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| transformation [2022/09/16 23:20] – oshikane | transformation [2025/09/05 02:17] (現在) – oshikane |
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| =====高等学校における形質転換実験プロトコール===== | =====高等学校における形質転換実験プロトコール===== |
| | ☞プロトコールのPDFは{{ :highschool:transformation_protocol.pdf |コチラ}}。 |
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| ====無菌操作==== | ====無菌操作==== |
| <WRAP center round box 60%> | {{youtube>MNSNLPN7tPU}} |
| <HTML> | |
| <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/MNSNLPN7tPU" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> | |
| </HTML> | |
| </WRAP> | |
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| ====形質転換==== | ====形質転換==== |
| <WRAP center round box 60%> | {{youtube>whwCOYYd1L0}} |
| <HTML> | {{youtube>0NIdcecFjSE}} |
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| <WRAP center round box 60%> | |
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| <HTML> | |
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| ====GFP発現の確認==== | ====GFP発現の確認==== |
| <WRAP center round box 60%> | {{youtube>ZDoBcrE_2DQ}} |
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| ====おまけ==== | ====おまけ==== |
| <WRAP center round box 60%> | {{youtube>IcenY_2pJzQ}} |
| <HTML> | {{youtube>XpraUUOEHGU}} |
| <iframe width="560" height="315" src="https://www.youtube.com/embed/IcenY_2pJzQ" title="YouTube video player" frameborder="0" allow="accelerometer; autoplay; clipboard-write; encrypted-media; gyroscope; picture-in-picture" allowfullscreen></iframe> | |
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| </WRAP> | |
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| 今回使用しているのはライセンスの関係上pETUKという、選択マーカーがカナマイシンのベクターを使用しています。 | 今回使用しているのはライセンスの関係上pETUKという、選択マーカーがカナマイシンのベクターを使用しています。 |
| {{:highschool:petuk.png?400|}}\\ | {{:highschool:petuk.png?400|}}\\ |
| 資料集などにも出てくるマルチクローニングサイト周辺の配列は下のようになっています。 | (☞[[https://jorgensen.biology.utah.edu/wayned/ape/|ApE]]を用いれば{{:highschool:petuk.ape|元のファイル}}で編集することができます。) |
| | 資料集などにも出てくるマルチクローニングサイト周辺の配列({{:highschool:petuk_mcs.ape|元のファイル}})は下のようになっています。 |
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| <WRAP center round box 80%> | <WRAP center round box 80%> |
| {{:highschool:cloning_gfp.png?500|}}\\ | {{:highschool:cloning_gfp.png?500|}}\\ |
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| こうして、皆さんにお渡しする下図の様なプラスミドマップを持つプラスミドを作成しています。 | こうして、皆さんにお渡しする下図の様なプラスミドマップを持つプラスミド({{:highschool:petuk_gfp.ape|元のファイル}})を作成しています。 |
| {{:highschool:petuk_gfp.png?400|}} | {{:highschool:petuk_gfp.png?400|}} |
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| この様に一括りに抗生物質といっても作用機序が異なります。昨今、耐性菌の出現が医療で問題となっていますが、1つは抗生物質に対する耐性菌は要するに抗生物質を分解できる酵素の遺伝子を何等かの形で獲得することによって起こります。 | この様に一括りに抗生物質といっても作用機序が異なります。昨今、耐性菌の出現が医療で問題となっていますが、1つは抗生物質に対する耐性菌は要するに抗生物質を分解できる酵素の遺伝子を何等かの形で獲得することによって起こります。 |
| cf: https://amr.ncgm.go.jp/medics/2-1-1.html | cf: https://amr.ncgm.go.jp/medics/2-1-1.html\\ |
| 抗生物質を分解する酵素の遺伝子を獲得した耐性菌は、分解酵素を自分の周辺に分泌することによって抗生物質の影響なく生育することができます。今回はプラスミドの形で耐性遺伝子を形質転換により導入することによって、耐性菌を作成しています。実験的には下記Hanahan法によってプラスミドを介して耐性を付与していますが、自然界でプラスミドなど外部からDNAを取り込んで耐性を獲得する様式を**水平伝播**と言います。また一度耐性を獲得すると、娘細胞にも当然受け継がれていきます。この様に代々受け継がれていくことは**垂直伝播**と呼ばれます。 | 抗生物質を分解する酵素の遺伝子を獲得した耐性菌は、分解酵素を自分の周辺に分泌することによって抗生物質の影響なく生育することができます。今回はプラスミドの形で耐性遺伝子を形質転換により導入することによって、耐性菌を作成しています。実験的には下記Hanahan法によってプラスミドを介して耐性を付与していますが、自然界でプラスミドなど外部からDNAを取り込んで耐性を獲得する様式を**水平伝播**と言います。また一度耐性を獲得すると、娘細胞にも当然受け継がれていきます。この様に代々受け継がれていくことは**垂直伝播**と呼ばれます。 |
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| しかし、生物にとっては標準的なワトソン=クリック塩基対を形成できるコドンの方が翻訳に有利だったのでしょうか。遺伝子に用いられるコドンは、tRNAを有しているコドンに偏ることも知られています。この生物種によるコドンの偏りのことを、**codon usage**といいます。例えば[[https://www.kazusa.or.jp/codon/cgi-bin/showcodon.cgi?species=9606&aa=1&style=N|ヒト]]と[[https://www.kazusa.or.jp/codon/cgi-bin/showcodon.cgi?species=83333&aa=1&style=N|大腸菌]]を比較してみます。例えばUUU F 0.46であれば、UUUがコドン、Fがアミノ酸1文字表記でフェニルアラニンのこと、0.46がそのアミノ酸における頻度となっています。特にアルギニン(AGA, AGG)やイソロイシン(AUA)、ロイシン(CUA)のcodon usageの差が大きく、大腸菌ではこれらのコドン頻度が極端に少ない(rare codonといいます)ことが分かります。したがって、ヒトのタンパク質を大腸菌をホスト細胞にして発現させようとする時、このcodon usageの差が壁となることもあり、結果的に上手く発現してくれない、ということが多くあります。 | しかし、生物にとっては標準的なワトソン=クリック塩基対を形成できるコドンの方が翻訳に有利だったのでしょうか。遺伝子に用いられるコドンは、tRNAを有しているコドンに偏ることも知られています。この生物種によるコドンの偏りのことを、**codon usage**といいます。例えば[[https://www.kazusa.or.jp/codon/cgi-bin/showcodon.cgi?species=9606&aa=1&style=N|ヒト]]と[[https://www.kazusa.or.jp/codon/cgi-bin/showcodon.cgi?species=83333&aa=1&style=N|大腸菌]]を比較してみます。例えばUUU F 0.46であれば、UUUがコドン、Fがアミノ酸1文字表記でフェニルアラニンのこと、0.46がそのアミノ酸における頻度となっています。特にアルギニン(AGA, AGG)やイソロイシン(AUA)、ロイシン(CUA)のcodon usageの差が大きく、大腸菌ではこれらのコドン頻度が極端に少ない(rare codonといいます)ことが分かります。したがって、ヒトのタンパク質を大腸菌をホスト細胞にして発現させようとする時、このcodon usageの差が壁となることもあり、結果的に上手く発現してくれない、ということが多くあります。 |
| バイオテクノロジーの話になりますが、この生物種間のcodon usage問題を解決するために、ホスト細胞にこれらrare codonに対応するtRNAを人為的に発現させておこう、という株が作成されています([[https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=300608|codon plus]]とかいい、クロラムフェニコールという抗生物質を選択マーカーとしたプラスミドでこれらの遺伝子を導入してあります)。今回使用している[[https://www.merckmillipore.com/JP/ja/product/RosettaDE3-Competent-Cells-Novagen,EMD_BIO-70954|Rosetta(DE3)]]は、上記3種のrare codonに加えてプロリン(CCC)とグリシン(GGA)についてもtRNA遺伝子を導入している株であり、ヒトなど真核生物由来のタンパク質の発現に適した株となっています。 | バイオテクノロジーの話になりますが、この生物種間のcodon usage問題を解決するために、ホスト細胞にこれらrare codonに対応するtRNAを人為的に発現させておこう、という株が作成されています([[https://www.chem-agilent.com/contents.php?id=300608|codon plus]]とかいい、クロラムフェニコールという抗生物質を選択マーカーとしたプラスミドでこれらの遺伝子を導入してあります)。今回使用している[[https://www.merckmillipore.com/JP/ja/product/RosettaDE3-Competent-Cells-Novagen,EMD_BIO-70954|Rosetta(DE3)]]は、上記3種のrare codonに加えてプロリン(CCC)とグリシン(GGA)についてもtRNA遺伝子を導入している株であり、ヒトなど真核生物由来のタンパク質の発現に適した株となっています。 |
| ついでに最近では、「最初っからコドンをホスト細胞のcodon usageにしてしまえ」という**codon optimisation**という手法が取られています。これは人工遺伝子合成といって、何千残基というDNA鎖でも人工的に作成できるようになってきたからであり、作成したいタンパク質のアミノ酸配列を基にして、そのホスト細胞のcodon usageに最適なコドン配列を繋げていくことで、そのタンパク質発現に最適なDNあ配列を得ることができます。この様に、人工的にタンパク質を作製するにも近年の技術革新によって支えられています。 | ついでに最近では、「最初っからコドンをホスト細胞のcodon usageにしてしまえ」という**codon optimisation**という手法が取られています。これは人工遺伝子合成といって、何千残基というDNA鎖でも人工的に作成できるようになってきたからであり、作成したいタンパク質のアミノ酸配列を基にして、そのホスト細胞のcodon usageに最適なコドン配列を繋げていくことで、そのタンパク質発現に最適なDNA配列を得ることができます。この様に、人工的にタンパク質を作製するにも近年の技術革新によって支えられています。 |
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