麻酔科医・救急医にとって
「市立札幌病院歯科医師の医科研修問題」とは

県立新居浜病院麻酔科 越智元郎

1枚目のスライド


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 皆様、おはようございます。県立新居浜病院麻酔科の越智と申します。シンポジウム「安全で、安心な歯科医療はどうしたら 実現できるのか」の司会を担当させていただきます。


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 まず、救急医療に関心のある麻酔科医にとって「市立札幌病院 医科研修問題」とは何なのか、3つの主要な側面を上げさせていただきます。

  1. 麻酔科を背景に持ち、先進的な救急医としてわが国の救急医療の方向付けをして来られた、松原医師が告発され、活動の場を奪われました。

  2. 麻酔科医・救急医は歯科医師、救急救命士など、医師以外の職種の人々の麻酔・救急研修を指導する立場にあります。

  3. 麻酔科医・救急医は市民、歯科医師、各科医師などによる一次・二次救命処置の普及を促し、地域の「救命の連携」を強化したいと願っています。

 これらのことを踏まえて、皆様の活発なご意見をお願い致します。


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 本日は6人のシンポジストをお迎えします。

 最初に「『市立札幌病院歯科医師の医科研修問題』の経過」、副題「救命救急センター研修責任者として、今回の判決をこう受け止める」として、愛全病院副院長(元市立札幌病院救命センター長) 松原 泉先生です。その内容としては、

  1. 告発に至った経緯
    (札幌市保健所が何を問題として告発したか)
  2. 起訴に至るまでの厚労省のスタンス
  3. 実際の起訴内容
  4. 公判中に証人として出廷した厚労省幹部の発言
  5. 判決内容

などについてお話しいただきます。


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 2番目に「歯科医師が医科研修を必要とする根拠」、副題「口腔顎顔面外科学教室主催者として、今回の判決をこう受け止める」と題して、北海道大学大学院歯学研究科口腔顎顔面外科学教授 戸塚靖則先生にお話しいただきます。

 続いて「判決前後における歯科医師の医科研修の現状」、副題「日本口腔外科学会として、今回の判決をこう受け止める」と題して、日本口腔外科学会理事長、鶴見大学歯学部口腔外科学第1講座教授の 瀬戸皖一先生にお話しいただきます。


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 4番目に「歯科医師の医科麻酔科研修の過去と現在」、副題「告発された歯科研修医として、今回の判決をこう受け止める」と題して、元市立札幌病院歯科研修医で、北海道大学大学院歯学研究科口腔顎顔面外科学分野大学院生、小堀善則先生にお話しいただきます。

 さらに、「歯科医師の救急研修ガイドラインの矛盾(判決と照らし合わせて)」、副題「告発された救急研修指導医として、今回の判決をこう受け止める」として、市立札幌病院救命救急センター研修指導医の佐藤朝之先生にお話しいただきます。

 最後に「控訴審の行方と国民の利害」、副題「医療ジャーナリストとして、今回の判決をこう受け止める」と題して、日経メディカル記者 河野修己様にお話しいただきます。


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 加えて、司会者から次の3つの御願いをさせていただきます。

  1. 本会での発言は原則として麻酔科・救急医療研究会会員に限られますが、時間が許せば最後に若干名の会員外の発言をお受けします。

  2. 今回のシンポジストの口演はビデオに記録し、市民への情報提供に活用させていただきます。他の発言者におかれましても、可能であれば、ご質疑のビデオ収載にご協力下さい。

  3. 本日、「松原医師と医科研修を支援する会」記者会見、ならびに松原医師を囲む意見交換会が(県民文化ホール向かい、三翠園 6F「筆山(ひつざん)」で12:30〜14:30の間 開催されます。皆様お気軽にご参加いただけましたら幸いです。


討論


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 シンポジウムを終了するに当たり、「司会者のまとめ」として、スライドに示す3点を上げさせて いただきます。これは昨日のシンポジスト打合会で合意された内容でございまして、また本日会場にお集まりの多くの会員の皆様にもご賛同いただけるものと思います。

  1. 私たち医科、歯科両領域の関係者は力を合わせて、松原氏の控訴審を支援し、松原氏の無罪と救急医療への復帰を勝ち取りたいと願います。

  2. 私たちは医師以外の職種への医科研修を懸念なく実施できるよう、法律の整備を求めて行きたいと思います。

  3. 私たちは適切なガイドラインに基き歯科医師の麻酔・救急研修を積極的に実施し、歯科治療の安全性の向上に寄与したいと願います。

 以上です。皆様、ご協力有難うございました。


高知シンポジウム:歯科医師の医科研修問題