治療薬 │抗てんかん薬 antiepileptic drugs:AEDs, anticonvulsant =抗痙攣薬│
 ←→Naチャネルブロッカー/痙攣/痙攣物質 参考1

■てんかん →抗てんかん薬/痙攣


■抗てんかん薬(抗痙攣薬) →てんかん/痙攣
 [除痛に使用する抗てんかん薬]
その他の抗けいれん薬ー臭化物

│痙攣物質│ ←→抗痙攣薬/痙攣/GABA受容体動物モデル
    ピクロトキシン picrotoxin
    • ツヅラフジ科アナミルタ Anamirta cocculusのベンジルイソキノリン型アルカロイド、種子に含まれる猛毒成分
    • ピクロトキサン系セスキテルペン骨格を有する。
    • GABAA受容体アンタゴニスト:GABAA受容体のピクロトキシン結合部位に結合し、Cl-チャネルを遮断する。
    • ピクロトキシンけいれんにはジアゼパムが有効
    ビキュキュリン(ビククリン) bicuculline
    ガバジン gabazine (SR-95531)
     ガバジン, 2-(3-カルボキシプロピル)-3-アミノ-6-(4-メトキシフェニル)ピリダジニウム ブロミド
     Gabazine, 2-(3-Carboxypropyl)-3-amino-6-(4 methoxyphenyl)pyridazinium bromide
    • GABAA受容体の特異的アンタゴニスト
    • 研究使用のみ、医療には使われない。
    • GABAA受容体ーチャネル複合体のGABA認識部位に結合し、チャネル開放のアロステリック阻害
    • 塩素イオンの流入を阻害することによるGABA介在シナプスを抑制し、過分極を抑制する。
    • phasic (synaptic) inhibitionはgabazine-sensitiveであり、tonic (extrasynaptic) inhibitionは相対的にgabazine-insensitiveである。
    ペンテトラゾール pentetrazol =ペンチレンテトラゾール pentylenetetrazole:PTZ ←→動物モデル
      C6H10N4
    • 痙攣誘発物質、呼吸促進薬、GABA-A受容体拮抗薬
    • GABA受容体のピクロトキシン結合部位に結合し、GABAの効果を弱める。
    • てんかんの診断に際して、脳波の賦活などに用いられる。
    ストリキニーネ strychnine
      痛みと鎮痛の歴史年表
      鎮痛2NSAIDsその他→ストリキニーネ

    • 神経興奮薬、痙攣薬
    • マチン科の樹木マチン Strychnos nux-vomica (インド、スリランカ原産)の種子に含まれるモノテルペンインドールアルカロイド。イグナチウス豆にも含まれる。
    • マチンの種子を生薬ホミカと称し、ホミカは苦味健胃剤に配合されるが、量を誤ると全身の筋肉の強直性けいれんを起こす。ホミカの種子1個で、致死量に近いアルカロイドを含んでいる。
    • 名称は似ているが、キニーネとは無関係。
    • 猛獣の殺傷、殺鼠剤に用いられるほか、神経の興奮剤としても使用される。
    • 運動ニューロンのグリシン受容体に結合して そのシナプス後抑制を遮断する。
    • 介在ニューロンであるRenshaw細胞(脊髄のα運動ニューロンに抑制をかけている抑制性介在ニューロン)の伝達物質であるグリシンと競合して遮断する。
    • Renshaw細胞とα運動ニューロンのシナプスを遮断し、脱抑制により、興奮性が亢進する。
    • 少量では脊髄に対する強力な中枢興奮作用を呈するが、大量投与では全身の筋肉の強直性痙攣を起こし死に至る。致死量は0.1〜0.03グラム。
    • 初めに筋の緊張が上昇し、反射興奮性が増大、中毒症状が進むと呼吸困難、強直性痙攣が起こり始め、甚だしくなると全身の骨格筋が強縮を起こし、酸素欠乏で死に至る。
    • 伸展筋の緊張が持続し、典型的な強直性痙攣、opisthotonus(弓なり緊張)を示す。心循環系、消化器系には影響を与えない。痙攣に伴い、横紋筋融解が起き、ミオグロビン尿が出る。
    • 吸収が非常に速いので、中毒症状は30分以内、全身痙攣は15-60分で現れる。痙攣の前に筋の強直や興奮、risus sardonicus(痙笑:ひきつり笑い)が見られることがあるが、突然の痙攣で始まることもある。重症の場合は3-6時間で死亡するが、strychnineは分解も排泄も速いので、痙攣が24時間以上続くことはまずない。24時間持てば、生命に対する予後は良好。死因は痙攣による呼吸麻痺である。
    • ストリキニーネ中毒に対してはバルビツール酸誘導体が拮抗薬となる。
     →テバイン---痙攣作用がある。


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