愛媛県における救急救命士の気管挿管に係る病院(手術室)実習要領平成16年 愛媛県メディカルコントロール体制検討委員会 |
文責:県立新居浜病院麻酔科 越智元郎
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目次
(1)実習方法及び実習内容等 1.実習資格、2.実習先医療機関の基準、3.実習指導の責任者、4.対象症例、5.実習内容 (2)実習受入れ方法 1.病院実習申請書、2.実習受入許可書、3.院内に明示 (3)インフォームドコンセントの取り方 1.患者への説明、2.同意書の保管、3.医師診療録への記載、4.事後説明 (4)実習の記録及び保管 (5)事故発生時の責任 1.実習指導医の責任、2.実習生、所属市町村長の責任 (6)実習の中断、中止 (7)修了証書及び登録 1.実習修了証発行の条件、2.県委員会への報告と登録 (8)再教育 (9)その他 □別添:院内明示例 インフォームドコンセント様式、気管挿管実習の同意に関する記録 気管挿管実習患者別記録、気管挿管実習記録 実習修了証明書 救急救命士の病院実習日誌 ■関連資料:県立新居浜病院における救急救命士の気管挿管実習に関する資料
救急救命士の資格を有し、県消防学校における事前講習(座学+シミュレーション人形を使用した
訓練)を受け、所定の試験に合格し、事前講習修了証明書を有する者又は新試験合格者(平成16
年4月1日以後に実施される救急救命士の国家試験合格者)であって、実習先医療機関の長が認め
た者。
実習生受入れに関する理解や日本麻酔科学会認定専門医(旧指導医)(以下、実習指導医と
いう。)の配置状況等を踏まえ、県委員会の検討結果に基づき、各地域メディカルコントロール協
議会(以下、地域協議会という。)において決定した医療機関。
なお、あらかじめ当該医療機関の長及び同医療機関の麻酔科の長が実習受入れを了承してお
り、実習指導医が勤務していること。
病院実習申請書の提出を受けた実習先医療機関の長は、実習予定者が実習生として適当である
と認められる場合は、実習生名を明記して、実習受入許可書(別紙第2号様式)を該当の消防本部
へ通知する。
実習先医療機関は、あらかじめ医療機関の長名で救急救命士気管挿管実習受入病院であること
を院内に明示(別添院内明示例)するとともに、救急救命士が実習生であることが患者に明確にな
るよう、その旨明記した名札等を付けさせること(実習生、研修生等)。
インフォームドコンセントを得た同意書の原簿をカルテに貼り保管する。なお、その写しを患
者に渡すこと。
同意書とは別に医師診療録に説明の内容、患者側の諾否につき簡単に記録し、実習指導医、実
習生が連名で署名する。
実習終了後、適切な時期に記録内容を提示しながら患者本人へ挿管時の状況について説明する
(実習指導医のみで良い)。
なお、実習生又は実習生が所属する消防本部は、実習の記録を5年以上保管すること。
1.の場合を除く、挿管実施に伴う事故の責任については、実施者である実習生及び所属市
町村長等にあるものとする。
実習先医療機関の長から修了証明書の交付を受けた実習生の所属する消防本部は、その旨
を県委員会へ報告(講習及び病院実習修了証明書の写しを提出)するものとし、県委員会はそれに
基づいて認定証を交付するとともに、認定を受けた救急救命士の名簿を作成・管理する。
(院内明示例)
厚生労働省と総務省消防庁、医学会代表者、有識者等が集まって、救急現場において心臓や肺がとまってしまっている人の救命率を向上させることを検討した結果、救急救命士による搬送中の気管挿管(気管内チューブによる気道の確保)が今年度から実施されることとなりました。これを行う救急救命士は、事前に病院において、全身麻酔を受けられる患者の方々のご協力を得て、気管挿管の実習(30症例)を必ず行わねばならないこととなっており、当院は、この実習を受け入れることにいたしました。
日本においては、医師が救急現場に直接出て行く制度を実施している地域は非常に少なく、多くの地域で病院外での救命処置は救急隊にゆだねられています。救急隊員の中でも特別の教育を受け、国家試験に合格した者が救急救命士となります。その中でも選ばれて更に教育を受け、シミュレーション用の人形を使用した事前の気管挿管の訓練を行い、実習試験に合格した者がこの病院における挿管実習を受けることとなっています。従って、実習にあたる救急救命士は、現場での救急業務を経験し、考え得る全ての教育を受けた、十分能力のある者といえます。
実習に際しては、当院麻酔科の専門医が常時付き添って指導に当たり、通常の麻酔科医が行う際と同様の安全性を確保しながら実習を行います。また、手術の前日までに麻酔科医と救急救命士が一緒にご説明にあがり、麻酔方法や安全性などについてご説明いたします。
私を含め、誰でもが不測の事態の中で急に心臓がとまり、救急隊の処置に身を任せる可能性が少なからずあります。救急の現場にいる救急救命士の能力が生命を左右する可能性が十分あります。ですから、救急救命士の能力を高めることは、とても重要なことだと考えております。
このような理由から、当院としてはこの実習を引き受けるとともに、患者様へご協力をお願いいたしております。何卒ご協力の程よろしくお願いいたします。なお、仮に患者様がこの実習にご協力いただけなくとも、今後の治療で不利益を被るようなことは全くございませんので申し添えます。
患者様の麻酔は、麻酔科医師が担当いたしますが、厚生労働省の病院(手術室)実習ガイドラインに従って、救急救命士による気管挿管実習にご協力をお願い致します。
実習を行う救急救命士は、救急救命士資格取得者で、救急業務経験者であり、県消防学校における事前の気管挿管に係る講習を受講済みの者です。
救急救命士が行うことは、
この間は、日本麻酔科学会認定麻酔専門医が指導し、患者様の安全を確保します。薬剤投与、上記以外の処置等はすべて麻酔科医師が行います。以後、手術が終わるまで、麻酔科医師が麻酔を担当します。その間、担当救急救命士が見学をする場合があります。
この実習に伴う合併症で最も多いと考えられるのは、歯牙の損傷、口唇・口腔内の損傷、嗄声、咽頭痛です。これは通常麻酔科医師が行っても起こりうることです。
なお、この救急救命士による気管挿管実習を拒否しても、患者様の治療等に何ら不利益も生じません。
様式3
Cormack Grade:
挿管施行回数: □ 1回 ・ □ 2回
気管チューブ径: mm
挿管の成功/不成功: □ 成功 ・ □ 不成功
実習指導医師署名:
備考:患者氏名については、医療機関の指示に従い氏名・イニシャル・カルテNo等で記載すること。
様式1
救急救命士名:
実習期間:平成 年 月 日〜平成 年 月 日
気管挿管の同意に関する結果
気管挿管実習の結果
実習医療機関名:
実習指導医師名: 印
(実習先医療機関が交付する修了証明書 様式)(1)実習方法及び実習内容等
(2)実習受入れ方法
病院実習資格要件を満たし、病院実習を希望する救急救命士を有する消防本部は、受入基準を満たした実習先医療機関に対し、当該医療機関の実習受入取扱規程(別添参照)又は契約等に基づき、実習予定者を明記した病院実習申請書(別紙第1号様式)を提出する。その際、事前講習修了証の写しを添付すること。
(3)インフォームドコンセントの取り方
実習前日までに、実習指導医は実習生を伴い、実習指導医の指導と責任の下に、患者に実習内
容等について十分な説明を行った上で、文書による気管挿管への同意を得る。同意書(別添イン
フォームドコンセント様式)は複写式(コピーでも可)とする。その際、少なくとも、次の各点が
説明されなければならない。
(4)実習の記録及び保管
(5)事故発生時の責任
指導内容及び指導態度等に起因する注意義務違反による事故の責任については、実習指導医の
責任とする。
(6)実習の中断、中止
(7)修了証書及び登録
実習先医療機関の長は次の条件を満たした実習生に対して、当該医療機関の長名で実習修了証
明書(様式別添)を発行する。
(8)再教育
(9)その他
手術を受けられる患者様へご協力のお願い
○○病院 院長 ○○ ○○
平成 年 月 日
救急救命士による気管挿管実習の説明・承諾書
平成 年 月 日手術
までです。
平成 年 月 日
説明医師名
実習救急救命士(所属)
(氏名)
指導麻酔専門医名
麻酔担当医師名
(他の手術の進行具合や緊急手術のため、麻酔担当医師が代わる場合があります。)
私は、上記の麻酔科医及び救急救命士により、救急救命士が麻酔専門医の指導のもとに、私の気管挿管を行うことについて、上記のように説明を受けましたので、このことについて承諾いたします。
平成 年 月 日
○○病院 院長 殿
患者様氏名 印
気管挿管実習の同意に関する記録
平成 年 No.
説明月日 説明時刻 同意月日 患者氏名 性別 気管挿管実習に
対する同意実習指導医
(説明医)氏名
月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 月 日 : 月 日 男・女 同意・不同意 救急救命士所属: 救急救命士名:
備考:患者氏名は、医療機関の指示に従い氏名またはイニシャル及びカルテNo等で記載すること。
気管挿管実習患者別記録
No.
救急救命士所属:
救急救命士名:  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
患者氏名:
患者年齢: 歳 患者性別: □ 男 ・ □ 女
説明年月日: 平成 年 月 日 :
挿管同意: 平成 年 月 日 :
□ 1 声門部の全てが視認できる
□ 2 後部軟骨群のみが視認できる
□ 3 喉頭蓋のみが視認できる
□ 4 舌根部のみが視認できる
挿管再施行の理由:
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
カフ空気注入量: ml
気管チューブ固定位置: cm
挿管中止の理由:
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
上記のことを確認しました。
実習年月日: 平成 年 月 日
実習開始時刻: :
実習終了時刻: : 気管挿管実習記録
救急救命士所属:
説明患者数: 人
同意患者数: 人
挿管施行患者数: 例
挿管施行1回の患者数: 例
挿管施行2回の患者数: 例
挿管成功数: 例
修了認定証
○○消防本部 救急救命士
(氏名)○○ ○○
生年月日
上記の者は、当院において、愛媛県メディカルコ
ントロール体制検討委員会の定める「救急救命士
の気管挿管に係る病院(手術室)実習要領」に基
づく実習を修了したことを証する
平成 年 月 日
○○○○病院
院長 ○○ ○○