ペントバルビタール (ネンブタール、三共 )
rat | mouse |
25 mg i.v. 50 mg i.p. | 35 mg i.v. 50 mg i.p. | |
- 短時間作用型バルビツレート
ーバルビツレートは、脳幹網様体賦活を抑制し、催眠作用を示す。
ー鎮痛作用はない。
ー呼吸器系の抑制
- ratなどでポピュラーな麻酔薬
- 投与法:腹腔内投与/静脈内投与
- 40〜50mg/kg i.p.---1時間程度持続
- 鎮痛作用に乏しい!
- 神経に対する抑制作用が強いので、中枢神経系の実験には不適
|
チオペンタール thiopentone
rat | mouse |
20 mg i.v. 40 mg i.p. | 25 mg i.v. 50 mg i.p. |
|
- 超短時間作用型バルビツレート
ー脂肪組織に沈着するので、血中濃度が速やかに減少する。
- 鎮痛作用は乏しい。
- 心臓に対する抑制は、アトロピンで予防できる。
- 水溶液の状態では不安定。一度溶解したら7-10日以内に使用
|
ウレタン
|
- Carbomic acid ethyl ester
- 長時間麻酔作用が持続(6-10時間) 20-25%溶液を用いて1-1.5g/kg
- 心血管系と呼吸器系の抑制は最小である。
- 心血管系に対する安定は,交感神経の緊張によるアドレナリン/ノルアドレナリン放出による。
- 中枢神経系の実験によく使われる。
- 中等度の発癌物質、再奇形性があるので、乾燥粉末から薬剤を溶かすときにはドラフト/手袋使用
|
ウレタン+chloralose
|
- ウレタン単独では血糖値が著名に上昇するので、それが好ましくない実験では、ウレタンを1g/kg以下に減らして、α-chloralose (0.06g/kg)を混合する。
- α-chloralose は水に溶けにくいので、溶液を作成するときはpHを調整するするためにSodium Borateを加えることもある。
- ウレタン0.7g/kg, α-chloralose 0.06g/kg (ウレタン 11.66g α-chloralose1.0g Borate 1.5gを溶かし、体重100g当たり0.6mlを 腹腔内投与
- α-chloraloseを溶解するために加熱すると、毒性の強いβアイソフォームが産生される。)
|
→塩酸ケタミン (ケタラール®、三共)
rat | mouse |
60-200 mg i.m. | 100-200 mg i.m. | |
- (+−)−2−(2−chlorophenyl)−2−(metylamino) cyclohexanonehydrochloride
- フェンサイクリジン PCP作用部位に結合
- 鎮痛作用のある麻酔薬 NMDA受容体拮抗薬
- 解離性麻酔薬
- 筋緊張が強い。
- 筋肉注射、静脈内投与
- 短時間の麻酔 100mg/kgで1-2時間持続
- 優れた麻酔薬:1)安全域が広い 2)多様な動物種に使用可能 3)筋肉内投与、静脈内投与、皮下投与、経口投与を含む多様な投与経路が使用可能 4)1回の投与で確実な鎮静化・不動化が可能 5)ケタミンによる鎮静および全身麻酔中の循環抑制・呼吸抑制がほかの麻酔薬と比較して少ない。
- ケタミンによる麻酔は特徴的:動物は目を大きく見開いたまま、カタレプシー様に意識を消失し、周囲環境に対して無反応となる。また無目的な筋肉運動が認められるが,これは,
- 麻酔深度が浅くなくても、無目的な筋肉運動が生じることがあるので、麻酔深度の判定は難しい。
- 厚生労働省は2005年12月13日に乱用が問題となっている全身麻酔薬ketamineを、麻薬及び向精神薬取締法に基づく「麻薬」に指定することを決め、2006年3月23日に改正政令を公布し、2007年1月1日から施行され、規制の適用を受ける。
|
→キシラジン xylazine |
- α2受容体作動薬
- 軽度から中等度の鎮痛作用
- ほとんどの麻酔薬の作用を増強する。
- ケタミン麻酔時に併用
- バルビツレートと併用した場合に,重篤な呼吸抑制を起こす可能性がある。
|