transformation
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=====高等学校における形質転換実験プロトコール===== | =====高等学校における形質転換実験プロトコール===== | ||
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====無菌操作==== | ====無菌操作==== | ||
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====形質転換==== | ====形質転換==== | ||
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====GFP発現の確認==== | ====GFP発現の確認==== | ||
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====おまけ==== | ====おまけ==== | ||
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今回使用しているのはライセンスの関係上pETUKという、選択マーカーがカナマイシンのベクターを使用しています。 | 今回使用しているのはライセンスの関係上pETUKという、選択マーカーがカナマイシンのベクターを使用しています。 | ||
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- | 資料集などにも出てくるマルチクローニングサイト周辺の配列は下のようになっています。 | + | (☞[[https:// |
+ | 資料集などにも出てくるマルチクローニングサイト周辺の配列({{: | ||
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- | こうして、皆さんにお渡しする下図の様なプラスミドマップを持つプラスミドを作成しています。 | + | こうして、皆さんにお渡しする下図の様なプラスミドマップを持つプラスミド({{: |
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この様に一括りに抗生物質といっても作用機序が異なります。昨今、耐性菌の出現が医療で問題となっていますが、1つは抗生物質に対する耐性菌は要するに抗生物質を分解できる酵素の遺伝子を何等かの形で獲得することによって起こります。 | この様に一括りに抗生物質といっても作用機序が異なります。昨今、耐性菌の出現が医療で問題となっていますが、1つは抗生物質に対する耐性菌は要するに抗生物質を分解できる酵素の遺伝子を何等かの形で獲得することによって起こります。 | ||
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抗生物質を分解する酵素の遺伝子を獲得した耐性菌は、分解酵素を自分の周辺に分泌することによって抗生物質の影響なく生育することができます。今回はプラスミドの形で耐性遺伝子を形質転換により導入することによって、耐性菌を作成しています。実験的には下記Hanahan法によってプラスミドを介して耐性を付与していますが、自然界でプラスミドなど外部からDNAを取り込んで耐性を獲得する様式を**水平伝播**と言います。また一度耐性を獲得すると、娘細胞にも当然受け継がれていきます。この様に代々受け継がれていくことは**垂直伝播**と呼ばれます。 | 抗生物質を分解する酵素の遺伝子を獲得した耐性菌は、分解酵素を自分の周辺に分泌することによって抗生物質の影響なく生育することができます。今回はプラスミドの形で耐性遺伝子を形質転換により導入することによって、耐性菌を作成しています。実験的には下記Hanahan法によってプラスミドを介して耐性を付与していますが、自然界でプラスミドなど外部からDNAを取り込んで耐性を獲得する様式を**水平伝播**と言います。また一度耐性を獲得すると、娘細胞にも当然受け継がれていきます。この様に代々受け継がれていくことは**垂直伝播**と呼ばれます。 | ||
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しかし、生物にとっては標準的なワトソン=クリック塩基対を形成できるコドンの方が翻訳に有利だったのでしょうか。遺伝子に用いられるコドンは、tRNAを有しているコドンに偏ることも知られています。この生物種によるコドンの偏りのことを、**codon usage**といいます。例えば[[https:// | しかし、生物にとっては標準的なワトソン=クリック塩基対を形成できるコドンの方が翻訳に有利だったのでしょうか。遺伝子に用いられるコドンは、tRNAを有しているコドンに偏ることも知られています。この生物種によるコドンの偏りのことを、**codon usage**といいます。例えば[[https:// | ||
バイオテクノロジーの話になりますが、この生物種間のcodon usage問題を解決するために、ホスト細胞にこれらrare codonに対応するtRNAを人為的に発現させておこう、という株が作成されています([[https:// | バイオテクノロジーの話になりますが、この生物種間のcodon usage問題を解決するために、ホスト細胞にこれらrare codonに対応するtRNAを人為的に発現させておこう、という株が作成されています([[https:// | ||
- | ついでに最近では、「最初っからコドンをホスト細胞のcodon usageにしてしまえ」という**codon optimisation**という手法が取られています。これは人工遺伝子合成といって、何千残基というDNA鎖でも人工的に作成できるようになってきたからであり、作成したいタンパク質のアミノ酸配列を基にして、そのホスト細胞のcodon usageに最適なコドン配列を繋げていくことで、そのタンパク質発現に最適なDNあ配列を得ることができます。この様に、人工的にタンパク質を作製するにも近年の技術革新によって支えられています。 | + | ついでに最近では、「最初っからコドンをホスト細胞のcodon usageにしてしまえ」という**codon optimisation**という手法が取られています。これは人工遺伝子合成といって、何千残基というDNA鎖でも人工的に作成できるようになってきたからであり、作成したいタンパク質のアミノ酸配列を基にして、そのホスト細胞のcodon usageに最適なコドン配列を繋げていくことで、そのタンパク質発現に最適なDNA配列を得ることができます。この様に、人工的にタンパク質を作製するにも近年の技術革新によって支えられています。 |
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transformation.1663338003.txt.gz · 最終更新: 2024/03/03 12:46 (外部編集)