ごあいさつ
当番世話人大竹 雄二(富岡市甘楽郡医師会 会長)
このたび富岡市において第26回群馬県救急医療懇談会を開催することになりました。主催者を代表して一言ご挨拶を申し上げます。昭和36年に国民皆保険制度が確立され、また同時に制定された国民皆年金制度とともに、わが国の基本的な社会保障制度が出来上がりました。その後医療の発展とともに、多くの国民がその制度に支えられ、いまや世界一の長寿社会を形作るまでに至っています。そのなかでも救急医療の占める役割は大きく、日本全国津々浦々に至るまで人々がその恩恵にあずかれる時代になっています。その影に医師、看護師、消防関係者を始めとする沢山の救急医療に携わる人達の努力があったことも忘れることが出来ません。
富岡市甘楽郡医師会は昭和54年から旧休日診療所の運営を始め、さらに平成24年には公立富岡総合病院に隣接した場所に新たな休日診療所を開設しました。ここでは休日における病診連携が確立し、当地域の救急医療の一翼を大いに担っております。
今後ますます高齢化が進む中で、病院での救急対応ばかりでなく介護施設等や在宅でも救急医療を行う必要も出て来ることが予想されています。このような急激な社会構造の変化にともなう医療需要も増加すると思われ、医師会としては緊急往診や訪問診療の強化、病診連携の推進に力を入れてまいります。
今回の救急医療懇談会では、高齢者の救急医療にも視点をおいて活発な討論がなされることを祈念して、私からのご挨拶と致します。
当番世話人佐藤 尚文(公立富岡総合病院 院長)
このたび第26回群馬県救急医療懇話会を富岡市生涯学習センターで開催する運びとなりました。救急医療と言いましても所謂1次救急から3次救急までとその範囲は広いのですが、それぞれの地域でそれぞれの医療機関と救急隊が、そのニーズに合わせ活動できていると感じます。しかし医療資源には限りがあり、また高齢者が激増していくなかで、救急医療も質を問われる時代となっています。高齢者の救急医療の現場では、時として人生の最終段階にある患者が救急搬送される場面も多く、その適応をめぐり、また本人の意思確認の困難さをめぐり、現場での戸惑いが少なからずあります。今年3月に“人生の最終段階における医療の決定プロセスに関するガイドライン”が改定されました。この中で本人の意思の確認できない場合には、家族と医療・ケアチームが“本人にとっての最善”を選択することが求められています。では“本人にとっての最善”とは何か?禅問答のようになるこの問題に焦点をあてて、ACPの重要性に触れ、また特別講演には石飛幸三先生をお招きして参加者の方々にとって有意義な懇話会になるよう計画をしております。職種を超えて参加される皆様の活発な討論を期待しております。実行委員長町田 昌巳(公立富岡総合病院 副院長)
第26回群馬県救急医療懇談会を平成30年9月2日に富岡市生涯学習センターで開催する運びとなりました。我々が日常行っている救急医療技術のレベルアップを始めとして、高度な治療の試み、心のケア、患者搬送、緊急情報システム、地域連携、教育啓発などについて、関係各位が共通認識を深め、連携して問題解決を図れるような機会にしたいと考えております。救急搬送者の年齢構成では65歳以上の高齢者の割合が増加の一途をたどり58.8%(H28群馬県)となり、救急受診の原因となった急病や外傷以外に、老化に伴う多くの合併症の存在にも注意が必要となっています。高齢者医療の特徴については、特別講演に石飛幸三先生をお招きしています。
また災害面では、群馬県は地震や風水害などの大規模災害からは比較的安全性が高い地域と認識されていますが、県内の災害や首都圏からの被災者受け入れについても、特に関係機関の組織的対応が課題となります。
医療機関、消防、行政など救急医療に関係する皆様からの演題の応募と、参加者による活発な討論をお願いいたします。