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南相馬市立総合病院産婦人科スタッフとの懇談

南相馬市立総合病院産婦人科スタッフとの懇談−2012年9月15日(土)

9月14日(金)はお産の家明日香医院院長の大野明子先生を仙台にお招きして,「難産時代の自然分娩−それでも,なぜ,自然なお産か」と題した周産期医療講演会を開催しました.「分娩台よ,さようなら」などの著書をお持ちの大野先生のお話を聞きに,宮城県内から医師,助産師,看護師など108名もの参加者がありました.

翌15日(土)は,大野先生ご自身のご希望により南相馬市立総合病院を訪問し,産婦人科の安部先生と助産師さんたちとお話をさせていただきました.コーヒーとケーキを食べながらの「茶話会」という形です.最初に大野先生から,最新著書「母になる―赤ちゃんのいる人生へ」のスライドショーを解説つきでみなにご紹介されました.宮崎雅子さんが撮影した一組のカップルの妊娠,出産,育児の実際を写真で紹介したもので,赤ちゃんを産んで「母になる」ことの魅力を多くのひとに伝える内容です.

つぎに助産師さんたちから,順にひとりひとりのご経験とさまざまな思いを語っていただきました.病院関係者といえども自身が被災者であり,自宅が福島第一原発から20キロ以内というかたもいらっしゃいます.そういったスタッフの津波と原発事故,その後の避難生活などの体験はとても重く響きました.

ある助産師さんは,原発事故後に入院患者全員を他地域に搬送したあとに自分も避難しましたが,1か月後には南相馬に戻ってきて,避難所での保健活動や他診療科での看護などの慣れなくてつらい仕事を続けながら,市立病院で再びお産をとる日がくることを願っていたその思いを話してくれました.

またある助産師さんは育休中に震災に遭遇し,赤ちゃんを載せて運転していた車が,間一髪で津波の襲来からまぬがれた体験を語ってくれました.直前にすれ違った救急車はそのまま津波にのまれてしまいました.消防士の夫はひとびとを救うために原発事故後も地元に残ることを選択しましたが,ご本人もそのまま夫と一緒の生活を決意していまに至っているとのことです.

このように4人の助産師さんと産婦人科長の安部宏先生から順にお話をお聞きすることができました.産婦人科の入院患者がいなくなったため安部先生は一時的に郡山の病院に異動しながら,実家のある南相馬での産婦人科再開を考えられていました.病院に残った助産師さんたちは,必ず戻ってきて産婦人科を再開すると約束した安部先生への強い信頼感があったからこそ,この地に踏みとどまりつらい時期にも耐えることができたとみなが異口同音に語っていました.安部先生とスタッフの強い絆があったからこそ,市立病院でのこの5月からの分娩取扱いの再開が実現したことに大野先生もわたしも強い感銘を受けました.

南相馬市立総合病院産婦人科スタッフは,安心して妊娠生活をおくって分娩にのぞみ,安心して子育てができることをめざして働いています.南相馬での出産と育児は未来への希望そのものです.そして南相馬の地域社会の再生はわれわれ日本の再生の象徴でもあると思います.

お忙しいところせっかくの休日を使って病院に集まっていただき,大野明子先生とわたしに貴重な経験と思いを語っていただいた安部先生と助産師さんたちに改めて心よりお礼を申し上げます.ありがとうございました.

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