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東京大学医学部附属病院
口腔顎顔面外科・矯正歯科
〒113-8655
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病気の種類・治療法

病気の種類・治療法

  1. 口唇口蓋裂
  2. 顎関節症
  3. インプラント治療
  4. 顎変形症
  5. 口腔癌・口腔粘膜疾患
  6. 外傷

注)掲載している写真について、患者さんによっては見え方や経過は変わりますので、ご注意ください。

口唇口蓋裂

口唇口蓋裂とは

口唇口蓋裂(cleft lip and palate)は、頭蓋顎顔面領域において最も多い先天異常で、口唇または口蓋に裂のみられる先天的な病気です。発生頻度は人種によって著しく異なり、日本人における発生率は最も高く、おおよそ出生児500人に1人といわれています。

また、 裂型別の発生頻度は、口蓋裂が男より女に多く、反対に口唇口蓋裂は女よりも男に多いです。また、片側裂は両側裂よりも多く、左側裂が右側裂より多く発生します。こうした傾向は、日本人ばかりでなく、白人での統計でも認められていますが、その原因は明らかとなっていません。

当科では、形成外科医、口腔外科医、矯正歯科医、補綴歯科医、言語聴覚士の他に、耳鼻咽喉科医などの協力も得て、一貫したチーム医療を行っています。 東京大学医学部附属病院は自立支援医療、更生医療の指定病院です。口唇口蓋裂の患者さんは、申請により、手術、歯科矯正治療については医療費の補助を受けることができます。遠慮なくご相談ください。

1.口唇口蓋裂の赤ちゃんが生まれる前に

近年では出生前診断の技術が飛躍的に進歩しています、すなわち、超音波断層法による妊婦検診が一般的化し、施設によっては三次元超音波断層法を導入している所もあります。

出生前診断を受けた両親に対して、当科ではカウンセリングを行っています。カウンセリングでは専門の医師が両親に対して口唇口蓋裂の長期にわたる治療の流れや、当面直面する哺乳の問題や初回手術についてご説明します。

2.赤ちゃんが生まれたら

口唇口蓋裂児において最初に直面する問題は哺乳障害であり、哺乳が難しい赤ちゃんには上手に吸えるように赤ちゃんにあった乳首を選びます。また、哺乳改善に有効な方法の一つに哺乳床があります。哺乳床により、裂のある口蓋部を覆うことにより、吸綴と乳首圧迫の効果を増大させることが期待されます。また、当科では積極的にNAM(Naso Alveolar Molding)をとりいれています。NAMは下の写真のように口蓋床に矯正用ワイヤーを付与して、外鼻矯正を目的とするステントを作製します。このステントにより、鼻軟骨が挙上され、鼻柱をまっすぐにすることが可能になります。

3.初回の手術(口唇形成術)はどんな手術ですか?

口唇裂の初回手術は通常生後3ヵ月頃に行われます。その理由として、3ヵ月までには体重も6kgを超え、患児の体力がついてくることと、1ヵ月健診も終えて出生時には診断されなかった合併症もある程度診断されることが挙げられます。口唇裂の手術では、口唇裂を閉鎖しバランスのとれた自然な口唇形態を再建するとともに、偏位した鼻柱や鼻翼基部の位置の適正化が重要となります。また、口のまわりの筋肉(口輪筋)の型を正常にすることも手術の目的の一つです。

4.口蓋形成術はどんな手術ですか?

口蓋形成術の目的は、口蓋部分における口腔と鼻腔の遮断をすることのみならず、軟口蓋における口蓋帆挙筋などの左右に分かれた筋群を再建し、正常な鼻咽腔閉鎖機能を獲得できるようにすることです。口蓋形成術は通常1歳から2歳までに行われる事が多く、その理由としては、1歳から発話がはじまり2歳頃にはかなり増えるため、この頃までに口蓋を閉鎖して鼻咽腔閉鎖機能を獲得しておくことにより、良好な構音の発達を期待するためです。

軟口蓋裂など一部の症例に対しては、この方法が行われています。この方法では後方移動量は小さいが、侵襲が少ないのが利点の一つです。

5.言語は大丈夫ですか?咽頭弁形成術はどういう手術ですか?

言語の問題としては、構音障害と言語の出始めが少し遅れ気味になるという問題があります。全例にでるというわけではありませんが、当科では言語聴覚士により口蓋裂術前から定期的に言語発達と構音の評価・指導を行っています。口蓋裂による構音障害が認められ、自然治癒しない場合には言語訓練を行います。また、4歳になっても開鼻声が改善せず、鼻咽腔閉鎖不全があると判断された場合には、咽頭弁形成術の適応ありと考えています。

6.顎裂部骨移植術はどんな手術ですか?

顎裂部への骨移植は初回の口唇形成術・口蓋形成術の際に行う場合もありますが、一般的には口唇口蓋閉鎖手術後ある程度、顎骨の発育が進んだ段階で行います。 当科においては顎裂部に骨欠損がある症例では原則として骨移植を行っています。手術の時期は通常犬歯萌出前の8〜10歳時に手術することを目安にしていますが、移植に必要な骨量と採骨できる量の関係より体格、裂型、広さ、永久歯の崩出状態、歯科矯正治療の進行状況の具合により患者さんごとに手術時期を決定しています。

7.歯科矯正治療はいつ頃行われますか?

口唇口蓋裂の患者さんは、上顎の発育が悪いために、下の歯が上の歯の前にある反対咬合(受け口)となることが多く、歯科矯正治療を必要とする方がほとんどです。出生後より、乳歯の生えるのを観察していきますが、ふつうは前歯が永久歯に変わる7〜8 頃から、簡単な歯科矯正治療を開始します。このときは、簡単な装置を用いて反対咬合を治したり、上の顎を前に引っ張ったりします。これは、顎の正常な発達を促すことが目的ですが、次の顎裂部への骨移植の準備をするという意味もあります。

顎裂部への骨移植を行った後は、しばらく永久歯が生えるのを待ち、1本1本の歯に器具をつける本格的な矯正治療は、永久歯が生えそろう11〜12歳頃から行います。このとき、必要に応じ、永久歯の数を減らすこともあります。

歯は顎の骨に生えているので、咬み合わせは顎の成長が終わる16〜18歳まで変化します。従って、早くから治療を始め、一度良い咬み合わせになっても、顎の成長により再び悪くなることもしばしばあります。また、上下の顎のバランスが悪い場合は、成長が終わってから、手術により顎の骨のバランスを整える必要があります。長期間治療を行うと、通院が大変なだけでなく、ハミガキを良くしないと矯正装置が虫歯を作る原因になります。このため、出来るだけ効率よく治療を進めることが重要で、治療を何回か段階的に分けたり、始めるのを遅くしたりすることもあります。

8.鼻の手術はいつ行われるのですか?

鼻の変形がとても気になる場合は、小学校に入学する前に鼻の形を直す手術を行うこともありますができれば成長を待ってから行います。

鼻に変形がある場合、女性では15〜16歳以降、男性では17〜18歳以降の成長が終了した後に、最終的な手術の一つとして行われます。口唇口蓋裂の患者さんでは鼻中隔弯曲を伴い、鼻呼吸が障害されています。鼻を形成するには、鼻翼の軟骨を正しい位置に修復するとともに、弯曲 している鼻中隔軟骨を切除します。この軟骨を用いて鼻尖部や鼻柱部の形成を行います(A)。また、これにより鼻の通りも良くなります。鼻変形が強い場合には、肋軟骨(B)や腸骨(腰の骨)を用いて隆鼻術(C)を行うとともに鼻の形態を整えることもあります。

9.治療はいつ頃終わるのですか?

通常は顎や歯ぐきの成長が終了する18歳頃までに一連の治療は終了します。しかし、上顎と下顎の成長の差が著しくバランスのとれない患者さんに対しては、16歳〜20歳頃に、上・下顎、あるいは上下顎両方の骨切り術を行うことがあります。(顎矯正手術のページを参照)

骨切り術を行う場合は、その前に、手術した後よくかめるように歯並びを整えておく必要があります。骨切り術を行った後も、筋肉の力が回復するまで、1年ほど歯科矯正治療を行います。 このように外科手術と歯科矯正治療を組み合わせた治療を外科的矯正治療といいます。

また、歯の数が足りない場合は人工の歯を入れます(インプラント治療のページを参照)。虫歯についても通常の歯科医院で治療できない場合は、当科で行うこともできます。

このように生まれてから、成人に到るまで、治療の期間は長く、治療が終わってからもメインテナンスが重要となります。


私ども口唇口蓋裂医療チームは一貫した体制の中で患者さんをサポートして参ります。患者さんもお母様方も安心してご遠慮なくご相談ください。

外来受診につきまして
当科は原則的に予約制となっており、初診受付時間は、午前9時〜午前11時です。
受診時には、出来るだけ他医療施設からの紹介状をお持ち頂くようお願い致します。
尚、紹介状で担当医が指定されている場合はお電話の際、その旨をお伝えください。
予約の際には、下記予約センターまでお電話下さい。
予約センター電話番号:03-5800-8630
予約受付時間:12:30〜17:00(土・日・祝祭日・年末年始〔12/29〜1/3〕を除く)