研究協力のお願い
神経性過食症(摂食障害)の患者さんへ
神経性過食症に対する、認知行動療法の治療効果評価研究へのご協力のお願い
現在、日本では明確に治療効果が確認された神経性過食症に対する治療法はありません。欧米においては、成人期の神経性過食症と過食性障害に対する認知行動療法は、その治療効果が確認され、有効な治療法として用いられています。この研究では神経性過食症に対する認知行動療法が日本においても有効かどうか、神経性過食症の患者さんにご協力をいただき、検証をさせていただく研究です。
【研究課題】
「神経性過食症に対する認知行動療法の無作為化比較試験」(審査番号 11960)
【研究の意義・目的】
この研究は、神経性過食症の患者さんに対する摂食障害のための認知行動療法「改良版」(enhanced cognitive behavior therapy :CBT-E)の治療効果を確かめる研究です。海外での検証結果からは、この治療を最後まで受けた神経性過食症の患者の60%に治療効果があったことが報告されています。本研究では、神経性過食症の研究参加者を摂食障害のための認知行動療法「改良版」CBT-E治療を受けるグループと、これまで通りの治療を受けるグループのいずれかに割り振り、2つのグループの治療効果を比較することで、二つの治療法の治療効果を検証します。この研究結果は、今後の新たな治療法の開発、並びに、CBT-Eの治療対象の拡大(神経性やせ症)のための重要な資料として用いられます。
【研究対象となる方(研究へのご参加をお願いさせていただく方)】
この研究では、下記の条件を満たす患者さんに、研究へのご参加のご協力をお願いしております。
- 神経性過食症の診断基準(DSM-5)を満たす
- 同意取得時の年齢が18歳以上(未成年の場合は、親権者の承諾が必要)
- 日本に在住し、日本語の読み書きができる
ただし、参加に際しいくつか細かい条件がございます。
上記の条件を満たしていても、研究へのご参加を見合わせていただく場合があります。予めご了承ください。
詳細については、研究参加へのお申し込みのご連絡(メール)を頂いた後、メールにてご案内いたします。
【研究の方法】
研究にご協力、ご参加頂いた方には、約20週間の神経性過食症に対する認知行動療法か、期限の制限を設けない既存の治療(認知行動療法ではありません)のいずれかを受けていただきます。正確な治療効果を評価するため、どちらの治療を受けていただくかについては研究登録時に自動でシステムが決定します。参加者の希望をお受けすることはできません。認知行動療法では、最初の4週間は週に2回、1回50分程度の外来治療を行います。
治療期間中(研究期間中)は、合計4回の治療効果評価のためのアンケート、あるいは、面接を行います。最後の治療効果評価のための面接とアンケートは、治療開始後80週間後を予定しています。
研究にご協力いただいた方にも、通常の診療と同額の医療費が発生し、自己負担となります。
この研究は、東京大学医学部倫理委員会の承認を受け、東京大学大学院医学系研究科・医学部長の許可を受けて実施いたします。
【研究期間】
2018年9月19日から2022年3月31日まで
【研究機関名及び本学の研究責任者氏名】
この研究は、国立精神・神経医療研究センターを主管研究機関とし、本学、東京大学と、九州大学、東北大学、国立国際研究センター国府台病院、国立国際センター病院の5施設で行われる多施設合同研究です。
本学、東京大学で行われる研究機関と研究責任者は下記の通りです。
研究機関: 東京大学医学部附属病院心療内科
研究責任者: 吉内 一浩
研究担当者: 野原 伸展
担当業務: 同意の取得、治療介入、評価、主管研究機関へのデータの提供
【共同研究機関】
国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所(主任研究施設)
研究責任者:安藤哲也
担当業務:研究総括 同意取得・治療介入と評価・データ収集・匿名化・データ解析・モニタリング
東北大学
研究責任者:福土 審
担当業務:同意取得・治療介入と評価・データ収集・匿名化・データ提供
九州大学
研究責任者:須藤 信行
担当業務:同意取得・治療介入と評価・データ収集・匿名化・データ提供
国立国際医療研究センター 国府台病院
研究責任者 河合 啓介
担当業務:同意取得・治療介入と評価・データ収集・匿名化・データ提供
国立国際医療研究センター
研究責任者 菊地 裕絵
担当業務:同意取得・治療介入と評価・データ収集・匿名化・データ提供
【個人情報の保護】
この研究で得られた人体試料や情報・データ等は、この研究のためにのみ使用します。音声データを除くあらゆる臨床データは、解析前に個人情報を削除し匿名化をした上で、野原伸展(管理責任者)が厳重に保管します。
面接の音声データについては、個人を識別しうる情報の削除は行わず、符号の割り当てだけを行い野原伸展(管理責任者)がパスワードロックをかけたコンピューターで厳重に保管します。データの授受は匿名化された状態で臨床支援システムを利用して行います。音声データは、IDとパスワードをかけた電子ファイル形式で、信頼できる通信手段を利用して送付し、国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所心身医学研究部で厳重に保管され、評価は心身医学研究部内でのみ行います。
【2021年8月1日(あるいは、倫理委員会承認日)までに研究にご協力いただいた皆様へ】
本研究で得られたデータを、「摂食障害に対する認知行動療法の有効性の神経科学的エビデンスの創出」(研究責任者:国立精神・神経医療研究センター精神保健研究所 関口敦)(共同研究機関・研究責任者;東京大学医学部附属病院心療内科・吉内一浩)研究に、個人情報が削除された状態でデータを共有、連結をさせていただきます。
データの共有、連結を望まれない場合や同意を撤回される場合は、下記の問い合わせ窓口へご連絡ください。
データ提供に協力をされない場合でも、将来的に当科における診療・治療の面での不利益をこうむることはありません。
【研究参加:お問い合わせ先】
この研究への参加をご希望される場合、あるいは、研究に関する疑問、ご不明な点がある方は、下記の宛先にメールにてご連絡ください。折り返し、ご案内、返信を送付いたします。メールを頂いた時点で研究参加が決まるわけではありません。
東京大学医学部附属病院心療内科
お問い合わせ先:bncbt-project(at)umin.ac.jp
研究責任者:吉内 一浩
連絡担当者:野原 伸展
連絡先住所:〒113-8655 東京都文京区本郷7-3-1東京大学医学部附属病院心療内科医局