2018年7月
岡山大学病院は6月13日、岡山大学で開発したCTガイド下針穿刺ロボットを用いた人に対するはじめての臨床試験(First-in-human試験)を始めたと発表しました。ロボットを用いた病理検査のための針生検で、国内では初めてとなります。
初の臨床試験は6月6日、岡山大学病院で左腎に腫瘍が見つかった60歳代の女性患者に対して実施。要した時間は約30分で、病理検査のため針で腫瘍組織の一部を採取し、患者は翌日退院しました。針穿刺ロボットは岡山大学医学部と工学部、岡山県内の中小企業で作る医療機器協同受注グループ「メディカルネット岡山」が2012年から開発を行い、2014年には日本医療研究開発機構(AMED)の「医療機器開発推進研究事業」としても採択され、その後臨床試験として実施するに至りました。
6月13日、金澤右病院長(放射線医学教授)と、臨床試験を担当する岡山大学の平木隆夫准教授(放射線医学)らが記者会見を開き、「精度や時間は人の手で行う方法とほぼ変わらないが、将来的には人の手では難しい症例への対応や、へき地への遠隔医療にも活用が見込める可能性がある」と話しました。岡山大学では、5年以内の製品化を目指して臨床試験を進めていく予定です。