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大会長挨拶

第44回国立大学リハビリテーション療法士学術大会 大会長
富山大学附属病院 リハビリテーション部 石黒幸治

 

 第44回国立大学リハビリテーション療法士学術大会を、2022年7月9日(土)・10日(日)に開催させていただきます。国立大学病院におけるリハビリテーション医学・医療の発展と理学療法士(PT)・作業療法士(OT)・言語聴覚士(ST)等の人的交流も行える伝統のある本学術大会を、富山大学にて開催できることを大変嬉しく思います。
 リハビリテーション医学(以下、リハ医学)が体系化され始めたのは1920-30年代の米国のポリオ対策に端を発し、その後はファシリテーションテクニックの隆盛、STEP(special therapeutic exercise project)会議などを経て、現在では根拠に基づいた医療(Evidenced-based Medicine; EBM)やクリニカルリーズニングといったより科学的な医療を実践できるようになってきました。しかしこれは治療戦略の多様性を生むことにも繋がり、運動療法の標準化が依然として進みにくい現状にあることも示唆しています。
 本学術大会のテーマを「原点回帰」としたのは、標準的な運動療法の確立と実践が急務となっている現状を踏まえ、私たちの歴史を振り返りつつ、リハ医学の標準化と来たるべき近未来を語れる機会にしたいと思ったからに他なりません。今後の神経科学の加速化と再生医学の実践が間近に迫っている今、改めて標準化とは何かを考える機会にしたいと思います。
 新型コロナウィルス感染症が収束に向かっているとはいえ、対面のみでの開催は難しく、ハイブリッド形式での開催を余儀なくされています。皆様にはご心配をおかけしますが、多くの方にご参集していただき、少しでも実りある学術大会が開催できますようスタッフ一同万全の準備をしてまいります。

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