第5章 生活衛生に係る災害予防対策-
第1節 遺体の火葬体制の整備
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第1 広域的な火葬に関する計画の策定
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都道府県は,近隣都道府県等と協力
し,広域的な観点から災害時における遺
体の円滑な火葬を支援するための火葬場
の火葬能力,遺体の搬送・保存体制等を
記した広域的な火葬に関する計画の策定
に努める。
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市町村は,広域的な火葬に関する計画
に関して,職員にあらかじめ十分に周知
させること等により,災害時における遺
体の円滑な火葬の支援に備えるよう努め
る。
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厚生省生活衛生局は,広域的な火葬に
関する計画の策定のための指針を示すこ
と等により,必要な支援を行う。
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第2 火葬データベースの整備
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厚生省生活衛生局は,厚生省報告例に基づ
く基礎的情報のほか,火葬場の名称,所在
地,一日当たりの火葬能力,職員の配置状
況,周辺の交通事情等に関する火葬データ
ベースの整備に努めることとし,社団法人日
本環境斎苑協会に対し,必要な指導・助言そ
の他の支援を行う。
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第2節 水道施設に係る防災体制の整備
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第1 水道施設の耐震化等
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厚生省生活衛生局水道環境部は,水道
事業者及び水道用水供給事業者(以下
「水道事業者等」という。)が水道施設の
耐震化を図るための指針(以下「水道耐
震化計画指針」という。)を作成する。
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水道事業各等は,水道耐震化計画指針
を踏まえて,具体的に目標を定めて,計
画的に耐震化を進めるよう努める。
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水道事業者等は,緊急時に応急給水用
の水を確保できるよう,配水池容量の拡
大,緊急遮断弁の設置等を計画的に推進
するよう努める。
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厚生省生活衛生局水道環境部は,水道
事業者等が行う水道施設の耐震化及び応
急給水用水の確保のための措置に関し,
必要な指導・助言その他の支援を行う。
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第2 災害時応急体制の整備
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厚生省生活衛牛局水道環境部は,水道
施設に係る災害時応急体制を整備するた
め,以下の措置を行う。
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(1)都道府県及び水道事業者等と協力
し,災害時における広域的な情報収集・連絡体制の整備に併せて,管路等
の重要な施設の情報のデータベース化及びオンライン化を図ること。
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(2)応急給水(生活用水に供されるものを含む。以下同じ。)及び応急復旧活
動に関する行動指針を作成すること。
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(3)水道事業者等が行う応急給水及び応
急復旧に必要な資機材の備蓄の状況を定期的に把握すること。
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(4)応急給水及び応急復旧に必要な資機
材が水道事業者等の間で共用できるよ
う,仕様・規格の統一化等に努めること。
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都道府県は,水道施設に係る災害応急
体制を整備するため,以下の措置を行う
ように努める。
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(1)管下の水道事業者等と協力し,災害
時における広域的な情報収集・連絡体
制を整備するために,広域通信網及び
その回線の二重化等によるバックアッ
ブシステムの整備を図るとともに,管
路等の重要な施設の情報データベース
化及びオンライン化を図ること。
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(2)応急給水及び応急復旧活動に関する
行動指針を作成すること。
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水道事業者等は,水道施設に係る災害
時体制を整備するため,以下の措置を
行うよう努める。
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(1)応急給水及び応急復旧活動に関する
行動指針を作成すること。
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(2)地方公共団体の防災担当部局と協力
し,災害時の情報伝達手段を整備する
こと。
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(3)他の水道事業者等と調整し,災害援
助協定を締結すること等により,相互協力体制を可能な限り広域にわたって
確立すること。
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(4)応急給水及び応急復旧に必要な資機
材の備蓄を行うとともに,その調達を
迅速かつ円滑に行う体制を整備すること。
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(5)消防水利の多様化促進,緊急輸送手
段の確保等について,平常時から,関
係機関と協議・調整を行うこと。
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厚生省生活衛生局水道環境部は,都道
府県及び水道事業者等が行う水道施設に
係る災害時応急体制の整備に関し,必要
な指導・助言その他の支援を行う。
第3 住民による飲料水の確保等
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水道事業者等は,地方公共団体の防災
担当部局と協力し,2〜3日分の飲料水
の備蓄や,給水措置,受水槽の耐震化の
推進等について,住民等が白主的に取り
組むよう啓発に努める。
第3節 廃棄物処理に係る防災体制の整備
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第1 一般廃棄処理施設の耐震化等
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市町村は,一般廃棄物処理施設の耐震化,不燃堅牢化等を図るよう努める。
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市町村は,一般廃棄物処理施設の非常
用自家発電設備等の整備や,断水時に機
器冷却水等に利用するための地下水や河
川水の確保に努める。
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都道府県は,市町村が行う一般廃棄物
処理施設の耐震化に関し,必要な指導・
助言その他の支援を行う。
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厚生省生活衛生局水道環境部は,情報
の収集及び技術的,財政的援助を行う。
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第2 災害時応急体制の整備
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市町村は,廃棄物処理に係る災害時応
急体制を整備するため,以下の措置を行
うよう努める。
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(1)近隣の市町村及び廃棄物関係団体等
と調整し,災害時の相互協力体制を整
備すること。
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(2)仮設便所やその管理に必要な消毒
剤,脱臭剤等の備蓄を行うとともに,
その調達を迅速かつ円滑に行う体制を
整備すること。
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(3)−般廃棄物処理施設の補修等に必要
な資機材の備蓄を行うとともに,収集
車両や機器等を常時整備し,緊急出動
できる体制を整備すること。
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(4)生活ごみや災害によって生じた廃棄
物(がれき)の一時保管場所である仮置場の配置計画,し尿,生活ごみ及び
がれきの広域的な処理・処分計画を作
成すること等により,災害時における
応急体制を確保すること。
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厚生省生活衛生局水道環境部及び都道府県は,都道府県間及び市町村間におけ
る広域支援体制の整備に関し,必要な指
導・助言その他の支援を行う。
第6章 社会保険に係る災害予防対策-
社会保険庁,社会保険業務センター及び社会保険大学校並びに都道府県保険主管課,国民年金主管課及び社会保険事務所は,以下の点に留意
した防災体制の整備を行う。
なお,都道府県保険主管課等は,その実
施に当たっては,都道府県が定める地域防
災計画に沿った対応を行うものとする。
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職員はもとより来訪者等の安全を確保するため,消防設備,通信設備,医
薬品,避難用具等の整備を図るととも
に,これらの定期的な点検を実施する
こと。
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社会保険関連施設のうち老巧化して
いると認められるものについては,耐
震等の調査を行うこと。また,この調
査結果に基づき,必要があると認めら
れるときは耐震等への配慮を行うこ
と。
なお,新規に設置する施設において
は,十分な耐震構造を図ること。
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災害特に情報の収集伝達を迅速かつ
的確に行うため,一般電話が不通の場
合であっても,行政電話,非常電話,
非常電報等あらゆる通信手段を用いて
情報の収集伝達を行うための連絡ルー
トの確保を図ること。
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