高速道路事故(浅井康文ほか、山本保博ほか・監修 災害医学、東京、南山堂、2009、p.143-148) |
一般的な特徴としては、夜間や雨天時に速度超過して重大事故に至るケースが多い。また、カーブが多かったり、渋滞が多かったりといった高速道路の構造上の特徴は末尾の追突事故を起こしやすい。冬にはスリップ事故や視界不良による玉突き事故が起こりやすい。
対策としては、シートベルトやエアバックの開発といった自動車の安全装備面と、雨天でも滑りにくい舗装や夜でも見えやすい区画線にするなど道路の安全装備面がある。
*おまけ* 高速道路で走行・追い越し車線とも渋滞している場合の救急車のかわし方? 走行車線では左に寄り、追い越し車線では右に寄る。救急車は空けられたセンターを通る。
【1】 DMAT四国方面隊の名称
DMAT四国方面隊の名称は四国DMAT連絡協議会と称している。
【2】 四国DMAT連絡協議会の意義
DMAT隊員はスキルの維持や改良された研修項目のアップデートを必要とするため、その講習、研修の場となる。
災害発生時に県の行政が災害対策本部を統括することになるため、実際の災害現
場を理解してもらうことが必要である。
要網が作成されれば、DMAT隊員およびDMAT指定病院との運用協定を締結する
ための足がかりとなる。
【3】四国DMAT連絡協議会の構成
【4】メーリングリストの作成
四国DMAT隊員と県庁関係者の情報交換の場として作成された。災害関連情報、ITLSなど自己研鑽の教育コース開催情報などを発信している。
【5】四国DMAT連絡協議会の開催
【6】第2回四国DMAT連絡協議会と消防との合同訓練
2008年3月15・16日に香川県で行ったDMATチームと消防の合同訓練について紹介する。
訓練は地震を想定して、発災開始時刻と参集場所は事前に知らせることなく開始し
た。参集地点到着後に各チームのチェックをして、参集に必要な情報処理能力と物
品調達能力を評価した。
消防の指揮隊により現地災害対策本部を設置し、先着したDMAT隊は統括DMAT隊となって消防指揮隊と連絡することを想定した訓練を行った。統括DMAT隊は傷病者の状況に合わせ、消防指揮隊に医学的アドバイスを行い、県内で収容できない負傷者については広域医療搬送システムを利用して搬送医療機関の選定を現場災害対策本部にアドバイスした。
構成員の親睦を深め、顔の見える関係の構築に貢献した。
【7】今後の展望
傷病者が多数発生するような災害や事故現場では、トリアージは不可欠であり、トリアージをより効果的にする道具がトリアージタッグである。トリアージを実施する技術も大切であるが、トリアージタッグへの記載を明確に行うことも災害時には重要なことである。
トリアージタッグに示された情報や記載内容は、傷病者の将来を左右する重要な情報につながる。収容医療機関では、それぞれの過程で傷病者につけられたトリアージタッグの記載内容に基づいて、適切な処置が開始される。
トリアージタッグは標準化部分とタッグ制作主体の裁量部分である自由裁量部分からなる。
1)標準化部分:傷病者の同定および担当機関の同定等に関わる記載内容
2)自由裁量部分:トリアージ実施場所、トリアージ実施機関、職種、症状・傷病者、トリアージ区分、バイタルサイン、人体図、特記事項、など
1. ご遺体の収容およびトリアージ後の対応
現場および現地救護所で死亡が確認された場合には、ご遺体は警察の指揮のもと遺体安置場所に搬送し、医療機関に搬送すべき患者と区別する。医療機関に搬送された後にトリアージにて生命徴候なしと判断された場合、あるいは治療を行ったにもかかわらず死亡が確認された場合は、ご遺体を医療機関内の仮遺体安置場所に搬送する。
2. 遺体安置場所
設置場所の選択基準としては、現場から比較的近く、交通のアクセスがよく、かつ救助活動の妨げにならない、報道関係者や一般人の人目につかず、広い場所であることなどが挙げられる。具体的には大規模な体育館や公民館、学校の体育館や教室、寺院、警察署の構内(道場など)、大型のテント、航空機の格納庫などが考えられる。遺体安置場所の構造は大きく、検視・検案を行うエリア、ご遺体の処置を行うエリアおよびご遺族との対面スペースに分けられる。検案の際は医師、歯科医師および検案補助者からなるチームで行うことが望ましい。災害死亡者の身元確認は警察の責任で行われ、遺体安置場所での家族対応窓口の設置、ご遺体の収容状況についての広報が行われる。家族対応窓口では、ご遺体あるいは行方不明者の家族からの情報の収集と確認が警察官によって行われる。
3. 検視・死体検案
1)検視と死体検案
検視は、検察官または警察官(司法警察員)によって行われる死亡の状況および死因などの調査をいう。死体検案(検案)は、医師が死体の外表を検査し、死因や損傷、死後経過時間、個人識別などについての医学的判断を行うことをいい、検視の一環として行われる。災害時の死体検案の結果は、死体検案書としてご遺族に交付され、死者の戸籍の抹消および死者個人にかかわる法的問題の処理に用いられるのみならず、災害死の疫学調査、刑事訴訟法上の検証、災害復興や将来の災害対策のための基礎的資料としても用いられる。また、災害死の認定や、それに伴う社会保障の資料としても使用される。
2)検視・検案業務の流れ
遺体安置場所に搬入されたご遺体は、頭部のある完全遺体と頭部のない部分遺体に分け、それぞれ搬入順に番号を付し、まず警察官による検視を受ける。検視の終了後、医師による検案が行われる。検案は明るい場所で行い、死後硬直、死斑、体温降下などの死体現象を詳細に観察する。体表面から観察される損傷については人体図に詳しく記録する。また、個人識別の資料となる所見や身体的特徴(手術痕、瘢痕、あざ、ほくろ、刺青など)、性別、推定される年齢についても記録する。
4.検案に際して注意すべき事項
死体検案書に記載する死因や死亡時刻を推定する基準、外因死の追加事項の記載に関する事項、用いる名称などを、検案チーム全体であらかじめ統一しておく必要がある。死亡時刻を判断する上で注意すべき点は、死亡時刻と死亡確認時刻を混同しないことである。個人識別のための検査試料としては、血液が望ましいが、損傷が高度で血液採取が困難な場合には、毛根を含む毛髪や口腔粘膜試料なども利用できる。薬毒物検査の場合も、試料としては血液が望ましいが、採取が困難な場合には他の体液で代用せざるを得ない。採取・保管すべき試料の種類と採取方法については、検査目的に応じてあらかじめ一定の手順を定めておき、検案チーム全体で打ち合わせておくことも必要である。医師が検案したご遺体の死体検案書の控え、検案記録(人体図を含む)および写真は、できればすべて後日の対応窓口となる現地の法医学関連機関において一元的に保存する。
5.ご遺族への対応
死体検案終了後は、速やかに死体検案書を作成して交付することが求められる。また、身元が明らかになったご遺体は、警察により速やかにご遺族と対面の後、引き渡される。損傷が高度なご遺体については、ご遺族との対面前に修復処置を施すことが望ましい。
6.大規模災害での死体検案体制
災害が発生した地域や災害の状況によっては臨床医に検案が依頼されることがあるが、臨床医には負傷者に対する救急医療活動が優先される。可能な限り専門家である法医学者・監察医が検案活動に従事することが望ましい。日本法医学会には、大規模災害時における死体検案支援体制がある。災害現地の法医学関連機関(災害現地機関)が警察本部や行政機関から要請を受けた場合、対応する災害現地機関が窓口となり地区理事を介して日本法医学会に連絡する。日本法医学会は死体検案支援対策本部を設置し、災害現地機関と密接に連絡を取り、死体検案チームを編成・派遣するシステムとなっている。
DMAT四国方面隊
(関 啓輔、石原晋ほか・監修 プレホスピタルMOOK 9 DMAT、東京、永井書店、2009、293-300)
●DMAT(Disaste Medical Assistance Team)とは
●はじめに
トリアージタッグの記載法と留意点
(山崎達枝、災害現場でのトリアージと応急処置、東京、日本看護協会出版界、30-36、2009)
■トリアージタッグの特徴
■記載にあたっての留意点
■トリアージタッグの記載方法
■優先的に記入すべき項目
■トリアージの繰り返しの実施
■傷病者の状態が変化しているときや、判定変更後のトリアージタッグへの記載方法
■死亡が確認された場合
ご遺体
(木下博之、丸川征四郎・編著 経験から学ぶ大規模災害医療、大阪、永井書店、2007、p.251-257)
●はじめに
●おわりに