H355 網膜色素変性症

Pigmentary Retinal Degeneration

RP

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夜盲を主症状として始まり、極めて緩慢な経過で、次第に視覚機能の低下を招き、視野狭窄や視力障害を生ずることが少なくない。  網膜色素変性症は目の中にあってカメラでいえばフィルムに相当する網膜という膜に異常をきたす遺伝性、進行性の病気です。網膜は光を神経の信号に変える働きをします。そしてこの信号は視神経から脳へ伝達され、私たちは光を感じることができるわけです。網膜には色々な細胞が存在していてそれぞれが大切な働きをしていますが、網膜色素変性症ではこの中の視細胞という細胞が最初に障害されます。視細胞は光に反応して光刺激を神経の刺激すなわち電気信号に変える一番最初の働きを担当しています。この視細胞には大きく分けて2つの種類の細胞があります。ひとつは網膜の主に中心から少しずれた部分に多く分布している杆体と呼ばれるもので、この細胞は主に暗いところでの物の見え方とか視野の広さなどに関係した働きをしています。もうひとつは錐体と呼ばれるものでこれは網膜の中心部である黄斑と呼ばれるところに多くに分布して、主に中心の視力とか色覚などに関係しています。網膜色素変性症ではこの二種類の細胞のうち杆体が主に障害されることが多く、このために暗いところで物が見えにくくなったり(とりめ、夜盲)、視野が狭くなったりするような症状を最初に起こしてきます。そして病気の進行とともに視力が低下してきます。また一口に網膜色素変性症といっても原因となる遺伝子異常は多種類になると考えられていますので、それぞれの遺伝子異常に対応した網膜色素変性症の型があるためそれぞれの型の症状も多彩です。たとえば最初に錐体が障害されて視力が低下し後になって徐々に夜盲をきたす方もいます。 (厚生労働省難治性疾患克服研究事業 視覚系疾患調査研究班(網膜脈絡膜・ 視神経萎縮症)作成の難病情報センターホームページから引用)


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