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2025年度正則高等学校_pcr実験

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2025年度正則高等学校_pcr実験 [2025/12/16 02:19] oshikane2025年度正則高等学校_pcr実験 [2025/12/16 20:35] (現在) oshikane
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 PCRは倍々になりますので、2×2×…を30回、要するに2<sup>30</sup>倍が正解です。 PCRは倍々になりますので、2×2×…を30回、要するに2<sup>30</sup>倍が正解です。
  
-<wrap hi>↓(5)以降は最初から答えを提示しても良くないと思ったので、実習終了後に解説を提示します。</wrap>\\ 
 __(5)アガロースゲル電気泳動+ミドリグリーンによる染色では、10 ng程度が検出限界である。逆算すれば、サンプルDNAの中にどの位の目的DNAがあれば検出できるか、計算してみよう。__\\ __(5)アガロースゲル電気泳動+ミドリグリーンによる染色では、10 ng程度が検出限界である。逆算すれば、サンプルDNAの中にどの位の目的DNAがあれば検出できるか、計算してみよう。__\\
 +今回のPCRサイクル数である30回として計算してみます。(4)で記載の様に2<sup>30</sup>倍に増えますので、ざっくり計算にするために2<sup>10</sup>=1024≒1000=10<sup>3</sup>と近似すると、2<sup>30</sup>≒10<sup>3</sup>×10<sup>3</sup>×10<sup>3</sup>=10<sup>9</sup>となります。30サイクルPCRを行った後の目的DNA量が10 ngに到達するには、目的となるDNAは10 ng÷10<sup>9</sup>=10×10<sup>-9</sup> ng=10×10<sup>-18</sup> gが必要。つまり10 attoグラム(attoは10<sup>-18</sup>の意味)あれば、計算上は30サイクルで検出・可視化できることになる。
  
-__(6)ゲルの向きを逆にしてしまうとどうなるか?DNAのアガロース電気泳動の原理を考えながら考えてみよう。__\\+しかし実際の反応では、サイクル数によって反応効率が異なることが知られており、序盤は90~100%(ほぼ2倍ずつ)増幅していきますが、サイクル数が増えていくと、当然鋳型となるDNA量が増えていき、鋳型DNA濃度>>プライマー濃度となっていきます。PCRはプライマーによってDNAを増幅させる反応ですから、プライマーが鋳型DNAに結合する率が減っていけば、増幅反応が段々鈍ってくることが分かると思います。\\ 
 +その他、PCRに用いるDNAポリメラーゼは耐熱性といっても、95℃に曝されるのは過酷であり、徐々に変性・失活していくことも考えられます。\\ 
 +これら複合的な要因により、サイクル数が増えるにつれ倍々でなくなっていく(プラトーに達する)と説明されます。 
 + 
 +__(6)ゲルの向きを逆にしてしまうとどうなるか?DNAのアガロースゲル電気泳動の原理を考えながら考えてみよう。__\\ 
 +DNAはマイナスに帯電しており、生体分子の中でもマイナスがかなり強いです。したがって、電気を通すとプラスの方向に吸い寄せられていく。これがDNA電気泳動の大まかな原理になります。\\ 
 +では電気泳動において何故わざわざゲルを用意するかというと、原理は資料集などに記載されている通りですが、DNAを大きさによって振り分けたいからです。DNAはプラスの方向に流れると分かっていますので、マイナスの部分にウェルを用意してサンプルを入れ、プラスの方向に展開するのが理に適っている、ということになります。ゲルの向きを逆にしてしまうと、展開できるゲルの長さが余りありませんので、最悪ゲルの外にDNAが漏れ出てしまう、と予想できます。
  
 __(7)予想しなかった位置にバンドが観察されることが多くあるが、このようなバンド(DNA産物)はなぜ増幅されたのだろうか?__\\ __(7)予想しなかった位置にバンドが観察されることが多くあるが、このようなバンド(DNA産物)はなぜ増幅されたのだろうか?__\\
 +これはちょっと難しいですが、色んなパターンが考えられます。\\
 +主要なものの1つとして、**非特異的なDNA増幅**です。教科書を見ていると、目的となるDNAにプライマーが特異的に結合することによって増幅されている絵を良く見ますが、プライマー配列と「似ている」配列があったとしたらプライマーがそのDNA部位に結合し伸長反応を始めてしまう可能性もあります。勿論、ミスマッチがあればあるほど、Tm値(2+4+...という考えで良いです)の計算でいうところ**「歯抜け」**が出ますので、ミスマッチの場合のTm値は、プライマーの全ての残基が結合に参加する場合と比べて下がると考えられます。したがって、PCRサイクルの真ん中のステップである「アニーリング」の温度を下げれば下げるほど、ミスマッチも許してしまい、結果的に非特異的なDNA増幅が多くみられる傾向になります。DNA増幅が特異的か?非特異的か?は、アガロースゲル電気泳動をすれば大体分かることで、非特異的の場合は目的残基数とは全然違うところに出てしまうものです。\\
 +実験的な対処法としては、アニーリング温度を高くすることで解決を図ることが多いです。\\
  
 +その他、**プライマーダイマー**というパターンもあって、プライマー同士が結合・伸長反応を起こしてしまうことで、雪だるま式に長くなってしまう現象も知られています。プライマーダイマーのパターンもアガロースゲル電気泳動から判別でき、例えば100, 200, 400, 800塩基対...と、階段状に倍々のパターンで見えるのが特徴です。FwとRvプライマーの設計において、勿論お互いが結合しないように設計するのですが、それでも上の「非特異的なDNA増幅」でも議論した様に、ミスマッチを許してしまう条件であればプライマーダイマーが形成されてしまう可能性もある、ということになります。
 +プライマーダイマーに対しての実験的な対処法としては、アニーリング温度を変えたり、またプライマー濃度を1/2, 1/4などにして解決を図ることが多いと思います。
  
 ====アガロース電気泳動==== ====アガロース電気泳動====
 +手技について動画にまとめていますので、良かったら参考にして下さい。
 {{youtube>p3zf-dZDmVg}} {{youtube>p3zf-dZDmVg}}
 {{youtube>cnxdOklDJwE}} {{youtube>cnxdOklDJwE}}
 {{youtube>U3Q0cBAc3Ug}} {{youtube>U3Q0cBAc3Ug}}
2025年度正則高等学校_pcr実験.1765819199.txt.gz · 最終更新: 2025/12/16 02:19 by oshikane