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NL9_52

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  第52回大会報告一覧 印刷用PDFファイル(セクション7 生活習慣と健康)

一般演題セクション7(生活習慣と健康)のまとめ

 報告者:座長 西口裕(三重県健康福祉部)


D−1「出産経験のある女性の体型および生活習慣と骨密度に関する研究」では、出産経験者の骨密度と体型、妊娠期および授乳期の食生活等との関係についての調査結果が報告されました。20〜49歳の209名について骨密度と体重、BMI、体脂肪率、運動習慣、妊娠期の牛乳摂取量、出産回数等との相関等を検討し、骨密度への影響は体型、運動習慣に比べ、妊娠期の牛乳摂取、出産回数は小さいが、骨密度を高く保つには妊娠期の牛乳摂取量を増やす働きかけが必要との検討結果が報告されました。同年代の妊娠・出産経験のない群との比較検討が必要ではないかと思いました。

D−2「幼児期における朝の目覚めと生活習慣との関連に関する調査研究」では、幼児の睡眠習慣及び食生活を含めた他の生活習慣の実態調査、睡眠習慣の一つである朝の目覚めとその他の生活習慣との関連についての検討結果が報告されました。「朝の目覚めが良い者」は、「どちらとも言えない、ぐずぐずしている者」と比較し、睡眠時間より、就寝時間が早い時間帯の者に多く、また生活習慣として、食欲があり、毎日規則的な排便習慣があるものが多いとの結果が報告されました。今後、親の生活習慣との関係、親が幼児の基本的な生活習慣を形成する上で睡眠習慣をどのように考えているかなども含めさらに調査研究をされることが望まれます。

D−3「基本健康診査受診者の生活習慣と臨床検査項目との関連〜中高齢者の飲酒習慣因子と血圧、肝機能および血中脂質の構造方程式モデリング〜」では、飲酒習慣と臨床検査項目間の構造や関連について、基本健康診査のデータを用い構造方程式モデルで検討されました。飲酒習慣因子と最高血圧、肝機能および中性脂肪の間には、統計学的因果関係があり、中でも、一日平均の飲酒量がγGTPを特に強く規定していることが指摘されました。会場からは、今回の研究の解析基準を満たしているのは、基本健康診査を受診した179,691人の中で 341人であり、もう少し大きな解析数での検討が必要ではないか?との質問があり、基本健康診査のデータのバグが大きいとの課題があることが発表者から指摘されました。

D−4「楽しみながら健康づくりから〜「健康あいち」知多半島の旅を実践して〜」では、知多半島の豊かな自然資源や漁業、酪農、やきものなどの歴史ある産業観光と、地域の健康づくりを推進する総合的な拠点である愛知健康プラザを結びつける新たな健康メニューの開発とその効果が報告されました。超高齢社会、団塊の世代の退職の時期を迎え、多機関が連携して、楽しみながら健康づくりをする環境整備が望まれます。

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