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専門specialty

小児集中治療チーム

小児集中治療(PICU)チームは2018年8月に誕生した新しい専門診療チームです。続く2019年6月に新しい小児集中治療室(PICU)に移転して、最新・最先端の環境で重症小児患者さんの診療を日々行っております。私たちは「地に足をつけた臨床」「キャリアアップ教育」「小児集中治療医学の研究・発展」を三本柱として日々の診療に励んでいます。

主な診療内容としては、先天性心疾患の周術期管理やその他の小児手術後の管理、急性脳症・急性呼吸不全・代謝緊急症などの内科的な重症疾患、外傷等の全ての小児重症患者を主治医・主科と協力して行っています。小児の心移植・肺移植を行っている日本でも数少ない施設です。

PICUチームは東京都こども救命センターとして東京都の区東ブロックの「最後の砦」の役割も担っています。市中病院で集中治療管理が必要と考えられる小児患者さんを幅広く受け入れ診療にあたっています。他のこども救命センター施設と協力し、重症小児患者さんの搬送・速やかな治療開始が可能となるよう努めています。

一人でも多くのお子さんが元気に退院し、お家で元気に過ごせるように精一杯診療をしております。

我々の活動内容につきましてはPICUのホームページもご参照ください。

診療実績results

入室患者数
2019年 194例
2020年 312例
2021年 380例

2020年1月1日〜2020年12月31日

総入室数 312例

内訳

心臓外科周術期管理119例
小児外科周術期管理27例
脳神経外科周術期管理15例
整形外科周術期管理13例
肺移植3例
こども救命受け入れ85例
急性脳症5例
急性心筋炎3例
ECMO8例
血漿交換3例

主な対象疾患・治療target disease

呼吸障害

急性肺炎、急性細気管支炎、重症呼吸不全、ARDSなど。

心疾患

先天性心疾患のカテーテル検査後や手術前後の全身管理、急性心不全、急性心筋炎、各種不整脈の診断・治療

神経疾患

急性脳炎/脳症(AESD、MERS、AERRPS、ANEなど)、脳出血/脳梗塞、てんかん、痙攣重積
ギランバレー症候群などの自己免疫性疾患

感染症

尿路感染症、急性肺炎、菌血症/敗血症など

代謝疾患

ミトコンドリア病、有機酸代謝異常症、脂肪酸代謝異常症、糖尿病性ケトアシドーシス

小児外科手術

横隔膜ヘルニア根治術、胃瘻造設術、Nissen手術、気管切開術、喉頭気管分離術など

移植

心移植、肺移植

体外循環、血液透析など

L-VAD、V-A ECMO、V-V ECMO
血液透析、血漿交換療法

診療デバイス

教育education

私たちのPICUでは小児科、及び小児集中治療科を目指す医師の教育を一つの柱として考えています。
また、若手医師の教育だけでなく、教育をするスタッフ自身も自己のキャリアアップを図っています。

東京大学医学部附属病院は卒後臨床研修プログラム、および小児科専攻研修を行っています。
研修中にPICUでの研修も可能であり、中等症から重症の小児症例の全身管理を経験することが出来ます。研修中はPICUスタッフ(助教・講師)が指導に当たり、病態の理解をはじめ、実際の呼吸・循環などの評価を行います。臨床現場での研修に加え、スタッフによる講義やハンズオンレクチャー、シミュレーションなども行っています。
また、小児集中治療の研修を終えた医師のさらなるキャリアアップの場でもあり、臨床現場での疑問点から臨床研究を発案し、研究・論文化までを指導を受けながら経験が出来ます。

研究studies

誕生からまだ間もない新しいPICUチームはこれからの発展を目指して、研究を開始しています。
新しいPICU私たちは三本柱の一つである「小児集中治療医学の研究・発展」を目指し、全員が臨床現場から自身の研究課題を見出し、日々研究に励んでいます。月2回、PICU内でResearchカンファランスを行い、それぞれの研究課題について論議し、よりよい研究が行えるように研鑽しています。また、臨床研究をサポートする学内システムは完備されており、適切なアドバイスを受けながら臨床研究を行うことが出来ます。

現在の研究テーマは以下の通りです。(一部抜粋)

  • 松井 彦郎: PICUにおけるリスク評価体制の構築。PICUにおける簡易眼底観察方法の確立。ベッドサイドにおける動脈圧脈波の周波数解析による病態評価の研究。
  • 前澤 身江子:急性心筋炎の原因ウイルスの同定。体肺動脈短絡術周術期の肺血流量の評価。
  • 田中 裕之:PICUにおけるステロイドホルモンに関する臨床研究。バソプレシン投与時におけるV1およびV2受容体反応性の挙動解析。
  • 林健 一郎:小児における間接熱量計の適用及び臨床学的応用。
  • 太田 英仁:各種モニタリングデータの解析及び臨床学的応用。
  • 内田 要:小児における電子瞳孔径の適応及び臨床学的臨床意義の検討。若手医師に対する手技指導方法の検討。

スタッフstaff

  • 准教授 松井 彦郎
  • 助教 前澤 身江子
  • 助教 林 健一郎
  • 助教 田中 裕之
  • 助教 太田 英仁
  • 助教 内田 要
  • 特任助教 野澤 永貴
  • 特任臨床医 石川 携
  • 特任臨床医 國方 歩

スタッフの経歴・詳細につきましては、
東京大学附属病院PICU/NICUのホームページをご参照ください

業績achievement

英語論文
日本語論文
国際学会発表
講演
著書・雑誌執筆
国内学会発表