLや理事会MLでも配信する予定ですが、日本プライマリケア学会、日本家庭医療学会、日本総合診療医学会による3学会合同シンポジウムが3月21日に損保会館で開催される予定です。周知していただいて、興味のある方はできるだけ参加いただくということでお願いしたいと思います。
津田 ポスターを持ってきました。3学会の事務局を●●にやってもらっていて、手違いで配布が遅れた。

4. 出版社からの学会員確認依頼について
竹村 プリメド社から依頼がありまして。プリメド社が日本家庭医療学会編ということで、『プライマリケア救急』という本を出版すると。それにあたり、日本家庭医療学会会員に限って割引販売したいと。問合せがあった場合、会員であるかどうかを確認したいということで、プリメド社の鎌田さんのほうから現在の会員の氏名と所属のみをお借りすることはできるかという問い合わせなんですが。
岡田 その都度照会で。

5.  後期研修プログラムの解釈について
検討事項:後期研修PGの診療所研修6ヶ月の具体的内容、診療所研修に小病院を入れるかどうかということ、PGが終わったあとの医者の名前、PG認定の具体的なやり方、指導医養成のあり方
申請についての質問について・・・指導医は、PG責任者が指定、PG責任者はWS参加者。執行部案として、指導医もWS参加者としたらどうか。申請書をダウンロードしていただいて、申請して、WS参加者かどうかを見て決めたい。
岡田 指導医の養成の件、WSの参加を要件とする?WSというのは家庭医療学会が実施する?
竹村 今年度までであれば、今まで4回やったWSに参加しているかどうか。来年度からは、別。
松下 矛盾があって、今までそういう要件だと言ってなくて、既に指導医として出している方はもう終わりですから参加できませんと。4回で終了だとしたら、参加できなくなってしまう。指導医になれないということになる。これまでの4回のどれかに参加していることを要件とすることを4回終わる段階でいうのはどうかと思う。これからのことも示さないと無理があると思う。
山田 PG責任者が指名して列記している例もある。責任者が自分の判断で指導医になりうると、そこだけで認可してしまうとおかしくなる。基準がないということになる。指導医養成とかプログラム認定の進行具合を共有していただいていればとくに目安はないので。WSという形か、学会が指導医とのために連絡する会に参加いただけることを条件とすると。WSという形か、指導医養成という形で続くのか分からないが、今後も続く。勝手に指導医をPG責任者が認めるのではなくて、学会として、皆一丸となって、参加していただいている人たちに指導医として認定しましょうと。学会が主催している会に参加していることが条件となると。いかがでしょう。
松下 これまでの4回に限らず、今後も継続されるWSに参加でもいいという雰囲気にしないと、認めているのか排除しているのか分からなくなる。
竹村 診療所研修6ヶ月の解釈の仕方を変えたほうがいいのではないかと。ブロックでなく、週に何回かで、合計が週5回×6ヶ月になるように解釈してもいいのではないか、という意見があったが、非常に大切なことなので、この会で一応の結論に達したいと思っている。
伴  バラエティを認めることに賛成なんですが、ただ、週一回なりやる場所は病院の外来ではなくて、診療所の外来と規定したらどうか。
亀谷 松下先生がまとめられていたものをたたき台にさせてもらったら。
松下 MLの議論ではフルタイム6ヶ月間の診療所研修というのがどんなものを指しているのだろうかということで、藤沼先生であったり、わたしの意見では、外来が毎日、平日の午前5コマ出ていて、2コマの在宅をこなしているくらいのイメージが診療所でやっているようなニュアンスかなと。そこを6ヶ月という基準に区切るとどうかなというアイデアだったんですが。外来が5コマ×4週×6ヶ月ということで120コマという枠。在宅が2コマ×4週×6ヶ月で48コマという枠をどう使うかということで、例えば週3コマ外来という方だと10ヶ月間。週2コマだと15ヶ月間、週1コマだと30ヶ月間という枠組みになるのではないかと議論をしていたのと、場については、家庭医の診療所で研修をやるというのが一番理想的なのですが、家庭医の診療所というのをこれから作っていこう、認めていこうという状況なので、それに近い形の、分化されてない渾然一体とした中で、内科も小児科も他の科のこともひっくるめて診ているような診療所、だんだんそれが内科だけやっている診療所プラス在宅だったり、外来だけやっている診療所プラス在宅だけをやっているところと手を組むとか、小病院の家庭医療科だったり、小児を十分受け入れてないが、今後がんばろうとしている家庭医療科であったり。現時点では内科と小児科、在宅も分かれているが、今後は複合的にこれからやっていこうとしている小病院など。グレーゾーンをいくつか作ってみたらどうだろうということで提案はしてみたんですが。時間枠についてはいいが、場についてもう少しは議論していたほうがいいと思った。6ヶ月間を、どういうオプションをどこまで認めるか。
岡田 時間のほうですけど、週何コマという形でばらすことは多少認めてもいいと思います。ただ、週1回往診するのと、診療所でフルタイムで外来をやって、24時間診療所をやってということと比べてみると、ずっと3年間週1回だけで、この6ヶ月間満たすという形で、往診とか外来をやると、翌日のフォローアップとか、翌日悪くなるとか、そういう部分でのアクセシビリティが患者さんにとって悪い。週1回となると、本当に落ち着いた状態の患者さんしか診れない。在宅も同じで、週1回だけ他に預かってもらって、定期往診だけ行くと、臨時往診に1回も行かないので、全然、研修の中身が違うんですね。1ヶ月か2ヶ月くらいはそこにがちっと張り付いて、自分の診た患者さんが翌日、数日後悪くなる、もしくは臨時の対応をするという機会はないと。6ヶ月は必要ないと思いますが、全部を週1回でまわすとなると、というのはかなり中身が違ってくる
草場 北海道医療学センターでも、伝統的にハーフデイバックというのをやっていて、初期研修の間に週に半日だけ診療所で研修を行う。そのレジデントが後期に入ると、診療所にびっちり半年間研修するんですが、岡田先生がおっしゃった点を非常に実感していて、週半日きている時の学びは限定されていて、本当にコモンディジーズのマネジメントの勉強みたいなところがあるんです。コアカリキュラムの部分の、例えば、外来の看護師さんとの連携の部分とか、とんでもない電話がかかってきて、その対応とか。診療所でやっているなかで、家庭医としての、診療所マネジメント、コモンディジーズを対応する部分を超えた部分の経験、家族とか他職種との連携などはハーフデイバックでは教えられなかった。実際に自分の経験だと4ヶ月でぎりぎりというのが実感。2ヶ月では何となく雰囲気が分かるぐらいで終わる。6ヶ月かどうかは議論が必要ですが、ある程度のブロックは必要。この案の中で、フルタイム週3コマ、2コマ、1コマなどあるが、週3コマだとどういう経験ができるか、そういう細かい議論になるかと思うんですが。切っていくやり方は良く考えないと研修医もよく分からなくなるかもしれません。半日だけ行っていて家庭医でいいのかなと。自分が家庭医療学プログラムにいるのかという感覚になりかねないので、かなり慎重にここは議論したほうがいいかと。
岡田 初期研修医だったり後期の1年目だったりだと、まだ病院のローテーションのウェイトが大きい時に週1回しか来ないと、診療しながら病院の患者さんが気になって、病院の患者さんのカルテみたりとか。レセプトのカバー、検査値の異常が返って来たときの対応など、要するにいなくなってからの起こることの対応を全部引き受けないといけない。
小林 あまりメールでは意見を出していなかったが、非常にいい議論がなされて、方向性が示されたと思う。ハーフデイバックやアイデンティティクライシスの話も出ていました。アイデンティティを守るためにはけっこう有効な手段と考えていて。家庭医療が目指している能力、どういう医師が作られているかという部分を考えると、ある程度、ブロックの診療所研修が必要ですが、それをみんなに言葉で伝えるのは非常に難しい。家庭医療を研修して出来上がった医師をみんなが共有することが 一番の示せるもの。だから使ってみないと分からないというか。家庭医じゃない人と一緒に家庭医を育てることで、いくら説明しても分かってもらえないんですが、何年かして、後期研修医が育っていく姿を見てやっと分かってもらえる。それを言葉で限定して作るのは非常に難しい。このプログラムでやれば本当にできるのかも分からないですし、小病院であっても、そういうマインドがあればできるんですが、今の家庭医療学会としてどういう政策に出すかというのは理想形で、わたしはもうちょっと現実的にならなければいけないと思っています。今の医療の制度が今後、どういう方向を向いていって、混合診療になるのかとか、保険制度がどうなるのかとか。アメリカの場合、医療政策というか、お金を減らすための政策として、それがニーズにあって伸びないと、後押ししないと、いい医療を提供するために伸びようと思ってもなかなか動かないけど、それにある程度、後ろの風があってのらなければいけない。迎合する必要はないが、議論はずれますけど、小病院をひっくるめてうまくできるようにしたほうが、数がないといけないし、自分たちがやりたいことを将来実現するために今のステップとしてどうあるべきかというのを考えていかないといけない。
葛西 それぞれのブロックでどういう目標を持っていくかだと思うんですが、診療所を使うものでも、ハーフデイパックで週1回みて。我々のところでは、病院を中心としたトレーニングをやりながら、実際の地域で家庭医が見る問題がどういうものかというのに一週間に1回●●、こういう問題もあるんだということで、それを内科の病棟の研修の中でも活かしてもらう。そのためのブロックでやっていきます。それをいくらやっても家庭医ではない。家庭医の研修パーツをあわせる週1回のことをやる以外に家庭医として生きる、家庭医としてずっと家庭医のことをやっていく、それを家庭医に教えてもらう、そういうブロックが絶対必要。これは家庭医の研修プログラムなので、3年あるうちのかなりの部分はそれを費やしたほうがいい。ただ、現実的にこれは運用は難しいし、指導医にしてもその場で6ヶ月、家庭医療を教える家庭医の指導医はまだいないので、将来的には今の小病院の指導医たちもそういうふうになってほしい。小病院でやるのも、診療所の●●●というディスカッションもありましたが、 そのブロックは家庭医が家庭医の研修医を教えるブロックという風に考えて、学会の、小病院の先生で、ちょっと自信がないなという人にはWSを提供しながら家庭医の指導医をなっていただいて。1箇所で6ヶ月は無理としても、2〜3箇所であわせて6ヶ月。その期間は何コマということではなくて、労働時間としては24時間ではないにしても、精神としては24時間6ヶ月は家庭医として生きてもらうのが大事で、そこでは、カリキュラムとして書かれたものを寄せ集めたもの以外のものがあるし、家庭医として生きている指導医をずっと見ているというのがあるし、その地域にもずっといる期間なので、この期間を作っていく。
亀谷 理想形と現実形があるように、地域で指導できる医者はどれくらいいるかというと、いないほうが圧倒的に多い。理想を掲げて、それに向かわないと、実現しないからダメだというふうにすると、前へ進めない。段階的に、例えば、3年とか5年の初期段階に指導医層を育てる。
診療所で受けられるようなキャパシティを持った指導医を育てる。受け手がなければ研修しようと思っても場がないわけです。3年とか5年とか長期スパンに考えて、段階的にこの学会としてまず始めはゆるくても一番大事なところは見失わないで、 段階的に考えていかないと無理ではないか。いみじくも、岡田先生と草場先生が手を上げられたということは、家庭医療のセンターをすでに持っている。そこで理想的なことを既にやっておられて、過去の実績があるわけです。
多くのプログラム申請者は今から作る人が多い。申請者が先生方のセンターのように発展できるような余力を持ってやっていかないと難しいかなと。診療所と指定されると、完全に不可能になってしまう。専門の家庭医療センターなどを作らないとできない。
津田 理想形と段階的なものがあっていいと思う、日進月歩なので、3年ぐらいを目処に見直す。もう一つ、どこまで譲るか。譲って、本当に家庭医が育つのかということを考えないといけない。
亀谷 評価、アウトカムをどういうふうに設定するか。小林先生もおっしゃったように、やっていったうちにまわりが認めてくれたと。家庭医療にそういう意味合いもある。口でいくら説明してもわかってもらえない。私たちの病院の中でも、1年間でずいぶん変わった。
津田 小林先生がおっしゃったのは、現場でトレーニングつまないと、いくら説明しても分からない。短期間、現場で●●して見えてきた。大学の総合診療部でいくらコミュニティー●●、プライマリケアやファミリーメディスンといったって、見えないものはたくさんある。現場で行って初めて見えたものがある。ある一定期間は現場に行かないと。
亀谷 奈義も特別に建てられた診療所ですよね。家庭医療センターという。場所的にも、構造的にも スタッフ的にも教育ということを前提に建てられた診療所ですよね。
津田 6ヶ月間をそういう理想的なところで研修しろと言っているわけではなくて、何がしかの期間は、家庭医ということにどっぷりとつからないと。
葛西 学会で標準的なプログラムを作る1つの大きな目的は、プログラムを提供する側の、大学とか病院などが日本でいい家庭医を作るためのプログラムに合わせて、自分たちの施設、組織を努力して変えるということだと思います。今ある枠組みの中だけで提供できるものだけをやろうというのではなくて、努力して作れるかどうかということを示して。それは、そこに入れない人は置いてきますよということではなくて、そこに入りたいと思っていて、なかなか困難がある人には学会が協力したりアドバイスをして。本当に病院で、地域の診療所を探せないのか。そういうコラボレーションを作れないのかどうか。草場先生のところも、岡田先生のところも、システムは頑張って作ったんだと思う
亀谷 今から頑張る人たちに、頑張れるだけの時間的な余裕を与えないと、発展しないのでは?
本当に熱意を持って過去にやられた人たちがここには何人かいらっしゃる。その人たちが基準になると、今からやる人たちは場合によっては10年かかる。努力してできるような体制を作らないといけないと思うが、それはすぐできないので、できるところからやっていく。現実的に考えるとしたら、診療所に自分たちが育てた人たちを行かせて、あるいは常勤させて、そこに研修医をまわす。そうしたら、もう少し自由度はあって、1日ではなくて、2日とかできるけど。その診療所を作るのはそう簡単にはできない。
山田 今言われた議論が一番問題になっている。結局、このプログラムが普及できるかどうか、3学会合意ができるかどうかは、一番主な力が入ったところは診療所6ヶ月というところです。それぞれの枠組みがあって、スポンサーシップを発揮しているオーナーが3年のうちに6ヶ月を診療所に医者を預けてしまうことが許されるかどうかということにプログラム責任者はすごく責任を持っているんです。交渉できるところとできないところが現実にある。できないところを学会がどこまでサポートしてあげるか。できないものは、その間、できませんと言うのではなくて、回避的なことも認めてあげないと。今回のプログラムを申請してくれた何十という施設、その倍くらいはクリアできなくて、応募してこれないという人たちも実はあるのでは。特に大学とか卒前、卒後の若い人たちを抱えているそういったところの人たちがまだまだ家庭医療学会の認定プログラムにのって来れないハードルになっているかなと。そこをどう表現すれば。これからプログラム開発なんで。枠を広げておいて、審査の段階で連携する診療所がないとダメだというところに持っていけばいいが、最初の段階でどこまでそれを許すのか。許すことで程度が低くなるということの懸念はあるのですが。
亀谷 3年以内に用意するとか。
白浜 1ヶ月だけとかだめですかね。
松下 ブロックを1ヶ月。
亀谷 受け手はあるんですか。
津田 それは探せばありますよ。
白浜 私の診療所に昨年から1ヶ月沖縄中部病院のプライマリケアコースの3年目の後期研修の先生が来られています。それは、その人がコアになって、次の島で働く人を育てればいいと思っているようです。
亀谷 受けられるような施設をリストアップして、応急的にこの3年間で皆、受けましょうと。そこに1ヶ月単位で研修に行くと。そういう1つの逃げ道を作るくらいの幅を持たせたほうが。
松下 ブロックは一ヶ月でいいか。それを議論したほうがいいと思う。ブロックを一ヶ月にするのか二ヶ月にするのか。一ヶ月ブロックということで、望んでいる最低ラインの診療所研修が体験できるのか。
白浜 フィロソフィーについては一ヶ月いれば。ナースとかケアマネが来たというのは、一ヶ月いれば必ずある。
伴  3年後見直しで、最低限一ヶ月というのはどうか。
松下 現実的に2ヶ月受けられるかという時に白浜先生は無理という感じですか。
竹村 プラクティカルでも一ヶ月は大丈夫、かつアウトカムとしても家庭医を養成できるということで一ヶ月で妥協できるということで。
伴  家庭医専門医を作り出そうというよりも、まず若い人が家庭医になりたいときに入れるプログラムというのはこういうプログラムだということを学会で認定しようとしている。将来的には家庭医専門医として認定される方向になるのでしょうが、今はプログラム認定をしようとしている。そのミニマムをブロック一ヶ月として、松下先生が提案されていたトータルを分けて一ヶ月研修するということでいいのでは。
葛西 一ヶ月1箇所では少なすぎませんか?そこでトレーニングした人を我々の次の世代の家庭医のリーダーになっていく人たちですよね。3年のプログラムの中で一ヶ所、一ヶ月というのは少なすぎる。
白浜 一ヶ月行って、次に一回行くのは違う。
草場 白浜先生はエッセンスをうまく使うので。ファシリテーターの能力はかなり必要。そういうことが難しい状況でも、診療所での何らかのエッセンスを掴み取るためにはある程度の期間が必要だと思います。
亀谷 いくつかのバリエーションを作ったらどうですか。専門的なところで一ヶ月でできるところと、近隣で3ヶ月でもいいですよ。最低1ヶ月。
竹村 大学としては、最低一ヶ月は可能でしょうか。ブロック一ヶ月。すべてのディレクターの皆さんが申請書を出せる状況にしたいので。最低一ヶ月大丈夫ですか。
津田 その一ヶ月は大学とか病院から給料を払って。
白浜 一ヶ月だったら、沖縄中部病院なんかは当直をいれるから払えると言われたんです。うちとしても、部屋は貸します。あとの食費などは負担してもらっています。給料もで病院からでます。時々、わたしが出張の時は半日彼らが留守番してくれる。なので、こっちもお金をもらえなくてもなんとかなる。最低限のところは 1ヶ月から始めたほうが現実的だと思う。
亀谷 いろんな受け手があるのでは?お金は払えないが、一ヶ月来ていいよというところ。出すところも、大学だと1ヶ月休職扱いになるかもしれない。でも一ヶ月ぐらい無給でいいと。やりたい人は。
生坂 1ヶ月も無理だと思う。ただ、家庭医を育てるには、現場のトレーニングが必要ですから、うちは無理だなと聞いていました。できれば、将来、現場でやったときに終わって時点で認めてもらうような、延期をしく仕組みがあればありがたい。3年間で完結できなくても、ペンディングにしておいて、完成した時点で認定すると。そういう、ゆとりを持っていただけると。今、千葉県の地域医療で欲しいのは家庭医ではなくて病棟医なんです。家庭機能は開業医でまあまあできていると。でも、勤務医がいないのはどうしようもない。こういう状況なので。とにかくホスピタリストを養成してほしいと言われている。期間の猶予を持たしていただけると。亀谷:一応の大枠の基本線は作っておいて、特殊なケースは理事会あるいは検討委員会でオプションを認めていくと、そして、なるべく広げていくと。
伴  家庭医認定と、プログラム認定とごっちゃになっていた。
生坂 そうですね。
岡田 3ヶ月に一週間だけというのは厳しいか。そうすると、3年の後半の2年間で、8回一週間出せるので。
生坂 ブロックにならないですよね。
津田 その間、休職にして出しても構わないのです。全然問題ない。
生坂 ただ、千葉大の仕組みの中では難しい。
山田 6ヶ月の診療所の研修の中身はそういった質の高い家庭医を育てるのと同様に、オプションをどこまで認めるかによって随分違う。ただ、理事の中でこのプログラムに参加できないとなると、由々しき問題。全体の枠組みといったら、もっと広いです。家庭医療学会の理事の中、自分たちがディレクターをやっているような枠組みが多少改善してでもついてくるようでないと。生坂先生のケースだと、診療所でなくて、小病院くらいだったら、そこの小病院を診療所として認めれられば。それが3ヶ月や6ヶ月あれば、家庭医機能が発揮できる小病院であったなら。それは地域にニーズがあるということですよね。せっかく、今、医療崩壊と言われ、専門医ばっかりが育ってきたところで、それがニーズにマッチしてないということで、それをジェネラルとか家庭医に求めてきているわけです。そこを検討した上で、日本型の家庭医はそういうことにある程度応える。ホスピタリストはもちろん、わたしたちの目指すところではありませんが、場合によっては日本の家庭医はそういうことに一時期、協力する。それから将来、外来主体の開業をする人は家庭医を持っているというような形をとっていくしかない。今はだから、この3年間の6ヶ月は大きな若い人の流れです。それを家庭医療学会がどう使おうかとしている時に、あふれてしまっている診療所に強制的に送り込むというよりは困っているところに誘導できるような。あるいは、医師会の中にも指導医として十分足りうる立派な先生方がたくさんいらっしゃる。そういう人たちにうまく発信して指導をお願いして、お互い家庭医として育っていくことが重要。
そういうことも含めて、今の情勢とか、今の大学のおかれた立場だとか、あるいはスポンサーがある立場とかをよく見た上で、時代から求められている家庭医というのは多分共通している。それも答えられるように。その中からプログラムを開発していけばいい。もちろん精神を失ってはいけないが。
亀谷 現実的に、今、わたしがやっている川崎で ここの地域医療というのは開業医率が高い。そこの開業医の一人として研修医を預けられる人はいない。そうすると、もし、私がプログラムを作るとしたら、診療所研修はそれこそ白浜先生のところとか亀田とか、ある程度のところへこちらを休職にして、きちんと1ヶ月出張させるとか、そういう形しかできない。いかに、それぞれの出しているプログラム、地域で教える側、診療所で指導できる能力と指導のスペースとか体制とかが整っている施設をリストアップすることが必要で、その人たちのところへまずは行って、そこで育ててもらう。奈義を含めて協力してもらって、そこで育った人たちが指導医の一番下の列に並んでいくようにしないと。段階的にやっていかないと。
伴  まず、プログラム認定してほしい。ミニマムで設定してほしい。3年間でそれぞれのプログラムを卒業した人あるいはディレクターからフィードバックもらってバージョンアップしないといけない。ある程度見直しをする。そしてその一方で家庭医認定を作っていかないといけないと思う。多様性と柔軟性をもって、始めるというのが重要。
津田 ブロック一ヶ月。受け手をリストアップしてオープンして実現できるようにする。
葛西 一ヶ月で十分だと思っていらっしゃるのでしょうか。平成19年度から始める方が何人いるかですが、内科6ヶ月と小児科3ヶ月と9ヶ月、時間があります。新しく後期研修医になった1人とか2人のために、来年度くらいには診療所の研修が実施できるようなシステムを作るように努力ができないものなんでしょうか。それを努力目標としてやれば、今のver.1で、平成19年度、たとえ1人でも自分の研修プログラムの研修医としてスタートさせるということができます。大学の設立もセッティングによって違うと思いますが、わたしのところは、もともと県立医学ということで、国立大学より多少融通がきくと思いますが、全く前例のないことだと大学の事務局にも県庁にも言われて、それでも、県内各地の診療所を周り、病院を周り、町役場を周り、今は20ぐらいの施設と地域が我々に協力してくれる。それらの施設の指導医すべてが家庭医ではないが、興味を持って「やらしてくれないか」と言ってくれる。そういう風にして、大学も教授も動かないといけない。「それは恵まれた状況だ」とか「福島は医者がいないからだ」とおっしゃるかもしれないが、努力して動かしているのです。診療所研修は一ヶ月ではじめて、3年後にそれを2ヶ月に伸ばすとか、そんなペースでやっていて、日本に多くの質の高い家庭医が育つのでしょうか。
草場 ちょっと違う視点から。平成19年度の後期研修を外部に募集したら一名だった。もっと来るかなという予感をしていたら、意外とこなかった。感じるのは、それぞれの施設の都合や現実的な問題を勘案するのも大事ですし、政治的状況とか日本の国の医療制度を考えて話をするのも大事だと思うんですが、一方で若手の家庭医療学会の後期研修プログラムを設定された時に、しかも、それが今は認定医制度とつながっていないですよね、入るメリットは何かと思うんです。専門医資格をとれるわけでもない。敢えて、そのプログラムに入るのはプログラム自身に自分が目指している医師像とマッチしていないと。技術的な部分で作ってしまうと、そっぽ向かれるのは怖いと思っていて。
竹村 妥協・・・
草場 妥協していくことが悪いことだとは思っていなくて。できたものに我々がはいるのではない。入るのは2年目くらいで将来に不安を感じている人たちなので。そういう人たちが果たしてこのプログラムに入ろうと思ってくれるのかという点が今の議論の中で見えていないと。
森  北海道で一人というのは驚きだったが、最近では全国に家庭医療が勉強できる施設ができてきたかもしれない。わたしは藤沼先生ところで4ヶ月研修して、その後一年間診療所で研修したんですが、一年間のほうが良かったと思う。一年通して見られたのとマネジメントの長(診療所長)だったので。期間については難しいと思うのと小病院でいいのかという話がありますが、診療所だったらいいのか、というのも思っている。そのあたりがはっきりしなくて。どこでもいいというわけでもないし。おっしゃるように、アンテナの鋭い人は4ヶ月や5ヶ月でつかめるかもしれないし。1年間でもつかめない人もいるかもしれない。白浜先生のところだったら短い時間でつかめるかもしれない。そこらへんが悩ましくて。今、わたしが働いているところは56床の小病院ですが、むしろ、今のほうが家庭医機能を果たしているかもしれないと思いますし。
草場 アウトカムとして、小病院で病棟を持ちながら、外来もやりながら、余裕があれば在宅もやるというところを若手は目指しているのかどうか。そこが一致していれば小病院でも良いと思います。
津田 その点に関してはわたしはこう思うんです。わたしも最初は無床の診療所、ファミリーセンターと思っていたんですが、現実に三重県をみると、田舎のほうにいけば、それだけでは困ってしまう人がたくさんいる。田舎には病院がない。どうしても入院が必要となった際、1時間かかる病院にお年寄りは行きたがらない。そんな時、19床の有床診療所が必要。なんで19床というと法律の問題だけです。入院ができる診療所が必要。田舎だから急性期の病床はほんのわずかです。地域のコミュニティーを●●、ファミリーメディスンを、どうしても不可欠な状況が日本の中にはある。しかし、そこにいる医者は病棟しかみない。全員が在宅をやる。地域包括ケアをやるんです。家庭医と同じように。そういう風に考えていくと、少し枠を広げていいと思う。ただ、そこで名乗っているのは、わたしは内科医ではなくて家庭医としてやっていますという、そういうスタンスではないとだめでしょう。
竹村 小病院でいいかどうかということに話題をシフトチェンジしますか・・・。
山田 若い人にとってこのプログラムが魅力的かどうか。正直、このプログラム終えて、実際は恩典が無い限りは分からない。恩典とは何かというと、家庭医の称号だったり。家庭医の称号自体に恩典がなかったら、何もならない。近い将来に、開業するときにへき地経験がなければどうなのかと取り沙汰されているように、在宅医療ができて、そういう人たちが開業するときの条件として、そういう点数をもらうためにはジェネラルなプログラム、研修を受ける必要があると。おそらく他の国では、そういうシステムとからめてやっている。地域ニーズにみあった医者の育て方がリンクしてくるのだが、日本の今の状況体制とニーズはきわめて歪んでいるので非常にそれが見えにくい。結局、わたしたちが考えないといけないのは、システムの中で役割をきちんとこなせる質の高い家庭医療を提供できる家庭医では。だからそれを実現させるための戦略会議をしているんですが、この研修を終えていたら、日本で開業するときに非常に役立つとはなかなかいえない。言いたいけど今は言えない。間違いなく5年か10年後には、他の先進国の例を見るまでもなく、こういう研修をしていないと、第一線で活躍したり、質の高い医療を提供するのは無理。それを私たちは作ろうとしている。今、非常に苦しい時期なので。へんに制限すると、高いものをやっている人は皆、夢を持ってくれるんだが、夢を持ってきた人に現実でどう戦うのかと。そうすると、どこかと手を結ばないといけなかったり、枠を広げなくてはいけなかったり、政治的なことを考えないといけなかったり、そういう荒波にもまれても、家庭医というのは実現しそうな望みはあるので、ここでもう少し賢くならないといけない。
亀谷 そういう茫漠とした話の中で、指導医を育てる、要するに、WSをもう少し回数を増やすとか、きちんと出席しないといけないとか。指導医は指導医として、プログラムディレクターを育てる。
竹村 期間と場所について何らかの結論を。期間としては我々としてはブロック1ヶ月程度だが、実際やるプログラム責任者の意見を聞いた上で、さらにML上で議論するということでいいでしょうか。場所に関して、診療所でないといけないという意見は今のところ聞こえてきませんが。
亀谷 小病院でも診療所と同じことをやっている。
森  小病院は大きな診療所と思っています。
津田 小病院だとなんでもいいというわけではない。在宅をやっているとか、条件をつけないといけないと思う。
草場 松下先生のプランでは。
松下 小病院だけに限定している。なぜ、小病院にしないといけないかというのはなかなか難しい。
葛西 標準プログラムを作るときに、標準プログラムに書かれていたことは建て前で、裏ではもっとレベルの低いことができるんだ、抜け道があるんだと考え出したら、とんでもないことになる。日本に住む人たちのためにどういう家庭医を育てるのか、我々が作った家庭医の基本的な能力、臨床の各分野にわたる知識、技術、そして家庭医を特徴づける能力というのを、ワークショップで1年の議論を通して作りましたよね。あれを教えていけばいいわけで、診療所だ、病院だ、何床だ、こう書いているが抜け道があるね、とかそういうことをどうして言わなくてはいけないのでしょう。家庭医療をフルタイムで家庭医の指導医が家庭医療が実践されている現場で教えてる。そういくトレーニングの環境を、それぞれのプログラムディレクターが現実的に努力して創りあげるのです。
松下 家庭医が教えている大学病院の500床の外来でも、わたしは家庭医をやっていますと言えるんですよ。
葛西 それを理事が認めるかどうか。
竹村 ある程度のなんらかの型は決めておいたほうがいい
葛西 500床の病院で、家庭医が一人いたとして、そこの病院での総数1年間の研修がフルタイムで家庭医をやっているということになるのか。
竹村 500床だと判断しやすいが、100床だと問題になるところがある。
葛西 100床で、どこが難しいのか。
松下 そこを議論しなければいけない。
葛西 サイトビジットして改善してもらうとか。ある100床の病院では難しいけど、別の100床の病院ならできるというところもある。
津田 100床もあると、病棟に非常に力をいれないと、ホスピタリスト的になってくる。在宅ケアにかける時間が減ってくると思うんです。
亀谷 ただ、100床あっても、全部が在宅科ではない。外科とか整形とかあわせて100床。
津田 それは論外ですよ。それは病院ですよ。
亀谷 いいとわたしは逆に思うんです。100床であったとしても、50床を担当して、家庭医のマインドを持ってそこで指導するとしたら。病院の規模ではなくて。
岡田 持っている病床とかですね。
津田 それは病院として機能しているだけであって、在宅をやっていてもマインドが違う。それを発展させていけば、500床でも30床を担当していたらいいじゃないかということになる。
松下 何が診療所研修なのか、どう経験してほしいのか。メーリングリストでの議論ででてきたのは、渾然一体となっている中でやると。切り分けられていない状況、つまり、内科、小児科、整形外科、たくさんある中の内科部門を担当していたら、それは家庭医の診療所研修のかわりには難しいのではないか。その渾然一体となった状況がどのサイズなら可能かと考えると、小病院なのかなと。50床でできて、100床ならできないかというと、ある場面ではできる100床の病院もあるかもしれない。ただ、一般論でいくと、規模が大きくなればなる程、分化されていく必要性が出てきますので、どこかで線を引いておかないといけないと思います。診療所研修の代わりとしての病院ということですので。そこをきちんと切り分けておかないといけません。
津田 そう考えると、現実的に50床前後。
亀谷 50床だと、つぶれる傾向にある
津田 家庭医療をやっていないから、つぶれる。
生坂 100床以上は多すぎる。
津田 一応の基準は作っておいて、それを少し超えるところはサイトビジットとして。
岡田 例えば、指導医も研修医も診療時間の何パーセント以上を外来、在宅に費やしているという書き方だと、何床ということは関係なくなります。
竹村 それだと外科医でも同じことがおこりうる。外科でも外来に出ているんで。
岡田 もちろん、全般的に診るということを加えたうえで。
竹村 全般的というのは単科なのでしょうが、単科が例えば病院の中に整形外科があって、皮膚科があるというのはきついかなと思うのですが、なら、何科があればいいかと。内科と称している人が本当に家庭医か。
森  話していて思うのですが、やはり「診療所」と規程していたほうがいいかと思います。生坂先生のところとか、地域によって特別なところがあるかと思うんですが、うちは56床ですが、診療所もあるので、診療所研修も含めたプログラムを作っています。それができないところはやはり、別個に検討するということで。それ以外はver.1にのっとって、診療所と規程してやっていったほうがいい。
●● 6ヶ月で話をしているのか、1ヶ月で話しているのか。1ヶ月のブロック研修は診療所で行うとそこまで規程するのか。それとも1ヶ月の最低限の診療所研修も小病院で●●にするか、そこを議論している。
竹村 しかし、最終的に我々が求めている家庭医というロールモデル、アウトカムが果たして診療所で働らく人なのかということは考えないといけない部分です。
●● 診療所の研修の内容を勉強することとして、どれだけ最低限のことをやるかということで、
  終わったあとにどこで働くのかということはまた別の話。
竹村 1ヶ月のブロックというのは犠牲を払って、一生懸命やらないといけない部分です。そこをできるだけ我々のアウトカムに近いところで、かつ我々の理想を近づけたところで、おさめないときついかなという気はします。
●● 現実的に分からないです。小病院ではないと困るプログラムがかなりあります。
生坂 結局、専門医が欲しい若い人は、それが家庭医学会療専門医でも総合診療学会専門医でも変わらないと思うんです。家庭医療学会が診療所での家庭医で完結するプログラムを作るとすれば、今必要な病棟のジェネラリストを総合診療学会が作ると思うんです。家庭医療学会がやらないなら、ホスピタリストは彼らが作らざるをえない。そすると、二本立てになりますよね。アメリカみたいに。ジェネラル志向の人が家庭医でもよかったのに、総合診療学会にも専門医制度ができたので、そっちにも人材が流れる可能性がある。家庭医療学会がホスピタリストを視野にいれるかどうかというのは、裾野を広げる、どのくらい会員を期待するのかということに大きくかかってくる。純粋に家庭医が作りたいということであれば、それでいいと思いますが、個人的には1本化にしたいんです。
白浜 ホスピタリストを作るためにも、1ヶ月、診療所にいたほうがいいと思うんです。わたしはそこらへんも考慮して、1ヶ月が現実的かなと。
津田 ホスピタリストのためには、初期研修の中の2年間の中の1ヶ月で。
竹村 一方で海外見て、全くクリニカルやっているかといえば、ご存知の通り、アメリカも入院病棟診てますし。イギリスですらリモート地域に行けばいくほど、小さな病院でホスピタリストをやっています。オーストラリアも都市では診療所だけれども、リモート地域へ行くとホスピタルでGPが頑張ってやっています。日本と似ていると感じた。そうであればなおさら、わが日本において診療所、診療所と言い続けることが我々が理想とする家庭医に近づくのかなというのは最近疑問に感じています。もちろん、大きな病院のホスピタリストを養成するのではないですが。国民に提供する家庭医療というのは診療所の開業医です、それ以外は認めないというのはきついのではないか。
岡田 そのあたりを鑑みて、ver.1は診療所6ヶ月、内科6ヶ月というのがあると思うので、それを両方やりましょうということですよね。
竹村 総合内科というのは、どちらかと言うと、ホスピタリスト的な思考回路で、我々のフィールドではなく、病棟の中でどういうことかということを主としている。
岡田 そのへんは皆、解釈が違うと思うので、ここに書き込まないと。
津田 家庭医になるために病棟で研修する目的は二次医療を見るということですよね。1.5次くらいしかない病棟で研修して、内科研修が終わりというのはおかしい。そういう解釈をする人がいるなら、はっきり書かないと。二次医療レベルの研修。
草場 僕も勘違いしていました。内科6ヶ月のイメージは地方の、やや渾然一体となった総合的な内科で研修することを当初目標として作られたのかなと思っていました。大きな病院の総合内科的なところでやってもいいということになると、随分、雰囲気が変わってきます。そうすると、診療所研修というところの捉え方や位置付けが変わってくる。
津田 大きな総合内科でやってもいいと言うよりも、そこでやるべきと私は最初から言っています。内科6ヶ月を渾然一体となった100床レベルでやってもいいのか。二次のちゃんとしたところまで研修ができていない。アメリカでのトレーニングシステムでも二次ベレルまで皆、研修しています。
山田 内科研修6ヶ月を提案した当初は草場先生が先に言われたような考えもあった。後期研修の中で、全国で何百人が6ヶ月義務付けられるということは大きなことなんです。だから、困っている地域病院で後期研修の人たちは、そこで学ぶとか、そこで働く、機能する、地域に貢献する、その中で学んでいくということがあってもいいのではないかと。大きな病院の総合内科でホスピタリストとしてトレーニングするよりも、困っている病院でホスピタリストとして機能することをイメージした部分があったと思います。小児科研修3ヶ月も似たようなところで、小児科研修で何百人という人が小児科の研修をすると、その数だけでも小児医療をある程度、地域で救えるのではないかということもあって、プログラムの中にいれました。ですから、診療所研修6ヶ月も研修医、家庭医としての質を担保するというのも必要ですが、このプログラムが国民に受け入れられるというか、国民が困っているところにうまくフィットしたほうが、そもそも育てる中でもいいのではないかと。それで質が悪くなるといけないのですが。我々が提案しようとしているPG自体が日本の困っているところにうまく貢献できるということをアピールしないと。勝手に家庭医を作っていると言われるのではなくて、困っている人たちに向いて、専門医が対応でいない部分を埋めるかのごとく対応しているプログラムだというメッセージは伝えたいと思います。
津田 ちょっとびっくりした。なぜかというと、議論がトレーニングの時期とトレーニングを受けた人が現場で働くということを混同されているのではないか。質を担保してトレーニングしないと。トレーニングを受けた質の高い人は地域にいて、困っているところに目を向ける。そうするとレベルの高い良い仕組みができると思います。今、必要だから、困っているから、そこで研修をするというのは危険だと感じる。トレーニングの5年間は質を担保できるものではないといけない。これは基本にあるべきです。そうすると、内科のトレーニングは二次レベルが診られるような専門的なトレーニングが受けられる場所ではないと質は担保できないと思います。渾然一体となって、なんでもやるという病院での総合内科のトレーニングはレベルが低いと思います。
山田 ジェネラリストの教育はスペシャリストとは違って、CMEを意識して、生涯教育を意識してずっとやっていかないとよくならない。5年終わってどうのというのはあまり関係ないと思っています。スペシャリストが開業することと比べると、精神は変わるので、とてもよいシステムの開始になるかと思っています。自治医大の卒業生は2年間で僻地に行ったりするんですが、僻地に行っている2年間は何も教えてもらっていなくて、初期研修が終わっただけで、すぐに地域に貢献させられるわけです。多少なりともフィードバックしたり、教育するチャンスがあるだけで、随分、担保されてきて、それを終わった人たちはそれなりに進化してきている。整備して質を担保しないといけないということはあるが、ジェネラリストは地域で鍛えられ、ある程度、ニーズに応えられるということも意識したほうがいい。研修とプラクティスと混同するなという、後期研修のうちからニーズに応える必要はないと言われれば、確かにそうなんですが。ただ、メッセージとして我々が作ろうとしている家庭医がいつの時代のニーズにもマッチしていないといけないと思う。困っているところに目を向けているという姿勢だと社会も応援してくれるような気がします。
津田 山田先生の経歴からだと理解できるんですが。それはすばらしいと思うが、時代の流れでしょうがなかった。これからの家庭医養成としては、だからそれでいいではなく、短期間に効率よく指導医がきちんと指導して、レベルの高い研修をする。これを目指さないといけない。そのためのPG認定であり、認定制度だと思う。このプログラムは指導医がいて、レベル高くやれる仕組みを前提としないといけないと思う。わたしも混沌とした時代を研修時代から送ってきた。
川崎医大も、8つの教授ができたといっても初期のころはできていないし、歯がゆい思いをした。
もっときちんとトレーニングを受けていたら、もっときっちりと●●。そう考えると、ホスピタリストが総合内科として教えるのは家庭医のマインドと違うが、ハーフデイバックとかで家庭医のマインドを失わないということは大事です。しかし、そこでやはりコモンディジーズや、もっと高いレベルの、二次レベルの患者さんをマネージするというということやきちんとエビデンスに基づいてやるということは必要。そこらあたりもうまく取り入れながらレベルの高い家庭医を作れる仕組み作りが非常に重要だとわたしは常々思っています。 この6ヶ月はそれが理想であると解釈しています。受けられない人は仕方ない。そこを目指さないといけない。
竹村 皆さんの中で内科研修が初期研修の6ヶ月で十分と思う人は、そういないと思う。
亀谷 だめでしょう。
竹村 規模に関しての話を少しまとめて。
津田 松下先生の案をもう少し吟味して。
竹村 診療所にはそれほど強く限定しないという形で。どの程度なら家庭医のアウトカムが得られるのか。精神は絶対に失ってはいけないのですが、失わない状態で、少し譲歩できるところがあれば、お聞きしたいのですが。
亀谷 松下先生の案をボトムラインでできるかを。
竹村 診療所研修の場のオプションについてですが、理想形は家庭医療診療所ですが、これはもちろんオッケイですよね。次は、内科、小児科、在宅診療の診療所。
津田 松下先生、これはどういう意味ですか。内科と小児科をやりますという看板を掲げているということですか。
松下 診療所の看板がどう出ているのかということをイメージしてみると、うちはなんでも診ていますよというのが一番いいんですが、なかなか、そういう風にはできない。内科は内科でやっていますというところと、内科、小児科でやっていますというところと、内科、小児科、外科、産婦人科でやっていますというところと、いろいろある。その枠の出し方で、一般的な気がしたのが、内科、小児科と出しているようなところで在宅もやっているようなところ。イメージとして使ったんですが。
葛西 地域の中に、比較的、過疎地が多いと思いますが、診療所としてやっているところで、そこにいる医師が指導医になると、きわめて家庭医的な、家庭医を特徴づける能力が学べる施設になることがある。
松下 イメージ的には白浜先生のところも、2に分類されると思うんですが、ちょっと違いますか?
白浜 そうだと思います。
葛西 そういうふうに書いたほうがいいのでは。
亀谷 葛西先生のどういう表現がいいか言ってもらったほうが分かりやすい。
葛西 Community-based. 地域医療診療所。内科と小児科の看板を掲げて呼ばれたときにちょっと在宅も行くだけではなくて、地域の中に役割をちゃんと持っている診療所でないといけない。地域の学校医もやっているとか、産業医もやっていますとか、住民のためにいろんな健康維持・増進の取り組みをやっていますとか、地域の保健師さんと働いていますとか、そういうようなことがちゃんと見られるようなところ。まさに家庭医の診療所。
亀谷 地域医療診療所。地域医療診療所という言葉はないでしょうが、加味するところは。
山田 国保診療所なんていうのは・・・。
白浜 そこらへんのリンクがあればいいなと、昔から。
葛西 国保診療所で働いている人に指導医になってもらうとか。自治医大の卒業生の人などは福島では一緒にやろうとしている。
津田 それは必ず、小児も診ているんでしょうか。長い表現になってもいいので、具体的に皆に分かるような表現にしたほうがいい。
亀谷 今は時間がないので、その作業は後でやるとして、他の項目について議論したほうがいいかと。
竹村 では、2番目まではオッケイですよね。3番目。小児科が少なくなっているようですが。
  内科と在宅をやっているところは診療所の研修の場として認められるでしょうか。
亀谷 小児科研修は別にやるんですよね。
白浜 3番目まではいいのでは。
松下 渾然一体としているというのは、薄くなってくるのではないかと。
葛西 指導医の要件となりますが、ここでやっている指導医はちゃんと家庭医のWSに出てくるとか、家庭医のことを理解しているとか、家庭医の特徴付ける能力を持っている、あるいは持とうとしている人なのか。それはきちんとしておかないと。
亀谷 それを規程してしまうと、受け手が減ると思います。プログラムディレクターがこの診療所の指導者は十分、家庭医の指導医に達するということを判断したことを申告すればいい。地域の先生たちにWSを受けてくださいというのは現実的ではない。
竹村 場としては、3番目は許容できますか。
一同 いいと思います。
竹村 4番目。内科外来だけで、在宅をしていない。
葛西 4番目には違和感を感じる。4番目よりむしろ5番目のほうが。
●● 4番目は外す。
竹村 5番目。小病院で家庭医療科があるところ。
白浜 これはもちろんいい。
竹村 6番目。小病院で在宅が可能。
松下 5番と6番の違いは、家庭医療科ではなくて、総合診療科とうたっていて、在宅がやれるかどうか。
亀谷 5番には在宅は含まれない?
松下 家庭医療科なので、在宅は含まれます。
竹村 それでは6番もオッケイということで。7番。小病院だけど、小児科があるんですよね。
松下 MLの議論の中で出ていたのは、小さめの病院で、家庭医療科を作れと言われてもすぐにできないという意見が出ていたので、挙げてはみたんですが。内科と小児科両方のブースを担当していたり。在宅の部分も一応やっていると。
津田 7番は家庭医機能を果たしている人がいる病院ということでは。
松下 家庭医機能を果たしている指導医。
白浜 内科とか小児科とか書いていますが、内科と小児科が同じ人が診ている。総合病院はほとんどがそうです。掲げているけど、診ている人は同じ。
松下 分化しているけど小病院というパターンはどうなんだろうと考えています。1人、小児科医がいて、2人、内科医がいるというような病院。
白浜 分かれているけど、実際はそういう病院は分かれていません。ある日は小児科が内科にいたりとか。そうしないと機能できない。
亀谷 2番の診療所を小病院に代えたら、7番になります。
白浜 内科、小児科、在宅をやっている小病院。そういうことですね。
松下 上にたっている人が2人に分かれた場合、家庭医療科や総合医療科とまとめる枠がない中に研修医がぽんとおかれますよね。その時に研修医が両方をまたがってちゃんとやれる保障は何かしないと。
白浜 先ほどから外科医はだめだと言う議論があるが、昔の国保診療所はほとんど外科出身の。先生が多いです。外科医がなんでできるのかと言うと、外科医は診察をするからだと。内科よりよっぽど検査をせずに診察をするから続けていけたのだと。そういうところは内科、外科と2人いても、どちらかが休みをとると、ある程度、外科も診るし、内科も診る。2人いても、僻地の診療所は混沌とした状況下でやっている。
岡田 簡単に定義するよりも、成人の診療、小児の診療、在宅の診療、小外科をどれも一週間程いればどれも少しずつ経験できるような診療が提供されていることが分かれば。
亀谷 一言で言えば、内科診療、小児科診療、在宅診療を行っている診療所または小病院。
岡田 そこで研修することによって、一週間、1日の間ですべてが経験できるというような。
●● どの領域にもまたがっている。
草場 一週間ぐらいの枠組みで大丈夫ですか。
竹村 内科、小児科、在宅があればいいと。
松下 それらがあれば、診療所でも小病院でもオッケイ。
●● 確認なんですが、小病院で外来が内科医、小児科医、外科医とあって、1人の指導医は1つの部門しかあんまり診れない。学ぶほうはそれぞれを全部順繰りに廻ればいいということでしょうか。
●● 廻ればいいというよりも、統合的にそこで動いているという仕組みがいるとは思う。なんで診療所がいいかと言えば、分化されていないからです。
●● 指導医側の要点がけっこう厳しい場所がたくさんあるので、それを許すかどうか。
亀谷 内科、小児科、在宅診療を経験できる。
草場 実際に入り混じってやっているが、1人の人が全体をできているわけではない。
竹村 できてないといけないですか。
●● 同じように動いている指導医がいるのは前提では?
松下 6番と7番と分けた理由は、6番まではある程度統合している人がいるという設定なんですが、7番はそういう人がいない。ただ、現実形は7番だと思う。小さい病院で、家庭医療科を立ち上げられる病院はどのくらいあるのかと思います。これから立ち上げてくださいというのがこちらからのメッセージなのではという気がします。
竹村 小病院の中にいる医師が内科診療、小児科診療、在宅診療ができるという感じなんですか?いわゆる、その病院にいる医師が内科だけではなく、内科、小児科、在宅診療を提供できると。
松下 そうですね。なぜそう言っているかというと、診療所研修のかわりを小病院でやろうというのがスタートラインなので、どうだったら、診療所研修の代わりになるのかと考えると、やはり約組みを作る必要がある。
白浜 ロールモデルはいるんですか。
松下 よくわからないんですよ、実際。皆さんが小病院でもいいのではという意見を。
亀谷 分かりやすくしないと、その他に内科と小児科のブロックがあるわけだから、それとどう違うのかを提示しないと、この書き方は難しい。
津田 やはり条件は内科、外科、小児科それぞれの指導医がいてもダメだと思うんです。内科も小児科も整形もなにもかもをやれる、そういった診療をしていてかつ在宅もやっているのが理想。それは診療所とよく似ているので。それが満たされないと小病院でもあってもダメですね。
白浜 保健とか福祉との連携をしているということが条件になるのでは?
小林 枠を広げるのであれば、例えば、外科医でそういうマインドを持ってかなりの部分やるのだけど、一緒に内科医も小児科医もいてというところを家庭医に立ち上げるのを手伝って、そういうところを卒業した人が今度、核になって、家庭医の指導医になれば。学会でそういうところも育てていったほうがいいと思う
竹村 では場所に関しては、小病院でも診療所でもいいけれど、そこにいる医師が内科、小児科、在宅、保健、福祉を提供できると。
草場 一人の医師がですね。
岡田 個人的には内科、小児科とは言わずに、成人、小児の診療と言ったほうがいいと思います。
亀谷 成人、小児の診療ができ、それから在宅、福祉。
岡田 小外科を入れるかどうか。
松下 それを盛り込むといっぱい出てくる。コアローテーションとしてあげたのは、内科、小児科、在宅がメインなのかなと。
亀谷 箇条書きよりも、そういう必要なキーワードを含めた文章でもいいのでは?そういう機能を果たす診療所、それに準じた小病院。
竹村 そういう機能を指導ができる医師がいる。
亀谷 進路指導が受けられるとか。
葛西 望ましいことをちゃんと書いておいて、それにあわせて努力してもらうことが大事。そして、まだ診療所がない、家庭医の指導医が不足しているという部分があっても、学会としてサポートしていく。新しい家庭医の指導医がいて、家庭医療が行われている地域に根付いた診療所もしくは小病院が望ましい。
津田 この前の理事会でも一部、質問が出ていましたが、小病院でこういった形でやれば、内科の6ヶ月に代用できるのかという意見が出たが、私はそれは認められないと思う。これはあくまで診療所研修のプログラムの代用であって、総合内科の6ヶ月に代えられないという但し書きがないとおかしいと思う。内科は病棟でしっかりしたレベルの研修を受けるのが基本。混同する解釈がでてくると思う。
亀谷 岡田先生のこの前の話になります。亀田の。
岡田 書きたいことは全部書いたので、あとはお任せします。6ヶ月全部、亜急棟のケアというよりも、うちの事情でいうと、緩和ケアのフェローまでやった、●●でトレーニングをした医師が帰ってきているリハビリの専門医がいるというところで、6ヶ月のうち、1ヶ月は緩和、1ヶ月はリハビリにまわしたいという部分はある。6ヶ月全部、亜急棟のケアと言われると。
津田 6ヶ月の内科の研修で足りているとは思っていない。だから、6ヶ月のオプションとして、先ほど先生が言われたような部分を付け加えるべきだと思います。そうしないと、いい家庭医にならないですよ。
岡田 うちの総合診療科で研修した人の意見を聞くと、だいたい4ヶ月くらいかなと。
津田 それは、平均在院日数ですか?それは亀田は満たしているかもしれないが、満たしている病医は少ない。
岡田 そうすると期間は認めるのはどうかということになる。例えばのべ人数で提示するとか、経験証明するとか。
竹村 解釈の段階で・・・。
岡田 診療所研修は解釈の問題で検討されているのに。
亀谷 全部が全部、条件として決定できないと思う。ミニマムとして作ったもので、あとは例外的なものを個別に認める。
竹村 例外を設けると、なんで、理事の人の施設だけ申請が通るんだと聞かれると困る。プログラム認定が信頼されなくなる。
松下 亀田の取り組みは新しい方法で、実は我々のほうが遅れているのではないかという気はしている。先に行っているプログラムを潰すようなことは避けないといけない気はする。
津田 亀田は特殊です。
亀谷 そうすると、亀田は入れなくなる。
津田 病院と交渉して何とかすべきだと思います。たった1つのために例外を設けるのはおかしい。
松下 数の問題も大事だと思いますが、生坂先生のところにも落ちて欲しくないわけです。何とかして診療所1ヶ月出していただきたいし、岡田先生のところには内科6ヶ月をなんとかクリアできる方策を考えていかないと、やれているサンプルが集まっているので、ここで達成でできないと、どこも達成できない可能性があって。少なくとも、ここにいるメンバーが乗れるような仕組みは考えたほうがいいと思う。
岡田 津田先生がおっしゃるように、6ヶ月を二次まで含めたいわゆる地域の小病院の病棟ではなくて、ホスピタリストのような研修とすると、逆に満たせない人たちもまた出てくるのでは。
竹村 受けてくれるところはたくさんありますよね。
亀谷 給料が出せない。定員があるから
津田 プログラムに出してきている施設は民医連系が多いですが、だいたい拠点となる病院は300床前後、ある程度のレベルを持っているところが参入してきているはずです。そういう現実があるわけです。
竹村 ここから岡田先生のところを外したくないんですが、何か打開策はありませんか。
松下 岡田先生のところの折り合い、ここならできるというラインは?
岡田 4ヶ月ですね。表面上、6ヶ月やると書いておいて、中で変える。
白浜 例えば緩和ケアをやっている内科医の人たちはどんな総合内科医より総合内科医かもしれません。
カナダの緩和ケアの研修に行っていた医師に聞いたんですが、 何で発熱しているのかというのが全身の診察から診断できる人こそがホスピスの医者だというのです。本来、せん妄というのは内科医が診断する。日本は、ホスピスは精神科医やペインの人がやっているので少しおかしいのであって。総合内科は当然、内科の中の一部であって、そこでの研修が当然認定できるようにすればいい。
岡田 内科のトレーニングをつんだ人たちですから。
津田 そこで大事な点は、大学病院の中で三次の機能を持っているところで、一生懸命、いい医者がトレーニングしても、マテリアルが全然駄目なんです。それと似たようなことで、亜急●●をこなすということは、いい指導医であっても、それが無ければ、外来だけではレベルの低い一医療なんです。そういう違いも考えていかないと。そのために6ヶ月というしばりがある。
松下 総合内科はなにも名称に総合とついてなくてもいいという話でしたよね。総合内科6ヶ月の枠として岡田先生にやれると思われる範囲のこと、緩和ケアとかリハビリでこんなことができるというのを載せていただいたことを評価するというのでいいのでは。それを内科と認められるかどうかが議論になると思います。
竹村 それは他のプログラムを出した人に認められるような理屈があればいいと思います。
松下 ここはどう見ても内科ではないという意見があれば、そこの部分は認められない。
津田 総合内科ではなくても、循環器内科をもう1ヶ月廻ったり、あるいは腎臓内科が大切だから●●。それは、内科の亜急棟のケアを●●。
森  バージョン1.0ではそれはダメだとなっているのでは。
津田 それが全部だとダメですが、4ヶ月はそこにはいるんだけど、それプラス内科はどうしても廻れないので、そういう専門科を余計に付け足す。
岡田 それだったら全然大丈夫です。逆にうちは優秀な内科系の専門医もいるので。
松下 ローテーション的は組めるんですね。総合内科4ヶ月とリウマチ内科と消化器内科と。
竹村 リウマチではなくて、循環器とか消化器でもいいんですか?
岡田 それでもできます。うちの初期研修から始めて、後期研修に入ってきた人はやはり初期研修の内科6ヶ月が足りない。しかも初期研修の内科6ヶ月のうちの4ヶ月は総合診療科といわれているので、逆に専門内科も廻れなかったので、今いる3年目の子は消化器2ヶ月、腎臓何ヶ月という感じで、専門内科を廻っているので。その辺がバージョン1.0ではダメだと書いてある。
  臓器別内科でないことと書いてある。
亀谷 臓器別内科でないことではなく、総合的に診れる内科と書いておけば。
山田 目をつぶって、臓器別内科に6ヶ月いて、それを内科として認めるということになってしまうと。初期研修のことを評価しないと、後期研修ができなくなってしまう。今のところは前提としては、臨床研修必須科の世代で、プラスアルファのところで、3年あるのだから、総合内科1年というと厳しいかもしれないが、最低限6ヶ月にしておけば。臓器別内科ではなくて、一般内科か総合内科で6ヶ月というコンセンサスをWSでは作ったような気がします。
●● 悪用されないように。内科専門医になるような人が臓器別専門医になりかねない。
竹村 実際問題、他のプログラムを申請された人たちが何か言ってくるのではないかという問題について。精神としては家庭医療に間違いないです。総合内科4ヶ月プラス専門でもね。他の人たちがおかしいんじゃないかと言ってくることについてはクリアできますよね。
津田 現実には総合内科医が指導しているところは非常に少ない。
白浜 名前だけ。
松下 岡田先生のところは、総合内科がきっちりあるから、そこできちんとやらないといけないと思うのかもしれない。僕がいっている津山中央病院は、総合内科がないですから内科という部門にいれて、結局、ぐちゃぐちゃの中で、いろんな科を廻っているというのが現状です。
竹村 確認ですが、場所に関しては家庭医がいる診療所、小病院。すなわち成人、小児、在宅診療が提供していて、且つ、保健、福祉にも関わる指導医がいる診療所、小病院でいいでしょうか。
一同 いいと思います。
竹村 プログラム認定の具体的なやり方についてですが、執行部のほうで少し考えているのは、認定委員を数名決めて、申請書が来ると、それがパスするかどうかを認定委員の数人が決定して、パスでないときは訂正を求める。一方で、疑問点がきたときに、なんで認定を通してくれないのかという疑問点もくるでしょうし、どういう意味なのかといった問題点が来る。その問題点についてWSがあるごとに話し合いをする。いわゆる実際にプログラムを管理している責任者が自分で出来る範囲でどうすべきかを議論していただいた後、次の週にでも、理事会MLで流して、それについて可か否かを考える。また、それに基づいて認定はどんどんしていって、次のWSまでに、その期間の疑問を受け付ける。プログラム責任者の会で、問題点の解決をして、いわゆる認定委員会が認定を行い、その詳細についての決定は理事会が行うという形でいかがでしょうか。
亀谷 承認ですね。
津田 申請は年に何回やるのか。大事な点はそれぞれ個々で判断して、総合してオッケイとするのではなく、持ち寄ってみんなで討論して、良し悪しを決めないと、非常に危険だと思います。 偏りができて。普通は年1回だと思う。初期は年2回になるかもしれない。
山田 原則には年1回でいい。それを理事会ないしはこういったプログラムディレクターの会ではなくて、認定委員会というのをちゃんと組織して、オフィシャルに認定するということが必要。そういったことが前回の理事会で議論されたので、それは当然だと思います。ただ、今、プログラム認定の枠組みを作ろうという段階なので、まだまだ規程路線を作るというところまで来てないと思います。理事会がある程度、中心的な役割を担う必要はあるかと。申請中が10何通あって、それをいつまでに締め切って、19年度のプログラム委員会を、本認定を、最初の認定委員会をいつやるかをある程度決める必要がある。
津田 認定委員会は理事会全員でやるんですか。
山田 今までのWSの流れだと、理事を半分に割って、本認定に関わってもらう理事とあとはFDに関わってもらう理事と、指導医を教育してもらうようなこと。半分くらいに割って、少なくともどちらかに全理事が振り分けられるような形をイメージしています。
津田 今のディスカッションを聞いていたら、認定は理事全員でやったほうがいいと思います。
竹村 危惧するのは、仮認定でもかなりの質問がきて、皆、目を通して回答する必要があるのに、なかなか回答がない人も多いような気もします。
津田 例えば、2人ずつペアを組んで、そこに10なら10を配分する。それはちゃんと見て欲しいと。分担して、そしてその結果を●●に持ち寄って、いいか悪いかをディスカッションする。
山田 とりあえず全理事を認定委員会とする。理事だけでいいですよね。
津田 仕方がない。
亀谷 この前、ブロックに分かれましたよね。ブロックのリーダーを作りました。ブロックのリーダーがその地域をまとめるというのはある意味、合理的だと思います。そこと審査委員会との関係。
山田 ブロックごとに理事を振り分ける。
津田 サイトビジットに限って、その地域の代表者と理事が一緒に。
竹村 サイトビジットも議論しないといけないのですが。まずは認定の話ですかね。地域ブロックは9ありました。このブロックの長が選ばれたので、その方たちも認定の時には一緒にしましょうか。全理事プラスαにしますか。
亀谷 認定そのものは理事だけにしたほうがいい。
津田 サイトビジットや形成的評価の時のみ。
竹村 どうしましょう。形成的な評価の話をしていきましょうか。サイトビジットとか。あと、指導医のこと。
葛西 診療所の研修期間については?
竹村 決まっていません。
松下 先ほど決まったのでは?
竹村 1ヶ月というのと、1ヶ月ではちょっとという意見があるのですが、いかがいたしましょうか。1ヶ月ブロック、残りの5ヶ月をパートにしてもいいという意見と1ヶ月のブロックでは 日本の家庭医療のアウトカムは形成できないだろうという意見。
白浜 診療所に限らず、機能的に可能なら、小病院でもいいかなと。そこまで含めて1ヶ月。
亀谷 場所はもう決まったんですよね。
松下 場所はもう決まって、期間の話です。1ヶ月プラス週何コマでいいか。
津田 幅を広げるということはある程度仕方がないのですが、ブロック1ヶ月で3年間の期限付きで。1ヶ月以上。3年後以降はもっと厳しくなるから覚悟してもらって。
白浜 その間に次の指導者を育ててくださいということでどうでしょうか。
●● 3年は長くないですか?
松下 努力する期間として?
●● 2年でもいいですよね。
葛西 2年後は6ヶ月のブロックを目標とする。2年は猶予期間ですが、その後はどうなるのか。そういうのを決めておかないと、いつまで経ってもだらだらとしてしまう。
岡田 期限と目標を決めないといけない。
葛西 質の高い家庭医を養成するための後期研修プログラムを決めようとしているのです。家庭医としての基礎的な能力、家庭医に必要な臨床各科の知識・技術、そして家庭医を特徴づける能力を決めました。あれを家庭医の研修プログラムで学べるという風にしないと。いつまで経っても、1ヶ月でいいんだというプログラムでは初期研修を後期研修にしただけのよう。
亀谷 それでは、3年後にブロック6ヶ月にする。
白浜 3年後に次の指導医が育つわけですよね。
葛西 平成21年度には6ヶ月にする。
竹村 よろしいでしょうか。
●● 6ヶ月と決めて、平成21年度までは認定はいりませんということで。
葛西 努力目標を掲げて、今は暫定的に。
竹村 申請は年1回ということでしたが、今回、申請書を出してもらっていて、2月28日締め切りを延期ということにしたんですが、いつまで延長いたしましょうか。WSは年に4回やる予定ですが、締め切りはその後にしましょうか。
亀谷 今は広げるという意味で、WSごとでもいいのではないですか。
葛西 平成19年度の申請書はもう認定するんですよね。平成19年度の認定作業を早くやらないといけない。それは臨時として。その後は年1回ですが、まずは臨時として、いつを締め切りにするのか。
●● 来月くらいに決めて、4月1日にさかのぼって認めないと、19年度が成り立たない。
●● 今、申請している人たちは平成18年度から始めたいんですか。
竹村 平成19年度です。解釈をかなりゆるくしたので、たくさんの人が申請をしたいのではないかと思います。それを1ヶ月の猶予にするのか、2ヶ月の猶予にするのか。場合によっては6月から始めてもいいのかではと思います。
津田 平成19年度の本認定だと、6月からは遅い。
竹村 いわゆる、申請書を今から出してもらわないといけないので、今のところ、申請している18施設以外は無理ということになっていますが、無理ではないという状況になった時、皆さん、また、仮認定の時のように出してくれると思います。それを1ヶ月だと、もう間に合わなかったということで申請しない可能性もあるのでは・・・。
津田 1ヶ月で頑張ってもらえばいいと思います。
亀谷 全部を同時に認定しないといけないんですか。今申請している18施設を認定して、追加で来る人の2ヶ月分ぐらいは今回に限り、調整したから、受付ますということにすれば。今まで、待ってきた人たちはいろんなことが煮詰まってきたわけですから、一応、クリアさせる。
津田 それは平成19年4月からさかのぼって?
亀谷 2ヶ月遅れの人も19年4月にさかのぼって認める。
竹村 では6月末まで公示させていただきます。で、審査をして。場合によって、今、申請している人も、この情報を聞いて、内容を変更される可能性があるので。
白浜 何回も集まるのが大変だったら、6月末には総会があります。5月末に締め切って、それがイベントでできれば、総会の時には一番人が集まるので、総会にあわせたほうがいいと思います。
竹村 5月末に締め切って、あとは認定作業をしていただいて。
白浜 時間的にはあまりないが、総会の閉会の時に認定をする。学会賞と同じように。
山田 認定作業はどこで?
竹村 メール上でしかできない。改訂するところを事務局に流していただいて、それをフィードバックして、修正できるところはする。
白浜 認定の●●についてですが、集まる以外に、テレビ会議など、ちょっと考えていただければ。指導医をたくさん育てたいのであれば。年に1回は出てきてほしいけど、あとはテレビ会議参加でもいいとか。講演だけはオンデマンドで見られるとかそういう提供をしていただけないか。
竹村 指導医養成は、WSを4回やって、指導医を養成するというのがあるのですが。今回はWSに出た人だけになったと思うんですが、今後、どうするかということなんですが、藤沼先生から以下4つの項目が挙げられています。
1. 卒後5年目以上
2. 厚生労働省認証の指導医養成講座を受講していること、あるいは今年中に受講予定であること
3. 家庭医療学会会員であること
4. 家庭医療指導医としての「教育方針」「自身の課題と学習プラン」をA4一枚程度にまとめて提出(personal learning plan)
津田 家庭医の後期研修の指導医なので、初期研修のトレーニングを受けている必要性を感じない。というのは、今の初期研修のトレーニングは古いことを一生懸命やっている。問題になっているわけです。要件にしないほうがいいと思います。
岡田 知らないよりはいい。
津田 知らないより知っていたほうがいいが、要件にする必要はない。
竹村 指導医養成のためのWSに参加すること、が抜けているので、それを入れたらどうか。
岡田 4回とも?4回はかなりきつい。
松下 何回、参加ということですか。
岡田 一回したら何年も有効か、など。
竹村 藤沼先生は5年ということをおっしゃっていました。
岡田 日本の場合は指導専任医というのは難しいと思うが、その資格を満たしているというのも、その人自体が臨床のdutyでも、確実に指導のための時間を週何時間ぐらい確保できるなどの要件を、そんなに厳しくない形でも、記載したほうがいい。
竹村 プログラムの中で記載してもよい。
岡田 要件を満たしていれば、その人が臨床をばりばりやって、研修医のことを見てないということも有り得るので。あと、うちでも問題になっているが、研修医と指導医の比率も定義しておかないと。
竹村 イギリスとオーストラリアの指導医を見てきたが、かなりしつこくやっていました。かなりたくさんの要件を挙げていてチェックし、それ以外に、初めに指導医と一緒にどうやって指導医をやっているかをオブザーベーションした後で、その指導をビデオテープに撮ってそれについて議論。それがオッケイならば、指導医のいるところで指導することが何ヶ月か認められ、その上で指導できるという、かなりきついことをやっていました。かつ指導医は更新制。僕から見るとかなり形成的に見ましたが。
山田 PGディレクターの人たちに指導医になっていただいて、WS参加を義務付けたわけですが、診療所の指導医は必ずしもWS参加者というわけにはいかないので、その時に、藤沼先生のご意見は一つの提案で妥当かと思います。プログラムディレクターがその人をもって、指導医として値するというのを認めることと、その人がステートメントとして、家庭医の指導医としてこういうことを貢献したいということを書いてくれれば、それをもって、だいたい認めるということでいいかと思います。比較的妥当だと思います。
竹村 卒後5年目でいいですか。
三瀬 5年目?
松下 5年目だと、後期研修医と重なる。
津田 6年目以上ですね。
竹村 今回、指導医になれなかったという人たちのためにも前もって言っておく必要があります。
亀谷 人材のところにあるのが、研修プログラム責任者(学会が認定する家庭医専門医かつ家庭医指導医でなければいけない)この次に家庭医指導医(これは学会が認定する家庭医専門医でなければならない)各々の専門診療活動医(家庭医療専門医以外の専門医診療医でも可能)これはバーション1.0に出ているんですよね。これがはっきりしていない。今、ここではっきりしないといけないのでは。
竹村 そのことに関してどうでしょう。先ほど、執行部案として、今回に限り、家庭医療指導医とプログラム責任者はWSに一度でも参加していることで通していただいたらと思います。
亀谷 家庭医療専門医というのはなしですね。
山田 なしです。これは認定されるまでは1人もいませんから。
竹村 平成20年以降は、藤沼先生の案に近いような形で、認定をしていくということでいいですか。
亀谷 専門医は、このプログラムが終わったら認定されて専門医になるんですか?
山田 試験を受けて、ですね。日本家庭医療学会としては、家庭医療専門医として保障せざるをえない。3学会合意がどうなるか分かりませんが、プログラムを修了した人たちには一定の評価をしたうえで家庭医療学会として家庭医専門医の称号を与えるということになる。
亀谷 家庭医指導医の条件だけが必要ですね。
津田 経過措置ですよね。何年間かの期間限定で。
山田 ということで、今日、1時から80人程の参加者があって、今日の午後と明日の午後、プログラム認定と指導医のことを議論する。今回は明日のセッションはロジャー・ネイバー先生にお越しいただいているので、家庭医のことというか、ジェネラリストのことをお話いただいて、明日のセッションは家庭医養成というか指導医養成いついての教育的な講演にしようと思っています。今日の午後のセッションは始めて来る人たちもいて、新しくプログラムを立ち上げる人もかなり来られています。こういう人たちを優先して、現状でのプログラム責任者としての取り組みとプログラム認定に関しての意見を聞く。今の議論のぶり返しがでてくるかもしれませんが。だから、理事会としてはある程度のコンセンサスが必要なので、あらためて今日、理事会を開きました。理事会の意見としてはこういう風にまとめましたがどうですかという。今日の話し合いよりも、現場の声が強ければ、理事も参加していることなので、場合によっては、立ち返って、議論するかもしれません。午後のセッションは議論をできるだけ許す場にしたいと思っています。
  (プログラム申請者、申請予定者から寄せられた質問について)
竹村 必須の研修項目以外に望ましい研修項目というのがあるのですが、これに関して、いくつか、産婦人科とか整形外科とか皮膚科とか書いているのですが、そういう科を実際に廻ることなんですか、それとも、そういう診療科の内容が研修できるという意味なのですかという質問がきております。これに関しては、今までの流れからいうと、そういう診療科目の内容を履修できればいいと理解はしているのですか、いかがでしょうか。それとも、整形外科や皮膚科を廻ることが望ましいと解釈すべきでしょうか。
津田 選択必須とまでは指定してなかったんですよね。
竹村 バージョンが上がるごとにこれらを必須にしていくという。実際、これは「ある」にしても、「なし」にしても通ってしまうわけなのですが。
草場 望ましい研修項目を書く必要があるのかなと思った。余っている時間で自由なところで組んでいいということなんですよね。ここに書くことがどれだけ意味があるのかと思います。
竹村 ショッピングカート方式と言いますか、アウトカムを指定して、そのために必要なことを自分たちでやってくださいと言うと、そのアウトカムというのが、日本の家庭医というのがはっきりしていないので、それぞれの施設でいろいろなことを言ってしまうと思います。ただ一方で、あまりにリジットに引出し方式にすると、動けなくなってしまう。そこで中間案ということでこのようにお示しするという形になったと思います。
岡田 ●●はブロックである必要はないだろうと。あと、やはり将来的には、皮膚について皮膚科医から学ぶということではなく、皮膚についても家庭医から学ぶということだと思いますので、それを配属のローテーションに指定すると、むしろ本末転倒になってしまうと思います。別にそれは中で学ぶ仕組みができていればという形で、そういう議論だったと思うが。
草場 皮膚科で学ばなくても、家庭医療の診療所で教えていることはあります。これは入れられないんですよね。科なんですよね。だから、皮膚領域という書き方のほうがいいように思います。「皮膚科」と書いてあると、家庭医は皮膚は診られないのかという誤解を与えると思います。
竹村 解釈の仕方として、外科とか産婦人科と書いてあるのですが、外科については科のことが書いてありますが、皮膚科というのは皮膚科領域ということで解釈したらよいでしょうか。
津田 皮膚科疾患でしょう。
●● そういう広がりを持っていたほうが。
亀谷 アメリカFPレジデントのガイドラインを翻訳していて、痛切に感じたことは、目次のタイトルが、「皮膚科学」ではなくて「皮膚の状態」、つまり“・・・ology”ではなくて、“conditions of the skin”でした。この違いが重要だと感じた。
津田 中にはローテーションしないと学べないものもあるわけでしょう。
松下 望ましい項目はプログラムごとに考える。
草場 これは必須じゃないんですよね。dutyではない。
竹村 それでは、領域という形で。
津田 産婦人科や外科も廻らなくていいんですか。
松下 自分のところでできるのであれば。
津田 望ましいんだから、教えなくてもいいわけですよね。
竹村 今のところそうなんです。バージョン2.0になってから、よりよい方向に行くと思います。
認定後のプログラムの内容変更は変更届けを出すということでよろしいでしょうか。勝手に変えていいのか、それとも、理事が承認しないといけないのか。
岡田 例えば、2週間とか1ヶ月の選択の期間に、廻りうる施設は全部挙げておかないと、後で変更届を提出しないといけないのですか。
竹村 執行部では挙げたほうがいいという意見が出ましたが、いかがでしょうか。
岡田 うちなんかは、どこでもいいから自分で取り付けておいでとやっているので。それが妥当でないものについては意見を言いますが、基本的には認めていますので。場合によっては、2週間でいろんな診療所めぐりをやっていますので、とんでもないリストになってしまいます。
山田 プログラムが終わった時に、報告を出してもらうでしょうから、それにリストが書いてあって、最初に出してもらった認定のプログラムとあまりに違ってしまうと、まずいかと思います。ですから、ある程度可能性があるものについては、リストアップしてもらったほうが分かっていていいかと思います。
森  学会として、研修医がどこで研修しているのか分からないのもどうかと思いますし。
岡田 3年のうち、3日研修するところも挙げるのかということになる。1ヶ月、2ヶ月それ以上過ごすところは挙げますが。
津田 それでいいんじゃないですか。
岡田 このあたりのことも質問しているのかなという気もするんですね。そのあたりのことを詳細に記載したほうが。何ヶ月以上過ごす施設についてはリストアップするとか。
葛西 期間の長短に関わらず、分かっているところはリストアップする。それ以外はプログラム責任者が認める施設ということで。

6. 第22回家庭医療後期研修プログラム指導医養成のためのワークショップについて
葛西 その他で1点、皆さんにお諮りしたいことがあります。今回も英国家庭医学会(RCGP)前会長のロジャー・ネイバー先生が来られているんですが、RCGPの指導医とかあるいはプログラム責任者が非常に日本の家庭医療の発展に興味を持って支援してくれる関係作りができています。そして、福島医大で年に3〜4回、2週間ずつ、彼らを招聘できる研究費を獲得することができました。
今回もこの福島医大の研究費を使って、ネイバー先生を招聘しており、交通費などは負担をかけずに、東京にいる宿泊費用と謝礼5万円を学会から出してもらうということで、WSに参加いただいております。向うとしては家庭医療学会のWSにあわせて来日したいというのもありますので、早めに平成19年度の日程を決めたい。現在、可能性のあるところで、9月は1-2日なら来れるそうです。これはRCGPの指導医の指導をしている、コースオーガナイザーの2人で、Richard Wakefordという人とMei Ling Denneyという人。非常に優れた指導医で、ケンブリッジの、大学の中ではなく、コミュニティーでやっている2人です。福島医大で招聘することは決まっているので、できれば9月の1日−2日に家庭医療学会のWSをするということを決めていただければありがたい。その中で何をやるかは未定ですが、彼らに参加してもらえるように、WSを9月1日、2日にやっていただければ、ありがたい。
竹村 いかがでしょうか。何回目になるか分からないのですが、後期研修認定プログラムと指導医養成WSは9月1日-2日でよろしいでしょうか。(承認)


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