2005年「ひふの日」記念 皮膚科医に聞くスキンケアの正しい知識

〜肌をいつまでも美しく健やかに保つために〜
シンポジウムレポート
日本臨床皮膚科医会から「binkanhada.com」読者の方へ
シンポジウム当日の会場レポート&各先生の講演内容のご紹介
スキンケアについて、参加者からの質問に各先生が答えられました
小林美咲先生講演後の休憩をはさみ、総合討論の時間へ。
講演された3人のパネリストの先生に、総合司会の小林美咲先生を加え、事前に行われたアンケートの中から代表的な質問に対して討論が交わされました。興味深い内容が盛りだくさんで、参加者の方は熱心にメモをとっていらっしゃいました。その中からいくつかの質問をご紹介します。

Q: 「化粧品の情報が多過ぎて、何が必要なのかわかりません。」

溝口先生 「手づくり化粧品というのは危険ではないかと思います。自分で本を読んで、「これとこれを混ぜれば効きそうだ」といって作りますと、思わぬかぶれを生じたりすることがあります。やはりいいメーカーが作った製品というのは安全性もきちんと確かめられていますし、厚生労働省がきちんと認可しているスキンケア製品を使うべきだと思います。」
川島先生 「1ついえることは、日本の化粧品というのはレベルが高い、世界的に見てもトップクラスだと思います。高いもの、安いものを選ばれても、安全性は大丈夫だと思います。」

Q: 「皮膚科に行くほどなのか、それほどでもないのか、
   その判断基準は? また、自分に合う皮膚科は
   どのように見つければいいのでしょう?」



溝口先生 「一応目で見えるもの、それから外から触れるものは、体全体、それから口の中も含めまして、皮膚科の守備範囲ですので、皮膚科の専門医を受診していただきたいと思います。」
上出先生 「医者と患者さんにも相性があるのですが、専門性というのは非常に大事だと思います。日本皮膚科学会、あるいは日本臨床皮膚科医会のホームページがあります。そういうところに専門医の先生の一覧表が出ております。ぜひ、そういうホームページをご活用いただければと思っております。」

Q: 「皮膚には必要な常在菌がいるため、
   シャワー程度で洗うのがよいと聞きました。
   石けんでゴシゴシ洗うのはよくないのでしょうか?」



川島先生 「お風呂に入ってゴシゴシやっても、常在菌に問題を与えるほどのことは起こりません。私は石けんを使うというのは全く制限しませんが、ゴシゴシこすると皮膚にとっては、とてもつらいダメージになりますから、それは避けてくださいというふうに言っております。例えば硬いナイロンのタオルでゴシゴシ洗うというのはやめて、やわらかいタオルで洗ってください。」

Q: 「身の周りの化学物質の皮膚に与える悪影響がどれほどか、
   スキンケアをする上で、
   どのように気をつけたらいいのでしょうか?」



上出先生 「例えば洗剤に関しては、洗剤で手がすごくガサガサになる人は昔に比べて減っているように、最近は改良されてきています。界面活性剤で皮膚の角質細胞間脂質が抜けたあとにお湯を使うと、今度は水溶性保湿成分が流れ出てしまう、その2つが重なると、手がカサカサになるので、その辺、少し覚えておいて注意すればいいのかなと思います。」
最後に各先生方から改めて皮膚に関するアドバイスをいただきました。
川島先生
川島先生 「どうしても皮膚というのは命にかかわらないので簡単に思われがちですが、やはり皮膚というのがきっちりとしていないと、内側に問題を起こしてしまうということも事実です。ぜひ、今日を機会に皮膚は大切な臓器なんだということを、認識していただければと思っています。」
溝口先生
「皮膚は健康の鏡であるというふうにいわれます。ですから、皮膚を健やかに保つには、全身の健康も大切ですので、まず健康に気をつけていただきたいと思います。最近「機能性化粧品」とか、色々ないいものが出てきましたので、それらを上手に使うことで皮膚を健やかに保つことも可能になると思います。」 溝口先生
上出先生
上出先生 「皮膚は確かに体の内外の影響を強く受けます。メンタルな部分も非常に大事だと思います。私は今日、出張先の高松から帰ってきたばかりですが、高松でおばあちゃんがやっている讃岐うどんのお店に行きました。とてもかわいいおばあちゃんで、シワシワなのですが、とてもかわいいらしい。そういう人は、僕はきれいだなと思うのです。人生を刻んだシワというのも大事かなと思うのです。ぜひ、にこやかにお過ごしいただければと思っております。」
さあ、いかがでしたか。
「皮膚」という視点から様々に豊かにお話は広がっていきました。
読者の皆さんにも、この「皮膚の日」をきっかけに、
あなたの「いいひふ」をもう一度見直して、健やかな毎日をお送りいただければと思います。
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