COVID-19感染拡大に伴い各施設での対応が求められています。
特に鼻腔粘膜を介しての感染拡大が指摘されており、各学会より経鼻内視鏡を用いた手術の延期、中止の提言がなされております。
現在までのところ鼻腔を介さない手術については中止、延期要請はございませんので通常通り施行しております。また、症状の強い方、手術延期に伴い生命、機能予後に影響がある方についても十分な検討を行った上で治療時期(緊急もしくは待機手術)を決定します。
手術時期延期の対象となる可能性がある疾患は
・非機能性下垂体腺腫
・成長ホルモン産生腫瘍(アクロメガリー、先端巨大症)
・クッシング病
・TSH産生下垂体腺腫
・プロラクチン(PRL)産生下垂体腺腫
・ラトケ嚢胞
・頭蓋咽頭腫
・鞍結節部髄膜腫
・脊索腫、軟骨肉腫
などです。
これらの疾患の中で、以下の基準で手術延期を検討しています。
・現在無症状であり、予防的な手術を予定している方
・神経症状が軽く悪化傾向にない方
・薬剤などで手術予定を変更可能と考えられる方(成長ホルモン産生下垂体腺腫などでソマトスタチンアナログなどで治療可能など)
個々の症例に応じて治療の時期を検討すべきと考えており、例えば
・神経症状が強く待機により症状改善が見込めなくなる可能性のある方
・緊急手術を要する状態(下垂体卒中など)
・待機により生命予後、神経予後が悪化することが予想される症例(拡大傾向の強い頭蓋咽頭腫や脊索腫などの腫瘍患者)
などでは周辺の感染状況を考えつつ治療を行わせていただきます。また手術治療の際には術前に胸部CT(必要に応じてPCR)を行いCOVID-19感染の有無をスクリーニングし適切な予防策を講じた上で施行させていただきます。
皆様におかれましては大変ご迷惑をおかけいたしますが、ご理解、ご協力のほどよろしくお願いいたします。
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