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レトシバンのグローバル治験のの変更点

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!!!レトシバンのグローバル治験の解析結果
                                 (室月淳 2018年8月13日)

切迫早産治療の新薬である非ペプチド性オキシトシン受容体拮抗剤レトシバンの日米欧三極によるグローバル治験(第3相試験)が,おおきな期待のもとで一昨年に開始されましたが,GSK本体の経営不振のために治験が打ち切られ,早々に撤退してしまったことは,すでにご存じのかたもいらっしゃるかもしれません.とても残念なことでした.

レトシバン48時間投与の実薬群と生食48時間投与のプラシーボ群のRCT(double-blind placebo-controll study)でしたので,なかなかエンロールメントが進まなかったのも一因でした.結局グローバルで25例の登録がおこなわれ,そのなかでコンプリートされた23例(レトシバン10例,プラシーボ13例)の結果がFDAのサイトに公開されましたので,ご紹介いたします.

妊娠延長期間は,レトシバン群で18.91日,プラシーボ群で11.10日でした.また新生児予後の比較として,児に未熟性にともなう死亡や合併症を認めたのが,レトシバン群で2/10(20%),プラシーボ群で4/13(30%)という結果でした.

数が少ないのでもちろん有意差はでないのですが,第2相試験で画期的な効果との評価がなされた10日以上のあきらかな妊娠延長効果と,これまでトコライシスの薬には存在しなかった新生児の予後改善がそのとおりに認められています.レトシバンのの有効性としては予想どおりの結果といえそうです.

切迫早産の治療の常識をかえ,世界の周産期医療をかえるはずだった新薬レトシバンが,メーカーの一方的な都合によってグローバル治験が打ち切られ,表舞台から葬られるのはただ無念のひとことです.

FDAのClinicalTrials.govのなかのNEWBORN-1(200719) trial です.以下のサイトをご参照ください.
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https://clinicaltrials.gov/ct2/show/results/NCT02377466?term=retosiban&rank=3

 
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