序
Job Accommodation Networkは障害を持つ人のための職場環境整備に関する情報を提供します。 呼吸困難のために制限がある人にとって職場環境整備は有効です。 例えば自宅勤務、フレキシブル・タイム制、職場のアレルギー抗原を削減する、近くて利用しやすい駐車スペースを提供する、酸素タンク用のスペースを確保するといった環境整備は、呼吸器に関連する制限をもつ個人に対して、効果的な職務遂行能力を可能にする方法とみなすことができるでしょう。
呼吸器系に影響を及ぼす可能性があり、結果的に強制呼吸、喘息の発作、疲労、移動困難、通常の物質や薬品に対する感受性の高まり、感染に対する免疫不全といった制限に至る病状は多数あります。
以下に示すのは、呼吸器の制限を招く可能性のある多くの病状をまとめた非包括的な要約です。 さらに詳しい情報は適切な医学専門家に尋ねるか、文末の問い合わせ先表を参照してください。
アレルギー
米国喘息アレルギー財団(Asthma and Allergy Foundation of America、AAFA)によれば、5,000万人から6,000万人のアメリカ人がアレルギーの影響を受けていると推定されます。 事実、アレルギーは米国における慢性疾患の第6番目の原因となっています。1 人がひとつ以上の刺激物に敏感であることは普通です。 一般的に平均的な人には影響を及ぼさない物質が、アレルギー体質の人には鼻づまり、かゆみ、涙目、喘息の発作を引き起こすことがあります。 アレルギー症候群は、数ある物質のなかでも、埃、カビ、白カビ、花粉、食品、昆虫によって起こります。
喘息
米国肺協会(American Lung Association、ALA)によれば、喘息は命にかかわる恐れのある慢性肺疾患です。2 喘息は、喘息の発病や喘息発作として知られる呼吸障害を引き起こします。 喘息の人は風邪をひいたり、その他の呼吸器感染症にかかったり、肺を傷めるもの、例えばタバコの煙や埃などを吸ったときに、喘息の発作を起こします。 喘息症候群はしばしば、気候の変化(寒さや暑さ)、精神的苦痛、運動が引き金となって誘発されます。 喘息の発作は突然始まり、長時間、場合によっては数日続くこともある。 発作の程度は重い、中程度、軽いとさまざまで、回復に一定期間要する場合もある。
化学物質過敏症(MCS)、環境病(EI)、芳香過敏症
化学物質過敏症またはMCSは、頭痛、目眩、嘔吐、呼吸困難、喉の締め付け感、慢性咽頭炎、集中困難、記憶喪失、学習障害、湿疹、関節炎様の感覚、筋肉痛といった症状によって特徴づけられます。 MCSやEI(環境病)による制限を経験している人は、芳香、洗浄剤、煙、殺虫剤、カビ、事務機器から出る熱気、車の排気ガス、塗料、新しい敷物、溶剤、その他の刺激物といった刺激物に曝されたときに、上述した症状を示します。
環境衛生公文書(Archives of Environmental Health)に発表されたある論文は、MCSの診断を下す際に使用すべき個別基準に合意した医療専門家らによるコンセンサスに関して情報を提供しています。3 このコンセンサスはNetheercott et alの研究を基づいている。4 基準は、簡単に言えば、症状が度重なる化学物質への接触で再現されること、状態が慢性的であること、症状が低レベルの接触から生じていること、刺激物が取り除かれると症状が改善または消滅すること、複数の化学的に無関係の物質に反応が起こること、症状が複数の器官系を巻き込んでいること、が必要です。
MCS/EIに関するさらに具体的な情報に関しては、JANの「化学物質過敏症または環境病による制限を経験している人のための職場環境整備案」http://www.jan.wvu.edu/media/MCS.htmlまたは1-800-526-7324 V/TTYまでお問い合わせください。
芳香過敏症に関するさらに具体的な情報に関しては、JANの「芳香過敏症の人のための職場環境整備案」http://www.jan.wvu.edu/media/fragrance.htmlまたは1-800-526-7324V/TTYまでお問い合わせください。
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
米国肺協会は、COPDが米国で4番目の主な死亡原因であることを示唆しています。 約1,640万人のアメリカ人がCOPDと診断されています。 COPDは、気腫、慢性気管支炎など、気流の閉塞によって特徴づけられる疾患を含みます。 喘息など、他の閉塞性疾患は含みません。 慢性気管支炎は気管支内面の炎症と結果として生じる瘢痕で、咳、鼻汁の増加、頻繁な咳払い、息切れによって証明されます。 気腫は不可逆的な肺損傷を引き起こし、咳、息切れ、運動負荷の制限によって証明されます。5
肺癌
米国癌協会の肺癌情報センター(American Cancer Society's Lung Cancer Resource Center)によれば、2002年に米国で164,000件の肺癌症例が新たに生まれると推定されます。 統計は、男性、女性ともに、肺癌が癌による死因の第1位であることを示しています。 結腸癌、乳癌、前立腺癌を合わせた数より、肺癌で亡くなっている人の方が多くなっています。6
肺癌は一般的に長期間にわたって進行し、典型的に50歳以上の人に影響を与える。 米国肺協会の「肺癌に関する事実」(Facts About Lung Cancer)が肺で始まる癌を解説しています。 肺に関連する癌は、主に非小細胞肺癌と小細胞肺癌という2つの種類に分かれています。 非小細胞肺癌は一般的に、小細胞肺癌に比べてゆっくりと遠隔器官に広がります。 扁平上皮細胞癌、腺癌、大細胞癌が、非小細胞癌の3つのタイプです。7
肺サルコイドーシス
肺サルコイドーシスは肺容量に影響を与え、肺が保持できる空気の量を減少させます。 米国肺協会はこの疾患は肉芽腫や、小領域の炎症細胞の存在によって特徴づけられると説明しています。 この病気は肺胞(肺の小さな空気嚢)の壁、細気管支(肺の呼吸管)の壁、肺を取り巻くリンパ節に出現します。 症状には、乾いた咳、息切れ、軽度の胸痛が含まれます。 加えて、患者は疲労、脱力、体重の減少を経験するかもしれません。 症状が肺の外に現れる場合は、鱗状の発疹、足に赤い瘤、発熱、眼の痛み、足首の痛みと腫れを伴うことがあります。8
結核(TB)
結核(TB)は主に肺に影響を与える感染症ですが、身体の他の器官や組織にも影響を及ぼします。 この感染症は空気で運ばれる結核菌によって広がります。 人は結核に感染するかもしれないし、結核症に罹るかもしれません。結核に感染した場合、基本的には結核菌の保菌者ですが、結核菌に影響を受けていない場合もあります。 しかし、結核症に罹った人は病気であり、治療を要します。 結核症の人は病気を広める可能性があります。 結核症の症状は過剰な咳(吐血を含む)、反復性の寝汗、原因不明の体重減少、食欲不振、発熱、寒気、総合的無気力を含みます。 米国肺協会によれば、結核の報告率は1992年から2000年の間に45パーセント低下しました。 報告される結核の減少は、改善結核撲滅プログラムの結果と考えられます。9
肺気腫
米国肺協会によれば、気腫は活動制限に寄与する慢性症状のなかで15位にランクされます。 気腫に罹った人の推定44パーセントが、日常活動が病気によって制限されていると報告しています。 気腫は一般的にタバコの煙への接触から、徐々に進行します。 一部の人は、アルファ1-抗トリプシン欠乏症(AAT)-関連気腫と呼ばれる遺伝型気腫に至る可能性があるアルファ1-抗トリプシン(AAT)の欠陥症をもって生まれます。 気腫の人の場合、肺の気嚢が損傷を受け、血流に酸素を受け渡すことが難しくなる。 肺も弾力性を失うため、息が切れ、息を吐き出すことが難しくなる。10
肺高血圧症(PH)
肺高血圧症には、原発性肺高血圧症(PPH)と二次性肺高血圧症(SPH)という2つの形態があります。 米国肺協会によれば、年間PPHの新規症例が300件あると推定されます。 PPHは次第に肺血管の狭窄が進行して、これらの血管に高血圧を引き起こし、やがて心不全に至る原因不明の奇病と定義されます。 二次性肺高血圧症(SPH)は、その他の種類の肺疾患、異常呼吸の作用、心臓病が原因で起こります。11 Mayo Clinicによれば、PPHの症状と制限には、激しい活動に伴う息切れ、一般的疲労、気を失う、目眩、足首や足の腫れ、胸の痛みや圧迫が含まれる。12
ラテックスアレルギー
職業安全衛生管理局(Occupational Safety and Health Administration、OSHA)は、ラテックスアレルギーについて次のように述べています。「ラテックスアレルギーは1970年代に初めて認識されました。 それ以来、職場で影響を受ける人が増えているため、主要な健康問題となっています。 ラテックス手袋やラテックスを含む医療品に曝される医療従事者が特に危険です。 医療従事者の8-12%がラテックス過敏症であると推定されます。 1988-1992年の間に、連邦食品医薬品局(FDA)は、ラテックスに曝されたことによる健康被害の報告を100件以上受け取ったが、その様な曝露を原因とする死亡例が15件含まれていました(Information obtained from the Internet, Occupational Safety and Health Administration, May 2002, http://www.osha-slc.gov/SLTC/latexallergy/)。
ラテックスアレルギー反応は軽度から非常に重いものまであります。 一般に、刺激性接触皮膚炎から始まって、呼吸器障害を伴なう即時型アレルギー反応に発展します。ラテックスアレルギーの人は、粉のついたゴム手袋や風船から蛋白質を吸い込むことによって、あるいはラテックス製品を使う労働者によって準備された食品を摂取することによって、あるいはゴム手袋、ウエストバンドのラテックス紐、ラテックスバンド、医療機器などの製品と物理的に接触した後に影響を受けます。
ラテックスアレルギーに関するより具多的な情報については、JANの「天然ラテックスにアレルギーをもつ人のための職場環境整備案」(http://wwwjanwvuedu/media/LATEXhtml)、またはJAN(1-800-526-7324V/TTY)までご連絡ください。
エイズ関連の肺疾患
エイズに感染した人は、数多くの肺感染症に罹ります。 最も一般的なのはニューモシスティス・カリニ肺炎(PCP)で、菌類、結核症、バクテリアによって引き起こされるマイコバクテリウム・アヴィウム・コンプレックス(MAC)が原因で発症します。 またエイズになると、バクテリアやカビによる多種多様な肺感染症に感染しやすくなる。13 免疫系に欠陥がある人は、健康でいるために、ウイルスやバクテリアへの接触を避ける努力をすることが重要です。
雇用の権利
呼吸器障害のある人には職場においてどういう雇用の権利がありますか?
個人の権利は各状況に応じて変わります。 JANは強制力を有する機関ではないため、個人が特定の連邦法または州法に基づき保護されているかどうか指摘はできませんが、個人や事業主が米国障害者法および同様の公民権法に基づき権利や義務を定める助けとなる情報を提供できます。
15人以上の従業員を雇用している民間事業主、あるいは州政府または地方自治体の事業主が関与している場合には、ADAが適用されるでしょう。 ADA第1章では適用対象の事業主は、過度の負担にならない限り、適格障害者の周知の身体的または精神的障害に対して合理的な環境整備を供与することが定められています。 更に、同法では事業主は適格障害者を障害があるという理由だけで差別することを禁止されています。
障害のある従業員が職務遂行、あるいは同等の便益と権利を享受するのを補助するための環境整備を要求した場合、適用対象の事業主には当該個人がADAに基づき適格障害者と認められるか、また要求された環境整備が合理的であるか判断する義務があります。 雇用機会均等委員会(EEOC)によると、障害者は病状を理由に変更を要求することもありますが、この要求は必ずしも事業主が変更しなければならないというものではありません。 合理的な環境整備の要求は従業員と事業主間における非公式な対話型プロセスの第一歩です。 環境整備の要求のメリットを検討する前に、事業主は従業員の病状がADAの障害についての定義(18)に合致するか判断しなければなりません。これは従業員が合理的な環境整備を受ける権利を得るための要件です。14
従業員の病状が障害として該当するどうか判断する過程において、事業主はADAに基づき障害について明記された定義に合致するかどうか検討するべきです。 EEOCによると、事業主はこうした判断をする助けとなる合理的な書類を入手できます。 ADAに基づく障害の定義は以下の通りです:
法令による定義: 個人に関して、障害という言葉は以下の状況を指します
(A)ひとつ以上の主要な日常生活動作をかなり限定する身体的、あるいは精神的障害;
(B)こうした障害の記録; または
(C)こうした障害があると認められること。
42 U.S.C.§12102(2); または29 C.F.R.§.1630.2(g)。 同法に基づき障害者と認定されるためには上記の基準の中少なくともひとつの要件を満たさなければなりません。15
ADAに基づき、その個人がADAの障害についての定義を満たすことができない場合、事業主には環境整備を供与する義務はありません。 しかし、事業主は州の公正雇用実施局(Fair Employment Practice Agency)に連絡して州の公民権法の要件を熟知するよう努力するべきです。 居住地の州の適切な機関を見つけるには、JANのウェブサイトをご覧下さい.http://www.jan.wvu.edu/links/cra.html。
連邦法または州法でこうした要件が定められていない場合、事業主は機能的制約のある従業員が効果的に職務を遂行できるように職場での環境整備を供与できます。 JANは事業主が環境整備を考慮するよう奨励しています。 障害のある従業員のために取られた環境整備が障害のない従業員の便益になる場合もあります。
職務への環境整備とは何ですか?
職務への環境整備とは、仕事、就労環境、または慣行に対して、適格障害者が仕事に応募したり、職務を効果的に遂行したり、全従業員に提供される便益と権利を享受することを可能にする変更や調整をさします。 環境整備の目的は障害のある従業員の最大限の能力と仕事の基本的職務との間にある距離を埋めることです。 環境整備プロセスは双方向性のものであり、合理的な環境整備の解決策を決定する場合には従業員と事業主が協力して努力することが必要です。 同プロセスにおける支援に関しては、Job Accommodation Network(JAN)のような外部のリソースに連絡をする必要があるでしょう。
職務環境整備プロセスに関して詳しい情報が必要な場合、JANのウェブサイトhttp://www.jan.wvu.edu/media/JobAccommodationProcess.htmlをご覧になるか、JAN(1-800-526-7234V/TTY)に連絡をしてください。
どのように環境整備を要求するのですか?
EEOCによると、環境整備の要求を書面で行う必要はありません。 しかし、環境整備の要求が行われたかどうか、あるいはいつ行われたかについて争いが起こった場合、障害のある従業員は環境整備の要求を文書化していれば有益だとわかるだろうと、EEOCは提言しています。 書面での要求には従業員をADAまたは同様の州法に基づき環境整備を要求している障害者として確定する情報、問題のある特定の職務を確定する情報、環境整備の必要性に関する情報等が含まれます。 医学的欠陥があることを明らかにし、職場での環境整備の必要性を正当化する書類が添付されているか、あるいは要請があり次第提出されるでしょう。 環境整備の要求について詳しい情報が必要な場合、以下を参照してください: lhttp://www.jan.wvu.edu/media/accommrequestltr.htmでWriting an Accommodation Request Letter(環境整備の要求についての手紙の書き方)を、また施行ガイダンス: Reasonable Accommodation and Undue Hardship Under the Americans with Disabilities Actをご覧下さい。
http://www.eeoc.gov/policy/docs/accommodation.html
環境整備の検討の際に考慮すべき問題点
呼吸器障害
以下に、環境整備をはじめるにあたって問題となる項目の例を挙げました。
機能障害の診断と医学的条件
医師の診断結果は? 診断は個別的症状や制限ほど重要でないかもしれないが、役に立つ。
喘息
慢性閉塞性肺疾患(COPD)
肺癌
アレルギー
患者に見られる症状は?
呼吸困難
疲労
抑うつ
長距離歩行困難
気温過敏症
温度過敏
化学物質過敏症
化学物質過敏症
気候/温度変化(寒すぎる、暑すぎる、湿度)
建設作業(塗装、埃、化学物質、新しい敷物など)
埃、花粉、カビ、白カビなど。
身体的活動(持ち上げる、歩くなど)
芳香かつ/または化学物質
タバコの煙
刺激物とどんな接触をもっているか
身体的
吸入
摂取
個人は職場で酸素を使う必要があるか
酸素の適切な使用と保管のために体制を整える
個人は難なく職場環境までアクセスできるか
利用しやすい駐車場と入口のニーズに対応する
個人の機能制限と職務執行能力に関する文書が提出されているか
主治医など、個人の制限を良く知る専門家によって提供される情報は、個人の機能障害が基本的な職務機能を遂行する能力に今後どう影響を与えるか/現在どう影響を与えているかを決定するときに役に立つでしょう。
環境整備提供を要請している個人から同意を得た上で、仕事内容の説明と、環境整備の必要と個人の職務遂行能力に関連する質問リストを主治医に提供することが有益だと思われます。
個人には特定の医学的制限があるか
職業や職務に特有なこと
職業および役職は?
事務員
肉体労働者
販売
専門職
医療
教育
求職者
新規雇用
長期
職務課題はどうなっているか。障害の結果として、どの課題が難しいか
どのような職務を行っているのかについてはっきりとしたイメージを得るのに十分なだけの質問をします。 たとえば、利用可能な機器、実際に利用した機器、仕事のやり方など。
職務課題は一般的にどのように遂行されるか
変更が実現可能かどうか判断するために、諸機能が一般的にどのように遂行されるか知っておくことが有益です。
環境中の物質によって呼吸器障害が誘発される場合、その誘因を職場環境から取り除くことができるか、あるいは個人は誘因を避けることができるか
職場環境中の空気を調整する
空気濾過装置を利用する
無香料と禁煙の方針を実行する
香りのない、有害物質のない洗浄剤を使う
有毒な有害生物管理慣行の使用を中止する
建設作業をビルに人のいない時間帯に組む、自宅勤務の体制を組む、または代わりの場所を手配する
利用しやすい駐車場を提供する
もしあるとすれば、すでにどんな環境整備が実施されているか
その環境整備は効果的であったか
なぜ効果的だったか、なぜ効果的でなかったか
上司と同僚は、障害に関連する問題や職場での環境整備提供について教育を受けているか 障害と職務遂行能力に影響を与える要素に関する一般教育は、認識を高め、寛容で協力的な職場環境を促進します。 この様な教育は特定の障害者を特定するために使用されるべきではありません。 全体的な障害の認識を高める取り組みがベストです。
一般的な環境整備案
清潔で衛生的な職場環境を維持する
空気清浄機を設置する
必要に応じて、空気を調整、加熱、除湿、加湿する
個人が新鮮な空気を吸うために外に出る、または薬剤投与を受けることをできるように休憩時間を追加する
禁煙と無芳香の職場環境を整える
自宅勤務など、代替就業措置を検討する
建設工事中は、代替の就業措置を認める
代替の有害生物管理環境を使う
柔軟な退社方針を実施する
患者の身体的負担を避けるために、コミュニケーションの方法を変更する
検討すべき製品または環境
携帯可能な空気清浄機
排気ダクト用のフィルタ
開く窓
エアコン、可搬式ヒーター、加湿器、除湿器
利用しやすい駐車スペースと作業環境
エレベーター、チェアリフト、1階の職場
スクーター、電動式カート、車椅子
呼吸マスク
個人用の空調
ボラックスや重曹など、有害物資を含まない洗浄剤
囲いで仕切った個人用オフィス
在宅勤務
無香料で有毒物質を含まない事務用品
有毒物質を含まない建築資材
無芳香の環境
禁煙スペース
職場環境整備案: 呼吸器障害
以下に示すのは職場における環境整備提供のアイデアであり、呼吸器障害関連の制限を経験している個人を念頭に置いた例です。 情報は、認識を高めるとともに、個人に合った環境整備ソリューションに向けて共同する個人と雇用主を支援することを目的として提供されます。 障害を持った人への環境整備は、個別対応を基本に評価され提供される必要があります。 さらに詳しい情報についてはJAN(1-800-526-7234(V/TTY)までお問い合わせください。
アクセシビリティと職場
呼吸器の制限を経験している個人は、長距離を歩く、過剰な身体活動を必要とする活動を遂行する等、全身運動を必要とする活動の遂行に困難をもちます。 業務用設備に近づくこと、設備の周囲を動くこと、仕事に着手すること、及び基本的な職務として移動することに困難を抱えている人のために、アクセス関連の問題に取り組むことが必要です。
職場をアクセス可能な場所に変える。
利用しやすい駐車スペースと、障害物のない、簡単に職場まで移動できる通路を提供すること。
段差のない入口と、自動的に開く、または手で開けるのに最大で5lbの力で開くドアを提供すること。
個人が職場環境全体で使用する区域への出入りに、利用しやすいルートを提供すること。 個人が移動支援用具をまだ使用していない場合は、従業員が長い距離の移動に使うことができるように、スクーターや電動カートを提供することを検討すること。
過度に移動する必要を減らすために、個人の職務環境を、個人が頻繁に使用する設備、物品、部屋の近くに移すこと。 職務環境を、車椅子、スクーター、酸素治療設備の使用ができるように修正すること。 物品や設備が手の届く範囲にくるように、作業スペースを設置すること。
個人が車椅子やスクーターを使っているか否か、および移動支援用具を使用していない個人に長い距離が困難を生み出していないかという観点から、個人の業務環境から容易に利用できるトイレを提供すること。
職場のアクセシビリティに関する情報は以下の情報源を参照してください:
また、http://www.jan.wvu.edu/media/wheelchair.htmlに「車椅子を利用している事務作業者の環境整備」というタイトルの総合的文献があります
ADAアクセシビリティガイドライン(ADAAG)、U.S. Access Board at http://www.access-board.gov/adaag/html/adaag.htm
業務を遂行する場所を修正すること。
従業員が自宅で仕事ができるように手配すること。 極端な天候や環境刺激物への曝露が伴う労働日に備えることは、一部の個人にとって困難を生む可能性があります。 常習的欠勤を削減または回避し、生産性を上げ、労働日の有効性を高めるために、個人が時折または継続して自宅で仕事をすることを認めること。
配置転換の可能性を検討すること。
特定の仕事場所が個人に困難を呈する場合は、別の施設への配置転換を検討すること。 個人をそのニーズに適合した建物及び職務環境、ニーズに合った気候、ニーズに合った利用しやすい場所に配置転換します。
在宅勤務に関する詳しい情報については、JANのウエブサイトをご覧ください。
緊急避難手順を見直すこと。 緊急事態は呼吸器に制限をもつ個人に特殊な難題を呈する恐れがあります。 安全に建物から避難するときに、呼吸器に障害を持つ個人が確実に考慮されるようにするために、緊急避難手順を再検討すること。 呼吸困難、移動困難、疲労などの制限は、緊張を強いられる状況で悪化することが考えられる。 必要に応じて、呼吸器マスク、フード、スモーク・ブランケット、移動支援用具を提供する準備を整えること。 障害をもつ従業員のための緊急避難手順に関する更なる情報については、JANのウエブサイトをご覧ください。
出勤、休暇、パートタイム就業
呼吸器制限の発現は予測できないという特性上、個人が規則的な出勤を維持することが難しい場合があります。 必ずしもすべての個人がこの困難を持つとは限りません。 雇用主は不必要な困難を除きつつ、環境整備として、出勤または休暇規定に調整を加えることが可能かどうか検討するとよいでしょう。 また、柔軟性を認める(遅めの始業及び終業時間、従業員が喪失した時間の埋め合わせすることを認める、休憩時間にも仕事をすることを認める)、または就業時間の削減を目的として従業員のスケジュールを修正することも有益です。
出勤規定を修正すること。
雇用機会均等委員会(EEOC)が執筆した、米国障害者法、表題I、第7章、7.10部、技術支援マニュアル(http://www.jan.wvu.edu/links/ADAam1.html)は、出勤と休暇規定について以下のように述べています:
雇用主は、障害の有無にかかわらず、全ての従業員に一律に提供される出勤休暇規定を確立することができるが、他の従業員がその様な休暇をとれば、障害のある従業員が必要とする休暇を拒否することはできません。
雇用主は合理的な環境整備として休暇規定に調整を加えなければなりません。雇用主は追加の有給休暇を提供する義務はないが、環境整備には休暇の柔軟性と無給の休暇が含まれます。
一律に適用される休暇規定はADAに違反しません。障害のためある個人に対してより深刻な影響をもたらす恐れがあるためです。しかしながら、障害のある人が妥当な環境整備として、その様な規定の修正を要求すれば、それが不当な困難を呈しない限り、雇用主は修正を行わなければなりません。
ひとつの環境整備として、障害のある従業員が事前通告なしに予定を中止することを認めたり、予定にない欠勤で罰せられないようにする、といった形で、雇用主は出勤規定の修正を検討することができます。 個人は事前に休暇の予定を組まずに、必要に応じて、未消化の休暇や病気休暇を使用することを認められるようになるかもしれません。 予測不可能な呼吸器制限を抱えている人の場合は、予定された労働日を取り止めることに関して、1,2時間以上前に通知することは不可能です。
規則的な出勤は基本的な職務機能である場合もあるし、そうでない場合もあります。 もし予測不能で信頼できない出勤状態が、基本的職務機能を遂行する個人の能力やビジネスの運営に実質的な影響を及ぼすならば、出勤規定の修正は妥当な環境整備とはならないかもしれません。 環境整備の合理性について知りたい場合は適切な法律専門家に尋ねるかEEOC at 1-800-669-4000 or 1-800-669-6820 TTYまで連絡してください。
環境整備として休暇を提供すること。
呼吸器障害をもつ人は、環境整備として休暇を要請する場合があります。 呼吸器障害をもつ人に、治療を受ける、あるいは悪天候や悪い環境条件を避ける、または病気の発症から回復するために未消化の休暇を使うことを認めたり、無給休暇を追加で提供することは環境整備の提供といえます。 休暇は断続的に、または継続して一定期間使うことができます。 環境整備としての休暇に関する詳しい情報については、以下を参照してください。
EEOCの指針: Enforcement Guidance: アメリカ障害者法における適切な環境整備と過度の困難:
http://www.eeoc.gov/policy/docs/accommodation.html
就業時間を修正する、またはパートタイム制を敷くこと。
就業時間の修正やパートタイム制はひとつの環境整備といえます。 EEOCによれば、従業員がパートタイムの身分で基本的な職務機能を遂行することができるならば、従業員が働く労働時間を削減することはひとつの環境整備です。
休憩時間を提供すること。
薬剤を服用する、呼吸治療を受ける、または酸素容器を処理する必要から、個人は1日を通じて、または必要に応じて、定期的に休憩を取らなければならない場合があります。 個人と雇用者は協力して、休憩をとるにはどの時間帯が最も適切か見極めるべきです。 雇用主は、従業員が休憩時間を柔軟に取ることができるようにすることを検討し、恐らく個人が医療面の問題を私的に処理できる場所を提供することができる。
屋内空気の質(IAQ)、屋外作業、温度過敏症
アメリカ環境保護庁(EPA)は室内の空気の質改善のための提案をまとめています(Office Building Occupant's Guide to Indoor Air Quality found at http://www.epa.gov/iaq/pubs/occupgd.html)。 雇用者は呼吸器障害の有無にかかわらず、従業員のために、屋内空気の質という問題に留意すべきです。 優れたIAQは労働者の生産性を高めることができます。
実用的な窓のあるオフィスまたは作業空間を提供すること。
多くのビルは開く窓がないため、作業環境の空気の流れを改善する方法を捜すことが役に立つでしょう。 施設管理者、HVACのスペシャリスト、産業衛生の専門家もこの活動を支援することができます。 アメリカ工業衛生協会(American Industrial Hygiene Association、AIHA)は国内の専門家に照会することができます。 より詳しい情報はAIHAのウェブサイト(http://www.aiha.org/)を見るか、1-703-849-8888まで連絡してください。
暖房、換気、空調(HVAC)システムを維持すること。
埃や湿度の蓄積を防止するためにHVACシステムを維持すること。 システムがビル内外の場所から職場に汚染物質を撒き散らしていないことを確認しなければなりません。 HEPAフィルタを使うとともに、排気ダクトを適切に清掃すること。
屋内空気の質をテストすること。
質の悪い空気、埃、カビや白カビの蓄積、揮発性有機化合物(VOC)濃度などを評価するために、産業衛生の専門家に空気の質をテストしてもらうこと。
建物全体もしくは患者の個室座席で空気清浄機を利用する。 多種多様な空気清浄技術が利用可能となっています。 空気清浄方法とシステムに関する技術情報については、以下の情報源を参照してください:
全米空気濾過協会(National Air Filtration Association)
空気濾過へのNAFA指針
http://www.nafahq.org/publications.htm
アメリカ環境保護庁
住宅用空気清浄装置: 住宅用空気クリーナー:利用可能な情報の要約
http://www.epa.gov/iaq/pubs/residair.html
American Lung Association
住宅用空気清浄装置:種類、効果と健康への影響: タイプ、効果、健康への影響
http://www.lungusa.org/pub/cleaners/air_clean_toc.html
職場環境の汚染物質を減らすこと。
芳香、タバコの煙、化学物質、埃、カビ、白カビ、有害洗浄剤、殺虫剤、排気ガスといった汚染物質がない作業環境を維持しなければなりません。
コピー機やそれに類似する事務機器から出る熱気を排出するシステムを提供すること。
空気の質を改善するために植物を使うこと。
航空宇宙局(NASA)は永年、ビル内部の空気から有毒化学物質を取り除くことを目的に、一般的な室内植物の利用を研究しています。 NASAの研究によれば、イギリスアイビー、ボストンタマシダ、ゴムの木、チャイニーズ・エバーグリーン、バンブーヤシ、ピースリリーなどの植物が、空気からホルムアルデヒド、ベンゼン、一酸化炭素を除去することが分かっている。 詳しい情報については、Dr.B.C. Wolvertonの「新鮮な空気の育て方」ペンギン・プットナム・ブックス、ニューヨーク、1-800-526-0275またはhttp://www.Amazon.comをご利用ください。
マスクを提供すること。
個人が埃やその他刺激物への曝露のために戸外での作業に困難を抱えている場合は、特定の個人にマスクが有効であるか否かを評価しなければなりません。 マスクは埃や化学物質など屋内にある刺激物への曝露を減らすために、屋内でも装着できます。
寒い天候が問題を呈する場合は、戸外が寒いときに吸い込んだ空気を暖めることのできるマスクが効果的です。 個人がマスクをしながら働けるか否かを決定するために、雇用主は個人の主治医と相談することが推奨されます。
室内温度を個人にニーズを満たすように調節すること。
特定の個人の必要に応じて、エアコンや暖房を提供すること。 戸外の極端な温度が問題を呈するようならば、屋外温度への曝露を避けたほうがいい日は自宅で働くなど、それに代わる労働方法を検討しなければなりません。
職場の芳香
芳香は喘息、アレルギー、化学物質過敏症などの病状がある個人に呼吸器制限を誘発する恐れがあります。 芳香過敏症に関する情報と環境整備案についてはJANのウェブサイトをご覧ください: 芳香過敏症による困難がある人のための職場環境整備案http://www.jan.wvu.edu/media/fragrance.html
建設と改装活動
事前に通知すること。
記号、メモ、eメール、従業員記録簿などの方法で、改装や塗装といった工事を従業員に通知すること。 定期的に通知すべき従業員を対象にして、任意の登録簿を作成することもできる。
代替の作業環境を提供すること。
上記の活動に使われる化学物質に敏感な個人には、別のオフィスを使用する、当該ビルの違う階または別のビルで仕事をする、戸外で働くまたは自宅で働くという選択肢を提供するなどの代替措置が役に立つと思われます。
有毒物質を含まない建築資材、備品、供給品を使うこと。
有毒物質を含まない敷物やそれに代わる床仕上げ材を使うこと。
タイルや綿素材のマットなどの保護物を使うことができる。 敷物が必要ならば、新しい敷物のガス発生を減らすような製品を使うこと。
有毒物質を含まない溶剤、下塗材、染色液、塗料などを使うこと。
改装や建設活動は従業員を念頭において計画を立てること。
可能ならば、こうした侵襲的な活動に従業員が曝されることを減らすために、保守管理や改装活動はビルに人がいないときに実施されるように予定を組むこと。
清掃活動
事前に通知すること。
記号、メモ、eメール、従業員登録簿の方法で、清掃活動、床のワックスがけ、敷物の洗浄を従業員に事前に通知すること。 通知を希望する人のために、任意登録の名簿を作成しておく。
有害物質を含まない洗浄剤、敷物の洗浄剤、ワックスなどを使うこと。
清掃活動は従業員を念頭に計画を立てること。
可能ならば、こうした活動に従業員が曝されることを減らすために、清掃はビルに人がいないときに実施されるように予定を組むこと。
有害生物管理慣行
有害物質を含む殺虫剤の使用を止めること。
別の有害生物管理方針を採用すること。 職場内外の有害生物を未然に防ぐよう対策をとること。 合成の芝手入れ剤の使用は中止しなければなりません。
職場におけるタバコの煙
禁煙の職場環境を造ること。
もし建物が禁煙でなければ、禁煙の職場環境を造る、または喫煙場所を指定すること。 喫煙場所は、タバコの煙に過敏な従業員が容易に避けることができる場所に設置される限り、建物の内部でも、建物の外部でも構わない。 喫煙場所として、共同で利用する通路、建物のエントランス部分、ロビー、食堂などは適さない。 建物の中に喫煙場所を設ける場合、窓を開けるなどして良好な通気を確保し、煙が建物内に広がらないようにします。 喫煙場所もしくは建物全体に空気清浄機を設置します。 煙を出さない灰皿を使うこと。
喫煙可と禁煙のオフィススペースを提供すること。
喫煙を職場で認めなければならない場合は、互いに近接しない、喫煙可と禁煙のオフィススペースを設けること。
禁煙の会議室を設けること。
禁煙の会議室を設け、すべての会議を禁煙にするよう手配すること。 これが不可能ならば、スピーカーホン、ビデオホン、オンライン会議などの選択肢を使って離れた場所から会議に参加することを認めなければなりません。
代替のコミュニケーション方法を提供すること。
たとえ職場が禁煙であっても、煙はビルの外でタバコを吸った従業員の服や髪の毛に残ります。 残った臭いに曝されると呼吸器制限を引き起こすことがあります。 禁煙で、空気清浄器と換気を整えた会議室を用意しなければなりません。 電話、e-メール、インスタント・メッセージ、ファックス、メモ、禁煙メディエーターを介してコミュニケーションすることを個人に認めること。
空気の質を改善するために植物を使うこと。
その他の煙
ディーゼルや自動車の排ガスが問題を呈するようなら、排ガスを避けるために何か変更を加えることができるかどうか判断するために、仕事と労働環境を評価すること。
呼吸器マスクを提供すること。
仕事が排ガスとの直接接触を必要とする場合は、職務機能の遂行を妨げることなく、呼吸器マスクを装着できるかどうか評価しなければなりません。 個人の主治医と協議の上、個人が安全に呼吸器マスクを装着できるかどうか判断することが必要となるでしょう。
職場の配置替えを行うこと。
従業員の作業スペースを刺激物から離すこと。 例えば、駐車場の隣で働いていても、その職務が遂行される場所に依存しない場合は、個人を別の場所に移動させなければなりません。
配置替えの選択肢を検討すること。
適切な場合、特定の排ガスとの接触を必要としない空席への配置替えを検討すること。
問い合わせ先リスト
(完全なリストではありません)
参考文献
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