ストア派

(すとあは stoicism)

松井は地元マスコミに批判記事を書かれても、まったく気にしなかった。「だっ て、記事を僕がコントロールできないですからね。気にしても仕方のないこと は気にしません」と松井は言う。イチローは首位打者争いをしている時、ライ バルのことに話題が及ぶと、話を打ち切った。「相手の打率は僕にコントロー ルできない。愚問ですね」

自分にコントロールできることと、できないことを分ける。そして、コントロー ルできないことについては関心を持たない。これが超一流と呼ばれるアスリー トの必要条件だといってもいい。

「自分にコントロールできることと、コントロールできないことを分ける。コン トロールできないことに関心を持たない。そして、できるだけの準備をする。」

---イチロー


前4世紀末にゼノン(Zeno)という人が開いた学派。 詳しいことはまたいずれ。 (08/04/99)

ストア派の哲学は、論理学、自然学、倫理学に三分される。 これらが組み合わさってストア哲学を形成するわけだが、 論理学や自然学については他の本を参照されたい。 倫理学においては、「自然に従って生きよ」 というのがそのモットーになる教えである。 自然は神の理性(ロゴス)によって支配されており、 人間も同じように理性によって自己を支配すべきであるとされる。 賢者は希望や恐れなどの情念(=理性の病気)には左右されず、 神が人間に与えた本性(自己保存、健康などの諸目的)を、 理性を用いて促進する。 しかし、実践的には、何が「自然」なのかに関して、 ストア派の哲学者の中でも意見はさまざまだったようである。

なお、ゼノンやクリュシッポスなどの初期ストア派においては、 精神的快も身体的快も共に人間に本性的な目的ではないとされ、 徳は理性を適切に用いることにおいてのみ発現されるとされたが、 のちには理性を用いて心の平静(アタラクシア)を得ることが 徳の証とされた。 (08/27/99 追記)


上の引用は以下の著作から。


KODAMA Satoshi <kodama@ethics.bun.kyoto-u.ac.jp>
Last modified: Wed Sep 24 23:01:49 JST 2008