クロマトグラフィー chromatography
- 液体クロマトグラフィー LCは,微粒子等(充填剤)を詰込んだ筒状のカラムに水や有機溶媒などの液体を流しながら、カラムの物理的性質にてサンプルの成分の分離を行う。
- 移動させる液体(移動相 mobile phase)と充填剤に浸透させる液体(固定相 stationary phase)の間で分配することにより、混合物中の各物質を、電荷や分子の大きさ、その他によって単離する生化学の技術。
- 移動相 mobile phase:試料を含む緩衝液を添加した後、さらに緩衝液をカラム中に送り込んで試料を移動させる。(グルタメート分析用の移動相には、緩衝液は含まれない。
- カラムの充填剤には、分配・吸着・イオン交換・ゲル浸透といった種類がある。
- 一般に,カラム内部の粒子を小さくすることで実効表面積を増やしたり、カラムの形状をより細長くすることで分離性能を向上させることができるが、送液の圧力が高くなる問題が生じる。
- これらの高圧に対応できるポンプや配管などで構成され、微量分析に対応する高感度の検出器をそなえたLCを、HPLCと呼ぶ。
.
|
HPLC- HPLCは、ステンレス製の密閉カラムを用い、ポンプで高い圧力をかけ、固定相中の微細間隙を高速で通過させ、試料中の各成分の分子のサイズや荷電、移動相(溶媒)への溶解度の差などによって成分を分離する。
- HPLCによって得られるクロマトグラム上には、成分に相当するピークが特定の位置に現われ、そのピーク面積は成分の相当量に比例する。
- 一方、MSはその物質が何であるかを同定する「定性分析」能力に優れている。しかし、MSでは多種の混合物を同時に同定することは困難。
- そこで、まず混合物の分離手段としてHPLCを用いて混合物を各成分に単離し、直接MSで検出することにより、各成分の定性分析が容易になる。
|
検出器 detector
- タンパク質も核酸も紫外線を吸収するため、紫外線の吸収を測定することにより各分画のタンパク質濃度もしくは核酸濃度を測定するのが一般的である。
- 通常、HPLCシステムは紫外線吸収を測定する検出器を備えている。また、タンパク質精製においては、各分画の酵素活性を測定したり、特異的抗体を用いたりして目的のタンパク質の検出を行うことも多い。
- HPLC用検出器には、主に、紫外線可視分光検出器(UVD)、蛍光分光検出器(FLD)、電気化学検出器(ECD)などがある。
- カテコラミン類とセロトニンなどの電気化学活性を有する物質は、電気化学検出器(ECD)をそなえたHPLC法により好感度分析が簡便に行われる。
- アセチルコリンやアミノ酸などの電気的に不活性な物質でも、酵素反応や化学反応により電気化学的に活性物質に誘導すれば、HPLC-ECD法で測定できる。
=ECDや蛍光検出器を組み合わせたHPLC法 →グルタメートの測定
- 神経ペプチドの分析は、ラジオイムノアッセイ、エンザイムアッセイを利用する。
|